cloudphobia(クラウドフォビア)とは、インディーズゲーム制作サークルMarsboundからリリースされたPC向け横スクロールシューティングである。
概要
以前より製作途中の1面のみプレイ可能なバージョンがたびたびフリーソフトとして公開されていた[1]。
製品版完成にあたり2008年12月にダウンロード版、2009年1月にパッケージ版がそれぞれ正式リリースされた。
2面までプレイ可能な体験版も公開されている。
当時としては要求スペックが高めだったものの、関節アニメで滑らかに表現されたメカや装甲の反射表現などのエフェクト、ブーストによる高速スクロールのスピード感とそれを際立たせる立体的なカメラワークの背景、板野サーカスばりのミサイル演出などは注目を浴びた。
2009年5月には大掛かりなバージョンアップ(Release No.29)があり、従来の各面を個別にプレイする方式から全5面を順に連続でプレイする方式への変更、難易度選択の実装、視認性や一部ステージ構成の調 整などが実施された(旧版購入者は無償でアップデート可能)
現在各販売サイトで購入できるダウンロード版はいずれもこの新しいバージョンとなっているようで、これから購入する場合はパッケージ版を入手しない限り旧バージョンはプレイできないようだ。
(新ver.移行以後に旧ver.のサポートは行われておらず旧版用パッチの公開も終了しているので、入手及びプレイは自己責任でとなる)
本記事でも基本的に新しいバージョンについて記載している。
2013年3月には、海外翻訳版がIndie RoyaleのThe Debut Bundleの一部として販売開始された。
ストーリー
――― 本空域にて演習中の新型試作機"EAM-01Pエングラー"パイロット"EG-04 ミスト"が我が艦に対し突如造反を開始した。
現在、周辺に展開している無人戦闘機はすべて彼女のコントロールの支配下にあり、我が艦はこれらの攻撃に曝されている。
また、試作機には戦艦の主砲に匹敵する大口径ビーム砲が装備されており、一射目は何とか直撃を免れたが、
本艦の攻撃システムと有人艦載機のほとんど全てを失った。
現在二射目を発射すべくエネルギー充填が行われている。次弾発射までは残り約三分。
貴君の使命はそのビーム砲が発射される前に、残された有人艦載機で試作機のもとまで接近し、これを破壊することである。
攻撃目標までにはかなりの距離があり、通常兵器のスピードでは時間内の到達は困難であると考えられるが、
貴君の機体に搭載された高出力ブースターを駆使すれば任務の遂行は可能であると判断している。
健闘を祈る。
(日本語マニュアルより引用)
キャラクター
- EAF-06 ロフタラス (プレイヤー機)
高機動力・高火力・高汎用性を誇る帝国軍の主力兵器。
ブースターによる加速で、スクロール速度と画面内移動速度双方をスピードアップできる。
ゲーム開始時に主武装をライフルとブレードいずれかから選択し、ゲームオーバーまで変更出来ない。
発射時に短い無敵時間を伴うミサイルを1ステージ中最大8回まで使用可能。
なお、武装選択時に表示されている名称は武器名のはずだが(特に海外では)機体名だと思われてしまっているようである。
海外翻訳版を販売するRockin' Androidも同様に認識している様子が見られるが、そもそも英語版マニュアルにはキャラクター名表記が一切無いためだと思われる。
日本語マニュアルでもスペルは公開されておらず不明だが、他のキャラクター名称のいくつかがシガー・ロスの曲に関連するアイスランド語由来である(エングラーについては作者がtwitter上で発言している)事から、同じくシガー・ロスの曲名に使用されている単語loftárása(ロフタラサ、空爆の意)がロフタラスの由来ではないかと推測できる。
プレイヤーはこの機体を操る帝国の名も無きパイロットの一人であり、パイロットスーツとモノアイの光るヘルメットに身を包んだその姿はゲーム本編ではなく、オープニングムービーで見る事ができる。
※ゲーム中のイベントシーンに登場する素顔の見える青年ではない
- EG-04 ミスト (エングラー専属テストパイロット)
帝国軍の研究施設で遺伝子改造を施された少女。
研究のため一生のほとんどすべてを実験室とコクピットの中で過ごす過酷な生活を強いられていた。
本作のタイトルであるcloudphobiaとは、広大な空に自由を見出す彼女がそれを覆い隠す「雲」を怖れるという設定に由来するようだ。
1面ボス戦でのエングラー撃墜後、2面冒頭でソルによって墜落地点の残骸から奪取される。
- EAM-01P エングラー (1面ボス)
帝国軍が開発する次世代戦闘兵器。ミストが搭乗し、テスト中に暴走を起こす。
膨大な数の無人兵器を操る事が可能で、1面に登場する敵は全てこのエングラーの支配下にある帝国の無人兵器である。
1面とその他の面で敵のデザインが異なるのはこのため。
- ソル・スヴェインベルク (スタラルファーパイロット)
帝国からの独立を画策する火星植民政府軍の将校。
エングラーの機体情報とパイロット奪取のため地球に降り立つ。
OPムービーやゲーム中のイベントシーンで顔を見せている青年はいずれも彼である。
ミストを奪取後、彼女と軍務以外の交流もあったであろう事が各シーンから伺える。
- スタラルファー (ライバル機)
ソルの搭乗する黒い機体。自機ロフタラスよりもかなり大きい。
中ボスやボスとして数度登場し、その度に武装も異なる。
プレイヤー視点で見てライバル機扱いとしたが、本作においてロフタラスのパイロットは徹底して個性が主張されていない作風の為、実際に作中の人物同士にそのような感情があるかは不明。
操作方法
通常攻撃、ブースト、ミサイルの3ボタン+8方向移動。ゲームパッド対応でポーズボタンも設定可能。
ブーストボタンは押すたびにON/OFFが切り替わるAlternateと、押している間だけONになるMomentaryから選択。
Alternateはボタンを押し続ける負担の大きいライフル、Momentaryはダッシュ的用途に使用しやすいブレードに向いている。
キーボード操作はキーコンフィグできずZXC固定だが、同時押し制限対策で通常攻撃とブーストが統合されたキーがDに用意されている。
システム
- ルール
各ステージそれぞれ3分の制限時間が設けられており、時間切れになると各面ごとに用意された演出とともにゲームオーバーとなる。
また、画面外に逃した敵は自軍の「母艦」へダメージを与える設定になっており、撃ちもらしが多すぎると母艦撃沈となりこれもゲームオーバー。
このように、ある程度ブーストによる加速で急がなくては時間が足りないが、あまり急ぐと母艦にダメージが入りやすいという相互関係になっている。
各ステージクリア時にそこまでの累積スコアに応じて自機と母艦の耐久力(最大値の50%分まで)およびミサイルの残数(最大8セットまで)が補給される。
このため、クリア重視の場合もある程度はスコアを意識した方が有利になる。
- ブースト
ブーストボタンにより加速している間は画面のスクロール速度が速くなる。
これを駆使して制限時間内にボスへ到達および撃破する事になるが、スクロールが速まる事で敵の出現ペースや敵弾の速度が速くなってしまう。
実際にクリアするだけならそこまで無理をしなくても良いステージが多いが、タイムアタックを狙う場合はいかに被弾せず、加速していない時間を削るかの戦いになる。
ブースト中は自機の画面内移動速度も速くなり、こちらの用途で活用する場合もある。
また、ブースト点火の瞬間は爆発的な加速力があり、ダッシュのように高速移動できる(してしまう)
不要な場合は逆方向に移動入力す事で即座に打ち消せる。
- スコア
本作で大きなスコア要素は主に2つある。
一つは倍率ボーナス(公式にはミサイルボーナスとなっているが、判りやすくするため本項では倍率ボーナスと表記)
これはミサイルで敵にトドメを刺すと敵の撃破基本点に倍率が掛かるというもので、2発ずつ計4回に分けて発射されるミサイルにはそれぞれ順に2倍、4倍、8倍、16倍の倍率が設定されている。
この倍率はボスを含む全ての敵に有効で、ボスに対して使用した際獲得できたスコアはクリア時のDestruction Bonusで確認できる。
※なお敵の体力ゲージは、雑魚の場合1目盛りにつきミサイル1発分の体力を表しており、中ボスと大ボスの場合はミサイル8発分の残体力を示す目盛りが末端に1つだけ表示されている。
もう一つはコマンダーボーナス。
赤色の敵機はコマンダーと呼ばれ、それぞれに設定されたコマンダー基本点にそこまでのヒット数(ステージ内の累計敵撃破数)を掛けた物がボーナスとして加算される。
これは普通に敵を倒していれば自然に獲得できるが、ミサイルでコマンダーを撃破した場合はこのコマンダーボーナスが一律2倍になる。
ヒット数や一度に巻き込めるコマンダーの数との兼ね合いで、より多くスコアアップが狙えるミサイルの使用タイミングを考えるのがポイント。
※2、4、5面に登場する固有の姿をした中ボスは赤色ではないがコマンダー扱いとなっており、コマンダーボーナスが獲得できる。
これら2種のボーナスは同時に獲得する事ができるので、コマンダーであり撃破点も高い赤い大型敵と中ボスは特にスコアアップにおいて重要な対象となる。
他にボーナス要素としては敵弾に対するかすり点がある他、各面クリア時にヒット数、残りタイム、自機の残り体力などに応じた各種ボーナスが得られる。
なお、母艦の残り耐久力はスコアに一切影響しない。
- Warningゲージ (敵の出現警告)
本作を攻略する上で、地味に重要な要素。
多方向から画面に進入する敵の出現位置とタイミングを予告するサインだが、要所ごとにこのサインを目印にするとステージ構成を覚えやすく、完全に暗記できなくとも展開を掴みやすい。
出現パターンを覚えられず苦労している場合は敵配置そのものを直接暗記しようとせず、このサインをたよりに特徴的な場面から大まかに覚えていくのが良い。
- ランキング
クリアタイムおよびスコアのローカル、ネットランキングが搭載されている。
ネットランキングでは難易度別にタイムとスコアそれぞれでソートされた上位の記録およびリプレイの閲覧が可能。
自分自身のプレイはローカル保存する事もできる。
ただし、いずれもプレイ直後のタイミングでしか登録や保存ができず、ローカル保存したスコアやリプレイを後日ネットランキングにアップロードするといった事は出来ないので注意。
※これらの機能は体験版では使用できない
武装解説
- ライフル: PLG-90 (Laser Ignition Rifle)
連射が効き長距離攻撃が可能なライフル。若干細いのが心もとないが安定した遠距離火力を持つ。
ショット判定とは別に小さなオーラ判定が根元にあり、接射で両方当てれば時間当たりの火力は若干ブレードを上回る程に高い。
押しっぱなしで自動連射されるが、目押しで1発ずつ撃つ事もできるので細さと相まって雑魚1匹単位での撃破調整がしやすく、稼ぎの仕込みには便利。
- ブレード: Núllpunktur (Vibroblade)
射程は短いが大きく振りかぶるため、広角を攻撃できるブレード。範囲攻撃であり複数の敵に同時ヒットする。
ボタンを押しっぱなしまたは連続入力することで抜刀しながらの1斬目→斬り下ろす2斬目→回転斬り(押しっぱなしで持続)の3段階に派生する。
それぞれの派生時はある程度ディレイを掛ける事も可能。
1段目と2段目は隙があるものの火力が高く、耐久力の高い敵に対してはこの2段止めの繰り返しでダメージを取るのが基本。
3段目の回転斬りは威力が非常に低いものの、攻撃判定が持続し続けるため雑魚編隊の処理に有効。
しかしいきなり出すことは出来ないので、事前に展開しておく必要がある。
つまり実際の運用としては回転斬りがメインで、時折硬い敵相手に斬撃を振りなおすといった感じになる。
ライフルではダメージを全く与えられない一部中ボスの弱点以外の部位に対しても、ブレードであればある程度のダメージを与える事ができる。
- ミサイル
回数制限のある特殊武器。
開始時に満タンの8セット所持、ステージクリア時にスコア成績に応じて1度に最大で8セット分まで回復できる。
発射開始時に約1.5秒の無敵時間があり、この間は自機が青く点滅する。
1度の使用でミサイルを2発ずつ計4回に分けて撃つようになっており、これで敵にトドメを指した場合特殊なボーナスが発生する(システム>スコアの項目を参照)
ホーミング兵器ではなくロックオン兵器であり、対象の選択基準は基本的に距離の近い敵優先となっている模様。
耐久力を超える数の無駄なロックはしないが、命中前にロック対象が消失した場合の再ロックも行われず無駄弾となるので注意。
なお、4分割されたそれぞれの発射タイミングごとにロック対象を決定しているので、撃ち始めてから移動する事である程度ロック対象をコントロールできる。
本作ではスコア稼ぎで重要な役割を担っており、1ステージ内で最大8回まで使用できるこのミサイルの配分や、より有効な撃ち方に関する攻略が非常に奥深い。
関連動画
Normal クリアまで ブレードでのプレイ (全面収録のためネタバレに注意)
Hard 2面まで ブレードでのプレイ (Hardは製品版のNormalクリアで開放)
旧バージョン3面 ライフルでのプレイ (現在のバージョンとは一部異なります)
関連商品
cloudphobiaに関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
関連コミュニティ
cloudphobiaに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
脚注
- *既にいつ頃から公開されていたのかもはっきりしないが、現在確認可能な範囲では「shooting maniacs.(シューティングマニアックス)」というフリー・同人シューティング(STG)関連情報サイトで2003年10月24日に紹介されている
のが最古の記録か?
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- ページ番号: 5343417
- リビジョン番号: 2218359
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