Hearthstone とは、Warcraftシリーズと世界観を共有したオンラインカードゲームである。開発はブリザード・エンターテイメント。Windows, Mac, iPad, iPhone, Android, Kindleで遊ぶことができる。
概要
Hearthstoneとは、2014年3月11日にリリースされた基本プレイ無料のオンラインカードゲームである。Battle.netでアカウントを作成することで、PCとスマートホンどちらでも共通のデータで遊ぶことができる。日本語にも完全対応。
カードゲームとしてはステータスがとてもシンプルで、テンポのよさを意識したゲームデザインなため、とても軽快にゲームを進められる。
課金するか、勝負を繰り返してゴールドを貯めることでカードパックを購入し、カードを揃えていく。勝負を繰り返し、ランク戦で上り詰めることがおおまかな目標となる。ランクは月のはじめにリセットされる。
なお、Hearthstoneとは暖炉の床石の事らしい。Warcraftシリーズでは宿屋に戻るアイテムとして登場する。ゲーム開始時に「暖炉のそばの席へどうぞ」「おい、暖炉の前を開けてやってくれ」とオヤジが言うことがある。プレイヤーは暖炉の前でプレイしているようだ。
ゲームシステム
ゲームの目的は相手ヒーローの体力30ポイントを削りきること。
コインでランダムに先攻後攻が決められ、先攻から交互にターンがまわる。毎ターンのはじめ、マナクリスタルが1つ増え、マナがマナクリスタルの数まで回復し、手札が1枚供給される。このマナを消費してカードを使用する。マナクリスタルは最大10まで貯まる。――つまり、最初はこまごまと、後のターンになるほど派手に動けるようになる。
先攻は初期手札3枚、後攻は初期手札4枚とコイン1枚。その後任意のカードを指定してのマリガン(引き直し)が1度だけ許される。コインは0コストでそのターンのみ1マナ増やす効果がある。
ミニオンは召喚したターンは召喚酔いで行動することが出来ない。ミニオンにはアタックとヘルスが設定されており、ミニオンどうしが戦うと、どちらもダメージを受ける。ミニオンはヘルスが0になると破壊される。ミニオンがヒーローに攻撃した場合はヘルスは削られない。
各ヒーローには2マナ消費で毎ターン1回だけ使えるヒーローパワーがある。クラスごとに使えるヒーローパワーは異なる。武器カードを使用するなどしてヒーローが攻撃力を持つと、ヒーローが敵ミニオンや敵ヒーローを殴ることができる。このとき敵ミニオンを攻撃すると、ミニオンの攻撃力のぶんダメージを受ける。リスクがあることに注意。
ミニオンにはアタックとヘルス以外に特殊効果を持つものが多くおり、効果はカードテキストとして表記されている。主なカードの効果は下記の通り。
※ミニオン - 召喚されたモンスターのこと
※呪文(スペル) - いわゆる魔法カード。さまざまな効果のものがある
主なカードの効果
雄叫び | 手札から使用した時に何らかの効果を発生させる。 |
断末魔 | 死亡時に何らかの効果を発生させる。 |
挑発 | 盾の効果。相手は挑発を持ったミニオンしか攻撃できない(スペル等によるダメージを除く) |
突撃 | 召喚後、すぐ攻撃できる。 |
聖なる盾 | 一度だけ受けるダメージを無効化する。破壊効果などは防げない |
疾風 | 1ターンに2回攻撃できる |
激怒 | ダメージを追っている場合に発動する効果される |
隠れ身 | 相手の攻撃や効果・ヒーローパワーの対象に選択できない |
呪文ダメージ+X | 場に出ている場合、自分のスペルのダメージを表記されている分だけ上昇させる |
オーバーロード(X) | 次のターン、カードに記載されている数のマナクリスタルが使用不可となる |
猛毒 | 相手のミニオンにダメージを与えた時に体力量に関係なく破壊する |
激励 | 自分がヒーローパワーを使用すると効果が発揮される |
選択 | 使用時に書かれている二つの効果から一つ選んで発動する |
コンボ | 同じターンに別のカードが使用された後にのみ発揮される効果 |
発見 | 条件に当てはまるカードを3枚表示しその内1枚を選択して手札に入れる |
適応 | 10種の効果からランダムに選ばれた3種の効果から1つを選んで適用する |
沈黙(デバフ) | ミニオンが持つ効果や付与された効果が無効化され、攻撃力と体力が表記されたものに戻る |
凍結(デバフ) | 凍りつき1ターン攻撃できなくなる |
秘策 | 場に伏せる。相手のターンで特定の条件が満たされると効果が発動する |
クエスト | 場にセットする。場に出ている状態で、条件を満たすと報酬がもらえる |
生命奪取 | そのカードによって与えたダメージの分だけ、ヒーローの体力が回復する |
ヒーローカード | 対戦中にヒーローを置き換えるカード |
急襲 | 召喚したターンにミニオンを攻撃することができる |
木霊 | カードを使用したターン、マナが支払える限り何度でも使用できる |
超電磁 | メカ属性を持つミニオンの左側に設置することで合体し、スタッツと効果を足し合わせる |
デッキの構築
- 全てのクラスで使える中立カードと、各クラス専用のカードとを混合してデッキを組む。
- カードのレア度は 基本・コモン・レア・エピック・レジェンダリ の5種類。
- デッキのカード数は30枚固定で同じカードは2枚まで、レジェンダリーは1枚のみ
クラスとヒーロー
ウォーリアー
なんかウォリアーの画像
ヒーロー | ガロッシュ・ヘルスクリーム |
ヒーローパワー | 装甲強化!: 装甲を2獲得する |
荒くれの兵士をまとめ自身も武器を取り前線で戦う。武術での攻撃や攻撃力強化を行う呪文に優れる。突撃や激怒を持つミニオンが目立ち、武器も使いやすいものが揃っている。
シャーマン
なんかシャーマンの画像
ヒーロー | スロール |
ヒーローパワー | トーテム招来: 4種のトーテムをランダムに1体呼び出す (同じトーテムは同時には出ない) |
トーテムを自在に操り、精霊の力を借りることで強い力を扱う。呪文は攻撃からサポートまでこなし武器も使用でき、オーバーロードで少ないマナで強いカードを使うことができる。
ローグ
なんかローグの画像
ヒーロー | ヴァリーラ・サングイナー |
ヒーローパワー | ダガーの達人: 攻撃力1,耐久2のダガーを装備する |
影からの奇襲や優れたダガー捌きで敵を葬り去る。裏稼業らしい特殊な攻撃呪文や、コンボを持つカードがある。比較的ドローがしやすい。ダガー系武器による直接攻撃も得意。
パラディン
なんかパラディンの画像
ヒーロー | ウーサー・ライトブリンガー |
ヒーローパワー | シルバーハンド新兵: 1/1のシルバーハンド新兵を一体呼び出す |
強化呪文や聖なる盾に富み、兵を率いて正義の為戦う。複数展開やそのサポートがしやすい。攻撃呪文、回復、武器、秘策一通り使用できるが専門のクラスに比べると少々劣るところがある。
ハンター
なんかハンターの画像
ヒーロー | レクサー |
ヒーローパワー | 不抜の一矢: 相手ヒーローに2ダメージを与える |
矢の攻撃やワナで追い詰め、獣たち共に獲物を狩る。強力な秘策や獣カードのサポートが充実。武器カードもあり、相手の体力を積極的に削っていく戦法が得意。
ドルイド
なんかドルイドの画像
ヒーロー | マルフュリオン・ストームレイジ |
ヒーローパワー | 獣化: ヒーローに装甲1と、そのターン中のみの攻撃力1を付与する |
自然の力を味方につけ、自らも自然の一部となって戦う。使用できるマナを増やすカードや"選択"を持つカードが特徴。獣カード関するものも多い。
ウォーロック
なんかウォーロックの画像
ヒーロー | グルダン |
ヒーローパワー | 命を魔力に: カードを1枚ドローし2ダメージ受ける |
悪魔を使役し自らをも犠牲にする闇の魔術師。使用すると自分の体力や手札、ミニオンを犠牲にするカードが特徴。ヒーローパワーによりドローには困らないが、体力を気にしなければならない。
メイジ
なんかメイジの画像
ヒーロー | ジェイナ・プラウドムーア |
ヒーローパワー | ファイアブラスト: 目標に1ダメージ与える。 |
豊富な魔法攻撃で相手ミニオンを燃やし、凍結や秘策で防御する。使い勝手の良いヒーローパワーでミニオン除去がしやすく扱いやすいクラス。専用ミニオンも呪文に関するものが多い。
プリースト
なんかプリーストの画像
ヒーロー | アンドゥイン・リン |
ヒーローパワー | 小回復: 目標の体力を2回復する |
光を重んじ、治癒や思念魔法に深く闇を払い、時に闇に染まる。回復しやすく体力の強化もできる。回復によって効果の出るカードや使いやすい破壊呪文を持つ一方、単純にダメージを与える呪文に乏しい。相手のカードを奪ったりコピーする特殊な戦い方も得意。
対戦モード
通常戦
ランク戦 | ランク25から始まって、勝てば上昇、負ければ下降する。 ランク1の上にはレジェンドランクが存在する。 月のはじめに報酬がもらえ、ランクがリセットされる。 |
カジュアル | 勝っても負けてもランクに影響しないプレイモード。 |
ソロアドベンチャー | アドベンチャーパックを購入することで遊べるようになる。 4〜5つのステージ(ウィング)で構成されるひとり用モード。いつものプレイとは違い、特殊な条件での対戦や理不尽に強い相手との戦闘が楽しめる。各ウィングを解放するための鍵は、ゴールドまたは現金で購入できる。クリアすると専用カードが手に入る。 |
闘技場
ランダムに決定された3種のクラスから1つ選び、ランダムに選出された3種類のカードから1つを選ぶピックを30回繰り返して構築したデッキで戦うモード。12勝するか3敗するかすると終了。各勝負の決着ごとに中断が可能。終了時、成績に応じた報酬を得ることができる。
どんなカードがデッキに入れられるかはランダムであり通常の対戦では見かけないカードが活躍することもある。
闘技場を始めるためにはゲーム内ゴールド150Gあるいは現金の支払いが必要。3勝すればだいたい元が取れ、以降報酬が上がっていく。
酒場の喧嘩
期間ごとに設定される特殊で奇妙なルールで遊ぶモード。各期間中、初勝利時にカードパックを得ることができる。参加するためにはいずれかのクラスを20レベルまで成長させる必要がある。
スタンダードフォーマットとワイルドフォーマット
基本カード クラシック |
2013年 | 永久的にスタンダード |
ナクスラーマスの呪い ゴブリンvsノーム |
2014年 | |
ブラックロック・マウンテン グランドトーナメント リーグ・オブ・エクスプローラーズ/探検同盟 |
2015年 | |
旧神のささやき ワン・ナイト・イン・カラザン 仁義なきガジェッツァン |
2016年 | |
大魔境ウンゴロ 凍てつく王座の騎士団 コボルトと秘宝の迷宮 |
2017年 | 現在のスタンダード |
妖の森ウィッチウッド 博士のメカメカ大作戦 |
2018年 | 現在のスタンダード |
次々と新しいカードセットが公開されている (実に1000枚以上!) が、そのまま追加を続けていると、強力なカードばかりが使われるマンネリが起こったり、数値のインフレが起こりうる。
そこで導入されたのがスタンダード制だ。1年に1回、使えるカードセットとアドベンチャーのカードをシフトしてゆき、常に新鮮なゲーム体験をもたらすというものだ。
今まで使えていたカードがスタンダードから外れることを、スタンダード落ちという。スタンダード落ちしたカードでデッキを組んで遊びたい場合はワイルドフォーマットで遊ぼう。ワイルドフォーマットは今までに公開されたカードなんでもありの魔境だ。スタンダードとは異なるゲーム体験ができるぞ。
スタンダード、ワイルドには、それぞれのランク戦が設定されている。闘技場はスタンダードフォーマットで行われる。
ショップからはスタンダードフォーマットのパックのみ購入できる。スタンダード落ちしたカードセット・アドベンチャーのカードが欲しい場合は、魔素から作成しよう。
カードの入手方法
- カードパックはゲーム内ゴールドで1パック100G。課金購入では1パック120円で、まとめ買いすると安くなる。1パック5枚入り。パックには必ずレアが1枚以上入っている。
- 闘技場で稼ぐ(参加費150G) - 基本的に3勝以上すれば1パックと50G以上の価値の報酬がつくため、慣れれば直接パックを買うよりお得。勝てば勝つほど貰える額は増えていく。勿論3勝までに3敗すればほぼ損する
- いらないカードを「魔素」に変換し、それを消費して欲しいカードを作成する。カードを砕いて貰える魔素はコモンで5 レアは20 エピックは100 レジェンダリは400。作成に必要な魔素はコモンで40 レアは100 エピックは400 レジェンダリは1600必要。ゴールデンカードは砕いて貰える量も作成に必要な量も倍以上に増える。
ゴールドの稼ぎ方
- ゲーム開始時のクエストや限り1回のユニーククエストをこなす。
- デイリークエストをこなす。日本時間で深夜1時に配布される。報酬は40G~60G程度。1日1回デイリークエストを再抽選することができる。
- 対人3勝ごとに10G (1日100Gまで)
- 闘技場の報酬。勝てば勝つほど報酬が増えていく
課金について
- 設計上、カードはすべて無課金で入手できる。また、課金しなければ使えない機能もない。
- 上記の通り頑張れば一日あたりだいたい150G入手できるが、30勝して100G得るにはかなり時間を消費する。
- 通常カードの、カードパックは100Gで5枚。ゲーム内ゴールドではすぐに思い通りのデッキを作れるほどカードが集まらない。カードパックに課金をすることで、手早く思い通りのデッキを作ることができる。
- アドベンチャーのアンロックには総額で700G×5程必要。無課金で手に入れるのには骨が折れ、強力な専用カードも手に入るので、まずはアドベンチャーに課金するのも吉。
- カードをすべて手に入れたからと言って強いというわけではないが、やはりたくさんのカードを所持しているほうが遊びの幅が広がる。課金額は人それぞれ。
- 長くプレイしていると、スタンダード落ちしたカード等を分解すると相当量の魔素が手に入る。これで新カードをクラフトすることで、課金負担を減らすことができる。
他のカードゲームと比較した際の特徴
- マナの増加は、ドルイドを除き基本はデッキの構成・カード運に依存しないので比較的安定してゲームが進む。
- 相手のターン内への「割り込み」の要素(M:tGで言うインスタント)がないため、意外性にやや欠けるが、その分テンポは早く、自分の行動だけを制限時間内で熟考できる。
- デッキが尽きたあとは手札が供給されず、さらに引けなかったカード1枚につき1点、2点と累加してダメージを受ける。
- 墓地の概念が薄く、何かが死亡してる場合やこれまでに死亡したミニオンからランダムに召喚程度しか墓地利用がない。復活は実際のところ墓地のカードの再利用ではなく新しくミニオンを作成しているため、カードが増えている。
- 後半は攻撃力5以上のミニオンが3体並ぶとかザラ、召喚酔いはあるがヒーローを防御できるカードは限られており、うまく連携してカードを展開さえできればヘルス30点の半分くらいすぐ吹き飛ぶので大逆転も起きやすい。
- デジタルカードゲーム特有のギミックが採用されており、アナログでは再現できない動作も多い。
歴史
2014.1.22 | ベータテスト開始 |
2014.3.11 | 正式サービス開始 |
2014.7.22 | アドベンチャー "Curse of Naxxramas" 実装 |
2014.12.8 | 拡張パック "Goblins vs Gnomes" 実装 |
2015.4.3 | アドベンチャー "Blackrock Mountain" 実装 |
2015.8.24 | (PDT) 拡張パック "The Grand Tournament" 実装 |
2015.10.22 | (JST) 日本語を言語として選択できるようになる。 |
2015.11.13 | アドベンチャー"リーグ・オブ、エクスプローラーズ/探検同盟" 実装。 |
2016.4.27 | 拡張パック "旧神のささやき" 実装。 クラーケン年が始まり、新たな対戦形式「ワイルド」「スタンダード」実装。 |
2016.8.12 | アドベンチャー "ワン・ナイト・イン・カラザン" 実装。 |
2016.12.2 | 拡張パック "仁義なきガジェッツァン" 実装。 |
2017.4.6 | 拡張パック "大魔境ウンゴロ" 実装。 マンモス年が始まり、殿堂入りクラシックを含むカードたちがスタンダードを去る。 |
その他
イベント
ハースストーン公式で「炉端の集い」を使った参加しやすい小規模なイベントから、高額賞金が懸かった世界大会が行われる。炉端の集いイベントに参加したり、トッププレイヤー達の戦いを見るのもいいだろう。
固有名詞
- アゼロス: Warcraftの舞台である惑星アゼロスおよびメインとなる大陸の名前。
- アライアンス: アゼロス側の同盟勢力でヒューマン、ドワーフ、ナイトエルフ、ノームなどの種族の多くが参加している。
- ホード: アライアンスと敵対する勢力。悪魔達に洗脳されてアゼロスに攻めることとなったオークが中心。スロールによって一応アライアンスとは和解はしたが戦争が長かった為敵対していないとは言えない。トーレンやゴブリンもこちらの陣営。
- オーク: アウトランドと呼ばれる惑星に住んでいた種族で下顎の牙が発達しているのが特徴。悪魔により凶暴化していたが本来はそうでもない。スロール、レクサー、グルダン、ガロッシュもこの種族。
- 悪魔: 「捩れし冥界」に住まう種族で、支配したオークをダークポータルを用いてアゼロスに攻めさせた邪悪な種族。
- 旧神: アゼロスに原生していた邪悪な存在。現在は各地に封印されているが、"ささやき"によって洗脳を行う。
関連動画
関連チャンネル
関連サイト
- Hearthstone 公式サイト
(日本語)
- Hearthstone Wiki
- HearthPwn
(カードやデッキのデータベースサイト)
- HearthStone日本語Wiki
(日本語)
- HearthStoneDojo
(日本語)
関連項目
- 8
- 0pt