RaD
本稿では、ゲーム『アーマード・コアⅥ ファイアーズ・オブ・ルビコン』に登場する架空の団体を解説する。
その他の「RaD(ラッド)」は当該記事を参照のこと。
組織概要
惑星ルビコン3・べリウス地方西端に位置する「グリッド086」を拠点とするドーザー集団。「Reuse and Development(再利用と開発)」の頭文字をとって「ラッド」と読む。
過去の沿革は不明だが、ゲーム本編の3年ほど前、「灰かぶり」シンダー・カーラがジャンク技師とハッカー集団を連れて加入し、半年後に実権を掌握。以後、カーラを頭目兼主任技師として様々な「笑える製品」を開発し、高い技術力を持つ武器商人として活動するようになった。ぶっちゃけ、ガラクタ売買をシノギにしているヤクザ
カーラと中枢のエンジニアたちはともかく、構成員はドーザーらしいドーザー……つまり無軌道かつ非常に好戦的で、グリッドへの不法侵入者は一切の警告なしで殺害しようとする。劇中では(RaD無関係の)債務者を追ってきた取立人のMTが、弁明虚しく溶鉱炉に放り込まれている様子が描かれている。
過去に構成員のオーネスト・ブルートゥが資産と技術を持ち逃げし、他組織に加わって攻撃を仕掛けてきていることも、彼らの敵対者に対する野蛮な反応に繋がっているのだろう。
ちなみにカーラ曰く「来る者は拒まないのがモットー」とのこと。拒まないが「生かして返す」とは言っていない
構成員
- シンダー・カーラ(灰かぶりのカーラ)
優れたエンジニアにして経営者、そしてACパイロット。全ての製品は彼女が設計している。 - チャティ・スティック(おしゃべりチャティ)
カーラ作のAI。カーラの話し相手からAC操縦までマルチにこなす。 - ドーザーの皆さん
劇中では一般構成員の通信ログがちょこちょこ拾える。生のコーラルをキメて脳みそバチバチになってる野蛮人が殆どらしい。 - インビンシブル・ラミー(無敵のラミー)
通称「間抜けのラミー」。重度のコーラル中毒で常時酩酊状態のAC乗り。グリッドの門番。
製品
BAWS製MTのカスタムモデルや、独自開発したMTが主力製品。ドーザー間では大変人気らしく、そのために「出荷した自社製品で攻撃される」という笑えない事態にも発展している。
ACパーツはフレーム、ブースタ、武装を製造している。
重機を基にした土建用モデルと、宇宙探索用の低負荷モデル、そしてカーラ機用の限定生産モデルと、星外企業に匹敵する豊富なフレームバリエーションは特筆に値する。
武装も一見するとガラクタにしか見えない珍妙な製品が多いが、その技術力は確か。
形式番号の規則は「部位記号+シリーズ符丁+品番」。
部位記号は「H=頭部」「C=コア」「A=腕部」「2=2脚」「R=逆関節」「B=ブースタ」「W=AC用武装」「M=MT」「E(不明。特殊兵器?)」。
符丁はアルファベット1文字と4桁の数字を組み合わせている。
戦闘メカ ザブングルみたいな連中
- MB-0100 クラッチ
独自開発した小型4脚MT。パワーショベルっぽい上半身といい、アウトリガーみたいな脚部といい、重機にしか見えない。小型ロケット砲を標準装備している他、用途に応じてサークルソー(電ノコ)、ミサイルポッド、放電プラグ、シールドを換装可能。
特にミサイル装備機はフラフラする弾道の小型ミサイルに加えて、高火力の高誘導ミサイルを発射してくる、ミッションSランククリアを阻む強敵。一度はこの高誘導ミサイルの発射シーケンスを観察してみよう。変態企業フロム・ソフトウェアRaDのこだわりが見られる。 - MB-0202 トイボックス
可変2脚MT。円形シールドと連装小型ガトリング砲が一体化したユニットを両腕で掴み、体の節々に連装ロケット砲をこれでもかと詰め込んだ「おもちゃ箱」。丸まって回転する移動・待機形態ではほとんどのダメージをシャットアウトする。『スター・ウォーズ』のデストロイヤー・ドロイドをイメージしてもらえれば大体あってる。
ゲームPVで登場し、インパクトの強いメカニックで「腹筋爆発ダンゴムシ」の異名をとった。 - MT-T-026-RC1 パンチャー
BAWS製ガードメカ「MT-T-026」のカスタム品。戦闘ポッド両側に大型機関砲を搭載している他、脚部を強化して大幅に機動力を向上させている。 - MT-T-026-RC2 キッカー
同じくBAWS製品のカスタム品。強化した脚部にパイルバンカーを搭載した格闘仕様。複数機で囲んで蹴られれば、重装ACでもただではすまない。 - EC-0804 スマートクリーナー
解体重機。詳細は当該項目を参照。
この他、戦力としてBAWS製2脚MT「MT-E-104」や4脚MT「MT-J-048」のカスタム品も開発している。もしかしたらこれらも売り物かも?
ACパーツ
フレーム
- xC-2000シリーズ
宇宙用の探査AC向けフレーム。各パーツの品番は頭から順に「FINDER EYE」「ORBITER」「TOOL ARM」「CRAWLER」。更にバリエーションパーツとして荷物運搬を主目的とした逆関節脚部:RC-2000 SPRING CHICKENが存在する。初期機体「LOADER 4」を構成する他、コールドコールやナイトフォールが採用している。FINDER EYEは事実上LOADER 4専用パーツ。
防御性能や基本性能では他社の戦闘用フレームに見劣りするが、性能の割に搭載負荷が低いという長所を持ち、省エネ高機動ACのパーツとして隠れた需要がある。例外的に重量逆関節のSPRING CHICKENは戦闘用としても優れた性能を持ち、機動力重視の重装アセンの中核として高い支持を集めている。 -
xC-3000 WRECKER(牽引車)
解体作業用の土建AC向け重量フレーム。「建築重機をACデザインに落とし込んだ」といわんばかりのガテン系パーツ。全部位がミッション中に探索・取得する隠しパーツになっている。
やはり他社の戦闘用フレームに比べて使いづらいが、高い剛性による高耐久力・姿勢安定・反動制御・積載性能を獲得している。 -
xS-5000シリーズ
シンダー・カーラの愛機「フルコース」のフレーム。各パーツの品番は頭から順に「APPETIZER」「MAIN DISH」「SALAD」「DESSERT」。笑えるだろう?
構成部品こそ廃材だが、技術者の総力を持って調整され、戦闘用重装ACとして高い完成度を持つ。ほとんどワンオフパーツみたいなもので、量産を前提にしていない為か、価格は非常に高額。
この他、FINDER EYEの派生パーツ「HC-2000/BC SHADE EYE」の製造メーカーとしても登録されているが、当該パーツはユーザーによる独自改修品であり、厳密には製造に関与していない。
ブースタ
- BC-0600 12345
搭載負荷を抑えつつ、高出力のクイックブーストを可能とした重装機向けモデル。地上戦闘を主とする重装アセンブルに高い適性を持つが、逆に言うとそうしたアセン以外では持て余しがち。
「品番登録は酩酊状態で行われた」。つまり酔っぱらいが数字キーを1から順に押したってこと - BC-0400 MULE(ラバ)
「地上での作業を行う重機運用ACへの搭載を想定」したモデル。ACシリーズ恒例の低負荷低出力モデルだが、各出力が余りに低く、活用できるアセンは困難。戦闘を目的としたパーツではないのだろう。 - BC-0200 GRIDWALKER(グリッドを歩く者)
「エルカノの委託を受けて開発した軽量機体向けブースタ」。「グリッドをはじめとする立体地形での運搬作業を想定したもので」高い上昇推力を持つ。クイックブースト性能が劣悪なため地上戦には向かないが、上下機動で攻撃を回避する空中要塞アセンの翼として高い適性を示す。
武器
- WR-0555 ATTACHE(仕事鞄)(ヘビーマシンガン)
1.05アップデートで追加された、RaDの「仕事道具」。アサルトライフルとマシンガンの中間に位置する、継続火力を重視した機関砲。非常に大きな弾倉に大量の予備砲身をくっつけ、使用限界に達する毎に交換していく「その発想はなかったわ」構造をしている。 - WR-0777 SWEET SIXTEEN(16の春)(ショットガン)
厳密には散弾銃ではなく、13連装のペッパーボックス銃。極短の銃身で13発同時発射するため、命中精度は最悪の一言。熟練すれば超至近戦闘武器として生かせるが、そこに至るまでの道のりは厳しい。 - WS-1200 THERAPIST(癒者)(スタン弾ランチャー)
電撃弾を拡散発射するランチャー。アーキバスのスタンガンに勝るところが一つもない産業廃棄物。
流石にあんまりな性能だったため、アップデートで上方修正が入り、電撃で敵の視界も防げる高衝撃銃として独自の立ち位置を確立。近接戦闘における有力選択肢の一つになった。 - WB-0000 BAD COOK(黒こげ料理人)(火炎放射器)
ACの耐熱限界をも凌駕する野蛮な武器。火炎放射器は歴代シリーズ恒例のネタ武器だったが、今作ではミッション攻略はおろかネット対戦でも活躍する優良武器。 - WS-5000 APERITIF(食前酒)(包囲型ハンドミサイル)
連続射出した後、一定時間後に誘導を開始する13連装ミサイルランチャー。フルコースの副砲。
敵の周囲を旋回しながら射出すれば疑似オールレンジ攻撃、後退しながら射出すれば距離を詰めてきた敵を背後から叩ける……と、相対距離や彼我の体勢を無視して活用できる高い命中率が持ち味。
流石に強力過ぎたので、アップデートで誘導性能が下方修正された。 - WB-0010 DOUBLE TROUBLE(だぶる☆とらぶる)(チェーンソー)
解体重機向け工具。ラミーとブルートゥの得物。
桁違いの直撃補正を持ち、スタッガー中の敵をあっという間に解体できるのだが、ラミーとブルートゥは「AC-3000 WRECKER」に搭載しており、劣悪な近接武器適正によって威力が激減している。恐らくゲームバランス上のハンデだろう。 - WR-0999 DELIVERY BOY(配達小僧)(クラスタミサイル)
「コーラル酔いの技術者が勢いに任せて設計したという」、小型爆弾をばらまくスタンドオフディスペンサー。命中率に不安あり。
- WS-5001 SOUP(スープ)(散布型ミサイル)
10連装ミサイルを3斉射可能な超大型ミサイルランチャー。フルコースの主砲。
マルチロックオン非対応だが、弾頭威力と誘導性能に優れ、ボス敵との決戦では非常に頼れる存在になる。それ以上に白眉なのはデザイン。「30本の鉄パイプで出来た翼」のような前衛的形状は、ACをこれ以上なく野蛮に、しかし優雅にドレスアップする。そのときキミは美しい。
ストーリー中の活躍
この節は、全エンディングを確認後に 閲覧することを推奨します。 |
カーラ達がRaDを乗っ取った理由。それは彼女らの本来の目的――「コーラルを観測し、破綻が訪れる前に焼き払う」活動を行う傍らの暇つぶし隠れ蓑+資金調達の為であった。
物語終盤、カーラ達「オーバーシアー」は本格的に活動を再開し、集積コーラルを焼き尽くそうとする。RaDの構成員はその戦力の一部となり、企業勢力やルビコン解放戦線との戦いの末、ほぼ全滅することになる(流石に全ての構成員がオーバーシアーに素直に従ったとは考えづらいが……)。
カーラはチャティと中枢の技術者たちを除き、基本的にRaDの構成員がいくら死のうが他人事みたいな反応に終始しているが、それも彼女らの素性を考えれば納得がいく。棘のある言い方をすれば、元々のRaDはオーバーシアーに使い潰されたようなものである。使い潰されても仕方のない無法者揃いと言われればぐうの音も出ないが
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
- 3
- 0pt