ちゃんと命だけ持って帰って逃げるんだぞ
ZATとは、「ウルトラマンタロウ」に登場する防衛組織である。
概要はざっとこんなもんです
「Zariba-of-All-Terrestrial」の頭文字をとった名称である。「Zariba」とは東アフリカでみられる防護柵の事であり、「All-terestrial」は地上すべて≒地球という意味で「地球の防護柵」という意味になる。
本部はニューヨーク国連本部内にあり、世界各地に支部を置いている。
光太郎の所属する極東支部に限定していえば、かなりフリーダムな組織である。第二期ウルトラシリーズの防衛組織はMATやTAC、MACが内部の対立やらなんやらで殺伐としている場面があったのに対して、そうした描写はあまり見られず、上司と部下が互いの身分を超えて冗談を言い合う描写もあり、非常にアットホームな職場である。口の悪い人間はふざけあってると言うが、こうした冗談を言えるぐらいに組織内部には余裕があり、また各々の信頼関係が強固であることの証左でもある。また職務に対しても多分にぶっ飛んだ(と思ってしまう)作戦は多いが、彼ら一人一人の能力は卓越しており、またウルトラマンタロウとも強い信頼関係を持っているために成功する率も高く、職務に対する姿勢も他の組織と何ら変わるところはない。
またTACと同じぐらいに「脱出!」が多いのが特徴であるが、これは隊員の命を第一に考えているからこその行動と推測される。それはこの記事冒頭の荒垣のセリフにも表れており、また怪獣との対峙も侵略の意思や悪意がないものに対しては出来うる範囲でその命を尊重する傾向が強い。
また一般市民からの認知度は高く、また交流の場を持つなど草の根での活動も着実に行われている。また南原が結婚を決意、そしてすぐさま結婚式をできるレベルの手厚い給与、あるいは福利厚生が用意されてると思われ、ZATの隊員ともなれば友人が鼻高々となるあたり、社会的な地位は高いとされている。
こうしたことからファンの間では理想の職場という声も多い。北斗「タロウはいいよなぁ」
極東支部は千代田区霞が関1丁目1番1号にあり、現実におけるこの場所は皇居の南、日比谷公園の西、検察庁や法務省、東京家庭裁判所のある地域になる。細長いシャフトのようなものの上に円盤のような基地があり、緊急時はこの部分が飛行することができる。
極東支部隊員
朝比奈隊長以下7名程度の少人数精鋭主義であり、この他、通信担当など直接戦闘に参加しないメンバーを含めれば相当な数がいると思われる。なお、初期のメンバーのうち、隊長、副隊長、森山以外は名字が東西南北でそろっている。
なお半年に1度は体力テストの審査があり、現場の隊員が対象になっている。怪獣と直接対峙する仕事柄、体が資本というごくごく合理的な理由であるが、副隊長や隊長といった管理職については指揮能力がメインなので免除となっている。
一部人物にスラッシュが入り、ウルトラ兄弟の名前が入っているのは34・35話でウルトラ兄弟がその体を借りた際のものである。
- 朝比奈勇太郎(演:名古屋章)
極東支部の隊長であまり基地にはいない。一見とぼけた感じや「昨日、カレー食った奴は留守番」というユーモラスなイメージが非常に強いのだが、何気ない一言で敵の罠を見破るなど誰よりも洞察力に長けている。なお、彼の服は一般の隊員と明らかに差別化されており、服の上の部分が黒に金のラインがされている(副隊長以下男性隊員は同じ部分が赤に白いライン)白鳥兄弟の父とは親友の間柄であり、東光太郎のZAT入隊は彼あってでこそである。登場が少ないのは演じる名古屋章が色々なドラマや舞台に出ていたためである。また、ラスト前3本のタロウのナレーターは名古屋が務めている - 荒垣修平(演:東野英心、放映当時は東野孝彦)/ウルトラマン
極東支部の副隊長で不在がちの朝比奈に代わり、実質的な現場責任者を務める。現場責任者というだけあって、職務に当たる際は厳格な一面があるが、基本的に豪放磊落を絵に描いた人物であり、平時のときは部下と冗談を言い合ったり、松茸に目の前にして「俺の分も残しとけ!!!」というなど非常にお茶目な一面を持つ。またひげを生やしたり、サングラスをしたりとなかなかのお洒落さんであるが、さほど長く見られなかった辺り部下からどうイジられたかはお察しください。部下の命を第一に考えており、ムルロア戦における発言(この記事の冒頭のセリフ)からもそれが見て取れる。それゆえ、部下からの信頼は非常に厚い。ラスト3本では登場していないのだが、これは演ずる東野が負傷し、撮影に参加できなかったためである。また負傷前に登場していても、その当時は「アタシの時代はオールアフレコよ♥ by モロボシ・ダン」という通り、後から声を入れていたため声の収録に参加できなかったので東野ではない、別の声優が東野の声をあてていた。 - 二谷一美(演:三谷昇)
宇宙ステーションに転勤になった(実際は前述通り、東野の負傷による降板)荒垣の代わりに51話よりやってきた副隊長である。荒垣が豪胆を絵に描いた人物であったため、涙もろくやや頼りない印象はあるのだが、責任感は強く、他の隊員のサポートはあったがドロボンを打倒すという具合に着任早々戦績を上げている。若い者には負けじとトレーニングや本来ならば管理職は免除となる体力テストを受けるなど非常に負けず嫌いなところがある。 - 東光太郎(演:篠田三郎)
元々、世界各地を放浪するボクサーで白鳥船長の日日丸に乗って日本へ帰国。オイルドリンカーやアストロモンスに立ち向かった勇気を買われ、朝比奈の推薦を受けて入隊。戦いのさなか、瀕死の重傷を負うもウルトラマンタロウと一体化して復活。以降、ZATの隊員として活躍する。一方で元々の本分であったボクシングもやめておらず、ボクシングの試合出場も果たしている。普段は白鳥家に居候し、姉のさおりとは友達以上恋人未満な関係で、弟の健一とは実の兄弟のような間柄であった。最終話で父を怪獣に殺されたことで心がすさんだ健一に自らの正体を明かし、本当の勇気というものを教えたうえで最後の戦いを終え、ZATを退職した。1年程度の在職であったが、隊員に総出で見送られたあたり、信頼されていたかがわかる。その後、銀座と思われるホコ天の雑踏に消え、再び放浪の旅に出る。 - 北島哲也(演:津村秀祐)/ウルトラセブン
サブリーダー的な立ち位置であり、分析や兵器開発も担当する。一人称を「小生」と言うことがある。飄々とした雰囲気で見張りの際に4時間居眠りするなどコメディーリリーフ的なとぼけた感じもある。そして弁当忘れても釣竿を忘れたことがないほどの太公望であり、たびたび釣りのシーンがある。 - 南原忠夫(演:木村豊幸)/ウルトラマンジャック
東とよくコンビを組む隊員である。郷里は九州・宮崎であり自らを「太陽の子仮面ライダーブラック RX」という通り、明るい性格のムードメーカーである。また東以外で隊員の周辺人物が出てくる機会が多いキャラで郷里に住む母親はなかなかのがばいばあちゃんであり、またウルトラシリーズを通しても非常に珍しい婚約者がいるリア充である。婚約者の珠子は怪獣襲撃の際に致命傷を負い、一度亡くなっている。しかし、ウルトラの父の奇跡によって復活し、無事に祝言を上げることができた。 - 西田次郎(演:三ツ木清隆)
隊でも森山に次いで年少であり、東は経歴上は後輩なのだが、西田自身は年上ということもあり兄貴分と思っている。まずは放電という具合に電気作戦大好きである。演じる三ツ木が「白獅子仮面」に出演することになったため、9話で降板したが13話で宇宙ステーションV9のオペレーターとして登場、宇宙ステーションへ異動扱いとなった。西田が移動したことで東西南北がこれ以降、そろわなくなっている。 - 上野孝(演:西島明彦)/ウルトラマンA
宇宙ステーションに異動となった西田の後任で着任したZAT最年少(18歳)の隊員。そのため、東は唯一彼のことを「上野」と呼び捨てにしている(他の隊員に対しては「~隊員」や「~さん」と呼んでいる)西田と同じく東を兄貴分と慕っていた。彼の見せ所はムルロア戦におけるAZ1974爆弾をムルロアに据え付ける場面である。その際に荒垣から記事冒頭のセリフを言われる。なお途中から姿を見せなくなった。 - 森山いずみ(演:松谷紀代子)
隊の紅一点であり、ミニスカに定評がある。通信や前線のサポート、お茶くみといった仕事をすることもあるが、実戦でも男性隊員に負けず劣らずであり、前線に駆り出されることも多い。また撃墜された経験がなく、飛行技術も相当と思われる。東にほれ込んでる節があり、祝言を夢見る姿もあるがそれ以上の描写は描かれていない描いたらさおりさんとの戦いになるし、仕方ないね
関連人物
ZATの隊員ではないが、関連する人物を紹介する
- スミス長官
地球警備隊の極東支部の長官。ZATとの関係は不明。キングトータス・クイーントータスの夫妻の始末をZATに依頼。しかしZATは拒否したため、トータス夫妻の住むオロン島を沈めてしまう - 大谷博士
ZATの協力者の一人でテンペラー星人の存在を知る宇宙権威の第一人者。ウルトラ兄弟がZATの隊員の体を借りる際、ゾフィーが彼の体を借りた。なお演ずる竜崎勝氏の娘は元フジテレビアナウンサーの高島彩である。 - 南原たか
南原の母親であり、ZAT隊員の中で唯一の係累登場である。この子にしてこの母ありという具合になかなかのハイテンションぶりであるが、メガネがないと何にも見えない。2回登場している。 - 珠子
前述のたかが連れてきた南原の許嫁。父が他界したために結婚を申し込むも、当初は取り合ってくれなかった。リンドンからたかをかばい、その傷が致命傷となって一度は死亡するも、ウルトラの父の奇跡によって復活、無事に南原と結婚式を挙げた。
メカニック
奇抜を絵にかいたようなものであるが、中身も相当ぶっ飛んでいる(特にスカイホエール)
- スカイホエール
全長60mの主力戦闘機で様々な作戦・指揮をこれ一機で行うことができる。各種武装を装備しており、また垂直飛行や単独での大気圏外脱出や宇宙飛行もできるスグレモノ。しかし、何といっても最大の特徴は化学分析室の存在であり、様々な薬品調合のほか、白酒(どぶろく)の作成をできるほどであり、もう全部こいつ一機でいいんじゃないかなと思ってしまうことがしばしば。セットはタックファルコンのものを流用。 - コンドル1号
スカイホエールと組で登場することの多い小型戦闘機で明らかに空力学的に無理のある丸い羽が特徴。高い機動性を誇り、偵察飛行にも使われるが宇宙空間へは出られない。よく「脱出!」の犠牲になっている。1号と来れば2号もあるだろうと思われるが、劇中には登場せず。セットはタックアローのもの、というよりマットアローのものを流用。 - スーパースワロー
コンドル1号よりわずかに小さいが、さらに高機動のものとなっている。ただし、少々ピーキーなのが玉に瑕。これまた主翼に穴がある具合に空力学的に無理のある形状であるが、こちらは下に垂れ下がっている。スカイホエールやコンドル1号に比べるとやや地味。こちらは宇宙空間を飛行できる。 - ウルフ777
地上用攻撃車両であり、ベースは白いクラウンのキャッチフレーズで知られる3代目クラウンのクーペ。奇抜なことに定評のあるZATを体現したかのような車両でフロントグリルからさらに延長されたボンネットのようなものやリアウィング、屋根の武装が大きな特徴となっている。時速300キロ以上、耐熱・耐火性は抜群という具合に相当の高性能車である。なお、この車両はタロウ終了後に別番組に流用された - ラビットパンダ
同じく地上攻撃車両であり、こちらは小型車両となっている。ベースは迷車名高い「バモスホンダ」である。ウサギやパンダというよりはネズミみたいな奇抜な外装と小さい車体であるが侮るなかれ、強固な装甲に強力な武器という具合に相当の実力を持つ。小説でのお話であるが、何気にメビウスの時代までスクラップにされることなく、それどころかオーバーホールされるほどの好待遇であった。 - ZAT専用車
主に戦闘任務を除いた追跡・移動用に使用する車で緑色の三菱コルトギャラン、もしくは赤のランサーが使用されている。ナンバーは通常の白ナンバーではなく、ZAT専用のナンバーがあてがわれている。
制服・武器
- 制服
男性と女性で別デザインとなっており、男性用は青を基調に赤のラインに白い縁取りがされている。胸の真ん中にはZATの紋章がある。朝比奈のものは鎖骨部分のラインが黒に金の縁取りがされている。女性用は白を基調としたものでミニスカである。なお、男性用制服はそののちに「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」において流用されている。 - ヘルメット
青色に赤い突起のようなものがついている。突起のデザインはスーパースワローの羽のようにも、或いは猫耳にも見える。通信用マイクも付属している。 - ZATガン
隊員全員が携行する銃で「ビシッ!ビシッ!」という発砲音が特徴である。これを使い、数多くの怪獣と対峙してきた。そして最終話では東がこれを駆使して人の知恵でバルキー星人を葬った。 - 王水銃
ロードラ戦で使用した、王水を放水する銃。一見はただの銃のようなものだが、出てくるのは王水。銃が効かないので、逆に王水をかけてロードラを溶かそうとしたのだが金属を溶かしてしまうロードラの吐き出す液体によって逆に溶かされてしまう。ちなみに王水は非常に腐食性が高く、人体には大変危険な液体であるわけだが、平然と使うあたり制服やヘルメットに何らかの対策が施されていると推測される。 - AZ1974爆弾
狭い範囲で有効でありながらも水爆の3倍の威力を持つ爆弾。完成時点では起爆装置も発射装置もない状態であり、直接怪獣へ据え付けるほかなかった。上野の勇猛果敢な活躍により、最終的にムルロアを葬り去ることができた。そしてそれから30年後のメビウスの世界では改良型のAZ2006が登場している。数字はおそらくは放映当時(1974年)の年をあてたものと思われる。
作戦
ZATに欠かせないのが作戦群。良くも悪くもウルトラマンタロウという作品を印象付ける作戦ばかりである。失敗例は作戦名を赤くしてある。
- コショウ作戦
お下品な笑いと裏腹の強烈な再生能力と攻撃力に定評のあるライブキングに飲み込まれた東と白鳥健一の愛犬を救うために朝比奈がコショウを使って、くしゃみで彼らを吐き出させる作戦である。発注数は実に1トン。支払はZATにつけておいたそうだ。 - 虫歯治療作戦
シェルターの歯に刺さった水中ロケットを引っこ抜くのにスカイホエールを使用したのだが、誤って虫歯でない歯を引っこ抜いてしまい、凶暴化してしまった。水中ロケット自体はその後は引っこ抜けたわけだが、麻酔なしで引っこ抜かれた歯の痛さがどれほどのものかは多くは語るまい。結局、シェルターは葬り去られてしまったのだが、ここまでの顛末があまりに理不尽極まりなかったのが問題であったのか、これ以降はむやみに怪獣を殺すことを戒める描写が多くなっている。 - トリモチ作戦
バードンの動きを封じるためにトリモチを使用した作戦。きっかけはチューインガムである。かなり強力なものであったのだが、バードンは水浴びした後であったために、うまいこと体に引っ付かなかった。 - ベル作戦
カタン星人によって失明状態になったタロウに音で怪獣の位置を知らせるために、カタン星人に鈴をつけさせた作戦。その目的は大当たりし、見事タロウは撃破をすることができた。 - AZ1974作戦
まだ未完成の状態であったAZ1974爆弾をムルロアの体に仕掛けるもので、暴れる怪獣ムルロアに直接飛び乗る格好なので、一歩間違えれば振り落とされるなどして死亡する可能性も高い危険度の高い作戦であった。上野が志願し、無事にムルロアに仕掛けたのち、無事に撃破した。 - 白酒作戦
ぐてんぐてんに酔っぱらった怪獣ベロンを酔いつぶすためにスカイホエールの化学分析室で白酒を合成、文字通り浴びるように飲ませたわけだが、配分を間違えたのか今度は悪酔いして暴れまわることに。果たしてできたお酒が白酒かどうか怪しい
基地見学
他の防衛組織と比べて、オープンなところもあり、一般人の見学も可能である。
見学に際しては一週間前に申請をして、宇宙人かどうかのチェックをする必要がある。それにパスすれば晴れて見学が可能である。そのおかげか不審者の立ち入りについては見られない。
アクセス
最寄駅は東京メトロ(放映当時は営団地下鉄)霞ヶ関駅で丸ノ内線側のA1やB1b出口が近い。また有楽町線桜田門駅からも近い。いずれも徒歩5分以内である。
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関連項目
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