いづれの御時にか、女御・更衣あまた候ひ給ひける中に、
いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

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この記事の一部には稚児には見せられぬかかることが書かれたり。
この記事を開きしまま席をかれせばゆゆしきことになるやもしれず。
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この記事は、真実が明かさるる成分を多く含みたり。
読みたる時には、いかなることがありても自らの責となすべし。
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源氏物語(げんじものがたり)とは、平安時代中期に成立した長編物語である。また日本最古のレディースコミック、ポルノ小説、ハーレクインロマンスでもある。作者は紫式部、全五十四帖。
概要
テーマ
- 「形代(身代わり・代用)」の物語
- 「リベンジ」「再挑戦」の物語
- 「女性の生き方」の物語
- 光源氏を愛しすぎるあまり生霊・亡霊となる六条御息所、光源氏一筋に行きて裏切られ衰弱していく紫の上。
- それに対して「光源氏」が好きだが自分は源氏の1番ではないとわかっておりあえて朱雀院のものに行く朧月夜、同じく源氏が好きだが恋愛沙汰に巻き込まれたくなく独身を貫く朝顔の斎宮。
- 他には自分が源氏の2番手3番手(本命ではない)と自認しており、それでいて源氏の側にいる明石の御方や花散里。
- 愛を貫くか距離を置くかそれでも側にいるか、どれが本当に良い生き方なのかは読む人次第である。
ストーリー
通常、ストーリーは三部に分けられると考えられている。
主なキャラクター
女性は赤色、男性は青色で示す。また、光源氏と関係を持った女性には★マークあり。
登場人物のほとんどはあだ名で呼ばれており本名はわからない。また役職で呼ばれている人物もいるため呼び方が重複する場合もある。
主要人物
- 光源氏 (ひかるげんじ)
- 第一部、第二部の主人公。天皇の皇子、言い方を変えれば王子様であり光り輝く超絶イケメン。このことから幼少期は「光の君(ひかるのきみ)」と呼ばれる。
- さらに天下の秀才、運動神経抜群、芸術の才能に恵まれた上、金・地位・名誉も手に入れるという完璧超人。
- 帝の第二皇子であるものの父の判断により皇族からは外される。
- この時に「源」の氏を与えられた光り輝く美しい人だから「光源氏」である。光くんではない。本名は源◯◯さんである。
- 元服後は「源氏の君(げんじのきみ)」と呼ばれるようになる。
- 皇族でないため割とフリーダムな生活を送り、多くの女性と関係を持つが、時にはそんな奔放な性生活が仇となることも。父親の妻・人妻・幼女とも関係を持つ。ロリコンとか言われるが年上相手もかなり多い。
- 亡き母に似てるとして父親に嫁いだ藤壺の宮に恋してしまったことから彼の人生は決定付けられる。
- 冷静に見えるがわりと感情豊かな男である。
- 兄の妻と不倫したことにより須磨に流される。
- 出世街道を驀進し最終的に太政大臣に。さら実際の歴史上には1人しかいない「准太上天皇」という特例階級となり再び皇族に戻る。ここから六条院と呼ばれるようになる。
- 正妻は2人。子供は3人(正確に言うと血の繋がった親子だが表向き兄弟が1人、表向き親子だが実は血のつながっていないのが1人、なので血がつながっていて表向きも親子なのは2人のみ)。養子が一人。朱雀帝は異母兄。
- ★紫の上 (むらさきのうえ)
光源氏の最愛の妻。実質的に源氏物語のヒロイン。藤壺中宮の姪っ子。8歳位の時に源氏に見つかってしまう。将来有望な幼女を自分好みのレディに育成する、いわゆる「光源氏計画」の語源ともなった美幼女。葵上の死去後は正妻同様に扱われるものの、寄る辺ない愛人としての気苦労をその身に背負い込む事になる。彼女の死とともに光源氏編(第1部-第2部)が終わっていく。
- ★藤壺中宮 (ふじつぼのちゅうぐう)
源氏物語における最重要人物。桐壺帝の妻の一人。冷泉帝の母。源氏の亡き母の桐壺更衣に生き写し。こともあろうに光源氏はこの美貌の義母と関係を持ってしまう。禁断の関係はずるずると続き、やがて藤壺は源氏の子を宿す。表向きは桐壺帝の子としながらも、ふたりは長い間罪悪の念に苛まれることに。
光源氏の両親
光源氏の女たち
その他の人物
- 頭中将 (とうのちゅうじょう)
- 朱雀帝(すざくてい)
桐壺帝の第一皇子。弘徽殿女御の息子。源氏の兄。彼自身は優しいいい人なのだが母親・祖父が源氏を恨んでいてる。物語後半、何を血迷ったのか自分の娘を源氏に嫁がせてしまう。
- 弘徽殿女御 (こきでんのにょうご)
桐壺帝の妻の一人。朱雀帝の母。強大な権力を持つ女帝的存在。アンチ桐壺更衣から始まり、その子である源氏や桐壺帝の新しい妻、藤壺に対しても激しい憎しみを抱く。『源氏物語』の舞台、平安時代の宮廷での女性の権力を表す重要人物でもある。一度は源氏を失脚させる事に成功するが…。
- 蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
- 光源氏・朱雀帝の異母弟。
- 桐壺帝の皇子ではあるのだが何番目の子なのかはわからない。
- 光源氏と年が近い。また第7話「紅葉賀」で光源氏18歳のときに第4皇子が小さい子供として登場し、次の第8話で蛍兵部卿宮にもう妻がいるのでおそらく第3皇子の可能性が高い。
- 「蛍」兵部卿宮と呼ばれているのは第25話「蛍」で源氏が宮に蛍で明かりをつけて玉鬘の姿を見せたことから。
- 当代きっての風流人。絵やお香の判者を務めている。
- 兄弟の中では光源氏と一番仲がよく不遇の時代も交流を続けその後も親しくしている。
- 最初の正妻は右大臣の娘(弘徽殿女御・朧月夜の姉妹)。しかし早くに死別。夫婦仲はよかったらしくその後も想い返している。
- 後妻は真木柱(髭黒の娘、式部卿宮の孫)。が、歳が離れすぎていてうまくいかなかった。
- 風流人ではあるが女人に問題あるとされ、玉鬘や女三宮に求婚したときもこれを理由に断られている。また最初の妻がいたときも女がけっこういたらしい。
現存する源氏物語
現在に伝わっている源氏物語で確実に紫式部自身が書いたもの、もしくはオリジナルを忠実に写本した(とされるもの)ものは一切残っていない。
元々同人小説として書かれ始めた源氏物語であるため、読者は気に入った物語を手元に残しておくために写本をしたのである。その過程で部分的な加筆やオリジナル展開を混ぜたりされた。
紫式部 「ねぇねぇ今度オリジナル小説書いたんだけど、読んで感想きかせて」 オリジナルを渡す
友人A 「いいよー」
「あ、この話好きかも。手元においておきたいから写本しておこっと。
ついでにこの表現と文章をちょこっと変えちゃえ」 写本Aが発生。オリジナルは紫式部に返却
↓
友人A 「友人(の紫式部)が書いた小説が面白いんだけど見てみる?」 写本Aを渡す
友人B 「見る見る。貸して」
「あ、この話好きかも。手元においておきたいから写本しておこっと。
ついでにこの表現と文章をちょこっと変えちゃえ」 写本Bが発生。写本Aは友人Aに返却
↓
友人B 「友人から借りた小説が面白いんだけど見てみる?」 写本Bを渡す
友人C 「見る見る。(以下ループ・・・・
というようなことが頻繁に起こった。
さらに藤原彰子の女房になりある程度管理された同人小説となっても、下書き草稿を藤原道長が黙って持ち出すというようなこともおこり紫式部の生存していた時点ですでにカオスな状態になっていたとされる。
また源氏物語は54帖だけではなくいくつかの話が出まわるうちに失われたのではないかとか、いくつかの話は紫式部ではない誰かがつくったオリジナルの話ではないかとも言われている。つまり2次創作の公式化
現在残っている源氏物語は54帖完全版「だけ」でも百種類以上がある。大きく分けて「定家本系」「河内本系」「その他」である。これらの分類だけでも源氏物語研究の一分野として成立するほどである。
また現在一般的に出版されているものは藤原定家がオリジナルの再現を目指して編集した定家本の「写本の一つ」である。
ああもうややこしい!!
あさきゆめみし
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(左)「…ただのロリコン?」 (右)「源氏物語にリアリティなんて必要ないのよ、所詮ブスの妄想なんだから!」
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