仮面ライダーXとは、毎日放送制作で1974年にNET(現・テレビ朝日)系列で放送された仮面ライダーシリーズ第3作目であり、同番組に登場する主人公のことでもある。全35話。
概要
専用ツール「ライドル」によるアクション、本格的なライバルキャラの出現、圧迫感を与える巨大ボスの登場…等といったこれまでの仮面ライダーシリーズと比べ様々な新しい要素が詰め込まれた作品である。
ストーリー展開において幾度か路線変更が行われている。結果、前作『V3』を超える事は出来なかったが、関西地方では視聴率20%…と好評であり、初代ライダーからの人気がまだまだ衰えてない事を証明した。
が、折からのアニメロボットブームに押されて様々な路線変更・てこ入れを行った結果、シリーズ全体でも三度に渡って根本的に趣向が変わるなど、まさに『迷走』と呼ぶにふさわしい奇妙な状況に陥ってしまっていた。
結果、現在では考えられないような高視聴率を残しておきながらも、アニメロボットシリーズの猛追を振り切れなかったと判断され、35話で打ち切られるという事態に至ってしまう。
話数短縮のあおりを食い、番組後半の「ラスボスを行動可能にする装置の設計図」を奪い合うという目的が完全に有耶無耶になるという残念な事態になってしまった。
主な登場人物
- 神敬介/仮面ライダーX (演:速水亮)
- 主人公。沖縄の水産大学の学生で、船員志望である(船乗り志望でなぜ水産大学?)。
幼い頃より父・啓太郎に鍛えられていたため、空手や柔道に秀でている。
霧子が防弾チョッキを持ち出したため、防弾チョッキのないままGODに襲撃され死亡してしまうが、父・啓太郎の命がけの改造手術によりカイゾーグ/仮面ライダーXとして甦った。
ストーリー序盤は気弱な姿を見せる事が多かったが、ストーリーが進むにつれ次第に成長していった。
最終回で藤兵衛達に置き手紙をしたが、自分の名前を「啓介」と間違えていた。
- 神啓太郎 (演:田崎潤)
- 敬介の父。
海洋科学と人間工学の世界的権威。GODに協力を迫られていたが、これを拒否したが故に報復される。
敬介共々襲われて重症を負うが、最後の力を振り絞って敬介をカイゾーグ/仮面ライダーXとして蘇生させる。
なんで「仮面ライダー」の名を知ってたのかは謎だが、ショッカーとかあの辺の組織に関わっていたんだろう。
死後は海底基地「神ステーション」へ自分の記憶と人格をコピーした。その姿には「鋼鉄ジーグ」の司馬遷次郎が思い浮かぶ方も多いであろう。しかし、ストーリー初盤でヘタレて父を頼ってくる敬介を見放すが如く自爆した。
- 立花藤兵衛 (演:小林昭二)
- 『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』に引き続き登場する。デストロン壊滅後は喫茶店を営んでいた。
第5話で敬介と出会い、三度戦いに身を投じる事になる。敬介に特訓を課す事もあった。
Xライダーの新必殺技「X二段キック」をくらっても死なない。藤兵衛が丈夫なのかというよりこの技が大丈夫か?
- 水城涼子 (演:美山尚子)
- 敬介の婚約者にして啓太郎の助手を務めていた女性。神親子を裏切りGODに加入したがその真意とは・・・。
ストーリー序盤でのキーパーソンであったが路線変更に伴い僅か8話にて死亡した。
- 水城霧子 (演:美山尚子※二役)
- 涼子の双子の妹。敬介を影ながらサポートしていたが、第8話で敬介を庇い・・・。
- チコ (演:小坂チサ子)
マコ (演:早田みゆき)
- 2人とも第15話より登場。
城北大学の学生で、偶然GODの指令テープを聴いてしまったためにGODに狙われたが、敬介に助けられた。
以後は藤兵衛が営む喫茶店COLで働くようになる。なお、2人とも敬介がXライダーであることは知っている。
2人の名前が卑猥だと思ってはいけない。
- 風見志郎/仮面ライダーV3 (演:宮内洋)
- 第27話で登場した前作『仮面ライダーV3』の主人公。第27話では藤兵衛の講談を聞いていたが、ネプチューンなどの再生怪人が襲ってきたためXライダーと協力して戦った(余談だが講談は途中から映画版(『5人ライダー対キングダーク』)の話をしていたが、敬介も志郎もこの話が初対面で、しかも志郎はGODの事を知らなかったのであの映画は何だったんだろう?)。続く第28話ではGOD悪人軍団「クモナポレオン」に敗北を喫した敬介に全血液の交換と「マーキュリー回路」の移植手術を行ったためその後、敬介はパーマになった。その後、第33~34話にも登場。第28話と第34話では例の走行中の手放し変身までやってしまった。藤兵衛も言っていたが、最終回では何をやってたんだろう?
- 一文字隼人/仮面ライダー2号 (演:佐々木剛)
- 第33~34話に登場した、前々作の主人公の一人。
第33話では橋から身投げした藤兵衛を助けたが、藤兵衛は助けられた時に「2号」と言っていた。よく顔だけ見て2号と分かったもんだ……あ、手袋か(本作の2号は緑マスクなので、本編未登場の1号とは顔では区別がつかない)。
なお、敬介は志郎から隼人を紹介された…ということは、やはり敬介と隼人はこの話が初対面ということになる。
続く第34話ではRS装置に関することでアジトに潜入しており、終盤でRS装置を爆破。「私の変身をお目にかけよう」と言ってから変身したが、前髪うっとうしそうだった。この人も最終回では何をやってたんだろう?
敵組織「GOD秘密機関」
前作『仮面ライダーV3』でデストロンが壊滅した後に現れた秘密結社で、「Goverment of Darkness」の略。
当時冷戦状態だった米ソが秘密裏に手を取り合い組織した。例によって改造人間を使って日本壊滅を企んでいる。
率いる敵怪人としては…
ストーリー初盤から中盤までは、ギリシャ神話やローマ神話等の怪物や英雄等をモチーフとしている「神話怪人」、中盤以降は実在した者から架空上の犯罪者や独裁者と動物を掛け合わせた「GOD悪人軍団」を擁している。
「GOD怪人」の記事も参照されたし。
敵幹部
- GOD総司令 (声:阪脩)
- GODの支配者。正体不明の大幹部。中盤までは様々な人形にテープレコーダーを仕込んで怪人に命令を下していた。神社の中にマネキンが置かれているなど、かなりシュールな絵面になっていることもある。
姿を見せる事が無かったが、その正体とは・・・。
- キングダーク
- アポロガイストの死後、着任した大幹部。巨大なロボットである。
「RS装置」という特殊な装置がなければ自立することが出来ない。
番組後半はこの装置の設計図の争奪戦であったが、番組打ち切りに伴い装置なしに立ち上がるという設定ブレイカーをやらかしてしまった。
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダーVS大ショッカー』にも登場し、オールライダーを圧倒している。
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』にも登場はしているが・・・。
- 呪博士 (声:和田文夫)
- キングダークの中の人。GOD総司令の正体である。神啓太郎の親友でもあった。
二人とも死ねぇ!
- アポロガイスト (演:打田康比古)
- 第8話から登場したGOD秘密警察第一室長。「アポロチェンジ!」の掛け声で人間態から変身する。
怪人が藤兵衛の店を壊した際は修理費を出すなど、紳士っぽいところも見せた。だが、同時にこれから倒す敬介の香典まで出してしまったため、突っぱね返されてしまった。
一度はXライダーに倒されたが、のちに再生アポロガイストとして復活を遂げた。しかし、再生手術による寿命はたったの一ヶ月であり、Xライダーのパーフェクターを移植しなければ死んでしまうため、最期の決戦を挑んだ。
位置づけ、強大な戦闘能力から、後年のシャドームーンや平成ライダーにおける悪役ライダーの走りとの声も。
後年、『仮面ライダーディケイド』にも登場。人間態には「ガイ」の名が新たに設定されている(本職はイタミン刑事)。
バカボンのパパみたいな語尾がついてしまったが。
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作品一覧
関連項目