青い森鉄道

青い森鉄道とは、東北本線から経営分離された青森駅～目時駅間を運営している第三セクター方式の鉄道会社である。

「い」を忘れないでモーリー。

概要

青い森鉄道線 基本情報 運行事業者 青い森鉄道 総路線距離 121.9km 総駅数 27駅 軌間 1,067mm 最高速度 110km/h

2002年12月1日に東北新幹線の盛岡駅～八戸駅間が開業した際、東北本線の一部が並行在来線としてJR東日本から経営分離され、その区間のうち青森県側の目時駅～八戸駅間の運営する会社として発足。

2010年12月4日、東北新幹線八戸駅～新青森駅間延伸開業により、東北本線の八戸駅～青森駅間を編入し、全線開業となる（なお、孤立路線となる八戸線及び大湊線は延伸開業後も引き続きJR東日本が運営している）。

この延伸により、青い森鉄道線の営業距離が合計121.9kmとなり、肥薩おれんじ鉄道線に代わって日本最長の第三セクター鉄道路線となった（2019年3月23日、旧JR東日本山田線の宮古駅～釜石駅間が三陸鉄道に移管されたことにより、その座を明け渡した）。

定期列車はワンマン運転を行っている。ただし、快速しもきたが増結したときや、八戸～目時間（～盛岡間）において運行する車両がIGRいわて銀河鉄道である場合は、車掌が乗務することもある。

現在、青い森鉄道の運行形態（平時）は各駅停車のみで、野辺地～八戸間のみ大湊線から快速しもきたが直通している（野辺地～青森間の快速しもきたは2021年3月で廃止）。かつては線路内の快速も存在したが、2018年3月で廃止となった。2022年、開業20周年として青森～盛岡間を結ぶ臨時快速が運行された。

路盤施設は青森県が保有しており（青森県が第三種鉄道事業者）、青い森鉄道は地上設備を借りて運行をする第二種鉄道事業者である。

スマートフォンやタブレットにて利用可能な「リアルタイム列車運行情報」を2017年3月30日から提供している。

使用車両

青い森701系

青い森鉄道の主力車両。JR 701系の青い森鉄道版。青森駅～目時駅間全線で使用される。また、いわて銀河鉄道線の目時駅～盛岡駅間でも使用される。2両編成9本が在籍し、1編成は青い森鉄道開業時（2002年）にJRから譲渡された車両、1編成は2002年に新造された車両、残り7編成は八戸～青森延伸時（2010年）に譲渡された車両。一部車両にセミクロスシート車がある。

青い森703系

JR E721系の青い森鉄道版。2014年3月から使用開始。2両編成2本が在籍。セミクロスシート。

IGR 7000系

JR 701系のIGRいわて銀河鉄道版。八戸駅～目時駅間（～盛岡駅）で使用される。

JR キハ100系

大湊線直通の快速しもきた専用。（大湊駅～）野辺地駅～八戸間で使用される。2013年3月のダイヤ改正前までは車掌が乗務していたが、改正以降はワンマン運転を行っている（増結して車掌が乗務している時を除く）。2021年3月のダイヤ改正前までは（大湊駅～）野辺地駅～青森間も走行していた。

JR HB-E300系

大湊線直通臨時快速列車リゾートあすなろ（全車指定席）で使用。

なお、この他に多数の貨物列車およびクルーズトレインの四季島が走っている。

過去の使用車両

• JR 485系3000番代
• JR 485系1000番台
• JR E751系
  • これらの車両は、2013年3月のダイヤ改正まで青森駅～浅虫温泉駅間の快速として1日1往復していた時に使用されていた車両である。下り（青森行）は、青森駅到着後に臨時（といいつつ廃止まで毎日運転）の特急つがる大館行きの列車としてそのまま運行されていた。
• JR キハ48系リクライニング改造車 　　
  • 2016年2月末まで大湊線直通臨時快速はまなすベイラインのための車両として運行されていたが、2016年4月からキハ40系に変更された（後にリゾートあすなろに統一）。廃車になったという噂があるが、公式の情報はない。
• JR キハ40系
  • 主に八戸線直通用として三戸駅～八戸駅（～鮫駅）間で運行されていたが、八戸線の全ての車両をキハE130系に置き換えることに伴い引退。八戸線の直通も2018年3月のダイヤ改正で廃止された。2014年3月までは、（蟹田駅～）青森駅～八戸駅間の設定があった。ワンマン運転に非対応。

駅一覧

単純に県境で会社を分けたため、目時駅は会社境界駅でありながら無人駅。なお、目時駅は青森県にあることから、青い森鉄道の管轄である。全駅が青森県内に所在する。

JR駅時代にみどりの窓口が置かれていた三沢駅および野辺地駅では、それに代わって青い森たびショップにてJR券を取り扱っていたが（ビジネスえきねっとのため、一部取り扱っていない乗車券類もある）、2022年現在でいずれも休業している。浅虫温泉駅もビジネスえきねっとが取り扱われていたが、こちらは終了している。

JRの孤立路線（八戸線・大湊線）が接続する八戸（在来線のみ）・野辺地の各駅も、青い森鉄道の管轄となっている。

●＝停車、｜＝通過　▲＝一部停車

駅名	普 通 列 車	快 速 し も き た	リ ゾ ー ト あ す な ろ	○駅周辺施設・■接続路線	所在地
IGRいわて銀河鉄道線盛岡駅まで直通運転
目時駅 めとき	●	大 湊 線 大 湊 駅 ま で 直 通	大 湊 線 大 湊 駅 ま で 直 通	■IGRいわて銀河鉄道 いわて銀河鉄道線 青い森鉄道管轄駅	三戸郡 三戸町
三戸駅 さんのへ	●			○三戸町役場 ○青森県立三戸高等学校 ※2022年3月12日より終日駅員不在	三戸郡 南部町
諏訪ノ平駅 すわのたいら	●			〇諏訪神社
剣吉駅 けんよし	●			○青森県立名久井農業高等学校 ※2022年3月12日より終日駅員不在
苫米地駅 とまべち	●			○南部町役場 ○ふれあい公園
北高岩駅 きたたかいわ	●				八戸市
八戸駅 はちのへ	●	●	●	■JR東日本八戸線・東北新幹線 ※JR在来線は青い森鉄道管轄 ○青森県立八戸西高等学校
(貨)八戸貨物駅				■八戸臨海鉄道八戸臨海鉄道線（貨物線）
陸奥市川駅 むついちかわ	●	｜	｜	○プライフーズスタジアム（路線バスで接続）
下田駅 しもだ	●	●	｜	○イオンモール下田（町民バスや路線バスで接続） ※2023年3月18日より終日駅員不在	上北郡 おいらせ町
向山駅 むかいやま	●	｜	｜	○カワヨグリーン牧場
三沢駅 みさわ	●	●	●	○星野リゾート青森屋 ○青森県立三沢商業高等学校 ○青森県立三沢高等学校 ※かつては十和田観光電鉄線に接続していた	三沢市
小川原駅 こがわら	●	｜	｜	○小川原湖（おがわらこ。駅名は「こがわら」）	上北郡 東北町
上北町駅 かみきたちょう	●	●	｜	○玉勝温泉 ※2023年3月18日より終日駅員不在
乙供駅 おっとも	●	▲	｜	○東北温泉 ※2023年3月18日より終日駅員不在
千曳駅 ちびき	▲	｜	｜
野辺地駅 のへじ	●	●	●	■JR東日本大湊線（一部直通運転） ※青い森鉄道管轄駅 ○青森県立野辺地高等学校 ※国鉄およびJR時代にかつては南部縦貫鉄道線に接続していた	上北郡 野辺地町
狩場沢駅 かりばさわ	●				東津軽郡 平内町
清水川駅 しみずがわ	●
小湊駅 こみなと	●			○平内町歴史民俗資料館
西平内駅 にしひらない	▲
浅虫温泉駅 あさむしおんせん	●			○浅虫温泉郷 ○道の駅 ゆ～さ浅虫 ○青森県営浅虫水族館（徒歩約10分）	青森市
野内駅 のない	●			○青森県立青森工業高等学校 ○青森市営バス東部営業所 ※2011年3月12日現在の場所に移転
矢田前駅 やだまえ	●			○青森県立青森東高等学校
小柳駅 こやなぎ	●			○青森県立青森商業高等学校
東青森駅 ひがしあおもり	●			○青森県立保健大学
筒井駅 （青森高校前） つつい （あおもりこうこうまえ）	●			○青森県立青森高等学校 ※2014年3月15日開業
青森信号場				■JR東日本奥羽本線支線（貨物線） ※唯一の信号場
青森駅 あおもり	●			■JR東日本奥羽本線・津軽線 ※改札はJR東日本管轄
リゾートあすなろはJR大湊駅まで直通運転

• 列車の乗り方
  • 太字の駅は終日駅員配置駅。すべての列車ですべてのドアが開く。
  • 下線がひかれている駅は、駅員や係員がいる時間帯、または無人駅ながらも一部の時間帯のみすべてのドアが開く。それ以外の時間では、以下の無人駅と同様である。
  • 太字でなく下線も引かれていない駅は終日無人駅。ワンマン列車では、乗車するときは進行方向の前から3番目の「入口」と書かれたドアから乗車し（ただし、快速しもきたに使われるキハ100系の場合はその表示はない上に、2番目のドアから乗車する）整理券を取る（一部の無人駅では自動券売機が設けられている駅があるので、乗車前に購入する）。降車時は、きっぷまたは運賃は運賃箱へ入れる。定期券は運転士に提示。その後、1両目1番前のドアから降りる。
• リゾートあすなろは、臨時列車である。そのため、運転日に注意。
  • 全車指定席のため指定席券が別途必要。また、青い森鉄道線内完結の指定席券は発行されない（例：三沢駅→野辺地駅の指定席券は出せないが、三沢駅→大湊駅の指定席券は出すことができる）。

青春18きっぷの扱い

青春18きっぷは、通常JR線以外では使えないというのが原則であるが、八戸線・大湊線は他のJR在来線と接続してない孤立路線であるので（特に大湊線は新幹線との接続もない）、以下の措置が取られている。

• 青森駅～八戸駅間は、JR線の駅から青い森鉄道線を経由してJR線の駅へ乗り継いでいくという条件の元で普通・快速列車に乗車して通過利用する場合に限り、別途乗車券は不要（例：油川駅→本八戸駅・新青森駅→陸奥横浜駅等）。
• 上記条件の元で青森駅、野辺地駅、八戸駅に限り途中下車可能。
• このため、JRの駅から乗車して上記3駅で下車という扱いは不可。

なお、フルムーン夫婦グリーンパス・ジャパンレールパスも同じ取り扱いである。

今後の予定

青い森セントラルパーク（旧青森操車場、青森駅～筒井駅間）にスポーツ施設を整備する構想が浮上したことに伴い、新駅も整備する構想が出ている。

関連動画

関連商品

関連静画

関連コミュニティ

関連項目

• 鉄道事業者・路線一覧
• 駅名一覧（東北地方）
• 並行在来線
• 東北新幹線
• 十和田観光電鉄
• 上下分離方式
• 鉄道in東北
• 青森県
• JR貨物

 

並行在来線会社一覧

東北・北海道：IGRいわて銀河（岩手） - 青い森（青森） - 道南いさりび（北海道）

北陸:しなの（長野） - えちごトキめき（新潟） - あいの風とやま（富山） - IRいしかわ（石川）

九州:肥薩おれんじ（熊本・鹿児島）