私とヴァルシオンを倒さぬ限り、DCは滅びぬ!!
ここでは双方について解説。
ロボット概要
バンプレストオリジナルを代表するロボットで、第2次スーパーロボット大戦のラスボスとしての登場が初出。
第1作の「スーパーロボット大戦」はパイロットと言う概念が無く半ば擬人化されたキャラクターであり、また現在のスパロボシリーズとストーリー上でも何のつながりも無い作品であったため、実質的に「現在あるスーパーロボット大戦シリーズ最初のラスボスキャラ(ロボット)」であり、その後も継続して長く登場している名機体である。
スーパーロボット大戦シリーズを語る上で欠かせない機体の1機と言っても過言ではない。
「究極ロボ」の異名を持ち、初登場からOGシリーズに至るまで一貫してトップクラスの超性能を持つボスクラスユニットとして活躍している。
なおこの究極ロボと言う異名は単に強いからと言うだけではなく、開発に至る経緯にも関連している。
赤を基調としたカラーリングで、全体的にトゲトゲしい威圧感のある外見が特徴。
ストーリー・背景
天才科学者ビアン・ゾルダーク博士が異星人の侵略を予見し、それに対抗するために建造された。
異星人との戦いにおいてフラグシップ的な存在になるべく、知的生命体に対して心理的威圧感を与えるための外見のインパクトを重視して開発した結果、かなりトゲトゲしい外見になった。
(このせいで娘のリューネに大不評を買ってパイロットになるのを拒否され、娘用の機体として全く別の外見でヴァルシオーネを開発する事となっている。)
外見だけではなく、実際の性能の方も1機で戦局を左右できる機体として開発されており、凄まじい性能を誇る。
それでいて拡張性にも優れ、ヴァルシオーネを始めとした後継機や「改」の開発、その他DCが開発していた兵器などの基礎ともなっている。
なお機体開発の経緯から、ディバイン・クルセイダーズ(DC)の結成と密接な関わりを持つ。
第○次シリーズとOGシリーズでは大元の流れは共通しているものの、細部が異なる。
- 第○次シリーズ
ビアン博士が異星人の侵略を予見し、純粋にそれに対抗するための戦力として開発された。
ビアン博士は更なる戦力として秘密結社DCを組織し、戦争を繰り返して一つにまとまる気配を見せない地球人類を武力によって統一するために戦争を起こした。この戦争でビアン博士自身もヴァルシオンに乗るが戦死する。
なおビアン博士が予見した、侵略してくる異星人と言うのはインスペクター(第3次)およびゲスト(第4次)のことであったが、ビアン博士本人は第2次の時点で戦死しているため、ビアン博士およびヴァルシオンが地球を守るための異星人との戦いに赴く事は無かった。その後別の者の手によって復活したりしたDCはビアン博士の遺志を継いでいるとは言い難く、いずれも対抗すべき異星人と手を結んで何らかの利益を受け、私欲を満たすために動いている有様であった。
ヴァルシオンもその例外ではなく、第3次においてはシロッコが開発したヴァルシオン改は、実際はインスペクターからの技術供与を受けて完成を見たものである。実際、「改」にてグラビトンウェーブに代わって搭載された兵器「ビッグバン・ウェーブ」は、インスペクター総司令官・ウェンドロの機体「ディカステス」やゲスト総司令官・ゼゼーナンの機体「バラン=シュナイル」に同じ兵器が搭載されている。
また第3次では、ルートによってはウェンドロがヴァルシオンそのものをお供として引き連れて現れる。元々インスペクターは可能な限り現地で接収した兵器を再利用する方針であったが、異星人に対抗するために建造されたロボットがその異星人に利用されるという皮肉な結果となる。 - OGシリーズ
ビアン博士によって、インスペクター(およびゲスト)と言った異星人に対抗するために建造されたのは第○次シリーズと同様。
ビアン博士はエクストラ・オーバー・テクノロジー(EOT、異星人によりもたらされた超技術)の研究をしていた「EOT特別審議会」の一員であったが、異星人の技術の凄まじさが明らかになってくるにつれ、審議会の上層部は抗戦ではなく無条件降伏による保身を考えるようになり、「徹底抗戦派」であるビアン博士と対立する。
失望したビアン博士は独自にヴァルシオンを始めとした兵器を開発してDCを組織、反旗を翻して地球連邦政府に宣戦布告するが、最終的にビアン博士はヴァルシオンの撃墜と共に戦死。
なお、DCにて異星人に対抗するための機動兵器を開発する事を目指したプロジェクトを、「スーパーロボットを超えるロボットを創る」と言う意味を込めてプロジェクトUR(Ultimate Robot)と呼ぶ。これが「究極ロボ」と言う通称の由来であると言う事になっている。
スペック
全長 | 57.0m |
重量 (全備重量) |
550.0t ※1 (615.0t) |
登場人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 ※2 |
武装 | ディバインアーム |
クロスマッシャー | |
メガ・グラビトンウェーブ | |
その他装備 | Iフィールド ※3 |
シールド ※4 | |
歪曲フィールド ※5 |
機体のバランスとしては重武装・重火力に寄っている節がある。
火力は凄まじいが機動力は余り高くなく、腕の可動域が広くないため、動きに柔軟性があまり無い。
(そのため、2号機であるヴァルシオーネは機動性を重視した設計になっている)
- ※1 全長・重量
かのコンバトラーVと同じ。これは単なる偶然ではなく、ロボット好きなビアン博士の趣味である。
なお、重量550.0tと言うのは第3次・第4次での設定。EXでは重量が55.0t(全備61.5t)と1/10に変更されている。
第4次~Fではまた550.0tに戻ったためただの誤植かと思われていたが、OGシリーズでまた55.0tに再変更。「改」も同様の設定変更を経ている。
ちなみに、全備重量が63.0tであるνガンダムが全長28mしかない事を考えると、ほぼ倍のサイズでありながら重量が殆ど変わらないのは異常なほど軽いと言える。νガンダムはフィンファンネルやハイパーバズーカ等の結構デカい装備がいくつもあるため全長に対して全備重量が重くなりがちだが、ヴァルシオンはそれ以上にゴツい。
OGで言うと、一般的なPTよりも軽い。 - ※2 移動タイプ
宇宙での戦闘に対応しているのは元からだが、初出の第2次の時点ではヴァルシオンは空を飛べず、地形適応タイプとしては陸のみである(宇宙はデンドロビウムのような宇宙専用機でも無い限り書かれる事は無い)。OGでもヴァルシオンは攻撃の演出時に宙に浮いたりする以外は陸を歩いている。
しかし、後のシリーズではヴァルシオンは普通に空を飛んでいる。OGシリーズにおいては「テスラ・ドライブを搭載しているため」という、空を飛べる明確な理由がつけられている。 - ※3 Iフィールド
第4次まで。歪曲フィールドが無かった頃の産物。
ちなみに第4次まではバリアの類は全てビーム兵器に対するものだけであり、ビーム以外にも有効な初のバリアであるATフィールドが初登場したF・F完のヴァルシオンはバリア系は何も搭載していない。 - ※4 シールド
ディバインアームがあるため切り払いが出来るのはほぼ全てのヴァルシオンで共通だが、ごく一部の作品ではシールドも持っている事がある。 - ※5 歪曲フィールド
OGシリーズからの装備。全ての攻撃に対する半減バリア。後述にもある通り、オリジナルであるビアン博士機にのみ搭載されている。
武装
- ディバインアーム
巨大な実体剣。(実体剣=ビームやレーザー等を使った剣ではなく、金属を使った固形の剣)
直訳すると『神聖な武器』と読める。
柄の部分が長めで、どちらかと言うと長刀に近い形状。ヴァルシオーネのものと違って鞘は無い。アニメ版ではディバイン・アームから発生した衝撃波でアヤの乗るゲシュペンストにダメージを与えた事も。
「タイプCF」のみディバインアームを装備していない。 - クロスマッシャー
赤と青のビームが螺旋状に絡まって飛んで行く。武装の数が少ないヴァルシオンであるが、それを補って余りあるほどの射程と威力を併せ持つ射撃武器。
発射方法は登場作品によって異なる場合があり、ゲームでは基本的に両手の甲に装備されている砲口から発射するが、アニメ作品「スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ」では背中に装備されているユニットから発射している。 - メガ・グラビトンウェーブ
指向性を持たせた重力波を発射する兵器。
第2次~第3次ではリメイクのコンプリートボックス版でもハードがプレステだったためグラフィックも比較的簡素な物に留まっており、胸の前で圧縮したエネルギーを解き放って相手に重力波をぶつけるというだけのものであったが、PS2になりハードの性能も大幅に上昇したOGシリーズでは、まず重力波による竜巻を巻き起こして相手を巻き上げ引き寄せた後、自身を中心に衝撃波を放って相手を攻撃する技となっている。
ヴァルシオン改
一部のシリーズには「ヴァルシオン改」が登場する。オリジナル機共々、詳細は後述させて頂く。
「第3次」で初登場するのだが、「第4次」ではなんと改と付いていないのに青カラーのヴァルシオンが登場。
この青ヴァルシオンは何故かメガ・グラビトンウェーブもビッグバンウェーブも搭載されておらず、後述のOGシリーズにおける量産機としての「改」のような性能に仕上がっている。
この「改じゃないのに青」ヴァルシオンはF・F完結編でも引き続き登場する。
これらの作品にはちょうどオリジナル機としての赤いヴァルシオンが登場しないため、オリジナル機のヴァルシオンのカラーが青にと設定そのものが変更されたのか、単に改と呼ぶのが面倒くさくなっただけなのかイマイチはっきりしなかった。
しかし、第2次・第3次・EXの3作をPSでリメイクしたコンプリートボックスで事態が斜め上に覆る。第3次とEXの2作はいずれもノーマルのヴァルシオンと「改」とが両方登場するが、その全てにおいてノーマル機が青で「改」が赤カラーと、真逆になっていた。
どうやら、EXの後に設定が変更され、青がノーマルカラーとなったというのが正解だったようだ。つまり、第4次やFに登場したヴァルシオンは「改」ではないと言う事だろうか?
登場作品
第2次スーパーロボット大戦
この作品でのヴァルシオンはHPが6000と後のシリーズからすると非常に弱いように見えるが、ここでは「味方や雑魚ユニットのHPは3桁が基本、多くて1000」と言うシステムだったので、こちらの10倍弱のHPがあるという点で見れば後のシリーズと変わらない。
後に発売されたリメイク版、第2次スーパーロボット大戦Gでは第3次や第4次のようなバランスに改められ、こちらのユニットもHP3000とか5000と言う機体が標準になったが、ヴァルシオンのHPは40000。やはり10倍前後である。
さらに後のコンプリートボックス版でも40000である。
第3次スーパーロボット大戦
パプテマス・シロッコ機としてラスト付近で登場する他、ウェンドロやシュウがお供として引き連れてくる事もある。
今思えばもうこの時点でヴァルシオン量産化のフラグが立っていた気がしなくもない。
ヴァルシオンの改良型たる機体「ヴァルシオン改」が本作で初登場。ルートによって、シロッコがインスペクターの技術を利用してヴァルシオンを更に改造した機体として登場する。
オリジナルのヴァルシオンが赤を基調としたカラーリングであったのに対し、「改」は青を基調としたカラーリングになっている。
また、シロッコが登場するルートには2種類あり、シロッコ自身がラスボスとなるルートでは通常の赤ヴァルシオンではなく、ヴァルシオン改に乗り換えて出てくる。
シロッコなんだからジ・Oに乗れよと言う声が一部で上がるが、この作品のジ・Oはラスボスを張るにはちょっと物足りないので仕方が無い。と言う言い訳をたまに聞く。
武装はメガ・グラビトンウェーブが外されてビッグバンウェーブが追加。
ビッグバンウェーブはMAP兵器であるため単体攻撃としては使用せず、そのため異常な命中率を誇り反撃でガンガンこちらのユニットを落として行く・・・と言う事が無くなったため、真正面から殴りあう分には逆に楽になった感がある。
しかしビッグバンウェーブも似たような高命中率を持っているため、調子に乗って群がるととっても悲しいことになりかねない。特にコンプリートボックス版ではMAP兵器の使用に遠慮が無くなっているため、その確率がさらに上がっている。
コンプリートボックス版ではシュウが連れてくるのが「改」にバージョンアップしている。
パイロットはAIなのでシロッコが乗っている「改」に比べれば幾分かマシだが、機体性能は何ら変わっていない。不用意に群がるとビッグバンウェーブを連発されてしまう点はシロッコとのタイマンよりも面倒臭くなっている。
なお、後述の通りコンプリートボックス版ではノーマルと「改」のカラーが入れ替わっているため、機体は「改」にバージョンアップしているのに見た目(色)は全然変わっていない。
スーパーロボット大戦EX
リューネの章にて、普通にシナリオを進めるとラスボスになるのは超魔装機エウリードを駆るカークス将軍であり、コイツのお供としてノーマルが4機登場する。
召喚された地上の機動兵器およびそのパイロットには「元DC」と言う肩書きが頻繁に登場し、壊滅したはずのDCの影響力が未だに残っている事が伺えるが、かつてのDCの象徴でもあった究極ロボが4体に増えてボスのお供として何の前触れも無く出てくる。
ISSを使って特定のルートを通るとラスボスがマサキの章と同じ、デュラクシールを駆るフェイルロードになる。
マサキの章で普通に戦うとただの雑魚しか従えていなかった彼が、リューネの章でマサキにくっついて行き戦う事になると、何故かいきなりヴァルシオン改を4体引き連れている。
召喚された地上の兵器およびパイロットは原則としてラ・ギアスの情勢を知らないため、召喚された地点の勢力に保護されそのまま成り行きで参戦するという形が殆ど。従って、召喚事件が起きた当時の勢力圏が広ければ広いほど地上の兵器を自軍に引き入れられる確率が高くなるという事なのだが、当初より勢力を拡大しつつあったカークス軍はともかく、召喚事件が発生した当初は潜伏中の身であり、その後のマサキらの協力でなんとか勢力を盛り返せたはずのフェイル軍がヴァルシオン改を4体も確保していたのは、宝くじでも当てたかのごとき豪運である。
このヴァルシオン改は当然のようにMAP兵器のビッグバンウェーブを装備している。
しかも4機とも2回行動し、1ターン目から全力で動いてくるため、「改」4機で一斉に接近してきてビッグバンウェーブの乱れ撃ちと言った理不尽な事がたまに起こる。
それにしても、この作品においては地上で開発された機動兵器は皆「召喚された」と言う位置づけであったため、召喚される前に地上で建造されていた事になるのだが・・・。
ノーマルのヴァルシオンはともかく、「改」の方はビッグバンウェーブを装備している事から明らかに第3次でシロッコが開発したインスペクターの技術が入った機体なのだが、シロッコ機以外に4機も量産されていたのだろうか?
第4次スーパーロボット大戦
最終話でシュウが仲間にならないルートに入った上で、最終話でシュウと対決する事を選んだ場合にのみ登場。
ラスボスであるシュウ(ネオ・グランゾン)の取り巻きとして5体ほど出てくる。
改じゃないのに青カラーのヴァルシオン初登場。
この青ヴァルシオンは何故かメガ・グラビトンウェーブもビッグバンウェーブも搭載されておらず、後述のOGシリーズにおける量産機としての「改」のような性能に仕上がっている。
また、この「改じゃないのに青」ヴァルシオンはF・F完結編でも引き続き登場する。
本作では従来と違い、段々ボスキャラの威厳が薄れてきてしまったと言われる。要因を挙げると、
- 武装がディバインアームとクロスマッシャーの2つしかない。
デフォと改が両方登場する第3次やEXではどちらにもグラビトンウェーブないしビッグバンウェーブと言った必殺兵器が搭載されていたのが、本作では取り外されている。
なお、後のOGシリーズでは青カラーの改は「ヴァルシオンをデチューンした量産機」と言う設定であり、そのために上記兵器がオミットされていたのだが、こちらは「改はヴァルシオンの改良機」となっている第3次やEXと同じ時系列の世界です。 - ユニット自体の性能がライグ=ゲイオスに微妙に負けている。
ライグ=ゲイオスもゲスト軍の司令官専用機であるため相当な高スペック機なのだが、こちらは中盤から割とちょくちょく登場する機体であるため、最終話にしか登場しない伝統のスーパーロボットが負けていてはイメージに関わる相手。 - AIがパイロットの自動操縦機。
このルートでの敵軍=シュウ達ご一行は勢力の一角ではなくあくまで数人で独自に行動を取っているだけのチームであるため、配下がいないのも仕方ないと言えば仕方ないのだが、エリート兵ですらないのはちょっと・・・。 - 5機いっぺんに登場。
オリジナルの赤ヴァルシオンはワンオフ機だったのに、もう完全に取り巻き用に用意された量産ユニットです。
などなど、かつてのラスボスの風格がかなり色褪せてしまっている。
ロボット大図鑑でも「安売り感が」とセルフ突っ込みを入れられる始末・・・
しかし、自動操縦と言ってもAI最上位の「超AI」でしかもレベル99であるため、総合的には異常に強い。
こちらの攻撃が全く当たらない・・・と言う事は無いがヴァルシオンの攻撃もよほど頑張らないと避けられない。しかも、イベントによりシュウと超AIは全て気力150スタート、こちらは全員気力50スタートと言う逆ハンデまでついているため、何も考えずに交戦しようものなら、空にそびえる鉄の城であろうとも容赦なく一撃で粉みじんにされてしまう。
なおPS移植版の「第4次S」では、シュウはレベル60・超AIはレベル58とかなりの弱体化がされており、いくらか戦いやすくなっている。気力ハンデは無くなっていない上にネオ・グランゾンが3体出てくるために、MAP自体の難易度はちっとも下がっていないのだが・・・。
スーパーロボット大戦F(完結編)
本作で再びラスボスに返り咲く。
ラスボスはルートによってパプテマス・シロッコかシャピロ・キーツのどちらかになるが、機体はどちらでもヴァルシオン。
攻略本に曰く、「脅威の最強伝説が復活!」とある通り、Fに登場するこれまでのボスキャラが裸足で逃げ出す程の極悪性能を誇る。
この作品では先述のライグ=ゲイオスの更なる発展機であり、ゲスト3将軍それぞれの専用機であるオーグバリュー・ゼイドラム・ビュードリファーが登場しているが、それらと比較しても遜色ない性能に仕上がっている。
ここでも武装がディバインアームとクロスマッシャーの2つしか無いが、そんな事など気にならないほどの性能。
今作のヴァルシオンは先のシナリオで戦ったバラン=シュナイルを思わせる凶悪性能(運動性300超、最長射程距離11、etc...)を持ち、さらにシロッコが乗り込んでくる場合はシロッコがニュータイプ能力を持っているので必中が使えないリアルロボットの出る幕などないとばかりに暴れまわる。というより、「必中」無しで撃破を狙うのは不可能に近い。
もっとも、精神ポイントさえ温存していれば倒せるボスではあるため、後述するシャピロ搭乗機と比べるとさほどのインパクトでもないかもしれないが。
そして、シャピロがラスボスになったルートでは、シャピロ機のヴァルシオンにバイオリレーションシステム※が搭載されているという設定になっており、イベントによってこのシステムを停止させるまでは毎ターン精神コマンド「鉄壁・魂・根性」を使う。そのため、装甲値が13000とか言う何か間違った数値になる上にダメージを与えてもどんどん回復し、こちらのユニットは当たると間違いなく一撃で消し飛ぶ。さらには何とか頑張って倒しても自動復活するという、いわゆる「イベントでしか倒せない敵」である。
もちろんイベントでバイオリレーションシステムを停止した後でも中々に強い。まあ、ニュータイプ能力を持つシロッコと違いこちらはイベント後ならばシロッコ機と比べれば多少はラク。
※ バイオリレーションシステム ・・・ 「重戦機エルガイム」に登場したシステム。人間の生体エネルギーを吸収して別の事に転用するというシステム。これがあると人間が不老不死になったり、搭乗ロボットが謎の超パワーを得て無双しだしたりするが、これの影響下にあった人間が突然システムの影響外に出てしまうと、一瞬で老化して死亡する等リスクもある。
スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION
久々にビアン博士の乗る赤いオリジナル・ヴァルシオンが登場。
もちろんメガ・グラビトンウェーブを搭載。それだけではなく、色んな補助武器が追加されている。特に、あらゆる攻撃のダメージを半減させるバリア機能「歪曲フィールド」が追加されている事で、撃破がますます難しくなった。
破るにはバリア貫通能力のある武器で攻撃するか、ENを消費させてガス欠にすればバリアが発動しなくなる。
どこぞの自動操縦兵器と違い、ビアン博士の乗るオリジナルのヴァルシオンは最後までDCを象徴するフラグシップとしての機体であり、ヴァルシオン撃墜の知らせが入ると、DCの部隊は(ごく一部を除いて)全員、敗北を悟って撤退する。
また同シリーズでは青いカラーリングのヴァルシオン改、およびヴァルシオン改・タイプCFも登場。
ただし先述の歪曲フィールドが搭載されているのはオリジナルただ1機のみ。ちなみにこのバリアは、元々はグランゾンの専売特許とも言えるものであった。
前者のヴァルシオン改はゲーム中盤から登場。こちらにおける「改」はオリジナルの機体をデチューンして量産を目指した機体であり、ゲーム中には登場せず後のOGsでの設定にあるのみの機体も含めると、全部で7号機まで存在する。このうち1~3号機には「ゲイム・システム」と言う、人間の脳波を強制的に拡張してパイロットの潜在能力を引き出すシステムが搭載されているが、これは脳に非常に強い負担をかけて暴走する危険を孕んでいるため、4号機以降には搭載されていない。
また、搭載された3機のうちシャイン王女が乗っていた1号機は、ゲームの進め方によっては自軍ユニットとして入手可能。当然、ゲイム・システムは改修によって取り外され、味方部隊で運用できる機体となる。もっとも、入手条件が熟練度の獲得条件とダブっているため、筆者を含めヴァルシオンが隠し機体である事を知らなかったプレイヤーは少なくなかった。
なお、このOGにおける「改」1号機が、スパロボ史上初めて味方として使用出来るヴァルシオンである。
ちなみに同作の終盤ステージでは、エアロゲイターの制御兵達が同機に乗り込んでくる。テンザンが乗っていた機体を回収しそれを基に作成したのか、DCから機体を直接奪ったのかは不明。
他にも「OG2.5」ラスト、及び「OG外伝」の中盤では上述のタイプCFがボスキャラとして登場。オリジナルにも引けを取らない高性能で多くのプレイヤーを苦戦させた。
そして同作の最終面にて、「第3次」「第4次」と同様にネオ・グランゾンの取り巻きとしてヴァルシオン改が複数登場する。
第2次スーパーロボット大戦OG / スーパーロボット大戦OG ダークプリズン
上記の「OG外伝」のアフターストーリーにあたる第2次スーパーロボット大戦OG」では「EX」のストーリーをなぞって、異世界ラ・ギアスへと移っていくが、こちらでも同じくヴァルシオンがラ・ギアスへ登場する。ただし旧シリーズとは異なり、こちらでは「OG外伝」で登場した『ヴァルシオン改・タイプCF』が召喚されており、カークス軍に拾われたことで同部隊の戦力として改修・運用されている。
そのためリューネの章ルートの最終話(第17話)でカークス軍が誇る超魔装機・エウリードと共に出現、総力戦を挑んでくるが、今作では「OG外伝」で登場した『ODEシステム』は勿論バリア機能の類も搭載されておらず、乗っているパイロットも一般兵なのでさほど苦戦しないだろう。ただしSRポイント獲得を狙う場合は、ヴァルシオンを倒す過程でエウリードや大勢のガディフォール部隊が待ち構える敵本陣へ斬り込む形になるので集中砲火に晒される点に注意しなければならないが。
尚、今作ではヴァルシオンが登場し「ヴァルシオン」のBGMが聞けるのは何気にこのステージのみ。
そして「第2次OG」のストーリーをシュウ・シラカワの視点から描いたサイドエピソード『OGダークプリズン』でも登場、カークス軍が所有していたヴァルシオン改は2機存在した事が判明する。そして1機はカークスの本陣へ行ったが、2機目はカークス軍に雇われていた地上人ことノイエDC兵・オレグ大尉が搭乗した。
(ちなみに今作でもヴァルシオンが登場するのは奇しくも「第2次OG」と同じく『17話』で共通している。)
ヴァルシオンの圧倒的戦力でシュウをDC再興の野望に引き入れるべく部下の兵達やカークス軍の同志と共に戦闘を挑んでくるが、「自分に命令する」オレグの態度がシュウの逆鱗に触れた結果、シュウ達に敗れ去った。
BGMの概要
デデデデーン デデデデーン デデデデーン デデデデーン デーン(ドーン!!)
の出だしで非常にインパクトがあり、他のBGMとは一線を画した重厚感・恐怖感を放っている。圧倒的性能でラスボスとして君臨し続けるヴァルシオンの専用BGMと呼ぶに恥じない曲として、多くのプレイヤーにトラウマを刻んだ。
後の作品ではたまに別のボスクラスユニットとの戦闘時にも流用されたが、基本的にこのBGMが使われる作品では必ずヴァルシオンが登場するので、このBGMはいつまでもヴァルシオンのテーマである。
FC音源の時代から存在する曲であり、SFC・PS・SS・GBA・PS2等、音源の違ういくつものハードに渡ってリメイクされ続けてきた名曲。各ハードで音源がかなり違う為、アレンジバージョンであるかのような別の曲にそれぞれ聞こえる。
強いて言えば、「F(完結編)」をSSからPSに移植するに際して、SSよりもサウンド関連の性能が低いハードであるPSではSSでの曲をそのまま移植する事が出来なかったため、曲を一からPS音源で作り直している。そのため、PS版の「F」(および、コンプリートボックスでの第2次~EX)では特に違う曲に聞こえる。
なお上記のイントロ「デデデデーン」はSFC版の曲。このバージョンはバックの出だし部分のドラムが主旋律であるかのように音量が大きいためこう聞こえる。後の作品での、ドラムが押さえられているバージョンではどちらかと言うと「(デデデ)ッデーン (デデデ)ッデーン」になる。
どのバージョンが一番好きかと言う質問に対しては様々な意見があるが、トラウマとしてのBGM・ボスの威圧感と言うイメージとしてのBGMではSFC版(第4次)のバージョンを挙げるプレイヤーが多いようだ。
このバージョンは上記の通り大音量でのドラムに加え響き渡る爆発音のような音もアクセントとして挿入されており、かつ曲全体がサラウンドのように響く音になっているため、重厚感が一層強いのだと思われる。
また同作ではゲスト軍の誇るボス機体「ゲイオス=グルード」「ライグ=ゲイオス」や「バラン=シュナイル」など、ゲスト軍のボス機体のBGMとしてもこの曲が使われており、後半~ラストにかけてBGMを聴く機会が多いのも一因か。
また、ゲストとは関係無いが序盤ミッションで戦うボス・ドラゴノザウルス戦でもこのBGMが流れる。
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