「お市の方」(おいちのかた 1547? ~ 1583)とは、戦国時代の尾張織田家の女性で織田信長の妹であり、浅井長政とのおしどり夫婦ぶりや薄幸に定評のある戦国美人。
※「織田市」の名で戦国系SLGに登場する他、時に妹系良妻、時に地獄少女としてTVゲームに登場している。
概要
織田信秀の娘に生まれ、兄・織田信長の命により近江国の浅井長政の元へと嫁いだ。
政略結婚ではあったのものの、浅井長政とお市の方の間はまさにおしどり夫婦な仲睦まじかったと言われており、二人の間には、嫡男・次男と浅井三姉妹と呼ばれる長女で後の豊臣秀吉側室(所謂「淀殿」}となる「茶々(ちゃちゃ)」・次女で京極高次の正室となる「初(はつ)」・三女で徳川秀忠の正室として寵愛をうける「江与(えよ)※江(ごう)とも」らを設けた。
しかし、北陸最強Gの朝倉宗滴の活躍等により朝倉家との間に盟約を結んでいた浅井家は、織田信長の朝倉家侵攻に際し浅井長政は盟友朝倉家を選び、織田信長と衝突する。姉川の戦いの後、浅井長政が織田信長に敗れて自刃した際には、お市の方は織田家に返されて兄・信長の庇護をうけた。
織田信長が本能寺の変で死後は、豊臣秀吉の仲介により柴田勝家と再婚するも、またもや夫が時の天下人との戦いに敗れた為、柴田勝家と共に越前北ノ庄城にて自害した。
さらぬだに 打ちぬる程も 夏の夜の 別れを誘ふ ほととぎすかな
お市の方は、戦国時代の美人に一人に数えられる美貌の持ち主とされている。
※なお、織田家は戦国時代でも美男・美女を輩出している家系である。
また、聡明で器量良しであったともいわれており、両端を縛った袋を届けて浅井家による攻撃(挟み撃ち)を織田信長に伝えた逸話や(結果的にはこの判断が浅井長政を死に追い込んだとする説もある)、豊臣秀吉没後の関ヶ原の戦いそして大坂の陣による織田家と豊臣家の没落は、お市の命による茶々(淀殿)の策謀とする説もあり、兄の織田信長も「市が男だったなら、良き武将となったであろう」と評価している。
睦まじい仲であった夫が2回も天下人に対抗して滅亡し、最後は自害した事とその美貌から「薄幸の美女」として作品に登場する際に幸薄いキャラにされることがある。
※その他「お市の方」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。
ニコニコ動画では、「戦国無双」や「戦国BASARA」に登場している姿が目撃される事が多い。
というか関連するほとんどがそれら2作品関連である。
生存説
この説によるとお市が自殺する直前に伊賀の忍者が現れ、彼と共に城から脱出。
その後伊賀の里に隠居し関ヶ原の前年である1599年、53歳で亡くなった。
その説を裏付ける証拠が次々と発見されているため俗説である可能性は低い。
しかし、別れてしまった娘達が秀吉の側室(茶々)・家康の息子、秀忠の妻(江)になった事を知っていたかどうかは不明(隠居していた為、知らなかった可能性が高い)。
余談だが1599年は長曾我部元親が亡くなった年でもある。
戦国無双のお市
コーエーのアクションゲーム「戦国無双」シリーズに登場する。1~3まではナンバリング毎にイメージ年齢が成長していき、それぞれ性格や設定も変化している。秀吉のことを「サル」と呼ぶキャラの一人で、彼にはあまり優しくない態度をとっている。
「戦国無双」ではけんだまを操る歳若い妹系キャラで、イメージ年齢は15歳なロリキャラ。天真爛漫で明るく元気な性格だが、ややわがまま。そのバイタリティで実家と嫁ぎ先の間で起こる争いを乗り越えていく。攻撃力や防御力は低く、モーションに隙も多いのだが攻撃範囲とヒット数に優れる。ステータスの限界突破や隙を消す技能が追加された猛将伝では弱点が大幅に改善されたので、一時は最弱クラスだった性能が飛躍的に上昇して中堅程度には強くなっている。この頃は織田や浅井配下の武将達にも様付けだった。
「戦国無双2」ではやや歳を重ねた美人(でも武器はけんだま)キャラとして登場する。落ち着きのある性格になったが、世の中を見通せる程に聡明になったことで何に対しても「詮なきこと」と諦めを込めた悲観的な態度になってしまっている(設定では信長や秀吉と同じレベルとのこと)。本人の成長と夫・浅井長政がプレイアブルになったことで夫婦愛の描写が多くなった。賤ヶ岳の戦いにも登場しているが、柴田勝家との再婚はほとんどスルーされている。お市のシナリオはバッドエンドなのだが、その後で出現する長政のシナリオがそれを補完するようなハッピーエンドとなっている。今回から家に仕える武将達のことはほとんど呼び捨てになっている。
「戦国無双3」ではさらに成長し、武器も連環輪に変化。ネガティブな部分はなりを潜め、心の優しい美姫として参戦した。2とは逆にお市と長政でハッピーエンドとバッドエンドが逆転している。勝家との再婚にも触れる機会が前作よりは増えている。
「戦国無双4」では特に年齢的な成長はなかったが、藤堂高虎や大谷吉継ら浅井縁故の年少の者達には母のように慕われている。
戦国BASARAのお市
カプコンのアクションゲーム「戦国BASARA」シリーズの、「戦国BASARA2」より登場する。
(操作可能になるのは英雄外伝から)
夫・浅井長政が、服装のカラーが紅白な事やステージ開始後3分間だけの能力を持つ事やライダーキックの様な蹴り技の他、なにかにつけてポーズを決めようとする事から特撮ヒーローっぽいキャラなのに対して、お市の方については、長髪で美人な女性ではあるが、属性は闇で、事あるごとに「市のせい…」とつぶやく等自虐的な暗さをもったキャラとなっており、死者の怨念を具現化して攻撃したり、黄泉国に引きずり込む等や担当声優にあわせて「地獄少女」を意識したキャラとなっている。基本的に明るくバカをする作風の「戦国BASARA」においては屈指の欝キャラであり、欝なストーリーを展開させる。能登こわいよ能登。使用武器は2が双頭薙刀、3が闇の手。
戦国大戦
長政に嫁いでいた頃の姿でVer1.1で参戦した。
しかし計略の「流転の命運」は「味方にかかっている計略効果を消して武力と兵力を上げる」という内容のため、夫の長政との相性はVer1.1時は最悪レベルであった(長政の正義の進軍が大名陣形だったため、これを使うとそれまで消してしまう)。むしろ部下の磯野員昌との相性が最高に良く「不倫コンボ」とか言われる始末。
Ver1.2になって長政が大名采配に変更になった物の、やっぱり組むとすれば第一候補は磯野のままだった。
「後は皆さん、よろしくお願いします」
Ver2.0で勝家に嫁いだ頃の姿で織田家で追加された。なんか若返って見えるけど気にしたら負け。
計略は「流転の快気」で、対象にかかっている計略を消して兵力を回復すると浅井に居た頃と似た計略。
しかし今回は同時期に追加された夫勝家との計略相性が抜群に良い。 勝家で暴れ回った後に撤退しそうになったらこの計略で撤退を回避しつつ兵力回復で更に攻めに転じられる。なお武力は上がらないため上の浅井お市が使われる事もあるがそれは用途次第である。
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