まどか☆マギカ×仮面ライダーリンク単語

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まどか☆マギカ×仮面ライダーリンクとは、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』を題材とした二次創作 MAD動画で、仮面ライダーシリーズのネタ等を用いた動画に付けられるタグである。記事の性質上、ネタバレに要注意。

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概要

もともとは、まどか☆マギカ本編第2話のTV放送後、ネット上の掲示板やファンサイト等で、劇中の魔法少女や世界観の設定が、（同2話での巴マミの戦闘シーンも相まって）『仮面ライダー龍騎』を彷彿させると言われていたことが、この系統のMADが生まれる切っ掛けとなった。

その後、第3話がTV放送され、マミさんがあの様なことになってしまった結果、ますます龍騎を彷彿した視聴者が続出。

具体的な類似点を挙げると

仮面ライダーと魔法少女

龍騎の世界では、ミラーワールドにおいてライダー同士が互いに潰しあうバトルロワイヤルを行っている。
ライダーの力を得て、戦いに勝ち残ればどんな願いも叶えられるというのである。
しかし、モンスターとの契約によりライダーとなった者は、他のモンスターを撃破して契約したモンスターに“餌”として与え続けなければならない。これを怠ると契約破棄とみなされ、契約したモンスターが自身に襲いかかることになる。
そのため、一度ライダーになった者は死ぬまで戦い続ける運命となる。

魔法少女とは“願いを叶えるため”という目的と“戦い続ける”という宿命が類似している。

ミラーモンスターの死骸とグリーフシード

ミラーモンスターを撃破すると、発光するエネルギー体となる。これを契約モンスターに与えることによってモンスターの強化が可能となる。ライダーの能力は契約したモンスターに依存するため、モンスターの強化は即ち自身の強化につながる。
RPGでいう経験値稼ぎのようなものである。

だが、それ以上に重要なのが契約の更新である。
契約続行のために餌を与える、というのが本来の目的であり、モンスターの強化は副産物的なものである。

しかし、中にはモンスターの強化に固執する者もおり、野良モンスターを狩るばかりか他人が撃破したモンスターのエネルギーを横から掻っ攫うと言った行為に出る者も見受けられる。

手塚海之・斎藤雄一、秋山蓮・小川恵理と美樹さやか・上條恭介の境遇

龍騎の世界では、傷害事件に巻き込まれピアノを演奏できなくなった斎藤雄一に「ライダーになって勝ち残れ」とライダーの戦いを主催した神埼士朗がカードデッキを託すが斎藤は「自分のために人を傷付けることはできない」と、これを拒否。契約を拒絶したためにミラーワールドのモンスターに喰い殺されてしまう。

友人の手塚は、斎藤の貫いた正義を信じ、ライダー同士の戦いを止めるためにライダーとなる。
願いと結果に差はあるが、音楽の道を断たれた友人のために自己犠牲の精神からライダーになったと言える。

手塚はその後、主人公を庇い仮面ライダー王蛇のファイナルベントによって死亡するが、主人公の運命を変えたことに満足していた。

仮面ライダー龍騎のもう一人の主人公である秋山蓮は、植物状態にある恋人の小川恵理を救うために仮面ライダーになった。秋山は恵理を襲ったコウモリのミラーモンスター、ダークウィングと契約し、戦いを続けながらダークウィングが恵理を襲わないように目を張っている。

ちなみに仮面ライダーナイトのモチーフカラーは青で、美樹さやかと一緒である。

須藤雅史と巴マミの最期

蟹型モンスターのボルキャンサーと契約した仮面ライダーシザースこと須藤は仮面ライダーナイトとの激戦の末にファイナルベントの応酬によりナイトをあと一歩まで追い込むが、ナイトの剣戟によりダメージを受けたカードデッキが砕けてしまう。
契約のカードも失った須藤はライダーの力を失うと同時に、契約破棄と見なしたボルキャンサーによって頭から捕食され命を落とす。

そこへ遅れて駆け付けた龍騎が見たものは無残に砕け散ったシザースのカードデッキだった。
まどか本編の割れたティーカップとこれを連想した人も多いのではないだろうか。

仮面ライダーと魔法少女の末路

仮面ライダークウガは戦い続けることで「すさまじき戦士=アルティメットフォーム」という戦うためだけの化け物となって「太陽を闇に葬る」可能性があった。仮面ライダー555の怪人オルフェノクとして甦った人間も次第に人の心を失ってしまう。仮面ライダー剣こと剣崎一真はキングフォームで戦い続けたことで(自ら望んだこととはいえ)最終的にアンデッド(ジョーカー)となってしまった。仮面ライダーOOOこと火野映司はプトティラコンボの力を酷使した結果グリード(仮面ライダーOOO)となってしまった(その後、元の人間に戻ったようだが)。
彼らは倒すべき相手と同族になる危険性を常にはらんでおり，コインの裏表・表裏一体な関係とも言える。そしてまどか☆マギカにおける魔法少女も敵である魔女になってしまう可能性があることで共通点を見出せるだろう。

契約詐欺

仮面ライダー龍騎における黒幕・神崎士郎は「戦いに勝ち残ればどんな願いも叶えられる」という名目でライダーたちを集めたが、その実「ライダーバトル勝者の強い生命エネルギーで妹・優衣を助命する」という目的のために動いており、そのためだけのチートスペックのライダーすら用意している。出来レースもいいところで、完全な契約詐欺である。仮面ライダー電王の怪人イマジンは人間に願いを適える契約はイマジンの都合のよい解釈で契約履行をするという契約詐欺であった(一部を除く)
まどか☆マギカにおけるキュゥべえも契約の際、肝心な部分を言わず事後承諾にする、元をたどれば元凶とも言うべき存在など多くの共通点が見られる。

時間改変

仮面ライダー龍騎における黒幕・神崎士郎は、ライダーバトルが失敗する度に「タイムベント」により時間をリセットをしていた。

仮面ライダーカブトには、自ら時間移動能力を持ち、装着者にもその力を与えるハイパーゼクターが登場。過去、未来への干渉がTV版、劇場版ともに行われている。さらに、魔法少女まどか☆マギカポータブルでは…。

仮面ライダー電王の怪人イマジンは人間に願いを叶える契約(その大半は強引な解釈で履行指定されたが)を引き換えに過去に行っていた。桜井侑斗は過去の自分に愛する人を守ることを託した。彼らは未来を変える(守る)為に行動をし，そしてまどか☆マギカの暁美ほむらもまた鹿目まどかを救うことに命を賭け何度も何度も過去にタイムスリップをするところに共通点を見出せるかもしれない。

最終回

仮面ライダー龍騎における黒幕・神埼士郎は妹・優衣の想いを受け入れ最終的にはライダーバトルを破棄した。仮面ライダー剣こと剣崎一真は世界をそして、友である相川始を救うために自らアンデッド(ジョーカー)となることでその両方を救った。彼らの行った行動は決してハッピーエンドではないかもしれない。しかし、大切なモノの為に自ら考え抜き選んだ道だった。友を、そして世界(の魔法少女)を救う為に鹿目まどかもまた自ら宇宙の理から外れた存在となってしまったところに共通点を見いだせるかもしれない。

ファントムと魔女化

仮面ライダーウィザードではゲートと呼ばれる存在が登場する。彼らは普段は何の変哲も無い人間であり自身も全く自覚がないが、何らかの理由で絶望する事で怪人であるファントムへと変異してしまう。ファントムは仲間を増やすために、ゲートをあの手この手で精神的に追いつめ絶望に追い込もうとするが、その姿はまさに、魔法少女の感情エネルギーを宇宙のエネルギー源とするために彼女らの絶望=魔女化を目論むキュゥべえとそのまま重なる。

仮面ライダーウィザードはまどか☆マギカよりも明らかに後の作品であるが、まどか☆マギカに影響を与えたとされる仮面ライダー龍騎をはじめとする他の平成仮面ライダーとは逆に、まどか☆マギカに対する仮面ライダー側からのオマージュとも解釈出来るだろう。本作品自体が魔法をモチーフとしており、主人公である仮面ライダーウィザードが「魔法使い」として位置づけられている点、更に言えば仮面ライダーウィザードが必殺技を出す前の決め台詞「フィナーレだ」（言うまでもなく、巴マミの必殺技「ティロ・フィナーレ」を彷彿とさせる）からも、それが窺える。

上記のような経緯から、OPテーマを仮面ライダーシリーズの主題歌に差し替えたものや、仮面ライダーシリーズのネタを用いたまどか☆マギカのMAD動画が大量に生み出されることになった。
なかでも『仮面ライダー龍騎』をはじめとした平成ライダーシリーズの曲やネタを用いた動画が多い。

余談だがまどか☆マギカの主人公・鹿目まどかの中の人である悠木碧は、かつて『仮面ライダー龍騎』の後作である『仮面ライダー555』に、同作のヒロイン・園田真理の少女時代役として出演していたりする。
(奇しくも鹿目まどかの弟鹿目タツヤは「たっくん」と呼ばれていた)

ちなみにまどか☆マギカの脚本を手掛ける虚淵玄氏曰く「仮面ライダー龍騎はバトルロワイヤルものとしての金字塔。どうしても相似する。」とのこと

その後

そして、2013年に放送された「仮面ライダー鎧武」は虚淵玄氏が脚本を担当する事となった。

まさに時代が追いついた！

東映側は「まどマギ」を見て虚淵氏にシリーズ参加へのオファーをかけたとされており、それにより虚淵氏のライダー作品への参加が実現したらしい。

上記にもある通り、虚淵氏自身が「仮面ライダー龍騎」に影響を受けていた事もあってか本作も総勢10人近いライダーとなる人間がそれぞれの思惑や目的を巡って対立したり、共闘したりを繰り返すというかなり複雑な人間模様を描いた作品になっており、こちらも「龍騎」における龍騎とナイトの関係のようにあくまで純粋な正義感で動く葛葉紘汰=仮面ライダー鎧武と独自の理想を抱く駆紋戒斗=仮面ライダーバロンの相剋を軸にした物語となっている。

しかし、彼の作品がそれだけで終わるはずがなく、話の節目で描かれた初瀬亮二の悲惨な最期はあの巴マミや美樹さやかの最期を彷彿とさせるものとして本作もまた“ただのヒーローものではない”という事実を見せつけ、さらに良かれと思って行動すればするほど道を踏み外し、一時期は悪役同然の存在と化してしまった呉島光実=仮面ライダー龍玄の姿は視聴者に“魔女化したさやか”あるいは“悪魔となったほむら”に匹敵するほどの大きな衝撃を与えた。