ラブリーデイ(Lovely Day)とは、2010年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
馬名は「すばらしいお天気の日」という意味。よく牝馬に間違えられたり、「ラヴ」と間違えられたりしがち。
主な勝ち鞍
2015年:宝塚記念(GⅠ)、天皇賞(秋)(GⅠ)、京都記念(GⅡ)、京都大賞典(GⅡ)、中山金杯(GⅢ)、鳴尾記念(GⅢ)
概要
父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ、母父ダンスインザダーク。父と母父はお馴染みの馬。牝系もアリゼオ、スマートギア、インティライミなんかがいる社台ゆかりの派手さは無いが悪くない血統である。
父・母と同じく金子真人オーナーに所有され、池江泰寿厩舎に入厩する。
デビュー戦は軽く勝利。2戦目はギリギリ勝利。3戦目でGⅡ京王杯2歳Sに出走し2着と好走。朝日杯FSでは人気を集めたが7着。
明けて3歳はGⅢで連敗。重賞2着の賞金でクラシックには乗り込めたが皐月賞17着、ダービー7着。菊花賞は目指さず中距離戦線に進み、小倉記念と金鯱賞で連続2着。本格化かと意気揚々と有馬記念に出走するが12着に惨敗。3歳を終える。
翌年は中日新聞杯で3着し、OP特別のメトロポリタンSを勝利。しかしこの後目黒記念5着、七夕賞6着、アルゼンチン共和国杯5着、金鯱賞4着。特に悪い競馬はしていないのだが、決め手に欠け、重賞は勝てない。よくいるオープン馬…しかし、ラブリーデイの競走馬生はここからが本番であった。
翌2015年、年明けの中山金杯を勝ち念願の重賞制覇。同期の皐月賞馬ロゴタイプを下したのだが、当時のロゴタイプが終わった馬扱いされていたのもあり話題にはならなかった。
次戦の京都記念は3番人気にはなるものの、骨折からの復帰戦となる同期ダービー馬キズナとスター牝馬ハープスターの完全な2強対決というムード。それをひっくり返してハナ差でラブリーデイが勝利するも、世間の注目は復帰戦ながら上がり最速だったキズナ(3着)と、ハープスター(6着)の凋落に注がれていたのだった。
ここから阪神大賞典、天皇賞(春)の長距離路線にコマを進めるも、母系のステイヤー気質は受け継がれなかったか惨敗。ちなみに勝ったのはどちらもゴールドシップ。中距離に戻って鳴尾記念、相手関係は今までよりも落ちるものの2番人気。ここをサクッと勝利する。
そして迎えた宝塚記念。ラブリーデイは6番人気にとどまった。大本命は3連覇がかかったゴールドシップ。前述の通り長距離路線を制圧。ライバルであったジャスタウェイやジェンティルドンナは前年で引退しており、前年クラシック組は古馬相手に負け続きと対抗馬を探すことすら難しい状況であった。
しかし本番、ラブリーデイは2番手につけてしっかりと脚を溜め、直線半ばで先頭に躍り出る。最後は同じ勝負服のデニムアンドルビーに詰め寄られたがクビ差しのいで勝利。この年6戦目、通算23戦目にしてついにGⅠホースになった。ちなみに2着のデニムアンドルビーが10番人気、3着に内をこじ開けた11番人気のショウナンパンドラが突っ込んだことで馬連12900円、3連単518610円の大荒れとなった。
しかしレース後、ラブリーデイの話なんて誰もしてなかった。なにせ大本命のゴールドシップがスタート直後ゲート内で立ち上がっての大惨敗。いわゆる120億円事件である。起こったこと自体もインパクト抜群だし、ゴールドシップの自滅なのでラブリーデイほか入賞馬の評価は全くといっていいほど上がらなかった。
秋は京都大賞典から始動、一応1番人気だが単勝3.1倍。先着してきた相手ばかりのレースでなめられすぎな気もする。ここをきっちり勝利。
天皇賞(秋)ではゴールドシップは宝塚の件からゲート再検査のため不出走、ラブリーデイは相変わらず前日までは2番人気、当日1番人気3.4倍という仕方なく本命馬になったみたいな扱いだった。ちなみに対抗は鮮烈な逃げで重賞を連勝してきたとはいえGⅠ初出走のエイシンヒカリ(4.8倍)であり、この時の中距離路線がいかに手薄であったかがわかる。ここも好位抜け出しからGⅠ2勝目を飾り、ラブリーデイの実力は本物であることを知らしめた瞬間であった。
ジャパンカップでようやく単勝2倍台の1番人気になるが、ここは僅差の3着。有馬記念は疲労が出たか見せ場なく5着。天皇賞秋制覇時点では確実と思われた年度代表馬こそ海外含めマイルGⅠ3勝したモーリスに持っていかれてしまったが、この年10戦して重賞6勝、うちGⅠ2勝という一昔前の名馬のような戦績もちゃんと讃えられており、最優秀4歳以上牡馬の表彰を受けている。
翌年も現役を続行するが、ピークは過ぎてしまったのか6戦して3着1回4着4回(!)というかつての自分のような善戦マン止まり。キタサンブラックら新たな主役の勝利に華を添えるだけに留まり、香港カップ4着を最後に引退した。
種牡馬にはなったが、日高のブリーダーズスタリオンにスタッドインすることになった。それはつまり社台に受け入れられなかったということで、競馬関係者からの評価もそう高くはなかったのだろう。まだまだ結論をくだすのは早いが、2世代でオープン入りする馬もほとんどいないほど苦戦中である。ディープやステゴが入っていないことを活かしてなんとか頑張って欲しいものである。2022年にはようやく重賞の京都2歳ステークス(GⅢ)を産駒グリューネグリーンが勝ったが、まだまだ安泰とは言えない状態である。そんな中でも地方では2023年に牝馬ながら岩手二冠(ダイヤモンドカップ、東北優駿)を達成したミニアチュールを出しており、地方ダートでの需要はこれから増えるかもしれない。
馬名とは裏腹に、勝っても勝っても日が当たらない馬であった。王道路線にゴールドシップくらいしかスターが居ない2015年という時期もあるし、教科書通りの先行抜け出しで着差をあまりつけないという地味な勝ち方もあるだろう。騎手もコロコロ乗り代わっている。
ゼンノロブロイとはクラシックでは勝てずピーク時に連戦連勝するがその後の成績が降下、前後の世代にスターが多くて地味と共通点が多い。ただしあちらは秋古馬三冠、年度代表馬、有馬レコードとわかりやすい勲章も多いがラブリーデイには本当に何も無い。地味という点でいじられたり、共に走った名馬の話で触れられたりすることも多いロブロイと違ってラブリーデイの話題はほぼ出ない。
ちなみに出走した33戦中30戦良馬場、勝ったレースは全て晴れ、というそこは馬名通りの晴れ男だった。この先も何度も話題に上がるだろうゴールドシップが立ち上がった宝塚の映像を見るたびに、快晴のもと懸命に先頭集団で走っていく勝ち馬のことも思い出してほしい。ちなみに宝塚でのラブリーデイは大外…というかゴールドシップの隣のゲートからの発走なので、彼の走りを追うこと自体はしやすい。
血統表
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
*マンファス 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
ポップコーンジャズ 2000 鹿毛 FNo.19 |
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ダンシングキイ | Nijinsky II | ||
Key Partner | |||
グレイスルーマー 1994 栗毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
ディスクジョッキー | *リアルシャダイ | ||
シャダイチャッター | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 5×5×5(9.38%)
全弟のボッケリーニも2020年中日新聞杯(GⅢ)・2022年目黒記念(GⅡ)・2023年鳴尾記念(GⅢ)と重賞3勝の活躍を見せている。
主な産駒
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