秋古馬三冠とは、中央競馬で秋季に開催される3つのGI競走である。また、これらの競走を制覇することも指す。
概要
一般に、秋古馬三冠とは以下の3競走を指す。
成立は1981年の第1回ジャパンカップ開催である。これらを三冠として一つの競走体系と結びつける意識はなかったが、天皇賞の勝ち抜き制廃止と距離短縮、ジャパンカップや有馬記念の高い賞金が有力馬の出走を促した。更に、2000年にこれら3競走を同一年に勝利した競走馬に対し、特別報奨金が支払われる制度が用意されたことで非公式ながら三冠として定着した。支給される褒賞金は内国産馬が2億円、外国産馬は1億円。
元々、天皇賞が古馬最大の重賞競走であったことに加え、その天皇賞馬が出られる競走を用意した有馬記念、天皇賞馬が外国馬に敗退したジャパンカップということで各競走成立時点で競走自体の重要度が極めて高い。
グレード制導入に当たっても、これら3競走はGⅠに位置付けられた。各競走は世界的にも高いレーティングを誇り、現在に至るまで日本競馬の王道路線として重要視されている。
・・・のだが、設立当初から各レース間隔が短く(天皇賞秋→ジャパンカップは中4週・ジャパンカップ→有馬記念は中3週)、かつ直線が長いスピードが乗る高速馬場の府中(東京競馬場)と短い直線と高低差があるテクニカルな中山競馬場という傾向が全く異なる2コースを走る為、競争馬の消耗及び馬体を仕上げる厩舎など陣営に対する負担も大きく、加えて近年は賞金額や権威が高い海外レースを志向するケースが増えている為この3レースを連戦する陣営が少数派になっている。
2017年に大阪杯がGⅠに昇格したことで、これと対になる春古馬三冠(大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念)が成立した。そちらについては当該記事を参照。
達成馬
2022年現在、達成馬は2頭いる。ともにその年の年度代表馬に選ばれた。
テイエムオペラオーはその年の春季王道路線GⅠ及び前哨戦の重賞含め8戦8勝である。
ゼンノロブロイの有馬記念の記録2分29秒5は当時の芝2500mの日本レコードである。現在もコースレコードとしては破られていない。
年 | 馬名 | 天皇賞(秋) | ジャパンカップ | 有馬記念 |
---|---|---|---|---|
2000 | テイエムオペラオー | 1 | 1 | 1 |
2004 | ゼンノロブロイ | 1 | 1 | 1 |
同一年に2勝した馬
大阪杯が長年GⅡだった春古馬三冠に比べると、成立時点から3レースともGⅠ相当だったためか同一年に2勝した馬も多くはない。
三冠を達成できなかった中で最も三冠に近付いたのは、1999年のスペシャルウィークである(天皇賞(秋)とジャパンカップを勝利、有馬記念をハナ差2着)。年をまたいではキタサンブラックが2016年のジャパンカップ、2017年の天皇賞(秋)と有馬記念を勝って3レースを制覇している。
年 | 馬名 | 天皇賞(秋) | ジャパンカップ | 有馬記念 |
---|---|---|---|---|
1985 | シンボリルドルフ | 2 | 1 | 1 |
1999 | スペシャルウィーク | 1 | 1 | 2 |
2002 | シンボリクリスエス | 1 | 3 | 1 |
2003 | シンボリクリスエス | 1 | 3 | 1 |
2006 | ディープインパクト | - | 1 | 1 |
2017 | キタサンブラック | 1 | 3 | 1 |
2020 | アーモンドアイ | 1 | 1 | - |
2021 | エフフォーリア | 1 | - | 1 |
2022 | イクイノックス | 1 | - | 1 |
関連項目
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