現世と冥界の逆転とは、漫画「遊☆戯☆王」に登場するカードである。
概要
互いのデッキ(現世)と墓地(冥界)を入れ替える効果を持つ罠カード。イシズ・イシュタールが使用する。
ライフを1000ポイント払う
自らの墓地にカードが15枚以上ある時に発動する。
互いのプレイヤーの山札と墓地のカードをすべて入れ替える
登場したのはバトルシティ編での海馬VSイシズ戦。
海馬の「死のデッキ破壊ウイルス」(原作効果)と「魔法除去細菌兵器」(原作効果、アニメでは「魔法除去ウイルスキャノン」に変更)でデッキを壊滅状態にされたイシズが逆転の一手として発動。これによって大量のカードを墓地に送られていたイシズのデッキは蘇り、逆に海馬のデッキが残り6枚となった。
闇マリクによれば、このデッキには表マリクも勝てなかったとのこと。「あの戦術を破れるのはオレしかいない」とも言っている。海馬戦では海馬のデッキ破壊戦術を逆に利用したが、「墓穴の道連れ」などを採用しているあたり、海馬戦ではあまり披露しなかっただけでイシズのデッキには墓地送りのカードも搭載されているのかもしれない。
アニメGXでは橘一角のデッキに投入されているのが確認できる。「一撃必殺!居合いドロー」の回収用だろうか。
このとき、なぜか存在しない世界統一フォーマットで登場した。
OCG版
「週刊少年ジャンプ」2002年4・5合併号(2001年12月28日発売)の付録として登場。
2015年1月1日以降の新テキスト
テキストは以下の通り。
通常罠
「現世と冥界の逆転」はデュエル中に1枚しか発動できない。
(1):お互いの墓地のカードがそれぞれ15枚以上の場合に1000LPを払って発動できる。
お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキと墓地のカードを全て入れ替え、
その後デッキをシャッフルする。
原作やOCGの旧テキストとの違いは、デュエル中に1枚しか発動できないことと、相手の墓地も15枚以上なければいけなくなったこと。
旧テキスト時代はろくに相手の墓地がない状態で発動することでデッキ切れを狙う戦術が主だったが、このテキストではそれができない。そのため、ある程度相手の墓地にもカードが必要であり、素早いデッキ切れは狙えないため、かえって相手の戦術を助けてしまう恐れがある。
狙うならば、「メタモルポット」、「手札抹殺」などで相手のデッキを強制的に大量に掘り進めさせる必要がある。発動条件を満たすためのほうも含めてこれらのカードを使わなければならないため、難易度は高い。
「轟雷帝ザボルグ」で相手のエクストラデッキのカードを墓地へ送ることで条件を満たせば、相手のメインデッキに戻るカードは少なくなるため、デッキ切れを狙いやすくなる。多くのデッキで開始時点のエクストラデッキは15枚になるので、これを全て墓地へ送り、メインデッキへ戻るカードを0枚にしてやればそのまま勝利可能。ザボルグを2回アドバンス召喚し、なおかつ相手に融合・シンクロ・エクシーズモンスター以外のカードを墓地へ送らせないか、送られたそれらを除外する必要がある。
高速で墓地を肥やす(墓地にカードを送る)ことが重要なデッキ相手であれば、相手の墓地がたまったところで使うことで思わぬ痛手を与えられるかもしれない。
TOD(大会などで時間切れによる勝利を狙う戦術)において時間稼ぎのために使用することは全く不可能ではないが、デュエル中に1度の制限があるため使い回しは利かない(TOD戦術自体の是非の問題もある)。
エラッタによる制限復帰後は、大きく弱体化し、デッキ切れコンボを狙いにくくなったため、あまり注目されず、2015年4月1日の改訂で無制限カードになった。
このカードの効果はデッキを「墓地に送る」のではなく入れ替える。そのため、墓地に送られることをトリガーとする「コカローチ・ナイト」や「ペンギン・ナイト」で対抗することはできないので注意。
エラッタによる制限復帰と合わせて、「決闘王の栄光-記憶の断片- side:武藤遊戯」で再録されることになった。
2014年12月31日までの旧テキスト
初出時のテキストは以下のようなものであった。
通常罠
※「週刊少年ジャンプ」2002年4・5合併号同梱のカード(WJ-04)による
自分の墓地にカードが15枚以上ある時、1000ライフを払い発動。
お互いに自分の墓地と自分のデッキのカードを全て入れ替える。
その際、墓地のカードはシャッフルしてデッキゾーンにセットする。
効果は原作と変わらなかった。
相手の墓地が条件に含まれていなかったのが、新テキストとの大きな違い。
「天使の施し」や「第六感」などで自分の墓地だけを高速で増やした後にこのカードを発動し、相手のデッキを0枚近くにした後に「手札抹殺」などで強制的にドローさせることで、デッキ切れによる負けが確定する。あるいは、発動前に「魂の解放」などで墓地を0枚にしておくことで、そのままターンを渡すだけで相手はドローできず敗北となる。
たくさんのカードや複雑な効果がいくつも重なって成立するような1ターンキルと違って、かなりシンプルなデッキになるが、それゆえに成功率はかなり高い。今でこそ軒並み禁止カードだが、当時は墓地を大量に増やしつつ手札の補充にも使える「苦渋の選択」、「第六感」、「天使の施し」などの相性のいいカードがたくさん使えたのである。
通常罠カードはセットして1ターン待つ必要があるが、「処刑人-マキュラ」や「王家の神殿」を使えば先攻1ターン目からこのカードが発動可能。そうすれば相手は何もできないままほぼ確実に1ターンキルができる。
この状態で相手が対抗するには、先攻を手にして「王宮の勅命」をセットしてこのデッキのキーパーツをほぼ封じるしかない。これではじゃんけんゲームである。
そんなお手軽で強力な1ターンキルデッキが作れるこのカードが放っておかれるはずが無く、登場から1年足らずの2002年5月1日付で制限カードに指定された。それからしばらくその位置にとどまっていたが、上述の1ターンキルのほか、大会における時間切れを狙うために勝負を長引かせるときなどに用いられたり、ろくな使われ方をされなかったため、2006年3月1日にとうとう禁止カードに指定された。その後、エラッタとともに2015年1月1日に制限復帰するまでは禁止カードのままであった。
上記に挙げたカードの多くは、今では禁止カード(エラッタで制限復帰したものも存在する)。今にして見れば何とも豪華なデッキである。
登場から禁止指定まではそれなりに間があったが、特別再録の機会はなく、エラッタ後に再録されるまでは第2期仕様の古いものしか存在しなかった。
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