石原章弘(いしはら あきひろ)とは、日本のゲーム制作者である。2020年7月現在はグッドスマイルカンパニー所属。
2019年4月までCygames所属。肩書きはコンテンツプロデューサー。在任中はウマ娘プロジェクトを担当した。
それ以前は2016年1月までバンダイナムコエンターテインメント(旧バンダイナムコゲームス)に所属しており、『アイドルマスター』シリーズの総合ディレクターだった。
概要
ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)入社後、ゲームセンター用の乗り物やプライズマシンの企画を担当。
2005年稼働のアーケードゲーム『THE IDOLM@STER(アイドルマスター)』では、ディレクターを担当し、開発チームに6人のディレクターがいた事から、『アイドルマスター』シリーズの公式blog及びインタビューでは「ディレ1」を名乗る事が多く、プロデューサー達からの愛称としても親しまれた。
『Project iM@S』及び『アイドルマスター2』では、ゲームディレクション、音声演出、シナリオ、CD企画、ライヴコンサート構成・演出、関連商品企画・監修を行う総合ディレクターを担当した。[1]
同僚からは、常に多忙で社内では中々姿を見ない隠しキャラ消息不明の人物として認知され、2014年の年末に行われたニコ生『ゆくM@S くるM@S』においてへんたい坂上陽三総合プロデューサーに「会社でてこいよ!」といわれていた。
様々な問題を起こしつつも、前だけを見て走りながら10年もの長きに渡りアイドルマスターに関わり続けたが、11年目の新たなスタートとなった2016年2月1日、アイドルマスター公式ブログにおいて、同年1月31日付でバンダイナムコエンターテインメントを退職したことを発表した。退職の理由は、
自分の理想のIPの姿を見たい
(中略)
”石原がいなくなっても続いていく「アイドルマスター」”
こそが、自分の考える強いIPの姿の一例です。
(中略)
たかだか10年目の「アイドルマスター」がその域に達しているのかどうか、本当のところはまだわかりません。
しかし、石原個人は「アイドルマスター」が好きだという多くの役者の皆様や、スタッフの皆様と話をしている過程で、「もう大丈夫」だと感じました。
むしろ、石原がいることで、新しいモノがうまれる可能性を妨げる方がイヤだったので、スッパリと総合ディレクターを辞めることに決めました。
勢いで会社まで辞めてしまいましたが(笑)
との事で、自らの美学に従って総合ディレクターを辞し、ついでに会社まで辞めてしまったとの事。
石原の退社にあたり、総合ディレクターの後任は置かず永久欠番とすることが、坂上総合プロデューサーから明かされた。
その後、2016年5月に開催されたイベント「マチ★アソビ vol.16」のウマ娘ステージで目撃され、Cygamesへの所属が噂されていたが、8月22日に開催された制作発表会「Cygames NEXT 2016」にCygames コンテンツプロデューサーとして登壇、今後、コンテンツ全体を統括するプロデューサーとしてウマ娘に関わることが発表された。
『ウマ娘』はCDシリーズ、Webラジオ、TVアニメ、ライブイベントなどを展開してきたが、ゲーム作品に関してはリリースの延期が相次いだ。在任中のゲームサービス開始に至らぬまま、石原は2019年4月30日付でCygamesを退社し、ウマ娘コンテンツプロデューサーを退任した。同年5月8日に退任の挨拶がウマ娘プロジェクト公式ホームページに掲載された。
バンナムの広報サイト「アソビモット」にて、2020年7月22日に掲載されたアケマス特集記事(リンク)に石原も登場しており、「現在は株式会社グッドスマイルカンパニー所属」と紹介された。
主な担当作品
ゲーム
- アイドルマスター(アーケード版)(ディレクター:ディレ1)
- アイドルマスターSP(ディレクター及び一部脚本)
- アイドルマスター2(総合ディレクター及び萩原雪歩、双海亜美・真美、我那覇響、四条貴音脚本)
- アイドルマスター ワンフォーオール
- ウマ娘 プリティーダービー
作詞
ディレ1としての業績
アーケード版アイドルマスター開発時には、ゲーム開発のディレクターの他に、コロムビア及びフロンティアワークスのCDドラマに於ける声優の台詞収録の際に、演技指導・演出を行う事は出演声優達のインタビュー等で判明している。
また、765プロアイドル達の名前を統一感が欲しいとして大日本帝国海軍・海上自衛隊・海上保安庁の艦艇の名前から引用した(Xbox360版アイドルマスターから登場の「星井美希」や、アイドルマスターSPから正式に登場した「我那覇響」「四条貴音」を除く)。
ゲーム開発以外では、コロムビアからリリースされたCD「MASTER ARTIST」シリーズ以降のジャケットイラスト担当イラストレーターに杏仁豆腐を推薦し、ジャケットイラストの細かな演出を指定した。
XBOX360版アイドルマスターいわゆる「箱マス」及び「L4U」では、諸事情により中心的な立ち位置では参加せず、PSP版『アイドルマスターSP』で中心的な立ち位置に戻り、「アイドルマスター2」以降は総合ディレクターの他、「2」のシナリオスタッフの一番最初に名を連ねている(リードシナリオはディレ2高橋恭代)。
その後も、ライブイベントの構成やアイマスのTVアニメ化・劇場版を経て、『アイドルマスター シンデレラガールズ』では声優の発掘能力を評価されるなど、激務の中でアイドルマスターというコンテンツと10年間関わり、ここまで拡大させるという功績を上げた一方、いくつかの問題も起こしている。
アーケード版公開後、公式サイトの更新を担当していた際、高木社長や765プロアイドルとの対談形式なかたちで情報告知を行ったり、
公式サイトオープン後にたくさんお寄せいただいた、皆様からのご意見を、このサイトログの下にある「アイマスに一言」に反映させて頂きました。「F5アタックしなくても、いきなり自分の送った意見が表示されたよ!」という運の良い方は、投稿フォームよりご連絡下さい。
と、「良く言えばコミカル・ユーモラスで砕けた内容」で、「悪く言えば公式なのにふざけすぎともいえる内容」で余計な一言が多い告知を続け、各方面からの苦情に対するお詫びを行う際にも、
ディレクターその1こと、ナムコAMCGの石原です。
「アイドルマスター」に対する期待が大きいからこそ、私たちも
それに応えられるクオリティにするべく作業を行っておりましたが、
現時点でのクオリティでは、ロケテストでは皆様のご期待に
100%応えることができないと判断いたしまして、
断腸の思いで延期を決定いたしました。
申し訳ございません。
また、先週の更新が不真面目な態度と皆様の目に映ったことも
併せてお詫び申し上げます。
現在も皆様の期待をいい意味で裏切るべく、STAFF一同鋭意製作中です。今後とも暖かい眼差しで、見守って頂けますよう、よろしくお願いします。 また来週は、自虐企画といたしまして、
緊急特別企画「ディレ1を断罪する!」
をお送りします。
と、最後に余計な事を言ってしまう有様であった。
その後もロケテスト情報やバージョンアップ情報といった重要な告知に、冗長な架空の対談形式を用いるなど、本来伝えなければならない重要な情報が分かり難い形式での更新が続き、最終的には公式サイトの更新担当を外されてしまった。
※アケマス公式サイトログの「1」「2」「3」「4」ページと「最新」ページを比較すると良く解る。
※また、後に自身が作詞を担当した「団結2010」でも、アケマス公式サイトでやらかしていた頃の様な笑えないジョークを加えている。
また、2008年3月3日公開された「ミライケン☆ブログ アイマスの軌跡 ~そして『L4U!』へ~」の記事内おいて、
石原は多分世界で一番アイドルマスターというコンテンツが「嫌い」です。
でも、世界で一番「好き」でもあると思っています。
「何言ってんの?」
と思われるでしょうが、色々な作業をしている間は
「もう春香のこと考えるの飽きた!」「あ、でもオモシロイこと思いついたから企画しよう」
「夜中にシナリオ書くの疲れすぎ!」「あ、でもこのネタは良くまとまったなあ」
など「好き」と「嫌い」の繰り返しなのです。これってコンテンツ提供側としてどうなのかな?と思っていたこともありますが、
やっぱり一方的に好きなだけだと反動で一気に嫌いになりそうで、逆に怖いんですよね。
人間関係も遠慮なく喧嘩できる方が長続きすると思うんです。
だからボクは、コンテンツを作るときに
「皆がイメージが壊れた!といって嫌いになるかなあ?」
と思うところも、容赦なく盛り込みます。
皆さんにも、アイドルマスターのことを「好き」になったり「嫌い」になったりして欲しいわけです。
その方が、春香も千早もやよいも雪歩も美希もあずさも律子も真も伊織も亜美真美も小鳥も社長も
皆に長く愛してもらえるんじゃないかな……って信じているから。ということで、アイドルマスターというコンテンツは、
これからも常に都合の良い面だけを一方的に供給するということはありません。
時々は、気に食わないところも出てくるかもしれません。
だから、皆さんもアイドルマスターのことを
「好き」になったり「嫌い」になったりして下さい。
そして、コンテンツが終焉を迎える時まで、彼女達へ「愛」を注いであげて下さい!
全国のプロデューサー&ファンの皆さん、最後までアイドルマスターをよろしくお願いします。
……まあ、いつ終焉の時を迎えるかはわかんないんですけどね!
と、アイドルマスターを息の長いコンテンツにするためには、ユーザーにとって心地良くないかもしれない内容を提示することも必要と考えている事を明かしている。
「イメージが壊れ嫌いになるような事も容赦なく盛り込む」という発言そのままに、やがて発表されたアイドルマスターSPは、
- ソフトを、プロデュースできるアイドルが異なる3本の形式でリリース。
- アーケード版の没キャラから復活した我那覇響と四条貴音がライバルキャラとして登場。
- 星井美希は961プロに移籍しプロデュースできないキャラとなる。
などの要素をもたせた内容となっていた。
ひびきとたかねの復活を喜ぶプロデューサーがいる中で、星井美希の移籍且つプロデュース不可という措置を受け、悲嘆に暮れるプロデューサーも少なくなかった。
続くアイドルマスター2では、この傾向はより顕著となり、
- 3人ユニット制を採用。
- SPでプロデュースできなかった美希・響・貴音がプロデュース可能に。
- 逆に、竜宮小町(水瀬伊織・三浦あずさ・双海亜美のユニット)がプロデュース不可に。
- 秋月律子はプロデューサーとなり同じくプロデュース不可に。
- 男性アイドルグループ「ジュピター」を周囲の反対を押し切って登場させる。
など、あまりにも刺激的な変更が加えられた。
前述されたディレ1のスタンスからすれば当然の内容とも言えるが、ユーザーであるプロデューサーの中には受け入れがたいと感じる者も多く、強い批判の声が上がり、後に9.18事件と呼ばれる原因となった。
※発表の場や補足する機会において曖昧な態度を取り続けたことで、プロデューサー間の混乱を助長してしまったことは問題視されうる点であろう。
※後に「電撃オンライン」のインタビュー記事にて、当時の状況についての説明や自身の思いを述べるとともに、いくつかの点について謝罪の言葉を口にしている。
※一方で、後の「SideM」へ繋がるなどの功績としての面もあり、功罪入り混じった一件ともなっている。
※9.18事件以降、しばらく露出を控えていたが、「765pro H@PPINESS NEW YE@R P@RTY !! 2011」のパンフレットにコメントが掲載された際にも、
ようやく、準備は整いました。2010年は、私達、アイドルマスターSTAFFと、アイドルマスターを大好きな方にとって、多くの「選択」を強いる年となりました。しかし、2011年は、「選択」は「選択」でも、「嬉しい選択」となるような年にしたいと思っています。日常を変えるゲームとして生まれた、アイドルマスター。これからも、皆さんの日常に、何気なくアイドル達の姿が見え隠れするように、100万の言葉より1つの行動。いえ、100万の言葉より、101万の行動をする気概で、アイドルマスターSTAFF一同、全力で2011年を走り抜けようと、思いますっ!
追伸
全力すぎるが故に一直線になり、時々、失敗もしでかしてしまう僕達ですが、愛故の行動ですので、できましたら、今後ともご容赦頂ければ幸いです。 何分、いつまでたっても、●●も●●も●●もないプロジェクトなので、一度止まったら全部止め・・・・・・ああっ、やめくぁwせdrftgyふじこlp
アイドルマスターに携わった10年のうちの終盤には、単独での露出や不用意な発言は減少し、「シンデレラガールズ」や「ミリオンライブ」の立ち上げ、新アイドル担当声優の発掘、ライブのステージ運営など、どちらかといえば裏方として尽力する日々が続いた。
2015年には念願の西武ドームライブの開催を行うに至り、客席が埋まるかどうかの不安と、埋まったとして満足してもらえるものに出来るかという不安を抱えた中、無事に成功させた。
※なお、ライブの際に声優陣がキャラになりきるかのような髪型やアクセサリを用いる事があるが、
僕は765のイベントをはじめた時から、演者に「キャラと演者はムリに合わせなくていい」と言っています。例えば、演者に「キャラクターと同じ髪型にして欲しい」とは言いませんし、言動もそれほど制限はかけません。
[2]
との事で、特にディレ1側から指示したわけではない。
前記の通り、石原章弘はすでにアイドルマスター及びバンダイナムコエンターテインメントから離れ、1ユーザー・同僚プロデューサーとなっている。
賛否両論が多く、功罪が入り乱れて評価も人それぞれであるが、アイドルマスターというコンテンツにとって、良くも悪くもここまで影響を及ぼし続けた人物は他にいないだろう。
これまでの10年、数えきれない功罪をもってアイドルマスターと関わり続けた石原章弘に「10年間お疲れ様でした」の言葉を送りたい。
関連動画
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 小島秀夫
- 菊池たけし
- 超先生
- 岩田聡
- 宮本茂
- 名越稔洋
- ロビン・ビーンランド
- 神谷英樹
- 中裕司
- 三上真司
- 芝村裕吏
- 板垣伴信
- 時田貴司
- 小林裕幸
- カナイセイジ
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- 鈴木裕
- トビー・フォックス
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- キム・ヨンハ
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