サクラホクトオー単語

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サクラホクトオーとは、1986年生まれの日本の元競走馬・元種牡馬である。
この馬も不運と踊っちまった馬の一頭。
馬名は冠名＋兄のサクラチヨノオーが千代の富士から取ったことから、弟弟子の横綱北勝海にあやかっての命名。 

主な勝ち鞍
1988年:朝日杯3歳ステークス(GI)
1989年:セントライト記念(GII)
1990年:アメリカジョッキークラブカップ(GII)

1988年JRA賞最優秀3歳牡馬

概要

父は1970年代の伝説、内国産種牡馬の地位を大いに高めた天馬トウショウボーイ、母は谷岡牧場の名牝サクラセダン、半兄にサクラトウコウ・チヨノオー兄弟がいる良血である。
（以下、馬齢は旧馬齢表記） 

3歳の秋の東京開催でデビュー。ここを快勝するとオープンの府中3歳ステークスも圧勝で飾り、朝日杯3歳ステークスも圧倒的人気に応え勝利。クラシックの最有力候補にのし上がった。

しかし、4歳初戦として迎えた弥生賞はまさに田んぼのごとき不良馬場であった。ホクトオーは一番人気に推されるがノメって全く競馬にならず4秒以上離れた12着に惨敗してしまう。
そう、この馬はパンパンの良馬場じゃないと自慢の天を駆ける豪脚が鈍って駄馬にも劣る走りしかできなくなるという弱点を背負ってしまっていたのだ。
しかし、本番は巻き返せる、大丈夫だ！と陣営は思っていたが…なんと皐月賞も不良馬場。ホクトオー陣営は天を呪ったことであろう。
レースは4角あたりでズルズル後退し始め19着惨敗。競走中止が一頭いたので実質ドベである。何故だ！どうしてこうなった！
日本ダービーは晴天に恵まれたが、弥生賞と皐月賞で嫌気がさしていたのか9着完敗。万全なら面白かったと思うけどなあ…周りクッソ弱かっｒｙ。

しかし秋初戦のセントライト記念は3番人気と軽視されたが勝利し再び主役の一頭になるか…と思われたが、
菊花賞は春の凡走の記憶があったことや、血統的に無理だろうと思われたようで、混戦にもかかわらず人気をさらに落とした。
こりゃ、ホクトオー真の実力を思い知らせるしかないな！と鞍上の小島太が採った策は…

直線外ラチ一杯追い込み。何故！？どうして！？

淀にこだまする太のアホー！くたばれー！の声…が届いたかは知らないが残り200mだけで5着に突っ込んだ。なんじゃそりゃ。
動画を実際に見て欲しいのだが、後100mあったら前の4頭をまとめて差し切っていた可能性もある程の末脚であった。
小島太が狙ってやった…わけではなく、ホクトオーが馬場の切れ目に驚いて自ら大外に飛んでいったのが真相らしい。すまんな太。でもお前ならやりそうな気もするんだよ…。
兎にも角にも、ようやく実力全開でGIを取るチャンスが訪れたのに結果は自爆。とことん不運と踊るのが好きな馬である。

次走には有馬記念を選択。スーパークリークとイナリワンには敗れたものの3着を確保。翌年以降に期待を持たせる内容であった。
そして有馬記念から連戦で臨んだ年明けの初戦、アメリカジョッキークラブカップを快勝。これは今年こそ主役！と思わせたのだが…
大阪杯では一度克服したはずの稍重馬場がやっぱりダメだったようで7着、天皇賞（春）は単純に不向きだったようで惨敗。なんてこった。
だけど宝塚がある！と思ったら脚元を痛め一年間休養。運がないと徹底的に不運が襲う、勝負事の恐ろしいところである。
翌年復帰したが2連敗し引退、種牡馬入りした。しかしサクラスピードオーとサンライズシャークくらいしか出せず種牡馬としても失敗。2000年に腸捻転を起こし亡くなった。

彼の馬生はとにかく、運がないの一語で語ることができてしまう。例えば、

• 競走馬としてのハイライトの一つであるクラシックで苦手の大雨に祟られた
• せっかく良馬場かと思ったら雨がぱらついたりしてしまう（雨男の証明）
• 雨予報だったので回避したら晴れの良馬場でレースが開催された
• 上の世代がオグリ世代だった

もう、天がホクトオーに氏ね！二回死ね！と言っているかのようであった。ホクトオーが何したってんだよ！
もし無事にクラシックをやり過ごしていたら、1989年世代がああも悪し様に言われることはなかったかも知れない、そう思わせるだけの力はあった。
…頭が異常に高い、柔らかさのかけらもない不格好なフォームなんで、結局大成できなかったかも知れないが。

余談だが、ミスタートウジンという馬はホクトオー・スピードオー親子と共に走った経験がある。 
ホクトオーとは皐月賞で、スピードオーとは1998年の銀嶺ステークスで一緒に走っているが親子揃ってミスタートウジンに敗れている。
この話でもおミソにされる辺り、サクラホクトオーという馬はつくづくそういう星の下に生まれたんだなあ…としみじみしてしまう。 

血統表

トウショウボーイ 1973 鹿毛	*テスコボーイ 1963 黒鹿毛	Princely Gift	Nasrullah
			Blue Gem
		Suncourt	Hyperion
			Inquisition
	*ソシアルバターフライ 1957 鹿毛	Your Host	Alibhai
			Boudoir
		Wisteria	Easton
			Blue Cyprus
サクラセダン 1972 鹿毛 FNo.16-a	*セダン 1955 鹿毛	Prince Bio	Prince Rose
			Biologie
		Staffa	Orsenigo
			Signa
	*スワンズウッドグローヴ 1960 黒鹿毛	Grey Sovereign	Nasrullah
			Kong
		Fakhry	Mahmoud
			Fille de Salut
競走馬の4代血統表

クロス：Nasrullah 4×5(9.38%)、Hyperion 4×5(9.38%)、Mahmoud 4×5(9.38%)

主な産駒

• サクラスピードオー (1993年産 牡 母 サクラハッスル 母父 マルゼンスキー)
  • 1996年京成杯(GIII)、1996年共同通信杯4歳ステークス(GIII)
• テクノバリュー (1993年産 牡 母 サクラバリュー 母父 サクラショウリ)
  • 1996年新潟皐月賞(地方重賞)
• キタサンフドー (1994年産 牡 母 キタサンクイン 母父 *ロジンスキー)
  • 1996年小倉3歳ステークス(GIII)2着、1996年デイリー杯2歳ステークス(GII)3着
• キタサンガール (1995年産 牝 母 キタサンダンサー 母父 *リンバアダンサー)
  • 1998年中津ダービー(地方重賞)
• サンライズシャーク (1998年産 牡 母 コガネセンガン 母父 *クリスタルパレス)
  • 2003年小倉記念(GIII)2着

関連動画

サクラホクトオーでタグ検索すると出るのがこの2つである。勝ちレースはない。…カワイソス。

関連商品

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 1989年クラシック世代
• トウショウボーイ
• サクラチヨノオー
• ウィナーズサークル
• 不運

外部リンク

• サクラホクトオー列伝　―雨のクラシックロード（音量注意！）