アゾフちゃん(Azov-Chan)とは2021年から存在するネット・ミームである。また2022年ウクライナ侵攻において、ふたば☆ちゃんねる二次元裏may板で注目されたウクライナのキャラクターについても併記する。
概要
ウクライナのアゾフ連隊に加入していると思われる女性。軍装、ギザ歯で左胸にナチス鉤十字のある喫煙者である。起源はテレグラム(ロシア語圏のSNS)だが、4chan/pol/(政治系板)で2022年3月に拡散された。
3月のSNSでは数十分間隔で破壊されたロシア兵器の画像が投稿される喧噪状態に陥っておりアゾフちゃんは「破壊されたロシア兵器を指さし」てロシアを煽るキャラクターに使用される。
4月、キーウ攻防がウクライナ勝利で終わると孤立化したマリウポリの報道が大きくなり、二次裏mayのウクライナスレではマリウポリ抗戦の象徴と(勝手に認識)してアゾフちゃんが注目された。アゾフちゃんの作者は匿名かつログが見難い場合が多く、有志が収集した画像がテレグラムを介しロシアやウクライナなどで閲覧されることが多いと思われる。
ネオナチ?
鉤十字からナチスとの関連が疑われる鉤十字(スワティカ、右まんじ)だが、これには別の見方がある。世界最古のそれはウクライナから出土した紀元前1万年(旧石器時代)の象牙の紋様であった。ウクライナ起源の紋様を着けただけとも言える。
アゾフ連隊について
実在の組織である。ハルキウに縁深いがドネツク州知事の縁でマリウポリにも活動を広げた。もともとはサッカー「サポーター」の集団。
国際試合で暴れる観客「フーリガン」に対し、地元チームの試合で暴れる客を「ウルトラス」と呼ぶ。FCメタリスト・ハルキウのウルトラスたちがアゾフ連隊に発展した。
2014年2月、ハルキウ庁舎でマイダン派と親ロシア派の衝突が恐れられウルトラスたちはマイダン派の警護に志願していた。3月、ロシアによるクリミアとドンバスへの侵攻がはじまり、5月に義勇兵活動を開始、11月にウクライナ内務省の国家親衛隊所属となる。(※義勇兵と外国人部隊は国家親衛隊に関連する組織となる)
ウクライナのキャラクターたち
- ポチェクン
- もとは2016年にオランダのライデン大学病院に設置されたオランダ人彫刻家の作品「ホムンクルスの象」だが、ウクライナで人気を得てぬいぐるみが国会に持ち込まれたこともある。二次裏mayでは聖ジャベリン(後述)の格好をしたりアゾフちゃんのお供になっている。
- ホモ・リフーガス(Homo Refugus)
- ラテン語で「逃げる人」と命名された彫像。ポチェクンと同じ作者が2018年に公開した。
- フナ豚(Швайнокарась)
- 2014年クリミア侵攻時にロシアがウクライナを侮蔑する言葉として使ったがウクライナでは愛嬌のある動物と認知された。ブタの頭とフナの体を持つ可愛らしい水棲生物だが成長して巨大なドラゴンとなりロシア軍と戦っているというイラストも描かれている。
- ヴォジャノク
- 日本のカッパのような存在。2022年5月5日~13日に起きたドネツ川渡河作戦でロシア車両80台喪失という類を見ない損害が起きたためカッパの仕業ではないかと噂された。二次裏mayではアゾフちゃんのお供としてヴォジャノクが描き加えられるようになった。
- オルガズム46-B(たこ人間)
- ロシアのアントン・パダルカ博士が南極のボストーク湖で発見し捕獲した新種のタコ。体長10mで14本の脚を持ち人間に化けることができる。ソースは東スポ。
- キエフの幽霊
- エースパイロットの乗るMiG-29という設定の創作動画。漫画化もされた。現実ではAGM-88対レーダーミサイル搭載のMiG-29という幽霊より恐ろしい機体が誕生している。
- ムリーヤ
- 旧ソ連ウクライナ共和国アントノフ設計局が開発した世界最大の軍用機。2000年頃に民間貨物機へと大改修される。日本には3回飛来し1つは東日本震災への支援だった。2022年2月24日の侵攻直後に破壊されるがウクライナ抗戦のマスコットとなり、ぬいぐるみ、イラスト、刺繍などが作られた。
ムリーヤはウクライナ語で「夢」を意味する。
- 聖ジャベリン
- 開戦当初ロシア軍撃退のシンボルとして報道されたFGM-148ジャベリンを擬人化したイラスト。初期のウクライナスレでも聖ジャベリンや現場猫がジャベリンを撃つイラストが人気を得ていた。ほかにFGM-148のぬいぐるみが売られたり、新生児にジャベリン、ジャベリーナと命名されるなどの様々なブームが起こった。
- パトロンくん
- 実在する爆弾探知犬。ウクライナ国家非常事態庁の職員とチェルニヒウで活動中。同地域からロシア軍撤退後、残された地雷や不発弾を回収する姿が報道され、ムリーヤやジャベリンと並んでぬいぐるみや刺繍が売られるほど人気を得た。犬種は毛の短いジャック・ラッセル・テリア。
- ズミイヌイ島(蛇島、スネーク島)
- 黒海北西部の島。ロシアはオデッサ占領を失敗しヘルソンで膠着状態となるとズミイヌイ島の占領も維持できなくなり、部隊を送り込む度にウクライナ軍のドローンや航空機に殲滅され続けるといった事態が起きた。それが話題となり、島の灯台などを刺繍したグッズが販売された。
- 聖モロトフカクテル(火炎瓶)
- 瓶に燃料を詰めた手軽な武器。パルチザンの象徴として擬人化された。また2014年ドンバス戦争では親ロシア派も愛用していたが2022年のウクライナ侵攻ではロシア市民が「徴兵事務所を焼く」ために使用し、自撮りや防犯カメラなど様々な動画が出回った。
- S.T.A.L.K.E.R.
- ウクライナのメーカー作1人用FPSゲーム。敵勢力として赤い森(※)やチェルノブイリ原発を占領するモノリス軍が登場するが、2022年2月24日に実際にロシア軍が占領したためS.T.A.L.K.E.R.ファンに衝撃が走った。同3月31日に撤退したが「赤い森で塹壕を掘る」「原発の管理する放射性物質を持ち去る」など被曝上等の行為はモノリス軍そのものであった。
- ※赤い森は動かすことが不可能なほど高い放射線量を持つ汚染物を埋めた場所である。
二次裏mayによって作られたキャラクター
- 聖バイラクタル
- トルコのBaykar Defence社が開発した戦闘航空ドローン バイラクタルTB2の擬人化。TB2は一日300回もの偵察を行ったり、ズミイヌイ島に上陸するロシアのヘリや艦船を空爆で撃破し続けるなど活躍が話題となった。TB2としてぬいぐるみや刺繍が販売されている。
- 聖ネプチューン
- 2022年4月13日、巡洋艦モスクワの損傷が報じられ14日に沈没した。ウクライナの新兵器ネプチューンミサイルの戦果と報じられたことで擬人化された。子供の姿と大人の姿がある。
- 聖M777 / 聖ハープーン / 聖ブリムストーン
- それぞれM777(トリプルセブン)榴弾砲、ハープーン対艦ミサイル、ブリムストーン空対地ミサイルの擬人化。ウクライナのブリムストーンは航空機に搭載せず、トラックの荷台から発射する地対地ミサイルへと改造されており、としあきを驚愕させた。
- クラーケンちゃん
- ハルキウで活躍するクラーケン隊(спецпiдроздiлу KRAKEN)の擬人化。黒髪長髪で食欲旺盛。クラーケン隊と行動を共にした陸軍第127旅団の第225偵察大隊、第226偵察大隊が元はアゾフ偵察大隊であったため、アゾフちゃんの友達として描かれている。
- ポリンカちゃん
- ベラルーシの擬人化。ベラルーシ国旗を思わせる衣服だが、リボンは白赤白の旧国旗。ドレスには伝統的な「キ」の紋章
がついている。これらは現ベラルーシで使用禁止となっており反体制(反ルカシェンコ)陣営が記章として使っている。二次裏ではポリーナと呼ばれていたがベラルーシ人を含めた投票でポリンカと変名された。
- 自由ロシアちゃん
- ロシア人とベラルーシ人で構成されるロシア自由の軍団(Freedam of Russia Lefion)
の擬人化。黒髪に「白青白」のリボンを着けている。これは現ロシア国旗の赤を白に変えたデザインであり自由ロシアの旗となっている。ロシア兵はウクライナ陣営に投降し頭上で腕を「L」の字に掲げることで入隊することができる。
アゾフちゃんに関する時系列
2021年
2022年
関連動画
関連リンク
関連項目