ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!!とは、1996年にアスキーより発売されたSFCのゲームである。
『コロコロコミック』で連載されていた「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の国内編を舞台とした作品。とは言え、主役格のマシンは全て登場時点から国内編ラスト準拠(サイクロンマグナム、ハリケーンソニック、ネオトライダガーZMC、スピンコブラ)なので、正確にはパラレル作品である。大神学園のメンバーも登場するが、Jだけは本作に登場しない。
星馬兄弟も利用する有名な佐上模型店を訪れた主人公は、そこで土屋博士に見込まれ、特製マシン「シャイニングスコーピオン」を託される。その後も各地のレースを巡りながら、様々なレーサーと出会いながら、スコーピオンと共に国内レースの頂点であるスーパーグレートジャパンカップ(SGJC)を目指していく、というストーリー。
オリジナルキャラクターの主人公で、原作キャラクターと交流しながらレースを重ねる、と言う以後のレッツ&ゴーゲームの基本が作られた作品といえる。
ゲーム中に登場する町は以下の通り
イベント | 模型店レベル | 草レースコース | |
朝日町 | スコーピオン入手 | 1 | クリームパンコース |
春菜ヶ丘 | スプリングレース予選 | 2 | ダッシュキングコース ゲームセンター藤吉コース |
日光平 | スプリングレース決勝 | 3 | クリームパンコース |
倉庫街 | メカニックマンの強化 | - | - |
海浜パーク | サマーレース決勝 | 3 | ジェットコースターコース |
山野峠 | 鉄心の強化 | - | - |
コスモス湖 | オータムレース決勝 | 全パーツ | ダッシュキングコース |
空風村 | 共通予選 | 3 | ダッシュキングコース |
S・G・シティ | SGJC | 全パーツ | クリームパンコース ダッシュキングコース ジェットコースターコース |
ゲームジャンルは、強いて言えば「ミニ四駆レースのシミュレーションゲーム」といったところである。
主人公を操作してパーツを買い集めたり、ストーリーを進行させるRPGライクなフェイズ、異様に細かいマシンセッティングのフェイズ、そして一切操作できずレースの進行とファイターの実況を見守ることになるレースフェイズで構成される。実況つきの競争シミュレーションという点では同じアスキー作品の「ダービースタリオン」に近いゲームといえるだろう。なお、本作に登場するグレードアップパーツは全てタミヤ模型から実際に発売されたものであり、ゲーム内での価格も現実に準拠している(ゲーム内の1P=10円)。
シャイニングスコーピオンはアニメ版にも登場したマシンだが、初登場はこの作品。
シャイニングスコーピオンの「速度によってカラーリングが赤くなる」という設定もこのゲームの為に考案された設定である。
初回特典として、パールホワイトカラーのシャイニングスコーピオンのボディが付属した限定版も発売された。また、予約して買った人には予約特典として、ゴールドメッキのシャイニングスコーピオンのボディもプレゼントされた。
本作品発売当時、シャイニングスコーピオン本体は未発売であり幻のマシンであった。これに加え上記のような限定商法をされたのだから、ミニ四駆ブームであった当時、どれほどの熱狂であったかは想像できるだろう。
もちろんシャイニングスコーピオンは後にスーパー1シャーシのマシンとして発売されたが、ボディはピュアホワイトであり、限定版ボディの希少性に配慮した形のものであった。
当時このような状況であった為、スコーピオンに格別思い入れを持っているファンも多く存在する。
低年齢向けの作品でありながら、難易度はかなり高く、当時投げ出してしまった人も多いゲームである。
セッティングの細かさと自由度の割にヒントやアドバイスが非常に少ないため、何をすればよいのかわからず頭を抱えてしまう(最初の佐上模型店でジュンに話しかけるとパーツを勧めてくれる程度しかないが、勧めてくるパーツは総じて有用)。各パーツの性能も実際に購入して走らせてみて確かめるしかなく、シナリオのレースで要求される達成度が非常にシビアなため、勝てず散々もがいた末、資金が底をつき、パーツを消耗して力尽きる。
当時はインターネットが普及していなかったため、文字通り「詰んだ」人が多かった。大人になってからクリアできた人も多いのではなかろうか。よく詰むポイントとして以下が挙げられる。
最大の分岐点がスプリングレース決勝で、ここで3位以内に入賞すればサマー・オータムレースの予選が免除になる上にSGJC出場権も貰えるため、詰む危険性が激減する。また、サマーレースの共通予選はイベントが発生し自動的に通過となる(この場合も共通予選コースを走った扱いになるので、フリーバトルで走行可能になる)。
上記以外にもゲームオーバーと明言される場面がある。以下の条件を満たしてしまうとファイターからゲームオーバーを宣告され、タイトル画面に戻される。
「レース中は基本的に見てるだけで、スキップも早送りも出来ない(それでいてレース中の時間経過は現実より遅い)」「トップのマシンの映像しか見られず、プレイヤーマシンが後続集団だと画面から消える」「ミニ四ファイターの実況のレパートリーが少ない(ただ再現度は高い)」等、レースシーンがちょっと飽きがちである。
そのような欠点があってもなお、他に代え難い魅力を持っているゲームである。
トップ争いの熱さ、とりわけ本作の最終戦となるSGJC決勝の最終局面は「ボディが変色してトップスピードが伸びる」スコーピオンの特性とあいまって、非常に盛り上がる名シーンである。レース終盤までスコーピオンの姿が確認できず、最後の直線でオープニングデモのようにライバルのマシン達をごぼう抜きした経験のあるプレイヤーは多いはず。やはり「キャラゲーはクソゲー」の法則に当てはまらない名作と評することができるだろう。
フルカウルミニ四駆をセッティングしてレースするという原型を形作った事も大きい。
最後のSGJCに参加する際に表示されるパスワードを持ち寄る事で友人のマシンと対戦が可能であり、これを利用して昨今でもネット上で大会を開くユーザーもいるようだ。
このゲームはなかなか初心者には難しく、挫折したことがある人もいるのではないかと思う。
なのでここに簡単に攻略情報を載せることで、プレイの手助けになれればと思う。今こんなときだからこそ、クリアできなかった幼きあのころのことを思い出しながら、このゲームをプレイしてみてほしい。
モーターにはピークというものがあり、ピークになるとそれだけでやたらと速くなる。これはもちろん新品のモーターをブレークインしていることが前提条件である。モーターのピークはセッティング画面の黄色いバーが、少し減ったくらい。
↓目安だとこのくらい。
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モーターがピークに入ったかどうかを確かめるには、ダッシュキングレースという直線のみのレースに出てみるといい(春菜ヶ丘、空風村、コスモス湖、SGシティで参加可能)。通常時と比べて格段にタイムが良くなったらそれがピークである。ちなみにマッハダッシュ、ウルトラダッシュだとセッティングによる差はあるが、ダッシュキングレースでだいたい9秒台前半が出ればピークであるといえるだろう。
このゲームの攻略法は、まさにモーターのピークといえるかもしれない。それほどに大事なことである。
モーターがピークでありさえすれば、ほとんどのレースで優勝できる。そう言っても過言ではないだろう。
ただし、モーターが高性能になればなるほど、そしてコースの距離が長くなれば長くなるほど熱ダレ(レースカーで言うオーバーヒート)を起こしやすく、レース中の突然のスローダウンの原因になるので放熱フィンとアルミモーターサポートは必ずつけて熱ダレ対策をするようにしよう。特にSGJCではウルトラダッシュが解禁されるものの、サポートパーツを付けていても熱ダレしやすい。更に公式戦は電池がパワーチャンプゴールドに固定されてしまうため後半はより失速しやすくなってしまう。ただスコーピオンの色変化が有利になる長所もあるため一長一短である。
なお、モーター他のパーツはレース中に劣化していくため、長期戦のレースではピークちょっと前くらいに調整するのが良い。
またSGJC決勝を除き、各大会レースにはモーターのレギュレーションがあり、使えるモーターに制限がある。ピークに持っていくモーターを間違えないように。
とはいえもちろんモーターだけでは勝てない。
まず優先したいのはホイールとタイヤである。デフォルトのホイールからナローワンウェイホイールに履き替えるだけで劇的なスピードアップになる。
オススメはワイドワンウェイホイール。スプリングレース決勝前に登場してから最後まで活躍してくれる。
タイヤはローハイトショック吸収タイヤがオススメ。こちらもスプリングレース決勝前に購入可能になる。大会レースでは氷上やオイル上など特殊な路面を走ることも多く、スポンジタイヤでは不利になることも多いため、ゴム製のローハイトショック吸収タイヤを使うことが多くなるだろう。ゴム製のため改造ができないが、その不利を補って余りある長所を持つ。このため大会ではワイドワンウェイとローハイトショック吸収タイヤの組み合わせの使い勝手がいい。これに気付けるかどうかで以降の難易度が大きく変わってくる。
ただ、ダッシュキングレースでは大径ワンウェイホイールとグルービング加工したスポンジタイヤの方が速く走れるような気がする。グルービング加工とはスポンジタイヤに縦溝を入れることで直進性をアップさせる改造のこと。
グルービング加工はダッシュキングレースでは効果を存分に発揮してくれるのでぜひやっておきたい。
ちなみにテーパード加工、逆テーパード加工はコーナーの立ち上がりを良くしてくれるので、通常コース向き。ちなみに逆テーパードの方が効果は高く、熟練度もタイヤの改造では一番多く上がる。
高額だが序盤に手に入るホイールの軸受けのボールベアリングも忘れずに装着すること。
次にローラーも重要である。ただ、軽量化を求めて軽量ハイマウントを装着する人が多いように感じるが、エアロハイマウントでもスライドダンパーでもスピードは目立って変化することはない。(と思う)
ローラーはベアリング系のローラーがいいだろう。回転数に優れているため、コーナーのスピードロスを少なくしてくれる性能があるので多少値は張るが買っておくべきである。
ちなみに通常は小径(6mm~13mm)のベアリングローラーをダッシュキングレースや大径(19mmもしくは大径アルミ)のベアリングローラーをつけるといいだろう。
大径のローラーの方が直進性がアップする(らしい)草レースで通常コースを走る場合はコースアウト防止用にスタビライザーポールの装備も忘れずに。
当たり前だがマシン全体の重量も影響する。高性能だからと言って重いパーツばかり使っていると逆に遅くなる場合もある。ただ本作では「ローラーは3セットまで」というレギュレーションがあるので、ダブルリヤーステーなどの極端なパーツを使わない限りはそこまで気にする必要もないだろう。どうしてもコースアウトする場合はウェイトを追加してわざと重くするのも有効である。
最後にボディだが、このゲームでは空気抵抗値が大いに関係しており、マシンのスピードに多大な影響を与える。
幸いにもプレイヤーのマシンのシャイニングスコーピオンは空気抵抗値が小さいため、スピードに関しては影響ないどころか、むしろ恩恵を受けていると見ていい。
後々ボディを買うことができるようになったら、空気抵抗値を参考に選ぶといいかもしれない。
トライダガーやサイクロンマグナムなどの直線型のマシンは空気抵抗値が小さく、逆にスピンコブラやセイバー600などのコーナー型マシンは空気抵抗値が大きいようである。
その他のパーツについては基本的には高額のパーツを付けていれば間違いはないだろう。と言っても序盤はレースで入手できるポイントが少ないため、おいそれと手を出せる代物ではない。上記のおススメのパーツを基本にプラスアルファで追加していけばいい。
プレイヤー自身には隠しパラメータとして熟練度というものがあり、高くなるとコースアウトしにくくなったり、スコーピオンの色の変化が早くなったりする。
プレイヤーが直接ゲーム中で熟練度を知ることはできない(メカニックマンの改造後のコメントである程度の目安は知ることができるが、それ以外はおおよそ窺い知る事しかできない)。主に以下の情報が、熟練度を知る目安になる。
また熟練度は初期段階ではメンテナンスや改造、及び各レースで勝利する事によって得られるが、それで得られる熟練度に上限値が設定されている。つまり簡単なメンテナンスや改造を実施しても熟練度レベルが一定値以上になるともうそこから熟練度ポイントは得られなくなるし、レースで格下の相手に勝ってもレベルアップに必要な経験値は得られない、というわけである。
その他には、
これらで大量に獲得することができる。熟練度が上がるとできる改造が増え、最終的には上述の通り対応していないシャーシにスコーピオンのボディを乗せることもできるようになる。
特にゲームの序盤(土屋博士からシャイニングスコーピオンをもらう前)に初期マシンのセイバー600でできる限りの改造(肉抜き、タイヤの加工、カラー変更など)をやっておくと熟練度が楽に上がるので、やっておいて損はないだろう。最初に全ての改造を行い、カラー変更も何度か連続して行っておくとスコーピオンを貰うまでパーツ購入なしで進むことも可能だ。
本作の詰み要素の一つ。パーツは高額な上に一部を除いて消耗品である。
パーツを買うポイントを貯めるためにレースをしてパーツが消費していてはいつまで経ってもいいパーツを買い揃えることはできない。
また、レースに勝てず何度もレースを繰り返していると、そのうちパーツが損傷しさらに性能が劣化してレースに勝てなくなり、レースに勝てないのでパーツを買い換える事も出来ず……といった悪循環からの詰み状況が発生しやすい。
これを防ぐ為には、ポイント稼ぎはレース時間の短いストレートコース「ダッシュキングレース」のみを繰り返し行い、パーツの損耗を抑える事が基本である。最初の佐上模型店のクリームパンコースは勝ちやすいが時間がかかる上にパーツの損耗も激しいため、春菜ヶ丘のダッシュキングレースに勝てるようになるまでの最低限にしよう。
また好みにもよるが、他のレースではコーナリングにおけるコースアウトを防ぐ為どうしてもコーナリングも考えたセッティングを行わなくてはならない為、完全ストレートコースであるダッシュキングレースとはパーツが干渉しにくく、ポイント稼ぎでパーツを損耗してもストーリー・レース用セッティングの痛手になりにくい、と言うメリットもある。
こうした金欠問題を解決するとっておきの秘策がある。知りたい人は↓を反転
タイトルの「PRESS START」と出ている画面で、
①右下・下・左下・左・右・下・右下+Y+B(右下とYとBは同時押し)格闘ゲームの必殺コマンドのように入力。「ピーン」と音が鳴ったら成功。
②次にB・X・Y・Bを押しながら右・左。速いテンポで入力することがコツ。できない場合はボタンを押すスピードを速めてみよう。「ガタン」と音が鳴ったら成功(ちなみに①と②の行程の間でタイトルが切り替わっても大丈夫)。
このコマンドの入力に成功するとポイントが減らなくなり、パーツが買い放題になる。また別のコマンドを入力することで一切コースアウトしないモードにすることも可能。
SGJCのレース後に便宜上ゲームクリアとなり(勝っても負けても可)、エンドロールが流れるが、その後も自由に行動可能である。またSGシティの外に出ることも可能になる。
つまり、SGJCを優勝してもゲームを続行することができるので、明確なエンディングはない。これも同社のアスキー発売であるダビスタに通じる部分である。
ただし、SGJC以外の大会は参加不可能なため、ランキング1位を目指したり、熟練度を上げたり、今のマシンよりも速いマシンを作るなどといった楽しみ方をするプレイヤーが多いようだ。
ちなみにSGJCの順位によって、報酬やエンドロールが変わる。
そして、優勝するとさらに報酬がもらえる。知りたい人は↓を反転。
『1位になると本当のエンドロールが流れ、その後純金製のゴールドスコーピオンがもらえる。
純正のシャイニングスコーピオンより軽量だがボディの改造ができないため、肉抜きはもちろん大径ホイールすらつけることができない。そのため最強のホイールであるワイドワンウェイが装備できず、タイムが伸びない。そのためゴールドスコーピオンでSGJCに挑むと3位以内へ入賞する事さえ難しいという、なんともありがたくない報酬である… 報酬というよりも、金メダルやトロフィーのようにSGJCで優勝した証、という意味合いが強い一品だろう。』
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掲示板
107 ななしのよっしん
2024/01/01(月) 15:06:27 ID: 7Hh5rEBapY
これSwitch辺りで配信されないかね。
クリア後にブラックセイバーで優勝目指してみたいんだわ。
108 ななしのよっしん
2024/01/01(月) 15:24:10 ID: 3/KNEHsrKT
てか基本的スピンコブラには勝てなくてもストーリー進むけどね
藤吉コースは指定タイムでゴールできればいいし、スプリングレース予選も指定順位
決勝だと勝たないといけないが次の街に進めるからパーツ強化すればスピンコブラ程度なら勝てる
でもこうやって考えるとこのゲーム序盤は勝てない前提で作られてるなあ
セイバー600時代に星馬兄弟にボコられ、スプリング予選まではパーツ的にスピンコブラがきつく、決勝あたりは模型店で星馬兄弟の片方に試合に出れない憂晴らしにあい、その試合には兄弟のもう一人が出場してて勝てないから2位狙いになるし
109 ななしのよっしん
2024/02/15(木) 10:26:04 ID: qvZk1AdHxS
詰みポイントとか1レースにかかる時間が長いとかでクソだったなぁこれ
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/04(土) 19:00
最終更新:2024/05/04(土) 19:00
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