栃木シティFCとは、栃木県栃木市、下都賀郡壬生町、足利市、佐野市をホームタウンとするプロサッカークラブである。旧称は栃木ウーヴァFC。
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1947年に日立栃木サッカー部として創部した、歴史の古いクラブである。元々は日立製作所の実業団チームだったので、柏レイソルとは血筋が同じということになる。2006年にウーヴァスポーツクラブと合併してクラブチーム化。2019年に現在のクラブ名となり、2025年にJリーグへ加盟。
チーム名には地域に根差し、より地域から愛される企業を目指すという意味が込められている。なお、Jリーグやメディア媒体などでは栃木SCとの区別のために「栃木C」と表記されることがある。
ウーヴァ時代のチームカラーは青であったが、現クラブ名へ変更する際、選手、チーム、サポーター、支援者の団結を強くするという意味を込めて、より濃い紺となった。エンブレムの3本のラインは栃木県南地区を流れる巴波川、思川、渡良瀬川の河川を表している。クラブマスコットは栃木市の鳥であるカモをモデルとした「トチモ」。栃木市発祥の宮ネギを背中に背負っている。
ホームスタジアムとして2021年3月に完成したサッカー専用スタジアムであるCITY FOOTBALL STATION(略称はCFS)を使用。
他のJリーグクラブと同様に18歳以下の下部組織を有しているほかに、アマチュアチームである栃木シティFC U-25が存在しており、現在は栃木県社会人サッカー1部リーグに所属している。
日立製作所栃木工場(現:日立アプライアンス栃木事業所)内に日立栃木サッカー部として、下都賀郡大平町(現:栃木市)に誕生した。同時代の歴代選手で一番有名であろう若林学(当時は工場の従業員)は、その後JFL時代の栃木SCに2年間在籍した後、大宮アルディージャに4年間在籍、愛媛FCに期限付き移籍として1年間在籍し、J2に昇格した栃木SCでまた1年間と、計6年間Jリーグを経験し、再びこのチームに戻ってきた。
さて、その後サッカー部は、2006年に総合スポーツクラブを目指してクラブチーム「日立栃木ウーヴァスポーツクラブ」に改称、並びに組織変更もして下部組織(ジュニアユース/ジュニア/女子チーム)の設立もしたが、「スポーツクラブ」という言葉を名称に加えているにもかかわらず、他のスポーツをクラブ内に設置しようとする気配はせず。
そんなこんなで、トップチームは2009年には関東リーグ1部2位となり地域リーグ決勝大会に出場することに。同大会の決勝ラウンドまでは進んだものの、相手は同じ所属リーグの優勝チームである横浜スポーツ&カルチャークラブ(Y.S.C.C.)、そしてJリーグ参入を目指しているチームで全国社会人サッカー選手権大会枠から出場の松本山雅FCとツエーゲン金沢の3チームであった。どのチームも実績と話題性の高さもあってウーヴァはあまり注目されなかったが、初陣であるY.S.C.C.戦を2-1で勝利を収めると、金沢戦を3-0で下して快勝し、早々とJFLの自動昇格枠を確保、周囲の度肝を抜いた。なお、その後成績により大会は松本山雅FCが優勝し、結局2位で終えたウーヴァと共にJFLに自動昇格を果たした。
2010年からクラブはNPO法人に運営を移管、企業名を外して「栃木ウーヴァFC」に改称。ユニフォームの胸部から「HITACHI TOCHIGI」のロゴが消え、また公式サイト上からは親会社であった日立アプライアンス栃木事業所のバナーがなくなっているため、同事業所との資本的なつながりはほぼ薄くなったとも見て取れる……と思われていたが、公式サイトにバナーが復活したため、同事業所とのつながりは消えていないことが確認された。ついでに、同じ日立グループの日立レフテクノもスポンサーに加わっている。
この年、大平町は新設合併によって栃木市の一部となり、クラブのホームタウンも栃木市となった[1]。これ以来、栃木SCの「栃木」が県名を指しているのと対照的に、ウーヴァの「栃木」は市名を指していると目されるようになる。
JFL昇格後は、初年度の2010年は15位、翌2011年は10位と順位を上げていき、ここから順風満帆になるかと思われたのだが、逆に奇跡的な残留を繰り返す状態になる……。
……この流れは在りし日のアルテ高崎を彷彿とさせる残留力であるが、そもそも高崎と違って「Jリーグ百年構想(準加盟)チーム」という立場でもあったため、いつ「Jリーグ百年構想チーム初の地域リーグ降格」という不名誉な記録を作ってしまわぬか、周りから心配されていた。
)。ここで最下位へ転落、最終節を前にすでに15位以下が確定した。クラブのユニフォームスポンサーを務めていた日本理化工業所社長の大栗崇司は、降格の決定打となった仙台戦を観戦して経営参入の決意を固め、翌年からクラブの大幅な強化に乗り出すこととなった。
関東サッカーリーグ1部に降格した2018年、苦境を見かねた日本理化工業所社長の大栗崇司が代表に就任。同社は東京に本社を置いているが、創業者は栃木市の隣町・壬生町の出身であり、同町に工場をもっている。この年、選手は原則プロ契約とした上でJクラブからコーチや選手を補強。年間予算は2億円で、J3レベルの規模となった(記事
)。リーグ戦では貫禄を見せつけ17勝1分、勝ち点52で優勝。2位に勝ち点で14も差をつける圧勝であったが、地域CLでは1次ラウンド3位に終わり昇格を逃した。翌2019年、クラブ名を「栃木シティフットボールクラブ」に改称。リーグでは引き分けが目立って3位となる。
コロナ禍のなか、10チーム1回戦総当たり全9試合のレギュレーションとなった2020年は、7勝2分無敗という安定した成績で優勝し、地域CLに出場。1次ラウンドで3戦3勝して決勝ラウンドに進むも、FC刈谷とFCティアモ枚方との試合がスコアレスドローに終わる。北海道十勝スカイアースには1-0で競り勝っており、枚方および刈谷とは勝点5で並ぶも、得失点差で後塵を拝したため3位に終わり、鼻の差で昇格を逃した。
2021年には栃木市の全面的なバックアップのもと、新たなホームとなるサッカー専用スタジアムのCITY FOOTBALL STATION(CFS)を落成し、同年のシーズンから使用を開始した。収容人員はJ3ライセンスを満たす5,000人強とし、日本理化グループの資金力をぶつけた民設民営の施設となったが、立地となる岩舟総合運動公園(市営)の土地使用料免除をめぐって市・クラブが一部市民と対立。高裁まで争うも2023年に敗訴し、市は上告を断念してクラブに固定資産税および公園使用料を請求する運びとなった。CFSの供用初年となる2021年は6敗を喫してリーグ4位に終わり、新監督に今矢直城が就任する。
2022年には2年ぶりの優勝を果たし、地域CLに出場。この年、同じリーグで6位に終わったブリオベッカ浦安も、全国社会人サッカー選手権大会で優勝し、地域CL出場権を手にする。シティは1次ラウンドAグループで2位に終わるも、各グループの2位クラブ中で首位の勝ち点を得たため、ワイルドカードで決勝ラウンドに進んだ。初戦でFC刈谷に2-0で完封勝利を収めるも、沖縄SVと引き分け、浦安に1-3で敗北。成績は3位に終わって昇格を逃した。
2023年、松本山雅FCからインフルエンサー・田中パウロ淳一が加入し、チームの広告塔となる。リーグ戦ではVONDS市原にシーズンダブルを許して2位に終わるも、1回しか使用できない百年構想クラブの優先枠で降格してから4度目の地域CLに出場。自動昇格1枠、入れ替え戦1枠と去年より昇格枠が0.5狭まった中、1次ラウンドを全勝で突破。決勝ラウンドは2勝1敗で関東1位のVONDS市原FCと勝ち点で並ぶも、得失点差で+2上回り優勝。2017年以来となるJFL復帰を果たした。
2024年のJFLではなかなかのペースで勝ち点を積み重ね、第11節終了時点で3位につけるものの、高知ユナイテッドSCの首位独走状態に長らく手をこまねいていた。そんな中、アウェイで迎えた第12節・アトレチコ鈴鹿クラブ戦で1-5の大敗を喫する。これを受けて覚醒したのか、その後の十数試合を無敗で駆け抜けるという驚異的な成績を挙げ、勢いが止まっていた高知にも第23節で完封勝利、翌24節の結果を受けてついに首位に浮上した。J3クラブライセンスも条件付きで交付され、今季のホーム戦の平均入場者数2,000人以上、一定のチケット収入、そしてリーグ優勝を決めればJ3への自動昇格を手にする舞台が整った。
そして第29節、カンセキスタジアムとちぎで鈴鹿を雪辱戦に迎え、9,000人を越える入場者を前に6-0で圧勝。昇格から1年でのJFL優勝と同時にJリーグ参入条件を満たし、自動昇格決定を果たした。最終節となる第30節では、同シーズン限りでの解散が決まったソニー仙台FCの公式戦最後の相手となり、完封勝利を挙げてJFL卒業に花を添えた。
J3初年度となる2025年、開幕前にDFマテイ・ヨニッチ、シーズン途中にはFWピーター・ウタカらを完全移籍で獲得し、大型補強が話題となる。チーム史上初となるJリーグでの試合ではSC相模原をホームに迎え、田中の2アシスト、吉田篤志の2ゴールで逆転勝利を収めた。チームは最序盤を除けば安定して上位を維持し、首位をめぐって前半はFC大阪、後半はヴァンラーレ八戸とのデッドヒートを繰り広げる。一方でJの先輩・栃木SCを相手取った栃木ダービーは1分1敗に終わり、天皇杯の県予選決勝でも敗れたため、3試合で一勝も挙げることができなかった。
J2への自動昇格圏は2位以上。暫定2位で迎えた第33節では、首位八戸との直接対決をバスケス・バイロンの後半AT弾で制する。3位鹿児島ユナイテッドFCの猛追を受けるなか、シティは第35節の結果を受けて首位に立つとともに、栃木SC先輩が鹿児島を相手に勝利を収めたことで3位以下にも水をあけ、J2昇格を射程にとらえる。引き分け以上で昇格が決まる第37節、チケット完売のCFSにAC長野パルセイロを迎え撃ち、3-0で完封。後半ATには田中のアシスト・吉田のゴールという初戦の再現でホームゲームを締めくくり、J2昇格を決めた。さらに最終節で相模原に快勝し、J3優勝も決める。
| 背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| - | 監督 | 今矢直城 | 1980.6.18 | 2021 | 清水エスパルス コーチ | ||
| 1 | GK | 原田欽庸 | 1986.5.17 | 2018 | ツエーゲン金沢 | ||
| 2 | DF | カルロス・エドゥアルド | 2001.4.6 | 2023 | ロウレターノDC | ||
| 3 | DF | 増田修斗 | 1994.1.17 | 2017 | 栃木シティU-25 | 【復】 | |
| 4 | DF | 内田錬平(C) | 1991.4.26 | 2020 | おこしやす京都AC | ||
| 5 | DF | 奥井諒 | 1990.3.7 | 2024 | V・ファーレン長崎 | ||
| 7 | DF | 鈴木隆雅 | 1994.2.28 | 2018 | 愛媛FC | ||
| 8 | MF | 森俊貴 | 1997.8.29 | 2025 | 栃木SC | 【完】 | |
| 9 | FW | 都倉賢 | 1986.6.16 | 2025 | いわてグルージャ盛岡 | 【レ】 | |
| 10 | MF | 岡庭裕貴 | 1995.1.3 | 2020 | 東京ユナイテッドFC | ||
| 11 | MF | 表原玄太 | 1996.2.28 | 2022 | 松本山雅FC | ||
| 13 | MF | 大嶌貴 | 2000.10.18 | 2023 | 作新学院大学 | ||
| 14 | MF | 関野元弥 | 1999.3.10 | 2023 | いわきFC | ||
| 15 | DF | 佐藤喜生 | 1997.11.6 | 2022 | ギラヴァンツ北九州 | ||
| 16 | MF | 加藤カレッティ丈 | 1998.9.14 | 2025 | ブリスベン・ロアーFC | 【完】 | |
| 17 | FW | 藤原拓海 | 1998.9.7 | 2023 | FC刈谷 | ||
| 20 | MF | 土佐陸翼 | 2000.4.27 | 2024 | VONDS市原 | 【完】 | |
| 21 | GK | 田中勘太 | 1998.1.3 | 2023 | いわきFC | ||
| 22 | DF | 鈴木裕斗 | 2000.5.5 | 2023 | 流通経済大学 | ||
| 23 | FW | 吉田篤志 | 1999.4.7 | 2024 | ヴィアティン三重 | ||
| 24 | FW | 熊野敬二郎 | 2002.6.10 | 2025 | 四国学院大学 | 【卒】 | |
| 26 | MF | 宇都木峻 | 1996.9.21 | 2023 | アルテリーヴォ和歌山 | ||
| 27 | DF | 梅澤魁翔 | 2002.5.1 | 2025 | 東洋大学 | 【卒】 | |
| 28 | MF | 小西慶太郎 | 2002.4.6 | 2024 | 国士舘大学 | 【卒】 | |
| 29 | GK | 高山梓 | 2001.6.5 | 2024 | 作成学院大学 | ||
| 31 | GK | 相澤ピーターコアミ(C) | 2001.1.20 | 2024 | ヴァンラーレ八戸 | ||
| 33 | DF | 乾貴哉 | 1996.5.12 | 2025 | ギラヴァンツ北九州 | 【完】 | |
| 39 | FW | バスケス・バイロン | 2000.5.16 | 2025 | FC町田ゼルビア | 【レ】 | |
| 40 | FW | 鈴木国友 | 1995.7.3 | 2024 | 松本山雅FC | ||
| 42 | DF | マテイ・ヨニッチ | 1991.1.29 | 2025 | 仁川ユナイテッドFC | 【完】 | |
| 77 | FW | 田中パウロ淳一 | 1993.10.23 | 2023 | 松本山雅FC | ||
| 79 | FW | 齋藤恵太 | 1993.3.31 | 2025 | ファジアーノ岡山 | 【レ】 | |
| 90 | FW | ピーター・ウタカ | 1984.2.12 | 2025 | ヴァンフォーレ甲府 | 【完】 | |
| 99 | FW | 平岡将豪 | 1995.5.12 | 2023 | BTOPサンクくりやま |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
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| 国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 三関隆 | 2003年~2006年 | 前身の日立栃木サッカー部時代から在任 | |
| 横濱誠 | 2006年~2012年9月 | ・関東1部リーグ昇格(2007年) ・JFL昇格(2009年) |
|
| 井出大介 | 2012年9月~12月 | ||
| 多田徹朗 | 2013年~2014年 | ||
| 前田和也 | 2015年 | ||
| 堺陽二 | 2016年~2018年 | ・関東1部リーグ降格(2017年) ・関東1部リーグ優勝(2018年) |
|
| 鄭容臺 | 2019年~2019年5月 | ||
| 岸野靖之 | 2019年5月~12月 | ||
| 中村敦 | 2020年~2021年10月 | 関東1部リーグ優勝(2020年) | |
| 髙地系治 | 2021年10月~11月 | 暫定監督 | |
| 今矢直城 | 2021年11月~ | ・関東1部リーグ優勝(2022年) ・全国地域チャンピオンズリーグ優勝&JFL昇格(2023年) ・JFL優勝&J3昇格(2024年) ・J3優勝&J2昇格(2025年) |
掲示板
1 ななしのよっしん
2025/05/06(火) 00:01:10 ID: PicBlXxUxS
FC今治、いわきFC、FC大阪と共にこれからのJリーグをざわつかせそう新興勢力
4クラブの共通点として、
①元号が令和になってからのJリーグ参入
②しかも同じ府県に既にJリーグクラブがある中での参入
③本拠地が県庁所在地ではない
④ホームタウンを敢えて(県全域などのように)広く宣言せず、特定の地域に絞って密着を図っている
⑤クラブの成長に対して、スタジアムやその周辺の整備が現状追いついていない
⑥名前がとてもシンプル
2 ななしのよっしん
2025/09/27(土) 16:44:18 ID: DimekkDafD
一次はJFLから降格し関東リーグに甘んじることになったところから一転してここまでの快進撃を見せるとはなあ
自動昇格争いは激戦だから確保できるかはまだわからないけど、最低でもプレーオフ以上は確保できそうだし
3 ななしのよっしん
2025/11/21(金) 13:57:35 ID: QWd7BK4bUi
一方その頃、栃木SCは…
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 05:00
最終更新:2025/12/06(土) 05:00
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