『真ゲッターロボ 世界最後の日』とは、OVA版「ゲッターロボ」シリーズの一作目である(全13話)。
ちなみに「真」は「チェンジ!!」と読む。
概要
「月に侵略してきた怪物『インベーダー』と人類の戦いが終結して三年後」というOVAオリジナル設定から物語が始まる。かつて世界を救ったゲッターチームのリーダー・流竜馬はゲッターロボの開発者である早乙女博士を殺害した容疑でA級囚人として囚われの身になっていた。ゲッターチームが完全に解散状態である中、日本軍所属となっていたかつてのゲッターチーム・巴武蔵と車弁慶が運転するトラックがインベーダーに襲撃される。武蔵たちは積載していたゲッター3で応戦するも苦戦を強いられる。その時、見たことがないゲッターロボ(真ゲッター1)が乱入。真ゲッター1はインベーダーを切り裂き立ち去るのだが、真ゲッターを操縦していたのは死んだはずの早乙女博士であった。運命の歯車が再び動き出す……というのが導入。
悪人面とも言われる漫画版ゲッターチームの影響を多分に受けた濃いキャラクターたちの、人類の存亡をかけた戦いを迫力の作画で描く。人類はどこに行くのか、ゲッター線とは何か、進化とは何か……うおおぉといった石川賢漫画のテイストを随所に見ることができる。
漫画版「ゲッターロボ號」「真ゲッターロボ」の設定をシャッフルし、主人公の一人『ケイ』に関する設定はOVAオリジナル設定である。ゲッターサーガが初めてでも安心して楽しめる。
前日譚であるインベーダーとの戦いについては、漫画版「真ゲッターロボ」(文庫版)に20ページほどの短編「クレーターバトル」として収録されている。
登場人物
- ゴウ(声:関智一)
- 真ドラゴン制御のために生まれた人造人間であり、真ゲッター1/真ドラゴンのパイロット。
早乙女博士と早乙女ミチルの細胞から生まれたため、ケイを守ることに関して凄い執念を持っている。
よく間違われるが、彼が主人公である。竜馬ではない。
たしかにゴウはキャラが立ってないし、無口だし、陰が薄い。
でもそれは単に周りが濃すぎるからであって(ry
とにかく、彼が主人公である。
- ケイ(声:日高奈留美)
- 真ゲッター2/真ライガーのパイロット。
早乙女博士の娘で、本名は早乙女元気。
男として育てられたため、性格は男勝り。序盤のお色気担当。
- ガイ(声:松本保典)
- 真ゲッター3/真ポセイドンのパイロット。
弁慶の部下。
弁慶が負傷していた為、ゴウにお前が乗れと言われて乗る羽目になった。
- どうしてこいつが選ばれたの?と首を傾げる人もいるだろうが、一応弁明すると「両親がゲッターの整備士で、思い入れがあった」ということをゴウがみていたので、それで選ばれたのではないだろうか。
- 流竜馬(声:石川英郎)
- ゲッター1/真ゲッター1のパイロット。
早乙女博士を殺した罪で囚人扱いされている。
多少のブランクがあってもその腕は健在で、旧ゲッターでゲッタードラゴンの大群相手に無双する。
OVA版特有の悪人顔が最も顕著である。
「世界がどうなろうと知ったこっちゃねぇ!」と叫びながらゴウの入ったカプセルを割ろうとするなど、危なっかしい行動が多い。
でもやっぱりかっこいい。
最終話で隼人、弁慶とともにゲッターエンペラーの待つ次元断層へと旅立つ。
俺達が死ぬわきゃねぇだろ?
- 神隼人(声:内田直哉)
- ゲッター2/真ゲッター2のパイロット。
早乙女博士を殺した張本人。
その罪を竜馬になすりつけたため、事情を知らない竜馬から恨まれる。
博士を殺したあとUFOに乗って逃げた。
- 巴武蔵(声:辻親八)
- ゲッター3のパイロット。
日本軍少佐。
今回も仲間を守るために死ぬ。
大雪山おろしは弁慶に引き継がれた。スパロボ補正の逆輸入設定である。
- 車弁慶(声:飯塚昭三)
- 真ゲッター3のパイロット。
日本軍少佐で、武蔵の後輩。
今作品は真ゲッター3にもそこそこの出番があり、軍人的な意味でもよく活躍する。
ケイの保護者でもある。
- 早乙女博士(声:麦人)
- 何回か死ぬ。
死ぬたびに敵側に染まっていくが、最後はストナーサンシャインから逃げようと体から出てきた
インベーダーをつかまえて死んだ。
- 早乙女ミチル(声:長沢美樹)
- 今回は最初から死んでいる。
竜馬達が幻覚に囚われていた所に出現し、危機を救った。
- シュワルツ(声:安井邦彦)
- ゲッター線の所為で恋人を失ったアメリカ野郎。
そのためゲッターを憎むが、最後は和解する。
ボスボロット並の生存能力をもっている。
敵
- インベーダー
- きしょい。
流動体でゲッタービームで飽和させないと何度でも復活するタイプと首を切ると死ぬタイプの二種類がいる。
戦闘力は高くないが、それでも普通の人間が襲われるとひとたまりも無い。
元ネタは石川賢の作品で恐怖のモチーフとされている不定形の怪物「ドグラ」。
- メタルビースト
- 機械とインベーダーがナノレベルで融合した姿。
ハンパじゃないくらいに硬い。
ゲッター以外のスーパーロボットでは歯が立たなかった。
- メタルビーストドラゴン
メタルビーストライガー
メタルビーストポセイドン
- インベーダーに乗っ取られた真ドラゴンから生成される偽のゲッターロボG。
ドラゴンには早乙女博士、ライガーにはスティンガー、ポセイドンにはコーウェンが乗っている。
最後は竜馬の放ったストナーサンシャインで、ゲッタードラゴンと早乙女博士は消滅したが、スティンガーとコーウェンは被弾した瞬間にコクピットから脱出。
その後、ライガー号とポセイドン号を2機、半端に合体させたゲッタードラゴンに乗り逃走。
ゲッター炉心を木星に打ち込んで、ゲッター線の太陽と化した木星と融合した。
- ゴール、ブライ
- ゴウと一緒に早乙女博士に作られた。
竜馬と隼人のコピーらしいが、どうみても恐竜帝国と百鬼帝国のあの人達である。
ただし、その姿を見た早乙女博士が大変びっくりしているため、元はコピーだったのがインベーダーに寄生されてああなった、という見方もできる。
- スティンガー(声:広瀬正志)
コーウェン(声:郷里大輔)
- お互いをくん付けで呼び合う仲。
最後は太陽と化した木星と融合し、真ドラゴンすら上回る巨大な姿になった。
しかし巨大化したゲッタートマホークで衛星と共に一刀両断される。
登場機体
- ゲッターロボ
- 言わずと知れた旧ゲッター。
冒頭でこれに乗った竜馬がゲッタードラゴンを潰しまくった。
- ゲッターロボG
- 冒頭で旧ゲッターに潰されまくった。
- ブラックゲッター
- 竜馬に魔改造され、大気摩擦で黒くなった旧ゲッター。
たいした武装は無いがやたらとかっこいい。
- 真ゲッター1
- 亜光速での戦闘を可能とする。
ゲッタービーム、ゲッタートマホークなど多彩な武器を持つ。
原作漫画版と違い自己修復機能はついていない。
- 真ゲッター2
- 変形する時のドリルがシュルルって伸びるのがすごく良い。
重陽子ミサイルには追いつけなかった。
派手な技は無いが地味に活躍した。
- 真ゲッター3
- 基本的に腕で相手を締め付ける攻撃をする。
ミサイルストームは圧巻。
乗った人は全員大雪山おろしが使える。
- 真ゲッタードラゴン
- ゲッターロボGの集合体が進化を遂げた姿。速くてデカイ。
ゲッター線を集中させればワープもできる。
頭でも腹でもなく下半身の口からゲッタービームを出す。
ゲッタードラゴンの集合体なのでシャインスパークも使える。
使った後は骨になっているところを見ると、使えるのは一度きりのようだ。
- 真ゲッターライガー
- ちょこんと飛び出た足がなんともかわいいゲッター。
ドリルを愛するあまり自らドリルになった。
でも相変わらず速い。
- 真ゲッターポセイドン
- 誰がどう見てもやっつけデザイ(ry
腕のハンマーは全く使わなかった。
あの長さじゃ体型的に正面すら届かないから飾りなんだろう、きっと。
- ゲッターエンペラー
- シャインスパークで次元断層に飛び込んだ竜馬達が見た存在。
その戦艦には竜馬であろう人物が乗っていた。
スタッフ
OP・ED
オープニングテーマ
エンディングテーマ
監督について
当初は今川監督が全編監督を務める予定だったのだが、3話以降世界観がガラリと変更され、3話までは監督のクレジットすらない。
これには諸説あり
- 1~3話で予算を使いすぎたために外された。事実第1話~3話までの作画量や負担が驚異的になっているのは誰の目にも明らかである。
- バンダイビジュアルが今川テイストによるあまりにも大きな改変具合を苦に思い監督から外した。特にゲッタードラゴンの大量生産+旧ゲッター無双は大きいとされている。
などと言われている。
実際1.の理由では後の作画の使いまわしの頻度からいえば、とても説得力のある理由だと言える。おまけに監督が変わったためか、4話からあきらかに作風が変わっており、今川節として特徴的な「そう!」という強調文はだいぶ減った。
2.の説はそれなら最初から今川監督に頼むわけが無いという意見も見受けられるが、裏を返せば「ここまで変えられるとは流石に………」と孔明にも予測出来ないような改変度合いに大きく引かれてしまった可能性もある。
あるいは両方が重なって問題視されたというパターンも考えられるが、公式はだんまりを決め込んでいるので真相は闇の中である。ただし今川泰宏が関わっていたとされる有力な情報として、後の真マジンガーにおけるメカデザイナー野中剛はこう語っている。
今川監督にかかれば、ブラックオックスだってゲッターロボGだってロケットパンチだって大量生産余裕です!
よって今川ファンからは「今川ゲッター最後まで見たかった」という声も聞かれるが、おそらくあの調子でOVAをつくっていたら採算が合わなくなって打ち切りになる可能性は十分考えられたと思われる。ジャイアントロボのOVAが完結まで数年を要したことからもその可能性は高い。
それでも見たいと思ってしまうのは今川泰宏に魅入られてしまった者達のサガなので気にしてはいけない。
後に真マジンガーで正式に復帰するが、作風はよりはっちゃけたものになっていた。
バンビジュ「まるで反省していない…………!」
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