イクノディクタス(ウマ娘)とは (イクノディクタスとは) [単語記事]

「一にも二にも管理です。これでケガのリスクは抑えられます」

イクノディクタス(ウマ娘)とは、「ウマ娘プリティーダービー」の登場キャラクター。

実在の競走馬、イクノディクタスをモチーフとするウマ娘である。CV.田澤茉純

概要

誕生日:4月16日　身長:163cm　体重:完璧な仕上がり　スリーサイズ:B75/W53/H82

真面目できっちりしている秘書タイプのウマ娘……と思いきや、意外とノリがよかったりする。常に冷静で、体調も含め管理することが上手。
そんな彼女の目標は、「徹底して自分を管理し、できるだけ長く走ること」。情熱の理由は、走れなかった過去から来ているようで……。

※イクノディクタス|ウマ娘プリティーダービー公式ポータルサイトより

大きな丸眼鏡が特徴のウマ娘。勝負服は緑地に白の縦縞が入ったフロックコートのようなデザイン。ベルトなどの装飾や凛とした立ち姿も相まってどこか貴公子然とした佇まいである。髪型は一見おかっぱのようだが、後ろ髪は非常に長く、三つ編みにまとめてられている。

アニメでの活躍

アニメ第2期の2話にて初登場。トウカイテイオーと食堂で相席したナイスネイチャにチーム・カノープスの新メンバーとして紹介された。「カノープスは学園一のチームを目指している」とナイスネイチャも知らなかった目標を掲げ、理路整然とした思考から組み上げた自らの脳筋プランを延々と語りトウカイテイオーを苦笑いさせた。「なんか、また面白い子が入ったね……」

3話ではマチカネタンホイザが加わったカノープスの一員として本格的に活動を開始。チームのまとめ役かと思いきや、ツインターボがぶち上げた「妥当打倒スピカ」というぶっ飛んだ目標に「素晴らしい目標ですね」とあっさり乗っかったり、トレーニングも「打倒スピカ作戦会議」もそっちのけでトウカイテイオーを観察し続けるなど真面目そうに見えて大概フリーダムな行動が目立った。まあカノープスの一員だし。

4話では大阪杯に出走しトウカイテイオーと対決するが完敗。今回は呼び方を巡って迷走するカノープスの面々に呆れたり、ツインターボが転んだはずみで倒れてきたホワイトボードが直撃するなど振り回されるポジションに立たされることも増えた。だいたいターボのせい。

史実でのエピソードからメジロマックイーンとの直接的な絡みも期待されるところであったが、露骨にそれらしいエピソードまではなかったものの、8話で天皇賞（春）三連覇を阻まれた後のマックイーンと2人で話すシーンがあった。

10話ではテイオーへの宣言で意気込むツインターボと共にオールカマーに出走。ターボの最大の見せ場となる一方、自身は置いていかれている。

ゲームでの活躍

サービス開始時点では未実装だったが、3/9の更新で追加されたツインターボのサポートカードのイラストで登場、イベントにおいて3Dグラフィックが初披露された。ケイドロでツインターボを捕まえるべく、冷静な判断を行っていた。

その後ツインターボに続く形で、3/18にSRサポートカード［準備運動は怠るべからず］が追加された。同時にRも実装。やはりカノープス繋がりでマチカネタンホイザ、ツインターボと共に水着姿が描かれている。運動前の入念な準備体操をしているようで、プールに飛び込もうとするツインターボを片手でガッチリと掴んでいるのが印象的。
「無茶をしてケガなど、絶対にしないように」とエピソードでは書かれているが、それをお前が言うのかという気持ちとお前だから言えるなという気持ちがごっちゃになるのは筆者だけであろうか。
性能面では育成イベントでデバフを3種(2つは同一イベントでの選択式なので1回の育成で得られる数は2種)、所持スキルにもデバフを1種持つのが特徴的な差しウマ向きサポート。他の所持スキルも「視野を広く持つ」スキルを2種、「馬群内にいると回復する」スキルが2種と中々見ない構成。
賢さサポートの大きな魅力と言える「賢さ友情回復量アップ」が無いなど惜しい点も多いが、特にデバフが有用とされる対人戦用ウマ娘の育成の際にお世話になるかもしれない。

また、マックイーンの新バージョンの登場に伴い、あちらの台詞によってマックイーンのルームメイトであることが明かされている。

史実

1987年4月16日生まれの牝馬。父ディクタス、母ダイナランディング、母父ノーザンテースト。父も母父も社台ファームが輸入し日本で大成功した種牡馬である。「父ディクタス×母父ノーザンテースト」は相性がよく、ほかにサッカーボーイなども同じ配合である。尤もイクノディクタス自身は社台系列の生産ではないのだが。

2歳(旧表記。以下同じ)セリでは900万円と比較的安価で購買され、デビューの準備が進められていたが屈腱炎を発症。一度は安楽死さえ選択肢に挙がったほどの症状だったが、関係者が「馬の神様」とまで呼ばれた伝説の装蹄師である福永守に預けたところ、レースに出しても問題ないレベルまで完治して帰ってきた。福永は「骨折と腱断裂以外の脚の故障は装蹄で全て治せる」という信条の持ち主であり、イクノディクタスでもそれを実証したのである。

ともあれデビューにこぎ着けたイクノディクタスは3歳7月に「世界の西浦」こと西浦勝一を背にデビューし勝利。続くフェニックス賞ではレコードタイムを叩き出し圧勝する。しかし小倉3歳Sで惨敗してから一向に勝てなくなり、3歳は6戦2勝。4歳春のクラシックシーズンも惨敗、秋は重賞で3着、2着と復調したが勝利には届かず7戦全敗に終わる。

5歳シーズンも年明けから3連敗したが成績は徐々に向上。そしてOPコーラルSで久々の勝利を挙げ、1戦を挟んだGⅢ京阪杯(当時は5月開催、芝2000ｍ)を勝ち念願の重賞初制覇を果たす。その後9月まで5戦して勝利なしに終わるが重賞で2着2回3着1回と安定して入着。その後休養に入りこの年を終える。なお、この年は9ヶ月で12戦2勝である。走らせすぎ。

翌6歳は2月の初戦から6連敗と嫌な雰囲気が漂ったが5月の阪神でOP特別を勝利し連敗脱出。つまり4ヶ月で7戦。走らせすぎだって。
夏競馬も休まず出走･･･どころか本格化。GⅢ金鯱賞を勝ち、1戦を挟んだGⅢ小倉記念も勝利。そしてGⅢオールカマーではオグリキャップが持っていたレコードを更新する圧勝を見せる。続くGⅡ毎日王冠ではバカダイタクヘリオスには逃げ切られたがナイスネイチャらを封じ2着に善戦。秋はGⅠを4連戦(マイルCS→JCの連闘込み。オグリキャップかなにか？)して未勝利に終わったが、重賞3勝は高く評価され最優秀5歳上牝馬を受賞した。
なお、この年は16戦4勝。連闘が1回、中1週も3回あった。走らせすぎだってば！！
しかもこの年、イクノディクタスは牝馬限定戦に1回も出なかった。そもそも牝馬路線自体今ほど整備されていなかった。当時エリザベス女王杯は4歳限定戦(現在の秋華賞のポジション)で、ヴィクトリアマイル(2006年創設)なんて影も形もなかったのである。その中で牡馬よりも頑健に戦い抜く姿から、いつしかイクノディクタスは第71代イギリス首相マーガレット・サッチャーに准えて「鉄の女」の異名で呼ばれるようになった。

7歳になっても現役を続行し、春は日経賞から天皇賞(春)まで惨敗が続いたが、14番人気で迎えたGⅠ安田記念では後方インから直線で馬群を切り裂くように末脚を伸ばし、ヤマニンゼファーには連覇を許したがシンコウラブリイ、ニシノフラワーなど並み居る強豪牝馬を下して2着に大善戦する。なお、このレースの賞金加算で同期のダイイチルビーを抜き牝馬の通算獲得賞金記録を更新した。半年後にはマイルCSを勝ったシンコウラブリイに抜かれたけど。さらに続くGⅠ宝塚記念では一転して最後方から直線で大外をぶち抜き、王者メジロマックイーンの2着に突っ込んでみせた。
その後夏のOP特別で1勝を加えたが秋は勝ち星なしに終わり、この年を以て引退した。
なお、この年は10戦1勝2着2回。出走回数は落ち着いたように見えるが、この年は3月から11月までの正味9ヶ月しか走っていないのでやっぱり走らせすぎである。

通算51戦9勝2着8回。勝ち鞍こそGⅢ止まりだが、その9勝は全て牡馬混合戦を制したもので、男たちを相手に回してたくましく戦った姿もかの宰相さながら、まさしく「鉄の女」と呼ばれるにふさわしい名牝であった。
なお、9勝全てが5月～9月に挙げたものであり「夏女」とも呼ばれた。

繁殖としては目立った産駒は残せなかった。2006年に繁殖を引退した後は功労馬として余生を送り、2019年2月7日に実年齢32歳で大往生を遂げた。

ちなみに、武豊曰くメジロマックイーンはイクノディクタスのことが好きだったらしく、2頭による夢の配合も初年度で実現している（未勝利に終わってしまったが）。