ダンジョンも畑も一緒だ
ほったらかして恵みを享受することはできない
何より……
ここで育ったものを食べ
自分からもダンジョンに分け与える
そのように暮らしていると
ようやくこの迷宮の中に入れたように思える
それが嬉しい
イズガンダのセンシとは、漫画『ダンジョン飯』の登場人物である。
概要
112歳のドワーフの男性。黒い長髪と胸を覆う立派な髭を持ち、常に角付きの兜を被っている。「センシ」とはドワーフ語で探求者の意。
10年以上黄金城のダンジョンに住み込み魔物食の研究をしている。
地上へ買い物に訪れた帰りに大サソリを誤った調理法で食べようとして食中毒になりかけている冒険者パーティーと遭遇し、その素人ぶりを見かねてサソリ鍋を振る舞う。
ダンジョン深層でレッドドラゴン(炎竜)に飲み込まれた、パーティーのリーダーであるライオスの妹ファリンを救うという一行の目的を聞き、「炎竜を調理する」という長年の夢を叶えるために同行することとなる。
人物
魔物食への非常に強い探求心を持ち、「栄養不足は魔物より恐ろしい」「若者には飯を食わせなければならない」という持論を持つ。
魔物の知識はライオスと比べ常食できる魔物に偏っているが、迷宮内の生態系や環境の維持に気を使い、「迷宮の中で生きる」ことを強く意識している。
しかしそれ故に料理を全てに優先させてしまう側面もあり、バジリスクの毒に苦しむ冒険者を前にして毒消し草を持っていながら「これは料理に使う」と聞かない、オークが人間の拠点から奪った小麦粉とパン種を使ってパン作りをしたいがためだけにわざとオークに拘束されるなどの奇行に出ることがある。
協調性の低さや魔術嫌いも相まってパーティーの足を引っ張ってしまうこともしばしばあるが、ライオス一行との冒険を通じて少しずつ改善していく。
また、風呂嫌いであるためか髭に様々な魔物の油や血がしみ込んでおり、味方の補助魔法が効きにくい(仲間の魔術師マルシル曰く絶縁体)。そこから発せられる独特の臭いは嗅覚が鋭い人種の人物がセンシ個人を特定するのに役立っている模様。
竜の攻撃をも防ぐアダマント製の鍋と竜鱗をも切断するミスリル製の包丁を中心とした様々な調理器具や食器を常に携帯している。
「料理研究家」を名乗るだけあって非常に高い料理スキルと栄養についての知識を持つ。作る料理のレパートリーは非常に多いが、特に和食が多い。
魔物を狩って生活しているだけあって斧術や槍術[1]を中心とした高い戦闘力を誇り、身体能力にも優れる。
ドワーフの特技とされている鉱石の区別や鍛冶の知識は乏しく、愛用の斧の管理はずさん。しかし古代ドワーフ語を解し、深層の暗号を解読することができる。
来歴
少年時代は古代戦争前の遺跡発掘を目的とした小さな抗夫団に所属していた。
彼が36歳のある日抗夫団は黄金城のダンジョンを偶然掘り当て、仲間達が宝探しに夢中になっているうちに遭難。出口を探す日々の中仲間は次々とヒポグリフに殺されていき、結果的に彼一人が生き残ることとなった。
38歳で迷宮内に住むオークに拘束され、古代ドワーフ語を教える代わりに迷宮内での生活法を学ぶ。
50歳で地上への帰還に成功したが、迷宮内で起きた惨事のために故郷に戻る気になれなかったため迷宮周辺での生活を続け今に至る。
関連する人物・魔物
- ライオス・トーデン
迷宮の入口で出会ったパーティーのリーダー。当初はその奇妙な思考と乏しく見える人間性から「変な奴」だと思っていた[2]が、今ではリーダーとして強く信頼している。 - マルシル・ドナトー
パーティーの魔術師。彼女は魔物食に対し強い拒否反応を示すことが多く、魔術やエルフへの偏見もあり[3]互いに快く思っていなかったが今では親しい仲間である。 - チルチャック・ティムズ
パーティーの鍵師。その容姿と年齢(29歳。ハーフフットとしては中年だがドワーフにとっては少年)から「危険な罠開け役しか生きる道のない孤児」だと思い込ん[4]で哀れみ気にかけていたが、いくつかの事件を通して中年だと実感して以降は対等な仲間として深く信頼し合っている。 - イヅツミ
深層にてライオスのパーティーに加入した忍者。そのひどい食事マナーや好き嫌いを矯正しようと気にかけている。 - 太郎、次郎、三郎
センシが管理しているゴーレム畑。ゴーレムが耕した畑ではなくゴーレムの背中を耕して作った畑である。
センシ曰く害虫や野菜泥棒を自分で追い払い水分管理までしてくれる素晴らしい畑。 - ゾン
オークの族長。センシとは旧知の仲で、よくゴーレム畑で採れた野菜を取引している。 - イズガンダのギリン
センシがかつて所属していた抗夫団のリーダー。ヒポグリフと相討って死亡した。ダンジョン遭難中に食糧が尽きかけても「若い世代を養えなくなったら終わり」と言ってセンシに優先的に食事を与えていた。センシにとって命の恩人である。 - イズガンダのブリガン
センシがかつて所属していた抗夫団の一員。ヒポグリフに殺害された。当時少年だったセンシを「役立たず」と呼びよくギリンと衝突していた。 - ドザークのトタン
センシがかつて所属していた抗夫団の財務担当。ヒポグリフに殺害された。 - イズガンダのインバー
センシがかつて所属していた抗夫団の一員。ヒポグリフに殺害された。センシが現在所持しているアダマント製の鍋は元は彼が家宝として所持していた盾だったものである。 - ヌール・ミルチェン
センシがかつて所属していた抗夫団の遺物鑑定役。ヒポグリフに殺害された。
関連静画
関連商品
関連項目
脚注
- *第33話でオークから借りる武器を「ヤリと迷った」と発言しており、事実第16話のクラーケン戦では鮮やかな槍捌きを見せている
- *ハルタ63号付録『センシの日記 生活の記録』より
- *ハルタ63号付録『センシの日記 生活の記録』より
- *ハルタ63号付録『センシの日記 生活の記録』より
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