キメラ(ダンジョン飯)単語

キメラ

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すごくかっこいい……

でも欲張りすぎじゃないか…　翼も羽毛も鱗もって…

キメラとは、複数の生物が組み合わさって誕生した怪物である。

当記事では、漫画『ダンジョン飯』に登場するキメラ及びキメラ型の魔物全般について記述しつつ、主に6巻（アニメ第16話）以降に登場する、とある魔物について解説する。

概要

『ダンジョン飯』には多数のキメラ型の魔物が登場するが、単に「キメラ」と言った場合には魔術により人間と他の生物を融合して作られた魔物を指す事が多い。

人間の知能と魔物の強力さを併せ持つ存在であり、迷宮の主によって好んで作られるが、そういった迷宮の主は正常な倫理観を失っているか、あるいは元々持ち合わせていないと考えられるため、キメラの存在は迷宮が非常に危険な状況にあるというサインと見做される。

キメラ型の魔物一覧

上述した狭義のキメラ
複数の生物を掛け合わせて作られた広義のキメラ（キメラ型の魔物）
人間と魔物を掛け合わせて作られたと考えられる亜人

の一覧。

現実におけるイルカやハナカマキリのような収斂進化や擬態によって他の生物に似ているにすぎない生物については記載しない。

それぞれの魔物の詳しい生態については記事ダンジョン飯#登場モンスターを参照のこと。

名前	初登場話	分類	混ざっている動物	その他の特徴
バジリスク	第3話	キメラ型魔物	ニワトリ、毒蛇	美味しい
俺の考えたかっこいいモンスター	第3話	キメラ	ウシ、ウマ、オオカミ、コウモリ、サイ、トラ、鳥、ブタ	うんちから森ができる欲望を消化する事ができる
オーク	第9話	亜人	ヒト、イノシシ	高度な知能と社会を持ち人間から略奪する生活を送っている
コボルト	第10話	亜人	イヌ、ヒト	高度な知能と社会を持つ毒物耐性が高い
イヅツミ	第32話	人工獣人	大猫、ヒト
コカトリス	第34話	キメラ型魔物	ニワトリ、毒蛇	石化毒を持つ美味しい
(とある魔物)	第36話	キメラ	ヒト、炎竜、鳥	後述
ミノタウロス	第46話	キメラ型魔物	ウシ、ヒト	斧を装備している個体もいる乳牛
グリフィン	第47話	キメラ型魔物	ワシ、ライオン	あんまり美味しくない
ヒポグリフ	第49話	キメラ型魔物	ワシ、ウマ	そこそこ美味い
狼男	第55話	人工獣人	ヒト、オオカミ	人間⇔狼獣人の2形態間で自在に変身できる熊獣人、鼠獣人、虎獣人などもいる。地下闘技場などで活躍
スキュラ	第60話	キメラ	ヒト、イヌ

「とある魔物」の概要

以下、『ダンジョン飯』4巻以降（アニメ第1シーズン再終盤以降）のストーリーについての記述が含まれます

物語の舞台である島の迷宮の支配者である狂乱の魔術師シスルによって作られた魔物。胴体は雄の炎竜（レッドドラゴン）だが、首の部分が人間の女性の上半身となっており、胸部には羽毛と鳥の翼を持つ。作成に使われた女性の名を取って「キメラファリン」「ファリゴン」などと呼ばれるが、単に「キメラ」と呼ばれる事も多い。

本作の主人公ライオス・トーデン率いる一行が、炎竜に食われて消化され骨格のみの状態となってしまったライオスの妹である魔術師ファリンを蘇生する為に炎竜の血肉を使ったことがきっかけで誕生した。
迷宮内で死亡した人間を蘇生するのに必要なカロリーを補うために動物の血肉を使うこと自体は作中世界で一般的に行われている事だが、この炎竜に限ってはシスルによって人間に掛けられているのと同様の「不死の呪い」が掛けられていたためにファリンと炎竜の魂が融合してしまい、ファリンはシスルに操られることとなってしまった。
ライオス一行によって人間の姿にされた「竜」（ファリン）を見たシスルが新たに与えた肉体がこのヒトと炎竜のキメラである。以後、最終回に至るまでキメラからファリンの肉体と魂を分離し救い出すことが一行の最も重要な目標となる。

作中での活躍

最初の襲撃

シスルによって作り出されてから約1週間後、シスルに命じられて行方不明の主君デルガル国王（実際には既に死亡している）を捜索中のキメラは迷宮地下5階で共に野営中のライオス一行・シュロー一行・カブルー一行の3パーティーを発見し、彼らの食事を横取りしようと襲撃してきたハーピーと交戦中に奇襲をかける。
仲間の姿をした魔物の襲撃に対しライオス一行とシュロー一行は混乱に陥り、残るカブルー一行も未知の魔物に対して有効な対処を行うことができず、最終的に死者7名（その日の内に全員蘇生）、重傷者1名の被害を出す事となった。とはいえキメラの側も相応の傷を負い逃亡する。
ファリンがキメラと化すきっかけを作った責任を追及されたライオス一行は、狂乱の魔術師を倒しファリンに掛けられた呪いを解くためさらなる迷宮深層を目指すこととなる。

地下1階にて

逃亡したキメラは傷を癒した後、地下1階の冒険者の広場で西方エルフの迷宮調査隊「カナリア」との交戦により窮地に立たされたシスルを救うために駆け付ける。
しかし、魔力の薄い浅層でキメラのような大型の魔物が満足に活動する事はままならず、カナリアによりシスルもろとも討伐されかける。しかし、戦闘に居合わせた、短命種による迷宮攻略を目指す冒険者のカブルーがカナリアを妨害し、その隙をついてシスルが広場の床を迷宮の主の力で崩落させ、キメラはシスルを抱きかかえながら床に空いた穴からその場を脱した。

死

ライオス一行はシスルを倒しファリンを救う力を手に入れるため、迷宮の守り神である有翼の獅子が封印されている迷宮最深部を目指す。その中で「キメラの竜部分を食って炎竜の魂を葬り分離する」というファリンの蘇生法を思いつき、その為には多くの人々の胃袋が必要だと結論付ける。

キメラとの戦闘から約1週間後、ライオス一行は迷宮最深部にあるシスルの家に囚われていた有翼の獅子を解放する。それに気付いたシスルは、キメラを伴いライオス一行の排除と翼獅子の再封印のために自分の家へ駆けつけ、キメラに対して家の前で待機を命じる。

キメラは作られて以降シスルによってデルガルの捜索や侵入者の排除などで酷使されており、さらにその巨体に比して小さすぎる口と人間の味覚のためにろくに食事をとることが出来ておらず、極度の空腹に襲われていた。
そんな彼女が待機中、料理の匂いを感じて近くの森の中へ行ってみると、そこには何故か巨大な皿に盛りつけられた兎肉のカレーとビール樽が置かれていた。久々のまともな食事と酒を楽しみ、満腹感と酔いによって眠りに落ちたキメラは、背後からライオスに襲われる。カレーとビールはキメラを無力化するための罠だったのである。ライオス達の目論見に反して、ライオスによじ登られたキメラは目を覚ましてしまい激しく抵抗するが、ライオスは抵抗に打ち勝ちキメラを絞殺することに成功した。

肺が吸い込んだ続きの世界

その後紆余曲折あってライオス一行はシスルと世界中の人間を喰らわんとした悪魔＝有翼の獅子を倒し、その見返りとしてその場に居合わせた冒険者や島の住民、カナリア達と共にキメラの竜部分を調理して食うこととなる。大宴会の中でライオスは周囲に推され、シスルによる封印が解けたことによって海底から浮上した古代メリニ王国の新たな王として名乗りを上げることとなる。

歴史的瞬間に立ち会う為に近隣諸国から駆け付けた多くの人々の存在もあってキメラの竜部分は完食され、カナリアや知り合いの蘇生術師の助けを借りてファリンの蘇生と人間としての意識を取り戻す事に成功する。しかし魂の完全な分離には至らず、羽毛や牙、爬虫類のような縦長の瞳孔などキメラとしての身体的特徴を残すこととなった。

人格・能力

シスルにより命じられたためか、あるいは炎竜の魂の影響か冒険者に対し極めて攻撃的であり、殺戮を楽しんでいるような素振りを見せることもある。しかし上半身がファリンであるためかそれ以外の時は好奇心旺盛で心優しいファリンそのものの性格である。

体長は普通の炎竜の半分程度だが十分巨大な体躯を持ち、踏み潰しや尾の叩きつけなどの質量攻撃を得意とする。人間部分の筋力も強化されており、人間を軽々と持ち上げられるほか両掌で握るだけでドワーフの首を折ることができる。

翼を持つが飛行能力はあまりなく、ゆっくり落下する為に使われる。

魔術にも長けており、ファリンが習得している高度な魔術を炎竜の膨大な魔力を用いて放つことで絶大な威力を誇る。治療術も使用可能。

以上のように高い戦闘能力を持つが、生物としてはかなり脆弱である。竜部分に巨体を支えるための内臓は持つものの呼吸と食事を行うための口は人間部分にある1つのみであり、声帯は太い気道に圧迫されており発声は苦手である。前述のとおりこの脆弱性を利用してライオスにより倒されることとなった。

竜部分を食され人間の姿に戻った後も炎竜の魂が精神・肉体両面でファリンに影響を与え続けている様子。国王である兄ライオスの部屋に窓から出入りし、また束縛を嫌い好奇心旺盛な側面が強くなったのか旅を好むようになった。

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