ショウナンアデラ(Shonan Adela)とは、2012年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
父譲りの末脚を持ちながら、脚の弱さに泣いた2015年クラシック世代の2歳女王。
主な勝ち鞍
2014年:阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)
概要
父ディープインパクト、母*オールウェイズウィリング、母父Elusive Qualityという血統。
父は説明不要、無敵のリーディングサイアー。
母はアメリカで3戦1勝。その母Always Loyalはフランス1000ギニーの勝ち馬である。下河辺牧場に輸入され、ショウナンアデラは第2仔。
母父イルーシヴクオリティはアメリカの馬で、勝ち鞍はGⅠ未勝利・重賞2勝に留まったが、マイル戦で当時の世界レコードを叩き出した快速馬。種牡馬としては無敗のアメリカ二冠馬Smarty Jonesや、BCクラシック馬Raven's Passなどを輩出した。日本ではケイアイノーテック(母父Smarty Jones)やタワーオブロンドン(父Raven's Pass)がその血を引いている。
2012年2月10日、日高の名門・下河辺牧場で誕生。オーナーは「ショウナン」冠名でおなじみ国本哲秀。
馬名意味は「冠名+人名より」。征服王ウィリアム1世の娘あたりが由来だろうか。
征服王の娘
エルコンドルパサーやナカヤマフェスタでおなじみ、美浦の二ノ宮敬宇厩舎に入厩したショウナンアデラは、2014年8月3日、蛯名正義を鞍上に新潟・芝1600mの新馬戦でデビュー。3.1倍の1番人気に支持され、ポンと好スタートから先行して内から抜け出すも、後方から追い込んだ3番人気ナヴィオンにクビ差かわされて2着。
一息入れて10月12日、東京・芝1600mの未勝利戦に向かうと、3番手先行から上がり最速で抜け出す強い内容で、1.8倍の支持に応えて完勝。
続いて11月22日、東京・芝1400mのからまつ賞(500万下)に向かい、ここも1番人気に応え、先行策から悠々抜け出して快勝。素質の高さを見せつける。
……ただ、このときにも蛯名騎手は「調教であまり攻めると良くないので、脚元との相談になります。丈夫ではないので、ゆっくり大事に厩舎が牧場と話し合ってやっているところです」とコメントしており、脚元に不安があることは伝えられていた。
しかし陣営は結局、中2週で2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)への出走を決める。この年の阪神JFは出走18頭が全て違う種牡馬の産駒で混戦ムードの中、1番人気は後のレガレイラの母ロカ。2番人気がレッツゴードンキで、ショウナンアデラは9.8倍の5番人気であった。
レースが始まると、1枠1番の1番人気ロカがスタートで大きく出遅れる中、8枠16番のショウナンアデラもひっそりと出遅れてしまう。ここまで好位先行でレースをしてきた彼女だが、蛯名正義は素早く切り替えて後方馬群の中に控えた。直線を向いたときにはまだ馬群の中の12番手。観戦していた下河辺牧場のスタッフも「今日はダメかな」と思ったそうだが、蛯名騎手とショウナンアデラは前にいたレッツゴードンキを目標に脚を伸ばしていくと、阪神の急坂を登り切った残り100mから猛加速。前で争っていた4頭を大外からまとめて薙ぎ払ってゴール板へと飛び込んだ。
父譲りのスケールを感じさせる末脚で2歳女王に輝いたショウナンアデラ。もちろんJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞し、二ノ宮厩舎×蛯名正義のタッグということもあり、まだまだ伸びしろ充分、末は凱旋門賞か、みたいな記事も出た。だが……。
結論から言うと、この後の彼女は脚の脆さに苦しめられることになる。
明けて3歳となり桜花賞へ直行の予定だったが、3月に右前脚第三中手骨を骨折。全治6ヶ月で春の牝馬クラシックは断念せざるを得なくなる。休養を経てローズSから秋華賞を目指すはずが、今度はローズS直前の追い切りで球節を捻挫。さらに左前脚管骨で再び全治6ヶ月の診断を受け、3歳シーズンは結局まるまる棒に振ってしまうことになった。
4歳となり、5月のヴィクトリアマイル(GⅠ)で1年半ぶりに復帰したが、既に2歳時の輝きは失われていた。終始後方のまま16着に終わると、続く福島テレビオープン(OP)も見せ場なく6着に終わり、しかもこの後左前脚の靱帯を痛めてまた休養。5歳となってダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)で復帰したが最下位16着に終わり、福島牝馬ステークスへ向けた調教後に脚部不安を発症、そのまま現役引退となってしまった。通算7戦3勝 [3-1-0-3]。二ノ宮師が「最後まで脚元に苦労した。無事ならすごかったと思う。今まであれだけ軽い走りをする馬はいなかった」と語った通り、脚の脆さに泣かされた才女であった。
引退後はイギリスに渡ってFrankelと交配され、そのままイギリスで初仔のショウナンハクラクを出産。続いてRoaring Lionと交配後に日本に戻り、登別の青藍牧場で第2仔ショウナンハコブネを産んだ。その後は2022年にロードカナロアを種付けした際の飼養者名義は静内フジカワ牧場となっている。
初仔のショウナンハクラクはオープンまで勝ち上がり、2023年末から短距離重賞戦線で奮闘中。日本に戻ってからは死産や種付けなしの年が続いているようだが、強い仔を出してくれることを期待したい。
血統表
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| *オールウェイズウィリング 2006 黒鹿毛 FNo.1-n |
Elusive Quality 1993 鹿毛 |
Gone West | Mr. Prospector |
| Secrettame | |||
| Touch of Greatness | Hero's Honor | ||
| Ivory Wand | |||
| Always Loyal 1994 黒鹿毛 |
Zilzal | Nureyev | |
| French Charmer | |||
| Balbonella | *ゲイメセン | ||
| Bamieres |
クロス:Northern Dancer 5×5×5(9.38%)、Sir Ivor 5×5(6.25%)
関連動画
関連リンク
- ショウナンアデラ | 競走馬データ - netkeiba.com
- 2014年12月14日 阪神ジュベナイルフィリーズ G1 | 重賞ウィナーレポート
- ショウナンアデラは凱旋門賞を勝つ?阪神JF、伸びしろある末脚の可能性。 | Number Web
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アポロケンタッキー
- アメリカンファラオ
- アンビシャス(競走馬)
- オールブラッシュ
- キタサンブラック
- クイーンズリング
- クラリティスカイ
- クロスクリーガー
- グレーターロンドン
- ゴールデンバローズ
- ゴールデンホーン
- タガノエスプレッソ
- タンタアレグリア
- ダノングッド
- ダノンプラチナ
- ディアドムス
- ドゥラメンテ
- ハイランドリール
- ブチコ
- ブルドッグボス
- ホワイトフーガ
- マイネルレオーネ
- ミッキークイーン
- モーニン
- リアルスティール
- レッツゴードンキ
▶もっと見る
- 1
- 0pt

