制覇の条件
勝ちいそぐ者も 悠長な者も
成功からは遠ざかるいまなのか、まだなのか
逡巡の中で誰もが頼れる何かを探す
スイープトウショウとは、2001年産の栗東・渡辺栄厩舎所属、渡辺師引退後は栗東・鶴留明雄厩舎に所属していた元競走馬である。
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https://twitter.com/StayDream21/status/1281577569851072513
主な勝鞍
2003年:ファンタジーステークス(GIII)
2004年:秋華賞(GI)、チューリップ賞(GIII)
2005年:宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)
2006年:京都大賞典(GII)
| この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「スイープトウショウ(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
父エンドスウィープ、母タバサトウショウ、母父ダンシングブレーヴ。
父は日本でも種牡馬入りしていたフォーティナイナーの後継種牡馬として2000年から日本でスタッドインしているが、日本共用時に3世代を残して他界。本馬の他にはアメリカ時代の産駒にサウスヴィグラス、*スウェプトオーヴァーボード、日本時代の産駒にラインクラフト、アドマイヤムーンといった馬がいる。
母はトウショウ牧場の牝系の一つチヤイナトウショウ系に属しており、その他血統表の中には同牧場最大の活躍馬トウショウボーイやその母にしてトウショウの基幹牝祖であるソシアルバターフライの名前もある。
現役時代
2003年の2歳新馬戦(10月京都芝1400m)で鞍上に渡辺厩舎所属の角田晃一を迎えてデビュー。単勝1.8倍と断然の人気で出走すると、出遅れて後方となったがコーナー入口で大外回しで先団まで進出すると後は軽く押すのみで先頭に立って他馬を突き放し圧勝。2,3着馬は後の重賞ウィナーであり素質の高さを見せるデビューとなった。
続く重賞初挑戦のファンタジーステークス(GⅢ)では最内からまたも出遅れて後ろからになったが、コーナーを回って大外から直線一気をかけると前を一気に飲み込んで1着でゴール。新馬戦から連勝で無敗の重賞馬となった。
このパフォーマンスを受けて2歳シーズン本番の阪神ジュベナイルフィリーズでは一番人気に推される。レースでは初めて五分のスタートを決めつつこれまで同様後方に控えて直線外からの追込を選択したが、追い出したところで進路を塞がれてしまう不利を受けなんとか道を見つけて再加速し追い上げたたもののスローペースも相まって時すでに遅く5着に敗れてしまった。
3歳時は1月にオープンレースの紅梅ステークスから始動すると安定の出遅れ最後方から追い込んで先行馬に抵抗されつつもレースレコードタイの好時計で勝利した。
この直後に定年のため翌月に引退の迫る渡辺師の厩舎から、かつて師とシンザンなどで知られる武田文吾厩舎の兄弟弟子であった鶴留師の厩舎へ所属を変更する。このときに主戦騎手も角田晃一から池添謙一へと変更された。
池添騎手との初コンビで挑んだ桜花賞トライアル:チューリップ賞(GⅢ)でも1倍台の人気を集めると、いつも通り出遅れ最後方大外回し追い込みで勝利。
しかし、桜花賞では阪神JFと同じ4番ゲートから同じように五分のスタートで後方に控え直線で馬群を縫って追い込んだが中団から上がり最速の脚を繰り出したダンスインザムードは遠く5着、優駿牝馬では最内枠からここも出遅れることなくいつもよりやや前の中団後ろ目を追走し直線で末脚を伸ばして追い上げたが、紅梅ステークスで最後まで抵抗したダイワエルシエーロが早め先頭から粘り込んでおりそれに届かず2着と、GⅠでの勝利に恵まれないまま3歳春を終える。秋はローズステークス3着を経て秋華賞(GⅠ)に出走。ゲートを嫌がりスタートで出遅れて後方待機となるお馴染みの展開から、3コーナーで全体のペースが早くなるとスイープトウショウも連れて外に出しながら上がって行った。そのまま大外で直線を向いて追い出すと中団先団の馬を一気に飲み込み、唯一抜け出していたヤマニンシュクルをゴールの数十メートル手前で捉えるとそこからは抵抗されながらも半馬身差のまま1着でゴール。ついに悲願のGⅠ制覇を果たした。
その後は古馬との初対戦として1人気でエリザベス女王杯に出走しいつものように外から上がり最速で追い込んだが中団から楽に抜け出したアドマイヤグルーヴの連覇を見送る5着に留まり3歳シーズンを終えた。
2005年に明けて古馬となったスイープトウショウだが、適鞍がない[1]ということで復帰が5月マイルのオープンレースとなりここは実績から1人気となるものの5着に敗れている。
続いて春の目標レースの一つ安田記念に出走。レースでは遅れ気味にゲートを出て後方を追走し外に持ち出しながら直線一気の脚を発揮し番手から抜け出しを図っていた香港の名スプリンターSilent Witnessに並びかけたが、同時に内から来たアサクサデンエンが更に伸びてクビ差の2着となった。敗れはしたがこれまでのマイル実績や前走の敗戦で10人気とあまり期待はされていなかったことから考えれば牡馬混合のマイル王決定戦での連帯は大健闘であった。
上半期の締めはもう一つの目標であった春のグランプリ:宝塚記念(GⅠ)に中二週で出走。中距離GⅠホースかつ前走での好走があったとはいえここに出走して来たのは牡馬の一流GⅠホースであるゼンノロブロイやタップダンスシチー、それに次ぐ重賞実績馬のハーツクライにリンカーン、牝馬のトップ所からはアドマイヤグルーヴにスティルインラブと、グランプリに相応しい豪華メンバーでありスイープトウショウはここも11番目と低人気であった。レースではなんと抜群の好スタート(当馬比)を決めて中団の外を追走、後半緩みの無いペースであったため4コーナーで失速し始める先行馬も出る中スイープトウショウは外目を回りながらいい手応えで進出を開始した。直線に向いて進路・余力共に十分の絶好位から追い出すと一杯になったタップダンスシチーを捉えて先頭に立っていたリンカーンを簡単にかわし、内からスパートが遅れたゼンノロブロイと後方から猛然と追い込んで来たハーツクライの追撃を凌いでスイープトウショウが1着でゴール板を通過し見事優勝。GⅠ・2勝目を達成したが、これは単に牡馬混合でのGⅠ勝利というだけでなく宝塚記念では1966年エイトクラウン以来39年ぶり(GⅠに格付けされてからは初)となる牝馬の優勝であり、スイープトウショウは日本調教馬として初めて2100m以上の牡馬混合GⅠに勝利した馬にもなった。
秋は毎日王冠から復帰し続けて天皇賞(秋)と連戦したがどちらも直線での伸びがいまいちで6着、5着と敗れる。
次走はエリザベス女王杯(GⅠ)となり前年の同レース以来の牝馬限定戦ということもあってエアメサイアに次ぐ2番人気に推された。スタートから出遅れると最内から中団の後ろ10番手辺りに付けて進め、レースは序盤から大逃げに出たオースミハルカが巧妙にペースを落としてリードと余力を保ったまま進んで行った。スイープトウショウは4コーナーでやや外目に出し中団で直線を向いて残り300mほどで進路を確保し追い込みを開始、失速せず独走状態で粘り続けるオースミハルカとの差をただ1頭圧倒的な末脚で詰めるとゴール直前で捉えきり半馬身差の1着でゴール。GⅠ・3勝目を手中に収めた。
2005年のJRA賞では牡馬混合のグランプリ宝塚記念と牝馬チャンピオン決定戦エリザベス女王杯を制したことが評価され、最優秀4歳以上牝馬を受賞した。
2006年に5歳になると春は新設のヴィクトリアマイルを目指す予定であったが調教中に骨折してしまい春は全休となった。
秋になって京都大賞典(GⅡ)で復帰。ゆったりとしたスタートからやや促して中団の内に位置を取るとレースはスローペースで進み、直線を向くまで待ってから追い始めると上がり3F32.8秒の末脚で内から抜け出して11か月ぶりのレースながら快勝を見せた。
続く天皇賞(秋)はそこそこのスタートで中団後方に付け直線で追い込んだが番手から抜け出したダイワメジャーに届かず5着。
連覇に挑んだエリザベス女王杯では後方待機から最終コーナーでやや押し上げて直線大外から追い込むいつもの展開で、本馬より少し前の外目から伸びていた2頭との末脚勝負になったが捉えることはできず1人気を譲った3歳牝馬カワカミプリンセスの3着で入線。しかしカワカミプリンセスが直線で内に切れ込む際に他馬の進路を妨害し不利を与えており12着に降着処分となったため、スイープトウショウはこちらも3歳馬のフサイチパンドラの2着に繰り上がった。
シーズン最後は年末総決算のグランプリ:有馬記念に出走。この年の有馬記念は何と言っても一つ年下に生まれた無敗の三冠馬ディープインパクトがシンボリルドルフに並ぶGⅠ・7勝目を狙うラストランとして注目されていたのだが、スイープトウショウはファンファーレ後に激しくゲートを嫌がり出してしまい、後ろ向きでゲートまで近づけて押したり引いたりと作業員が手を尽くし2分ほどの時間を使って何とかゲートに入れた際には客席から歓声が上がっていた。なおレースでは当然のように出遅れて直線後方から追い込んだが距離も長かったのか伸びがなく10着と初の二桁着順惨敗を喫した。
6歳となった2007年はマイラーズカップで始動。中団で直線を迎えると進路を探して内から伸び上がり3F32.7の末脚で追い込んだが、巧みな大逃げから悠々粘り込んでいたコンゴウリキシオーに届かず2着。
続いて今年こそと2人気で出走したヴィクトリアマイルでも中団から直線外に出して追い込んだが伸びがなく9着に敗れる。
その後は前年勝利した宝塚記念を目指していたのだが厩舎で暴れて打撲したために回避、秋に復帰レースと予定していた京都大賞典は調教を嫌がって回避と気性の問題が更に深刻化する様子を見せてしまう。
なんとかスワンステークスで復帰するとレースでは中団から脚を伸ばしたが流石に距離が短かったか先頭争いには届かず4着。
エリザベス女王杯では中団につけると最終コーナーで早めに進出した前年覇者フサイチパンドラと共に直線上がり最速の走りで前を追ったが、ハナを切ってスローペースで逃げつつ早めの上がりでまとめたダイワスカーレットの逃げ切りを許す3着となり、スイープトウショウはこのレースを最後に現役を引退した。
最終成績は24戦8勝。
繁殖牝馬時代
引退後は故郷のトウショウ牧場で繁殖入り。その後2015年10月にトウショウ牧場が閉鎖され、スイープトウショウはノーザンファームへと売却された。
2020年2月27日、父ディープインパクトの牡馬を出産。同馬は故障により前年の種付けを中止しそのまま死去したディープインパクトの世界に12頭しかいないラストクロップであり、その中でも最も遅く生まれているためスイープトウショウは彼の引退レースでもいつも通りゲート入りを嫌がって待たせた後共に走った縁のある世界的大種牡馬ディープインパクトの正真正銘最後の産駒の母となった。
2020年12月5日、スワーヴリチャードの子を受胎した状態で腸捻転により永眠。享年19歳。
このため前述のディープインパクト産駒はスイープトウショウ自身の最後の産駒にもなっており、スイープアワーズと名付けられて2023年にデビュー。本馬から受け継いだ気性難で苦戦が続いたがやはり稀代の追い込み馬が父母なだけに類稀なる末脚の切れも持ち合わせており、徐々に昇級して2026年には3勝クラスを勝ってオープン入りを果たしている。
産駒成績
産駒は3頭が準OPを勝ったのが最高成績で重賞勝利は叶っていない。しかし5頭の牝駒はいずれも繁殖入りし、その中から2番仔ビジュートウショウの産駒であるスウィープフィート(父スワーヴリチャード)が2024年のチューリップ賞に勝利。自身が現役時代に制したレースでファミリーから初の重賞ホースが誕生している。
- ジュエルトウショウ (2009年産 牝 父アグネスタキオン) 中央4戦0勝 地方10戦3勝
- ビジュートウショウ (2011年産 牝 父ディープスカイ) 中央10戦0勝 地方1戦1勝
- レガッタ (2012年産 牡 父ディープインパクト) 3戦1勝
- トウショウビクター (2013年産 牡 父ステイゴールド) 11戦1勝
- スイーズドリームス (2014年産 牡 父ディープインパクト) 24戦4勝
- スイープトウショウの2015 (2015年産 牡 父オルフェーヴル) 不出走
- スイープセレリタス (2016年産 牝 父ハーツクライ) 16戦4勝
- クリーンスイープ (2018年産 牝 父ドゥラメンテ) 7戦3勝
- ピエドラデルーナ (2019年産 牝 父キタサンブラック) 1戦0勝
- スイープアワーズ (2020年産 牡 父ディープインパクト)21戦4勝(現役)
スイープたんハァハァ
2~3歳時は出遅れ癖、古馬になっても馬場入りを極端に嫌がるなど周りを悩ませ続けた。
特に調教ではどれだけ関係者が努力しても1時間近くその場から動かず調教が出来ないこともままあった。前述の通りこれが原因でレースを回避したこともあり、そのワガママ娘っぷりはファンにも知られるようになっていた。
その難しい気性により、通常だと入る順番が決まっている[2]ゲート入りもスイープトウショウだけは一番最初に入るなど、特別な措置がとられていた。
しかしそんなワガママっぷりからレースになると一変して素直に走り、切れる脚を最大限に生かし素晴らしいレースを展開した。牡馬混合を含めGI3勝の実績がそれを裏付けており、後に現れたウオッカとダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイなどへ続く名牝の時代の礎を築いた一頭である。
そんな周囲の人間を困らせながらも最高のパフォーマンスを見せる女王様っぷりにファンは惹かれ、スイープたんにハァハァと悶え続けていた。競馬界きってのツンデレ牝馬である。
ちなみに鶴留厩舎で担当した鎌田修一厩務員にだけは甘え倒していたらしく、そんな隠れた一面も愛された理由の一つである。
血統表
| *エンドスウィープ 1991 鹿毛 |
*フォーティナイナー 1985 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| File | Tom Rolfe | ||
| Continue | |||
| Broom Dance 1979 鹿毛 |
Dance Spell | Northern Dancer | |
| Obeah | |||
| Witching Hour | Thinking Cap | ||
| Enchanted Eve | |||
| タバサトウショウ 1993 鹿毛 FNo.5-j |
*ダンシングブレーヴ 1983 鹿毛 |
Lyphard | Northern Dancer |
| Goofed | |||
| Navajo Princess | Drone | ||
| Olmec | |||
| サマンサトウショウ 1985 黒鹿毛 |
トウショウボーイ | *テスコボーイ | |
| *ソシアルバターフライ | |||
| マーブルトウショウ | *ダンディルート | ||
| チャイナトウショウ | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Northern Dancer 4×4(12.5%)
- 母が25歳で産んだラストクロップで、スイープトウショウの17歳年下の半弟に2021年のサウジダービー(当時格付け無し)を制したピンクカメハメハ(父リオンディーズ)がいるが、残念ながら同年のユニコーンSの競走中に急性心不全でこの世を去っている。
関連動画
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関連項目
脚注
- *古馬牝馬路線春のGⅠであるヴィクトリアマイルは翌2006年に創設
- *通常は大外枠以外の奇数番→偶数番→大外枠の順番。ただし、枠入りや駐立がよくない馬は先に入れられるのが通例。また、2003年ジャパンカップでは、17番と18番の馬が先入りを希望したため、最内枠のタップダンスシチーが最後になっている。
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