日野自動車とは、日本の自動車メーカーであり、トラック・バスを中心とした車両を生産する。
概要
その名の通り、本社所在地は東京都日野市であり工場も同所に所在するが、本社工場は茨城県古河市に移転が予定されている(本社機能、研究所は引き続き日野市に残る)
株式の過半数をトヨタ自動車がもっており、ダイハツと共にトヨタの子会社である。その為、トヨタのディーゼル・大型商用車部門の趣きもある。トヨタとの提携以前は、ルノー4CVのノックダウン製造などの乗用車の製造もおこなっていた。現在は自社モデルの他、トヨタ向けにハイラックスやランドクルーザープラド、FJクルーザーの委託生産を行っている。
その歴史をさかのぼれば、東京瓦斯電気工業という会社に行きあたるがそこの自動車部門が国策によりいくつかの自動車会社と合併、現在のいすゞの源流であるヂーゼル自動車が完成した。そして、戦時下における国策で日野製作所が分離、これが後の日野自動車となった。言ってみれば、いすゞと日野は源流が共通である所が注目される。また興味深い事にバス部門は業界再編により、協業となっている。この辺りはいすゞ自動車の項目も合わせてご覧いただきたい。
ラリーレイド
パリ・ダカール時代から現在に至るまで、ダカールラリーにカミオン部門から参戦している。毎年10000キロ近い距離を4トン車のレンジャーで走破している。ライバルの排気量などを鑑みるとかなりコンパクトな部類に入るが、この車は他の参戦車両に比べてトータルの軽さが身上であり、柔よく剛を制するがごとく、クラスが上の車をも脅かす程である。
参戦体制は菅原義正率いるチームスガワラの全面的サポートによるセミワークス体制。メカニックは全国の日野の販売店の選り抜きが担当している。ちなみに彼のレンジャーには鯉のぼりが付いている事で有名である。
1991年から参戦を開始、1996年に初優勝。1997年にはカミオン部門初となる表彰台独占を達成した。なお、この挑戦はNHKの人気番組「プロジェクトX」でも放送された。現在はカミオン部門の10L未満クラスという参戦台数の少ないクラスであるが、還暦を過ぎても毎年完走・クラス優勝を続ける姿勢は評価が高い。2017年までに17回のクラス優勝を達成、また26回の連続完走という記録を更新中である。
またダカールだけで無くラリー・モンゴリアなどのラリーレイドにも参戦して、経験と実力を蓄積している。
ニックネーム
トラックには往々にしてある事ではあるが、ニックネームで呼ばれる事が多い。
レンジャーの場合、現行は登場当時はレンジャー・プロと言われたことからレンプロと呼ばれ、先代はCMで使われてた(古い順に)クルージングレンジャー、ライジングレンジャー、スペースレンジャーと言われる事が多い。
大型のプロフィアもスーパードルフィン時代はスパドル、さらには蜂の巣・鬼グリルと言われる事が多かった。
バスの場合、ブルーリボンがブルリ、ブルーリボンシティはブルリシティもしくはブルシチ、セレガは車体が同じガーラと合わさってセレガーラと言われる事が多い。
現行モデル(国内)
- デュトロ
2トン車クラス。トヨタにはダイナ/トヨエースとしてOEM供給。かつてはダイハツにも供給していた。海外では300シリーズと呼ばれる。 - レンジャー
4トン車クラス。基本的にバンパーライトであるが、レンタカー向けに非バンパーライトモデルも存在する。海外では500シリーズと呼ばれる。 - プロフィア
大型トラッククラス。場所によってはラインナップになく、レンジャー増トン車がプロフィアの立ち位置となってる場合がある。海外では700シリーズと呼ばれる。 - リエッセⅡ
トヨタコースターのOEMでマイクロバス。Ⅱとついているのは元々、ワンランク上のクラスにリエッセというバスがあった為である。リエッセ自体は既に生産中止となっている。 - ポンチョ
小型バスでこのクラスでも画期的なノンステップ。リエッセやムーブ、セレガの部品を使用し、トータルコストの削減を図っている。 - メルファ
中型観光バスでいすゞにはガーラミオという名前で販売されている。ガーラミオとの違いはグリルの塗装とハンドル周りのロゴ程度。このモデルには特装向け車両というモデルが設定されている。 - レインボー(いすゞ・エルガミオとの統合車種)
中型サイズの路線バスでいすゞ・エルガミオの設計を基とする。先代のレインボーⅡと異なり、エルガミオと全く同じ車体デザインである。見分けたければステアリングホイールのロゴを見るか、車内のコーテーションプレートを見よう。 - ブルーリボン(いすゞ・エルガとの統合車種)
大型路線バスでいすゞ・エルガの設計を基とする。先代のブルーリボンⅡと異なり、ノンステップバスのみの設定で車体デザインも全く同じ。見分けたければステアリングホイールのロゴを見るか、車内のコーテーションプレートを見よう。トランスミッションはトルクコンバータATとセミオートマチックトランスミッション(セミAT)の2種類で、クラッチペダルのあるMT車の設定が廃止されている。 - ブルーリボンⅡ(いすゞ・エルガとの統合車種)
大型バスでいすゞ・エルガの設計を基とする。ツーステップバスのみの設定で、教習車用の中ドアモデルも存在する。反対に統合車種のエルガには教習車用モデルが存在しない。こちらはトルクコンバータATとクラッチペダルのあるフィンガーシフトMTの設定あり。 - ブルーリボンハイブリッド
ボディデザインはブルーリボンディーゼル車と同じ。ただしハイブリッドシステムや関係する補機類は日野オリジナルである。いすゞへはエルガハイブリッドが存在するので供給されていない。屋根上のバッテリーがかなり薄くなっているのが外見上の特徴。 - セレガ
大型観光バスでいすゞにはガーラという名前で販売されている。二つ合わせた時の語感が良いのかセレガーラというあだ名がある。2台の違いはフロントグリルが横線なのがセレガで、いすゞのアイデンティティである六大陸デザイングリルになっている事や側面のアクセントラインが途中でぶった切りになってたり、リアのガラスが2枚になっているのがガーラである。フロントグリル以外では仕様によってはその限りではない。 - 73式中型トラック
自衛隊専用車両で従来は日野・レンジャーの物を使用していたが、最新のものはメガクルーザーや高機動車の物を使用する。但し4WSは省略されている。ごく少数は用途廃止後に海外に輸出されている。
海外モデル
バス以外は概ね日本と同じ構成となっているが、海外専用モデルも存在する。バスは現地のボディビルダーが架装をし、完成車輸出は現在は行われていない。
- 600シリーズ
北米専売モデルでレンジャーのキャブにボンネットを取り付けたモデル。これ以前は日野・レンジャーが形式名(FCなど)で販売されていた - AK
海外専売モデルでフロントエンジンのキャブオーバーのバス。大型バスのクラスに相当し、ホイールも大きなものとなっている。 - RK/RN
海外専売モデルでリアエンジンのバス。かつてRKは日本でも販売されていた。大型バスのクラスに相当しているが、エンジンは中型バスで採用されていたJ08型を搭載。 - RM
海外専売モデルでリアエンジンのバス。大型バスクラスに相当し、エンジンもセレガと同じエンジンを搭載。 - FD/FC
レンジャーは海外では500シリーズと呼ばれているが、バスシャーシで使用される際は形式名で呼ばれる。フロントエンジンで中型バスに相当。キャブの無いタイプとなっている。
かつて生産されていた車
- 日野・ルノー4CV
1953年からノックダウン生産されていた。その当時の道路事情を鑑みて、足回りが強化されていた。本国で生産中止後も1963年まで生産されていた。 - 日野・コンマース
FF方式のワンボックスと言う日本ではNV200程度でしか採用している車種がない程に珍しいモデルで、1960年代としては非常に革新的なモデルであったが、それ故に各部の詰めが甘く、販売的には失敗であった。 - 日野・コンテッサ
4CVの経験をもとに、実質後継車として開発された。リアエンジンであり、特にクーペは非常に流麗なモデルであった。トヨタとの提携を前に生産中止となった。 - 日野・リエッセ
マイクロバスでありながらリアエンジンを採用、マイクロバスらしからぬ本格的なバスの内容であった為、高い人気を誇った。 - 日野・ブリスカ
ピックアップトラックで後にトヨタへ販売権が写り、トヨタ・ブリスカとなる。ハイラックスのご先祖様である。 - レインボーⅡ(いすゞ・エルガミオとの統合車種)
中型路線バスでいすゞエルガミオの設計を基とする。エルガミオとの違いはヘッドランプとハンドルのメーカーロゴ程度。Ⅱとなっているのはいすゞとのバス部門統合以前は、自社製のレインボーが存在した為。 - ブルーリボンシティ
大型路線バスで最後まで日野オリジナル仕様で製造されていた車種。ディーゼル仕様は2000年から2005年まで製造され、結果として1代限りとなったが、ハイブリッド仕様は2001年から2015年まで製造が続けられた。最終期のモデルは現行のブルーリボンハイブリッドの試作車的な位置づけとされている。
関連動画
デュトロは日本ではともさかりえが出演していた。右はインドネシアにおけるCM
関連項目
- トヨタ自動車
- ダイハツ
- いすゞ自動車
- 三菱ふそう
- UDトラックス
- スカニア (2002~2011年まで業務提携しており、124及びRシリーズを「日野スカニア」として輸入販売していた)
- 自動車製造会社一覧
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