秘封倶楽部(ひふうくらぶ[注])とは、東方Projectの音楽CDシリーズにおいて登場するオカルトサークル。
メンバーは宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(メリー)の2人。また初代会長として宇佐見菫子がいる(後述)。
一般的には蓮子とメリーの2人、もしくはその登場する音楽CDシリーズのことを指す。
ニコニコ動画においては、2人が登場する動画、及び音楽CD収録の楽曲関連の動画につくタグとしても使われる。
[注]…「封」の字は「ほう」とも読めるため(例:封獣ぬえ)、「ひほうくらぶ」と読む説もあったが、2016年4月26日のニコニコ生放送「気ままに9129大合奏!〜ZUNさん再び!例大祭直前SP〜 Byスッポン放送」で神主が「秘封」の読みは「ひふう」である、と明言し確定した。
なお「秘封(ひふう)」は広辞苑に載っている単語である。
蓮子とメリーの秘封倶楽部
私達秘封倶楽部は、メンバーは二人だけど良くあるただの霊能者サークル。霊能者サークルだけど、普通みたいに除霊や降霊とかは好きじゃないの。周りからはまともな霊能活動した事ない不良サークル、と思われてるけど…実はね。
『蓮台野夜行』『夢違科学世紀』『卯酉東海道』『大空魔術』『鳥船遺跡』『伊弉諾物質』『燕石博物誌』『旧約酒場』において登場。CDのブックレットにおいて、収録曲の解説に代わり、曲に合わせて蓮子とメリーの会話を中心にストーリーが展開されていく。オカルトサークルだが、それっぽい活動をしている様子が見られるのは『蓮台野夜行』『鳥船遺跡』『伊弉諾物質』ぐらいだったりする。なお、たまに誤解している人がいるが、『蓬莱人形』には秘封倶楽部の2人は登場していない。
舞台は幻想郷ではなく、京都に遷都が行われ、民間月面ツアーが企画される程度に近未来の日本。詳細な時系列は不明だが、自動車が前時代的な乗り物として扱われる位には未来であるようだ。
世界は急速に発展して各国は豊かになった。しかし、資本主義は既に終焉の段階に差し掛かっており、世界全体で出生率が低下し、人口減少に転じていた。蓮子たちの近未来の日本は「人口減少によるデメリットを上手く回避し、選ばれた人間による勤勉で精神的に豊かな国民性を取り戻す事に成功した」らしい。
この時代の東京は歴史を感じさせる建物も多い一方、道はひびだらけになり、環状線の一部は草原と化している。京都と比べると東京は田舎で精神的に未熟な都市とは蓮子の言。
蓮子とメリーの2人は、そんな近未来の日本の首都・京都の大学に通う女子大生である。
基本的には東方Projectの他の作品と直接的な繋がりは無いが、メリーの能力を通して間接的に幻想郷が描写されている。なお、STGの方の時系列と秘封倶楽部の時代は「ちょっと噛み合わない」(神主談)とのこと。『東方求聞史紀』にもそれを匂わせる記事が存在している。
テーマ曲は『蓮台野夜行』に収録されている「少女秘封倶楽部」である。また同じく『蓮台野夜行』収録の「月の妖鳥、化猫の幻」が蓮子とメリー2人のテーマ曲であるとされている。
2006年夏コミの『大空魔術』以降長らく新作が出ていなかったが、2011年の例大祭で頒布されたシングル『未知の花 魅知の旅』のレーベル面に秘封倶楽部の2人が描かれ5年ぶりに復活。そして2012年4月30日のComic1☆6にて6年ぶりとなる完全新作『鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid』が、2012年8月11日のコミックマーケット82において更なる新作『伊弉諾物質 ~ Neo-traditionalism of Japan.』が頒布された。
そこからまた4年空いて、2016年5月8日開催の例大祭には『燕石博物誌 ~ Dr.Latency's Freak Report.』が頒布され、この続編となる『旧約酒場 ~ Dateless Bar "Old Adam".』が2016年8月13日のコミックマーケット90で配布された。秘封関連CDが年内に2作品も出るという、4年前と似たような流れとなっている。
宇佐見菫子の秘封倶楽部
聡明な彼女は人を追い払う為に『あえて』人を集めた。
それが、非公認オカルトサークル『秘封倶楽部』であった。
彼女の目論見通り、もう友達になろうと言う人は現われなかった。
秘封倶楽部とは、異世界の秘密を自分の足で曝くサークルである。
結果、彼女は世界の深秘に触れた。
長らく秘封倶楽部とは蓮子とメリーの2人のことを指す単語であったが、2015年5月10日の博麗神社例大祭で頒布された『東方深秘録』にて、秘封倶楽部初代会長・宇佐見菫子が登場した。
こちらの秘封倶楽部は、私立の進学校に進んだ菫子が、友人になろうと近付いてくる人間を排斥するために作った非公認オカルトサークルである。菫子が秘封倶楽部として好奇心から面白半分に結界の向こう側の幻想郷へちょっかいをかけたのが『深秘録』のストーリーとなる。ちなみに『深秘録』での菫子の台詞では、「秘封倶楽部」に「ひみつをあばくもの」というルビが振られている。
菫子の「秘封倶楽部」と、蓮子とメリーの「秘封倶楽部」が同一のものなのかは一切不明。そもそも菫子は(おそらく)現代の女子高生であり、蓮子とメリーは近未来の大学生である。また、菫子は名前からすれば蓮子の縁者と思われるが、両者の関係もやはり言及は一切なく、プレイヤーの想像に委ねられている。
二次設定など
蓮子とメリーは東方キャラとの関わりがほぼ無いこともあり、固定のカップリングとして扱われている。というか公式の時点で既に夫婦。おおよそ蓮子が旦那、メリーが嫁である。
原作(ブックレット)がテキストベースである事に加え、現実世界に比較的近い世界観やメリーと紫の関係を軸にした設定まわりの自由度の高さ、またそれに絡んで暗示される悲劇性などが文章書きの心をくすぐるらしく、特に小説媒体で多くの二次創作が発表されている。
マエリベリー・ハーン=八雲紫説などに代表される考察・二次設定を適用したシリアス系作品が数多く見られ、幻想郷という世界の根幹・謎に関わる二次創作が多いのが特徴。
→各々の二次設定については「宇佐見蓮子」「マエリベリー・ハーン」の項を参照。
作品自体がやや特殊な立ち位置にあるせいか、東方Projectのキャラクターの中でも「濃い」ファンの割合が非常に高い。2010年11月28日は東京都産業貿易センター浜松町館で、初の秘封倶楽部オンリーイベント「境界から視えた外界」が開催され、開場前にカタログが完売するという異例の盛り上がりを見せた。2011年2月20日には秘封のお膝元・京都での秘封オンリー「科学世紀のカフェテラス」も開催され、こちらも好評を博した。以降、「境界から視えた外界」は不定期に、「科学世紀のカフェテラス」は阿求オンリーなどと合同で毎年秋に開催されている。
『第5回東方ニコ童祭』人気投票企画ベストパートナー部門では、並み居る本編人気カプを押しのけて堂々の3位を記録しており、東方ファンからのカップリング人気はかなり高い。
東方幻想板の秘封スレこと「蓮子とメリーの秘封倶楽部日誌」スレッドは、「蓮子」「メリー」「ちゅっちゅ」の3語で全てが語り尽くせ、パッチェさんも匙を投げるほどの春度を誇る、幻想板屈指の魔窟として知られている。たまに真面目に設定考察をしていることもあるが、スレの8割は大抵ちゅっちゅで埋め尽くされている。
なお、長らく続いた幻想板は現在書き込みが禁止されており、秘封スレは幻想板の引継先の一つ『東方寄書板』に移転する事となった。
2015年の宇佐見菫子の登場で、秘封界隈には様々な意味で激震が走った。秘封オンリーイベントなどでは菫子も対象とする扱いになっている。とはいえ現在も単に「秘封」と言う場合には蓮子とメリーの秘封倶楽部の方を指すことが多く、菫子の方は1人で秘封倶楽部のため「菫子」や「会長」と呼ばれることが多い。
関連楽曲のアレンジでは、2011年以降徐々に増加傾向にある模様。ヴォーカル曲だと壁に位置するような大手サークルでも限られており(そのサークル内で手がけた東方アレンジ曲に対する、秘封関連を原曲としたアレンジがかなり少ない)、逆に島内に位置するような小規模~中堅サークルで手がけている、といった傾向もあるようだ。豚乙女・GET IN THE RING・TUMENECOといった秘封関連曲のアレンジで特化しているサークルもいるほど。
関連動画
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関連項目
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