DanceEvolution(北米版タイトル:DanceMasters)とは、Xbox360、Kinect専用のリアルダンスアクションゲームである。
Xbox 360版概要
接触型のコントローラーを使わず、画面に現れるダンサーの動きに合わせて踊るダンスゲーム。
振付に沿って配置された『マーカー』のトレース具合によって判定がなされ、ゲーム的なスコアリングも行われる。体全体を使うため、リズムアクションゲーム・運動用ツール双方の目的で楽しめるタイトル。
Xbox LIVEにも対応しており、全国のプレイヤーとの最大4人対戦やダウンロードコンテンツの追加などができる。発売当初はMASTER譜面が存在しておらず、後日無料DLでの配信となった。後述のアーケード版でもそのまま移植されている。そのため、本作初出の楽曲のSTEALTH譜面はEXTREME譜面となっている。
基本的には単曲で各ステージが独立しているのだが、複数ステージを連続してプレイするセレクションはステージ間でダンスゲージを持ち越す仕様だったため、シークレットリップルの中には「セレクションで前ステージから持ち越したゲージを使用して最序盤でパラレルユニバースを発動させなければ取れない」ものも存在する。アーケード版ではセレクションが存在せずステージ毎にゲージが独立しているため、該当する配置は変更されている(アーケード版でも最速で発動させないと厳しい配置は存在する)。
DanceEvolution ARCADE概要
ロゴが一新され、収録曲はironyや恋愛レボリューション21、女々しくてなどの版権曲やコナミオリジナル曲としてShe is my wifeなどが収録。Xbox360版と比較し、よりポップで親しみやすい方向性へと移行した。AC新規キャラとしてあかり&ひかりの西園寺姉妹、翔&雅人の4名がダンサーに追加、マスコットであるストマックマが登場。
ゲームセンターという衆目に付きやすい場所でのプレイとなるため、初プレイの敷居が非常に高い。ただプレイしている様子は人目を引くため集客のために入り口付近に設置しているゲームセンターもあり、本作プレイヤーからは晒し台として知られる店舗も複数あった。
稼働当初より段階的にバージョンアップを継続し、版権曲・コナミオリジナル曲ともに収録曲を増強。後述の通り更新こそ終了してはいるが、現在はハロー!ポップンミュージック、DDR EXTREMEを抜いて、BEMANI同一タイトルにおける歴代最長稼働記録を更新中である。2022年3月27日に稼働10周年を迎えた。譜面作成の手間やゲームの仕様もあり、BEMANI他機種連動企画からは離れることが多く、加わった場合でも連動楽曲解禁などはされず、他機種の楽曲解禁をアシストする役回りになっていた。
2015年後半から版権曲の削除が目立ち始め、2016年8月9日よりオフライン化対応キット導入筐体へのアップデートが開始された。未導入の筐体は同年8月31日にサービスが終了し、現在はオフライン化対応キットが導入された筐体でのみプレーが可能。実質的に更新終了となったことから現行BEMANI機種から外れることになった。e-AMUSEMENTサービス自体は継続しているが、店舗の設定によってはe-amusementサービスを利用しないオフライン稼働も可能。この場合e-amusement passが使用できないため、ゲストプレイのみの稼働となる。
現行機種から外れた現在はラウンドワンのスポッチャなどで見ることができるが、それ以外でもオンライン稼働を続けている店舗は存在している。2018年に稼働開始したDANCERUSH STARDOMの影響か、2019年でも新規のプレイヤーが存在するなど、オフライン移行から年月が経過した今でも一定の支持を得ている珍しい機種となっている。
オフライン移行後も年に1回程度の頻度ではあるが公式SNSが更新されたり、翔&雅人がbeatmaniaIIDXでデビューしたりと何かと動きがあり、一度更新を終了した機種としては更新復活を願う声は根強い。ただ、MicrosoftがKinectの開発・サポートを終了したために故障が発生した場合は修理ができず、撤去するしかなくなるという問題を抱えている。筐体を見つけてプレイする際は大切に扱おう。
2022年3月に、本作の流れを受け継ぐ新作ダンスゲームDANCE aROUNDが稼働を開始した。こちらはVISION POSEという普通のカメラとAIを用いたソフトを採用している。またロケテスト参加者がコナミスタッフに聞いたところ「可能であればDanceEvolutionの楽曲や振り付けも移行したい」という考えもある模様。実行に移されるかどうかはまだ不透明だが、今後の展開に期待したい。
ゲームルール
振付にあわせて配置された、一点を触れる"リップル"・流れるように動かす"ストリーム"・そのままずばり"ポーズ"等、7種の『マーカー』によって、動きの判定が行われる。
判定の良し悪しによりスコアの加算・ダンスゲージの増減が行われ、曲終了時までダンスゲージを0にしなければステージクリア。クリア後のリザルトでダンスレベルが判定される。EX SCORE方式を採用しており、90%以上のスコア取得でAAAランクと判定される。
Xbox360版のみ「ボイス&ポーズマーカー」が存在する。ポーズの判定と同時に発声するかクラップ音を鳴らして初めて判定されるマーカーで、アーケードでは音声を拾うことが難しいためかポーズマーカーのみになった。ボイス判定のON/OFFは切り替え可能。
あくまでも『振付に合わせると取れるようにマーカーが置いてある』だけであり、マーカーの部分以外の体の動きについては、ゲーム面では不問。つまり、振付の通りに動いてもいいし、別の動き方で取っても良い。
判定も比較的緩やか(例外有)で、かつダンスゲージの増減自体もかなり甘め。よって、振付を追う姿勢があれば、一部の楽曲を除いてステージクリア自体は難しいものではない。
これらの点は気軽に遊べることに寄与するだけでなく、「振付の精度を高める」「判定の網をすり抜けて独自のパフォーマンスをこなす」「純粋にスコアを求める」といった、ステージクリア以後の目標設定を多岐に向けて取り組み易い、という性質も生んでいる。勿論気ままに楽しむのも大正解。とある楽曲のLIGHT譜面にて、特定のポーズから一切動かずにフルコンボを取った例もある。
ゲームシステム用語
- パラレルユニバース
通称宇宙。ダンスゲージが最大値のときに、発動ポーズ(カメラに向かって右側の腕を右下にかざし、チャージゲージが溜まったら上に上げる)を行うことで一定時間発動する、ボーナス発生時間。
ダンスゲージが減らなくなる、スコアにボーナス倍率がかかる、後述のシークレットリップルを発見できる等多くのメリットがある。 難点は終了後ゲージが50%に戻ることと、発動の為振付を崩す必要が在るケースが多々あること。かといって1Pプレイ中にゲージ満タン状態を維持し続けていると不可解なBOO判定を出されてコンボを切られ、ゲージも減らされるという不具合が残っている。
発動タイミングと回数がスコアにモロに響くため、スコアラーには大変悩ましいシステム。
なおARCADEでの2P時に限り、発動条件が『両者のダンスゲージが最大時に両者が右手を上げる(チャージが不要)』に変更される。シークレットリップル探索等に有利だが、暴発もしやすい。
Konami Arcade Championshipの予選開催時は公平性確保のため、1Pプレイ時でないと課題に挑戦することができなくなっていた(2Pプレイ時も選曲自体はできるがランキングの対象外となっている)。 - シークレットリップル
STANDARD以上の譜面に各5つ配置される、初期状態では隠されているリップル。前述のパラレルユニバース発動中に該当箇所(STEALTH以外ではおよそ一拍前に告知音が鳴る)で体が触れていると開示され、以後常駐する。
ダンスレベル判定、Xbox360版のフルコンボ判定基準はシークレットリップルを加味している(出していないとBOO扱い、コンボは切れない)。Xbox360版の実績解除、アーケード版のイベント課題としても登場するため、ゲーム面では無視できない存在。 - スナップショット (Xbox 360)
ポーズマーカー等任意のタイミングで撮影されるプレイヤー自身の写真。プレイ後に残したいものがあれば保存することもできる。思った以上にキマっていること、シュールな画になることもある。 - ライブアクション (Xbox 360)
自分自身の動きが(やや遅延はあるが)、お手本ダンサーたちの横に表示される。頭の中ではキマっていても、これで現実に帰ることもある。プレイ終了後に自分のゴーストとして登録することもでき、次回プレイ時にバックダンサーとして登場する。 - DM STAR (Xbox 360)
海外版タイトル『Dance Masters』に因んだ、Xbox 360版のオープニング楽曲。
但し、元々はbeatmania IIDX 18 Resort Anthem用の書き下ろし曲として作られたものだった(IIDX側では~関西 energy style~というアレンジになっている)。
NAOKI節冴えわたる、名実ともにダンエボの看板曲!のはずだったが、プレイアブル楽曲ではない。その後ダンエボの妹分『BOOM BOOM DANCE』に移植されたが、結局ダンエボにはその後も音沙汰なしで今に至る。
なおダンエボシリーズ初の完全オリジナルプレイ楽曲は、アーケード版で登場した『Do The Evolution』のみ(作曲はTAG)。 - ダンスメイト (ARCADE)
アーケード版で一緒に2Pプレイした自分以外のプレイヤー。自動的に登録され、Webサイトでプレイステータス(本人の承認があればスコアデータも)を閲覧できるほか、登録人数がカウントされる。現行バージョンでの最大値は500(それ以上は登録できない)。
ゲームシステム的にメリットは殆どないが、この人数を増やすことが楽しみの一つになっている人もいる。 - 究極舞踏 (ARCADE)
判定をすべてPERFECTで取得するともらえるプレーボーナスの名前。マーカー判定上の満点に相当するが、前述のパラレルユニバースの存在により、究極舞踏達成=スコア上の満点ではない。シークレットリップルを全て解放した上でこれを達成した譜面には金色に輝く専用のクリアランプがつく。
なおXbox 360版では、任意の曲で同条件を達成すると、ゲーム内メールが届く(譜面別5種類)。 - CHALLENGE (ARCADE)
期間限定で用意されるSORTの特殊カテゴリー。特定の課題曲が表示され、ランクAAA(譜面難度不問)でクリアすると次の課題曲に移行する。10曲目に新曲が登場し、これを通過すればその曲が解禁となる。
慣れたプレイヤーだと30分程で解禁できるが、初級~中級レベルだと詰まってしまう可能性もある完全実力主義のイベントだが譜面難度は不問なため、LIGHTやSTANDARDを選択すれば難度は相応に下がる。普段自発的に選ばない曲が出てきたときは、レパートリーを増やすいいきっかけになるかもしれない。
ニコニコ大百科にある収録曲一覧
Xbox360版収録曲
- KIMONO♥PRINCESS
- 桜(BEMANI)
- Brilliant 2U
- A Geisha's Dream
- CAN'T STOP FALLIN' IN LOVE
- Keep On Movin'
- Let the beat hit em!
- NIGHT OF FIRE(平成27年10月23日ARCADE版削除)
ARCADE新規収録曲(収録順)
- She is my wife
- irony (カバー、2015年3月26日削除)
- 恋愛レボリューション21 (カバー、2014年3月25日削除)
- 女々しくて
- PONPONPON(2016年8月1日削除)
- マル・マル・モリ・モリ(2015年3月26日削除)
- ルカルカ★ナイトフィーバー (音源:実谷なな 振付:愛川こずえ(DANCEROID))
- マジLOVE1000%
- 行くぜっ!怪盗少女 -Zver.-
- Follow Tomorrow
- 華爛漫~flowers~
- LOVE&JOY(2016年1月8日削除)
- FLOWER [Charlie's desire~願いの鏡~ 最終解禁曲]
- 恋愛サーキュレーション(2016年4月8日削除)
- Wow Wow VENUS [放課後★ダンエボ部! 解禁曲]
- Do The Evolution [放課後★ダンエボ部! 解禁曲] (ダンエボシリーズ初の完全オリジナル曲)
- Daisuke [放課後★ダンエボ部! 最終解禁曲]
- サイバーサンダーサイダー(2016年7月15日削除)
- Sweetiex2(2016年7月15日削除)
- Colorful World(2016年7月15日削除)
- Gravity=Reality(2016年7月15日削除)
- メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト
- おどるポンポコリン(2016年6月3日削除)
- マジLOVE2000%
- Chu☆Chu☆Tonight [胃ノ熊大作戦 解禁曲]
- 朧 [続胃ノ熊大作戦 解禁曲]
- LOVEマシーン(カバー、2016年2月19日削除)
- ちくわパフェだよ☆CKP
- Sweet Rain [SPACE KUMA 解禁曲]
- 回レ!雪月花
- FUJIMORI-祭-FESTIVAL [ダンエボデイリートレーニング 前半解禁曲]
- Mermaid girl [ダンエボデイリートレーニング 後半解禁曲]
- ふな ふな ふなっしー♪ ~ふなっしー公式テーマソング~
- Watch Out Pt.2 [CHALLENGE1 解禁曲]
- 凛として咲く花の如く
- 轟け!恋のビーンボール!! [CHALLENGE2 解禁曲]
- Sakura Sunrise [CHALLENGE3 解禁曲]
- Little Star [CHALLENGE4 解禁曲]
- 罪と罰 [CHALLENGE5 解禁曲]
- Reaching for the Stars [CHALLENGE6 解禁曲]
- LUV CAN SAVE U [CHALLENGE7 解禁曲]
- チョコレートスマイル
- TA・DA ☆ YO・SHI
- ハッピーシンセサイザ
- アルストロメリア (walk with you remix)
- Kind Lady [CHALLENGE8 解禁曲](2015年12月28日削除、配信僅か3ヶ月での削除)
- Gimme a Big Beat [CHALLENGE9 解禁曲]
- Din Don Dan [CHALLENGE10 解禁曲]
- I'm so Happy [CHALLENGE11 解禁曲]
- 無双 [CHALLENGE12 解禁曲]
- Settin' the Scene [CHALLENGE13 解禁曲]
- 朱と碧のランページ[CHALLENGE14 解禁曲]
- Special One[CHALLENGE15 解禁曲]
- Ha・lle・lu・jah(更新終了前最後の配信曲)
関連動画
DanceEvolution
DanceEvolution ARCADE
関連コミュニティ
関連項目
- Xbox 360版公式サイト 現在は汎用ページ形式のもの
- アーケード版公式サイト
- コナミ
- BEMANI
DanceEvolution ARCADEより、BEMANIシリーズに編入。Xbox 360版は関連作ではあるものの、シリーズの外にある作品という扱いだった。 - 音ゲー
- ゲームのタイトル一覧
- NAOKI
Xbox360版プロデューサー。 - TAG
アーケード版サウンドディレクター。 - Xbox 360
- Kinect
アーケード版は日本国内でのKinect for Windows商用利用のファーストケースとなった。
関連作品
- Dance Dance Revolution
ゲームの性質はかなり異にするものの、ダンサーなりきりコンセプトでの兄弟作。多くの楽曲の移植元でもある。 - ParaParaParadise
非接触型コントローラの先輩その1。一部楽曲はパラパラモードの振付ごとそのまま引き継がれた。 - Dance Maniax
非接触型コントローラの先輩その2。真ん中のセンサーに手の指をぶつけることがなくなったことに技術革新を感じる。 - BOOM BOOM DANCE
Xbox 360版スタッフが開発した妹分。お手本の振り付けがなく、ダンエボに比べより自由度の高い設計。 - Just Dance
発売当初はWii専用ソフトだったが、続編が出るにつれてPS3(PS Move専用)やXbox 360(Kinect専用)などに移植される。版権曲やDLCが充実している。 - Dance Central
Kinect専用ダンスアクションの同期にして良きライバル。Just Danceと同じく版権曲が充実し、振付を細かく練習できる点等が強み。 - Michael Jackson The Experience
Kinect専用ダンスアクションの同期その2。詳細は当該記事参照。 - ミライダガッキ
画面上部にKinectと2組のバチ、4つのタムを備える。楽曲をプレイ中に、腕を上げるなどのポーズが指示されたらKinectに向かいポーズを取る。 - 恋のパラパラ大作戦
人工網膜センサーを使用した10年以上前の先輩。時代が早すぎた。 - DANCERUSH STARDOM
DDRと本作の流れを汲むアーケード作品で2018年稼働開始。赤外線センサーを利用した足元のフィールドとモーションカメラによる体の上下判定を用いる。ランニングマンやTステップなど本物のダンススキルが要求される。詳細は当該記事参照。 - DANCE aROUND
本作の実質的な後継作品で2022年稼働開始。プレイヤー認識に使うツールをkinectからVISION POSEへ移行した。本作よりもライト層向けを意識したつくりのため判定も甘く、楽曲ラインナップも版権曲が多く採用されている。ラウンドワン専用タイトルとなっているので注意。
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