SCP Containment Breachとは、海外製のフリーゲームである。日本語非対応。
略称はSCP-CB。Containment Breachは「収容違反」を意味する。
シェアードワールド創作wiki「SCP Foundation」を元として制作されている。
より詳細な設定や世界観を知りたい場合、当該記事および日本支部wikiを参照されたし。
概要
制作は独立系ゲームスタジオのUndertow Games。
作者はRegalis11ことJoonas Rikkonen氏で、他にも多数の有志が開発に携わっている。
2012年1月30日、「SCP-087 - The Stairwell (吹き抜けた階段)」を元としたフリーゲーム「SCP-087-B」が発表。これが好評を博して「他にもSCPが見たい」という要望に応える形で制作された。
2012年4月15日、v0.1が公開。以後たびたびアップデートが行われている。
最新のバージョンはv1.3.9(2018年3月3日現在)。v1.1以降、新規要素が追加されている。
しかしながらまだベータ版に近い状態のため「SCPの挙動がおかしい」「マップの生成エラー」「進行不能になる」などのバグが散見される。随時最新版のチェックおよびアップデートが推奨される。
2016年10月14日、Unityを使用したリメイク版「SCP: Containment Breach Unity Edition」がリリース。Zornor90氏を始めとした有志により、グラフィックの向上や新たなSCPが登場、継続してアップデートが行われている。
システム
事故によって収容違反が発生し、さまざまなSCP(後述)がランダムに徘徊する(または保管されている)研究施設を探索して生存・脱出することが目的。
武器と呼べるものは存在しないため、危険を察知したらひたすら回避して進まなければならない。
マップは自動生成のため、プレイするたびに構造が変わる。多数のドアによって隔離されており、特定のドアを開けるにはセキュリティクラスに応じたカードキーやパスコードが必要となる。
プレイヤーには「スタミナ」ゲージが設定されており、ダッシュなどの特定の行動で大きく消費される。
また「まばたき」ゲージが存在し、これは時間経過に伴って減少し、ゼロになると「まばたき」して一瞬画面が暗転する。任意のキーでまばたきする事も可能。
通常は特に問題はないが、あるSCPとは「だるまさんがころんだ」をやりながら逃げる必要があるなど、状況によってはシビアな「まばたき」管理を強いられる事になる。
ストーリー
舞台はSCP Foundationと呼ばれる「財団」の施設、通称「サイト」。
世界各地に存在する「サイト」では、この世ならぬ異常な存在「SCPオブジェクト」の隔離に加え、調査・研究が日々行われている。
元死刑囚のあなたは「財団」と取引し、死刑の代わりに「Dクラス」として財団に「雇用」されることを選んだ。あなたには番号「D-9341」が与えられ、今日がその初仕事となる。
これから1ヶ月間、サイト内でSCPオブジェクトに関するさまざまなテストの補佐をするのがあなたの仕事だ。仕事には危険が伴うが、従事して任期が終了すれば見返りとして釈放されるという。
威圧するように銃を携行した保安員に促され、連れていかれた先には「お仲間」が2人。
入室したのは照明に照らされたコンクリートの一室で、そこには奇怪な彫刻が壁の方を向いて置かれていた。床はところどころが赤黒く汚れており、それをあなた達は「掃除」するよう命じられる。
しかし、次の瞬間……
SCP財団
SCPオブジェクトの「確保、収容、保護 (Secure, Contain, Protect)」を標語に掲げる団体。
SCPオブジェクトの隔離や監視、効果的な運用法などについて研究する、世界的な秘密組織である。
その性質上、研究者・軍人・諜報員などが多く在籍し、各国政府にも密かな繋がりを持っている。
SCPオブジェクト及び財団の存在は一般社会に対して秘匿されており、SCPオブジェクトに遭遇した一般人や任期を終えた職員への記憶処理、及び「解雇」は厳密になされている。またSCPオブジェクトの収容違反や、SCPオブジェクトを狙ってくる他の組織への対抗のために、大きな武力を保有している。
全ての職員にはセキュリティクリアランスレベルが振り分けられている。
一般的な職員にはレベル0からレベル5までが振り分けられ、レベルが上がるに従ってより強い権限や重要な情報へのアクセス権を得られる。
最下層のDクラス(主人公もここに該当)は原則として死刑囚から選ばれ、減刑と引き換えにSCPオブジェクトの異常特性について調査に当たる。ごく単純なルーチンワークから、死んだ方がましと言えるほど悲惨な任務に投入されるモルモット、「使い捨て(Disposable)の捨て駒」である。
財団の最高位には監督官として全データにアクセスする権限を持つ理事「O5(オーファイブ)」が存在する。また特定のSCP専門の機動部隊や、財団内部を監査する部門もあり、秘密裏に活動している。
SCPオブジェクト
SCP財団が確保したこの世ならぬもの(超常現象、異常な物体、特異な生命体など)のこと。
Special Containment Procedures(特別取扱方)の頭文字から呼称されている。アノマリーとも。
オブジェクトはその封じ込め可能程度に応じ、原則として3種類のクラスに分類されている。
- Safe(セーフ)
- こちらから積極的に干渉しなければ安全、あるいは安全な取扱い方について方法が確立されている。必ずしも危険度が低いというわけではなく、取り扱いを誤った場合は大惨事になることも。
- Euclid(ユークリッド)
- 安全な取り扱いが確立されていないか、あるいはその方法を模索中。発現する条件が不確定であったり、起こりうる些細なミスが人的損害に直結するものなどがここに分類される。
- Keter(ケテル)
- 放っておくと周囲に対して甚大な害を与えるなど、特別な対策を必要とするもの。あるいは現時点で有効な対策を採ることが不可能なもの。世界の崩壊を招きかねないほどの強力なものも含まれる。
クラス分けはあくまで確保、収容、保護という財団の基準に照らし合わせたもので、Safeならば生命を脅かさないというわけではない。
また他にもにもNeutralized(無効化)Joke(お遊び記事)EX(収容の必要がなくなったもの)など、特殊なクラスも存在する。
ゲーム中に登場するSCPオブジェクトの一例
現在、36種類のSCPがゲーム内に登場する(一部はレポートのみ)。その中から一部を紹介。
説明はゲーム準拠で、本家とは微妙に異なる場合もあるので注意。
- SCP-173 - The Sculpture-The Original(彫刻-オリジナル)
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クラス:Euclid
最初に出会うSCP。最も注意しなければならない存在のひとつ。
施設の一室に隔離された、かろうじて人型をした異形の彫刻。見ている間は動かないが、見ていない間は動いているらしく、臼をひくような音がする。誰かが見ているとそのままだが、一瞬でも目を離した瞬間、犠牲者との距離を一瞬で詰めて首をへし折り殺害する。
血と排泄物を垂れ流すため、定期的にDクラスが投入されて清掃しなければならない。基本的に3人で入室して施錠、2人がSCP-173を見続ける間、1人が清掃する。その際2人同時に目を閉じないよう、互いに声をかけながらまばたきしなければならない。
言葉を発することはないが、知性はある模様。 - SCP-096 - The "Shy Guy"(シャイガイ)
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クラス:Euclid
2.38mの長身、常人の四倍まで開く顎、長い手足、色素のない肌の怪物。
服は着ておらず、普段はおとなしい。しかし「恥ずかしがりや」で、その顔を見られた途端に顔を覆って悲鳴を上げ、目撃者に襲いかかり殺害する。
いる場所は限られているが、逃げるのは困難。絶対に顔を見てはならない。 - SCP-500- Panacea(万能薬)
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クラス:Safe
赤と白のカプセル。
飲むと体の異常が回復する。単なる二日酔いからエイズなど治療方法が確立されていない疾病、果てはSCPによる感染さえも、名前通りに副作用なく打ち消す。しかし中身の成分が何なのかは不明で、数も限られている。
他のSCPの影響も排除できることから、SCPに対する実験も行われている。 - SCP-714 - The Jaded Ring(翡翠/疲衰の指輪)
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クラス:Safe
外観は緑色の指輪。嵌めると急激な疲労、運動能力の低下、体の新陳代謝が鈍化する。
動きが鈍くなりスタミナの回復も遅くなる反面、薬学・化学的な反応が遅くなったり、認識障害や精神的なショックにも鈍感になるという副次的な効果がある。 - SCP-012 - A Bad Composition (不吉な曲)
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クラス:Euclid
未完成の楽譜一式。「ゴルゴタの丘」というタイトルがついており、血で書き込まれている。近くにいる人間は認識障害を引き起こして発狂、自らを傷つけて迸る血で楽譜を完成させようとして自殺する。
うっかり近づくと雑音まみれの「音楽」が幻聴として聞こえ、強制的にそちらに視線が向いてふらふらと引き寄せられる。更にそのまま近くにいると謎の笑い声が聞こえ始め、発狂したプレイヤーは自殺してしまう。ただしSCP-714を装備していた場合、離れるのは容易。 - SCP-106 - The Old Man (オールドマン)
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クラス:Keter
全身が黒く染まってところどころ腐敗した、老爺の姿をしたSCP。非常に動きが鈍いが、触れたものすべてを腐食させるという特性がある。
生物はおろか耐腐食合金も腐食し、壁や床、扉も通り抜けて黒い腐食性の液体を後に残す。捕まった人間は「ポケットディメンション」と呼ばれる異空間に引き込まれ、その後[データ削除済]
おびき寄せて再度収容する必要があるが、その際に用いられる手段はかなりエグい。
関連動画
関連項目
外部リンク
- SCP containment breach(ゲーム)
- SCP containmant breach wiki(ゲーム攻略記事)
- SCP Foundation(本家wiki)
- SCP財団 日本支部(日本語wiki)
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