本項では1について取り扱う。
本編の15年前に地上を席巻していた魔王で、当時の勇者であるアバンにより倒された。
しかし、死の直前に大魔王バーンにその命を救われ、力を蓄える為に眠りに就く。そして1巻本編開始から間もなくして、魔王軍魔軍司令として地上支配に乗り出した。眠りから覚めた時期については、作中において明確な記述がない為不明であるが、フレイザードの年齢から逆算すると遅くとも本編開始から1年程度前であることが推測できる。第1巻の「勇者の家庭教師!!の巻」では彼が本格的に活動を開始したことによる影響が世界に現れている。
大別すると2つの経歴が存在する為、それぞれ分けて解説していく。
なお、名前の由来は魔物の「Hydra(ハイドラまたはヒドラ)」から来ており、レックス・ハドラーについては原作者も知らず、存在を知って驚いたとか。
パプニカ王国のあるホルキア大陸に存在する地底魔城をアジトとし、絶大な魔力と武力を以って魔物を従え、地上征服を目論む地上最強の存在。
当時から強国であったカール王国の力を削ごうと王女フローラの誘拐を目論み、カール王国へと侵攻した際に当時一介の騎士団員であったアバンと遭遇。アバンとロカの奮戦により撤退を余儀なくされ、それ以降も幾度と無くアバン一行と死闘を繰り広げるも決着には到らず、地底魔城の決戦に於いてアバンに倒された。
バーンに救われ魔王軍魔軍司令となってからは、地上支配の障害となるアバンを抹殺するべく単身デルムリン島へと襲来。アバンのメガンテを受け死んだかに思われたが、メガンテが不完全だったため辛うじて生き延び、結果的にアバン抹殺に成功する。しかしそこへ竜の紋章を発動させたダイのアバンストラッシュを食らい、戦闘不能状態へと追い込まれて撤退する。
以後ダイの危険性を感じダイ抹殺計画を進行させるが、一向に計画が進まない上に己の保身に必死だった事が災いして、バーンから最後通告を言い渡されてしまう。追い詰められたハドラーは、ザボエラの「魔香気」でダイ達を眠らせ、共に闇討ちを敢行するも、ポップの呼びかけにより目覚めたダイの手で返り討ちに遭う。
自身のプライドを完膚なきまでに打ちのめされたハドラーは、ザボエラに己を超魔生物へと改造する事を命令。魔族の身体と魔王としてのプライドを捨てる事を決意するのであった。
この頃のハドラーは、魔王らしく残酷であったが自尊心も強く、戦に赴く際は残酷な戦法を取りつつも、必ず自ら先陣を切って戦っていた。
その性格は敵であるポップにも「残酷ではあるが他人を利用するような卑怯な奴じゃなかった」と一定の評価を持たれていた。
しかし、魔軍司令となってからは、自らを脅かす存在に囲まれていた事もあって保身感情が強く、人望はお世辞にもあるとは言い難い状況である。
特にアバンの使徒抹殺に失敗し続け後が無くなってからは、ザボエラと組んで騙し討ちを狙うなどなりふり構わなくなってくる。それを見たポップに軽蔑までされてしまったほどである。
また、外見が何度も変わっているのが特徴で、初期の頃には「DQ1」の竜王のような姿で描かれており、初登場時には全身を外套で包んだ姿となっている。
中盤以降は、バーンから新しい肉体を与えられた影響なのか、髪形がオールバックに変わり外套も鎧付きのものへと新調された。この肉体の特徴としては、バーンかミストバーンの暗黒闘気があれば瞬時に蘇生させる事が可能であり、蘇生される度に顔の黒い模様が大型化、更には復活するたびにパワーアップするというまるでサイヤ人の様な能力も備えている。
しかし、その魔族の肉体を以てしても、ダイ達アバンの使徒の成長速度を越すことは出来ない、むしろこの半端な不死の身体が己の心に限界を作っていると考えるようになる。結果、この肉体をベースに超魔生物へ改造している。
試作型超魔生物ザムザのデータを基に肉体そのものを超魔生物へと改造したハドラーは、魔軍司令時代と比較すると、まるで別人のような変貌を遂げている。
先陣を切るのは以前と変わらないが、常に真っ向勝負を仕掛ける武人へと生まれ変わっており、精神面の脆さも無くなり、以前はハドラーのことを「三流魔王」と罵倒していたマトリフさえもその実力を認め、アバンの使徒全員に警戒を促したほどである。その力は超魔生物後、最初の戦いにてダイと互角以上の戦いをする程であった。
アバンの使徒打倒だけを目的としており、自ら魔軍司令の座から退き、代わりに死の大地の守護をバーンから命じられている。その際に与えられたオリハルコン製のチェスの駒に禁呪法を施してハドラー親衛騎団を結成、親衛騎団を率いてアバンの使徒と幾度と無く死闘を繰り広げている。
その実力はダイとバランのタッグと互角以上に渡り合える程で、1対1であれば優位に立つ事が多かったが(これはバラン達がハドラーの黒の結晶の誘爆を恐れ全力で戦えなかった事もあるが)、竜魔人バランには逆に圧倒されていた。
更にバーンによって自分の体内に埋められた黒の核晶の存在を知り、捨て駒同然に使われた事を悟る。命を賭けた戦いを、誇りを踏みにじられた悔しさのあまり涙の咆哮を上げた。
黒の核晶の爆発から自力で這い上がり、バーンに倒されそうになっていたポップ達を救出する。その事により自分を処刑しようとした大魔王に対して咆哮、反旗を翻して戦いを挑む。「流星は燃え尽きる時に激しく輝く」と同じように死期を悟ったハドラーの力は更に強大になり、光魔の杖使用の影響で弱体化したとはいえバーンと互角以上の戦いをする。が、必殺の一撃を仕掛ける時にザボエラの妨害に窮地に陥る。
しかし、親衛騎団・ブロックの命を賭したキャスリングにより救われ、その場を脱している。
自分の最後の相手をダイに定め、バーンパレスにて一騎討ちを挑むが、アバンストラッシュXの前に敗北。更に己の生命をも込めた超魔爆炎覇で最後の勝負を仕掛けるが、バランとアバンの必殺技を複合させたギガストラッシュの前に敗れ去った。
しかし、雷竜ボリクスと冥竜ヴェルザーの戦いに由来する「真竜の戦い」にも例えられるほどの激戦で全てを出し切って敗れたハドラーに悔いは無く、結果に納得していた。
互いが満身創痍になるのを狙っていたキルバーンの「殺しの罠」により、ダイもろとも倒されたかに見えたが、ポップの乱入により防がれている。
しかし、助けに入ったは良いが脱出策が見つからず、諦めかけていたポップを叱咤激励し、彼らにまるでアバンのような印象さえ与えさせ、再び立ち上がらせている。ポップがメドローアによる脱出を試みようとするも、メドローアを作る暇すら無いのを見るや、最後の力を振り絞り、魔法力を放出して己の肉体を一部自壊させながらも炎を食い止め、ポップに最後のメドローアを撃たせる。そんなハドラーを見捨てられなかったポップは、脱出できずに取り残されてしまう。
取り残されたポップを更に庇い立ち上がらせようと叱咤激励を行い、躊躇った理由を聞いた際に、自分の為に脱出できなかったと知り涙を流した。恐らく、彼の生涯で初めて流すであろう「他人の為の涙」である。初めて、しかも人間の神に「自分のような悪魔の為にポップを犠牲にしないでほしい」とポップの存命を祈る。そして、その祈りは思わぬ形で届く事になる。
彼らは、死んだと思われていたアバンに救出されたのである。そして、暗殺を仕掛けようとしたキルバーンに最後の一撃を加えた引き換えに身体が本格的に崩壊、嘗ての宿敵だったアバンの腕の中で消滅しこの世を去っているが、彼の魂は死してなお、2度奇跡を起こしている。
一つは自分に最も似ていたヒムに、もう一つはかつての宿敵・アバンに対して起こしており、キルバーンの必殺技「バーニングクリメイション」の業火からアバンを守っている。
物理的に言えば、耐魔耐熱性能を持つ超魔生物であったハドラーの灰がアバンに付着していた為であるが、アバンの身体から灰が舞い上がった際にハドラーの顔を象るなど、物理面だけでは説明しきれない現象を起こしている事からも、「ハドラーの魂が起こした奇跡」と考えるのが無難であろうか。そして、その相手がかつての宿敵であった事も感慨深いものがあるのではなかろうか。
この頃のハドラーは「武人」というよりももはや「漢」の域に達しており、多くの読者を驚かせた。常に真っ向勝負を挑み、己の邪魔をする者であればたとえ大魔王であっても容赦しない。この頃のハドラーの特徴としては、部下からの人望が非常に厚く、ハドラー自身も部下思いの良い上司であったという点だろう。
特に、禁呪法によって生み出した生物は生みの親の性格を色濃く反映すると言われるが、同じハドラーから生まれた禁呪法生物でもフレイザードと親衛騎団の5人では大きく性格が異なるのが見て取れる。
そんなハドラーを評価する読者も多かったようで、今までベスト10圏外だったキャラクターランキングでは、初めてベスト10入りを果たす健闘振りを見せた。
主に格闘戦を得意としているハドラーであるが、呪文もメラ系、イオ系、ギラ系を極めるなど、流石に魔王というべき能力も備えている。特筆するものは以下に列挙する。
他のキャラに勝るとも劣らない名言を残したハドラーであるが、ここではその一部を個別に紹介、列挙する。
余談ではあるが、twitterや某掲示板などの一部界隈では、老いによってシリアスなストーリーが受け付けなくなった為、ほのぼの日常系萌えアニメを好ようになった大魔王バーン様に対し、ハドラー以下魔王軍幹部たちが今期のオススメアニメを献上するという台詞コラネタが定着している。
まどマギやがっこうぐらし、けものフレンズなどの様に、ほのぼの萌えアニメの皮を被ってダークな設定が明かされたり鬱展開やシリアス展開が発生すると、バーン様が指を折ってハドラーを叱責する台詞コラが作られるのも定番となっており、このような状況を「ハドラー案件」などと呼ばれたりもする。
特にけものフレンズのtwitter実況では、11話の衝撃的展開によりハドラーを詰問するツイートで溢れてトレンド入りし、12話の最終回では一転バーン様もご満悦のハッピーエンドとなり、逆転勝利のハドラーを称賛するツイートで溢れて2週連続トレンド入りするという、事情を知らない人からするとあまりに意味不明な事態が発生した。
なお、アバン先生は徹底して円盤の売り上げのみでアニメ作品の良し悪しを評価するという冷徹なる売上厨という設定らしい。
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最終更新:2024/12/02(月) 15:00
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