レイヴン(ACⅥ)とは (アーマードコアシックスノレイヴンとは) [単語記事]

本稿ではゲーム『アーマード・コアVI ファイアーズ・オブ・ルビコン』の登場人物について記載する。

その他の「レイヴン」については当該項目を参照されたし。

ACシリーズの「レイヴン」とは

そんな企業がすべての力を握る世界において、一つの例外が存在した。
報酬によって依頼を遂行し、何にも組しない傭兵。
彼らは「レイヴン」と呼ばれていた。

―『アーマード・コア』取扱説明書より―

『初代』～『ラストレイヴン』までのAC シリーズにおいて、機動兵器アーマード・コアを駆る傭兵の呼称、すなわち主人公の職業名が「レイヴン」であった。世界観を一新し、主人公が「リンクス」と呼ばれるようになった『4』系においても、旧型アーマード・コアのパイロットの職業名として残っている（『4』の主人公・アナトリアの傭兵も元レイヴンだった）。

オールドACを遊んでいた古参プレイヤーにとって、レイヴンの呼称は一種のイコンである。『V』『ヴァーディクトデイ』で一度途絶えたその呼称は、長い休眠期間を経て発売された『Ⅵ』で再登場した。

『Ⅵ』では職業ではなく、複数の個人を指す用語になっている。

概要1：主人公の名義

621 今日の仕事は終わりだ
手に入れたライセンスの
識別名を伝える

「レイヴン」

これがお前の
 ルビコンでの名義だ

惑星ルビコン3へ密航した主人公・強化人間 C4-621が、現地の残骸を漁って不正入手した名義。そのまま傭兵支援システム・オールマインドのライセンス登録を復旧した621は、外部の人間からは「独立傭兵レイヴン」と呼称されるようになる。後に621と接触したルビコニアン・エアも、本名（?）の621ではなくこちらの呼称を用いている。

今作での主人公の呼び名がこれだとわかった瞬間、心中で歓喜したオールドファンはかなり多いらしい。

詳細はこちらへ → C4-621

概要2：元々の名義人

汚染市街にてACの残骸から抜き取ったライセンスコード
 パイロットの登録情報が確認できる
----------------

登録番号：Rb23
識別名：レイヴン
ランク：--/F

所属：独立

・ライセンス失効まであと3日

C4-621が借用した名義の、元々の持ち主。汚染市街にACを載せた輸送機ごと墜落し、MIAとなった模様。MIAからライセンス失効まで最低でも15日の猶予があるので、つまりは墜落からそれくらいの時間が経っていることになる。

当然ながら彼/彼女がどのような人物なのかは全くわからないが、ルビコン星系を管轄する惑星封鎖機構からは要注意対象としてマークされていたらしいことが、後々のミッションで伺える。死んだか、どこかに潜伏したのではないかと思われていたようだ。
つまり、C4-621はその要注意人物として扱われてしまうということ。スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)ﾉｼおかげで621を目撃した封鎖機構の執行部隊は、殺意全開で襲い掛かってくる。中には「以前のレイヴンと違う？」と察する人もいたり、621を撃破した後で「登録情報と違う＝データより弱いぞ？」と無意識にプレイヤーを煽る疑問を呈する人もいる。

ハンドラー・ウォルターは彼/彼女が何者だったのか（あるいは何をやらかしたのか）、薄々感づいているようではあるが、踏み込んだ言及はせず、621にも「気にするな」とスルーを促してくる。

ゲームプレイヤーからは621との区別として「真レイヴン」などと呼ばれる。

概要2補足：解析対象 51-016 GA / ナイトフォール

コア理論の体現者として最も優れているのは
やはり独立傭兵と言えるでしょう

生死が自らの操縦ひとつに帰着する彼らにとって
ACは肉体の延長であるべき必要があります

今回の検証相手は表舞台には現れない伝説的独立傭兵
それを限られた情報から再現したものです

ゲーム初回クリア後、2周目プレイ中にオールマインドアリーナに順次追加され、対戦可能となる「ANALYS YS」。真レイヴンはオールマインドからも目をかけられていたようで、新型 ACを開発するANALYS YS対象に選ばれることになった。

在りし日の彼/彼女が駆っていたAC・ナイトフォールは、本作のパッケージイラストや初報ムービーで描かれている、ACⅥを象徴する機体。頭部に巨大なバイザーパーツを装備しているあの機体である。

そのフレーム構成は何と、621の初期機体「LOADER 4」の頭部パーツをカスタム品に換装しただけ。ブースタも初期装備品で、ジェネレータも初期装備品に毛の生えた程度の品。一線級といえるパーツは頭部とFCSくらい。
武装構成は重アサルトライフル・パイルバンカー・小型連装グレネード・小型3連双対ミサイル。ライフルは微妙火力、パイルは癖強すぎ、ミサイルは近距離で全然当たらないと、明確な強武器はグレネードのみ。

一見すると縛りプレイか何かのようにも思える機体だが……実は非常に練られたアセンブルである。

キモは機体とブーストの消費ENを徹底して削減していること。これによって低出力・低容量だがEN補充能力が非常に高いジェネレータをフル活用し、外見からは予想もつかない頻度でアサルト/クイックブーストを連打してくる。「近距離で全然当たらない」双対ミサイルで「敵を近距離に誘い込み」、ライフルとグレネードでちくちく攻撃しつつ、焦れた敵が踏み込んできたらアサルトアーマーを直撃させる。
……というわけで、一度タネが割れてしまえばなんということはない。限界まで武装を積み込んだために速度が出ず、防御力も低い点を突いて、ひたすら引き撃ちすれば楽に倒せてしまう。だが、ここまでの戦いで「ACⅥでは接近戦でスタッガーさせる戦法がつよい！」と学習してきた結果、スタッガーしたこちらの目前でパイルバンカーをチャージするナイトフォールに、迂闊な接近を試みたことを後悔した621は多いはずだ。

AI ロジックの出来も非常によく、アサルトアーマーでスタッガーを取ると確実に仕留めに来る上、パイルバンカーの無駄撃ちをほとんど行わない（通常・チャージ攻撃を使い分けている）のも見習うべき点といえる。果てはCPU特有の超反応で、こちらの近接攻撃実行に反応して「置きパイル」まで仕掛けてくる。近接戦闘の立ち回り、そして何より「カスタマイズメカアクション」の真髄をプレイヤーに教えてくれる良敵と言えるだろう。
何かとポンコツ扱いされるオールマインドだが、こいつを解析対象に選んだのは素直に褒められるべき。

概要3：独立傭兵間での風習

どうやら「レイヴン」とは特定個人ではなく
彼らの定義する「自由意志」の象徴として
傭兵たちが受け継いできた称号のようです

…
戦う理由を自ら選びそのために強く羽ばたくこと
それが「レイヴン」の証明だというのなら
私は…
変わらずあなたをそう呼びたいと思います

レイヴン

エアが収集してきた情報。どうやら真レイヴン自体も、その名を受け継いできた存在だったらしい。

この情報はルビコン解放戦線の精神的象徴、サム・ドルマヤン帥夫も把握しており、曰く、レイヴンとは「意志の表象」とのこと。直後に「消えゆく余燼に過ぎない」と吐き捨てられるが……。このためドルマヤンは「ハンドラー・ウォルターの猟犬レイヴン≠真レイヴン」であることも察知している。

この節は、『ACⅥ』本編エンディングを
全て鑑賞後に閲覧することを推奨します。

一度生まれたものは、そう簡単には死なない――

「レイヴン」通信は聞こえてる…？

目標を確認したわ
あれがあなたを騙る傭兵…

見せてもらいましょう
借り物の翼でどこまで飛べるか

「レイヴン」は生きていた。
ミッション『旧宇宙港防衛』、あるいは2週目以降特定条件を満たすと選択できるミッション『多重ダム防衛』において、「レイヴン」はAC ナイトフォールと共に621の前に立ちはだかる。

彼/彼女の正体はハクティビスト集団「ブランチ」の構成員。専属のオペレータ（担当声優：園崎未恵）と共に、ブランチの「3人目」と「4人目」に当たる。彼/彼女自身は言葉を発さず、オペレータがその心中を代弁するような演出が行われている。

彼/彼女は、物理・情報両面で厳重に封鎖されていたルビコン3で「コーラルの再湧出が確認された」情報を入手し、それを企業にリークした張本人である。時を前後してブランチの「1人目」キングと「2人目」シャルトルーズがルビコン3の封鎖衛星「ステーション31」を襲撃し、封鎖システムの一部を麻痺させる。ベイラム、アーキバスの両企業グループはその間隙を突いて続々と社員を進駐させ、ルビコン解放戦線との交戦状態に突入。それに乗じようとした独立傭兵もルビコン3へ密航を試み、惑星封鎖機構のSG 部隊も活動を活発化させていく――

ルビコン星系を戦場に変えてしまった全ての火種。それこそが「レイヴン」だったのだ。

その当人はMIA以降もブランチの一員として暴れまわっていたらしい。惑星封鎖機構とアーキバスの部隊を単機で壊滅させたり、ルビコン解放戦線の重要拠点・ガリア多重ダムを破壊しようとしたり、やりたい放題である。

強化人間 C4-621
「レイヴン」の名を返せとは言いません
ただ…
あなたにその資格があるか
見極めさせてもらいます

「レイヴン」とは意志の表象
相応しいのは選び戦う者だけです

…ええ「レイヴン」
私も感じてるわ
この傭兵には可能性がある…

「レイヴン」とオペレータとしては、名前を使われていること自体はあまり関係なく、621にその名を名乗る資格があるかどうかが重要らしい。故に、当該ミッションでは問答無用で621に襲い掛かってくる。
また、「レイヴン」自身も他のレイヴンから名前を受け継いだ存在であり、（今のレイヴンか過去の別レイヴンかは不明だが）かつてキングと戦ったことが『多重ダム襲撃』におけるキングのセリフから察することができる。