『幻想少女大戦』(げんそうしょうじょたいせん)とは、サークル『さんぼん堂』による東方二次創作ゲームである。
東方Projectに登場するキャラクターたちが戦うシミュレーションRPGであり、『スーパーロボット大戦シリーズ』のシステムを元に新たなシステムを加えた、いわゆる「スパロボ風東方」である。
『幻想少女大戦紅』・『幻想少女大戦妖』・『幻想少女大戦永』・『幻想少女大戦夢』の全4作品が公開されており、「夢」で完結となった。
本記事ではシリーズの共通している部分のみを紹介する。作品の詳細はそれぞれの項目を参照のこと。
「紅」「妖」「永」「夢」の4作品はさんぼん堂の特設サイトにおいてWEB体験版が公開されている。「紅」は第3話、「妖」は第4話、「永」は第2話、「夢」は第3話までプレイすることが可能。紅体験版のダウンロードはこちら、妖体験版のダウンロードはこちら
、永体験版のダウンロードはこちら
、夢体験版のダウンロードはこちら
から。
現在では4作共にメロンブックス、DLsiteにてダウンロード販売が行われている。
また、2019年夏には、シリーズ4作品のゲームシステムやグラフィックを全て最新のものにリメイクした上で1本にまとめた『幻想少女大戦コンプリートボックス』が発表された。
そして2022年春、コンプリートボックス改め『幻想少女大戦-DREAM OF THE STRAY DREAMER-』としてNintendo Switchに移植。パロディ元であるスパロボと同じ家庭用機で遊べるようになった。発売はPhoenixx。
そもそもの始まりは、下の動画
に感銘を受けた作者、さんぼん氏(サークル代表、総括・プログラム、シナリオ・テキスト担当)がその動画を元に実際に戦わせてみた(スパロボ風に再現してみた)下記の動画である。
この動画を参照すれば分かるとおり、始めは一人での製作で、ドット絵や背景、BGM等は借り物であった。
そこから製作、動画投稿を行いながら製作メンバーを募集し、当初未決定だったタイトルを『幻想少女大戦』に決定、サークル「さんぼん堂」として発足した。
基本的なシステムは『スーパーロボット大戦シリーズ』に似たものが多い。
ロボットの活躍するゲームから、生身の少女たちの戦うゲームになったため、各種用語の多くが東方で使われる単語に言い換えられている。
などなど。
武器選択画面で武器の名前の前または後ろについているマークを解説する。
強化のために使うのが「資金」ではなく「点」と呼ばれているという事以外はスパロボのそれとほぼ同じ。
ユニット強化する項目はHP、MP、運動性、装甲の4つ。それぞれ個別に強化し、高いレベルになるほど資金(点)が多く必要と言うのもスパロボと同じ。
武器は全ての武器を纏めて強化する。『α外伝』以降のスパロボと同じシステムである。キャラによって持っている武器の種類や数が違うので当然だが、強化に必要な点は異なる。作品によってはキャラの強さなどに応じて必要となる点や強化による上昇値が異なったりする。
本家スパロボの「パイロット技能」に当たるもの。
「巫女」「魔法使い」などのような固有の技能と、「援護防御」「援護攻撃」のように複数のキャラが持ち、また育成によって習得できる汎用の技能がある点も同じである。
特殊技能の枠は全キャラ一律6つで、固定技能や最初から覚えている汎用技能を持っているキャラはその分だけ枠が埋まっている。「夢」では特殊技能の枠が一つ増え、7つとなっている。
戦闘によって獲得したポイント(PP)を消費して技能を選択し、新たに習得orレベルアップさせる。
特殊技能一例
これはほぼ完全にキャラ固有の能力のみで、一部キャラは嫁システム(後述)によって固有コマンドではなく特殊能力が追加されるキャラもいるが、いずれにせよそのキャラ独自のものしかない。特殊能力には条件を満たせば自動で発動するパッシブ能力と未行動時にコマンドによって手動で発動させるアクティブ能力の2つがある。
本家スパロボでは強化パーツによって能力が追加される事もあったが、このゲームでも一部の装備アイテムを装備することで能力が追加されたり、特殊な表記や特殊なアイコン演出になるアイテムもある。
スパロボシリーズ恒例とも言える「全滅(敗北)すると経験値等を持ち越したままのMAPやり直し」が出来るシステムが幻想少女大戦にもある。
ただし、資金・経験値・PP全て持ち越せて、シリーズによっては出撃直前にもインターミッションがあってそこで持ち越してきた資金やPPを使う事が出来た本家スパロボとはいくらか仕様が異なる。幻想少女大戦における全滅プレイの詳細は以下の通り。
ご存知の通り、弾幕STGである東方シリーズを再現したシステムである。
敵専用の戦術であり、マップ上に防御・回避補正、移動妨害、特殊効果などの効果があるエリアを作りだす。
複数の弾幕が重なると、その弾幕効果も重複する。
弾幕の中にいると受ける効果は以下の4種。
これらの効果は弾幕を展開するキャラによって個別に設定されており、防御力・回避率・移動力が平均的に下がるオーソドックスな弾幕もあれば、防御力や移動力は殆ど落ちないが回避率だけが激減する弾幕等もある。
特殊効果は主にボスクラスのキャラクターの、特にスペルカードによる弾幕に見られるもので、他の3種の効果に当てはまらない特殊な効果。
例を挙げると、弾幕内にいる敵キャラ(=こちらの陣営)に対して「移動不可」「全ての武器が射程-1」「受けるダメージ+1000」「特定のキャラ(主に弾幕の主)に毎ターン精神発動」等の効果を付与する。
弾幕の範囲も個性的。
多くの弾幕、雑魚キャラの弾幕やボスキャラでも特にスペルカードを発動していない状態の通常弾幕は大抵本人を中心として一定の射程内に円形(ひし形)に1枚だけ展開される。中には射程10以上のアホみたいに広い弾幕を展開するキャラもいるが、大抵は射程5~7程度。
スペルカードによる弾幕は原作におけるスペルカードの特徴が色濃く反映されたものになり、必ずしも円形(ひし形)ではない。「狭い円形+斜めの鉤十字のように4方向に足を伸ばす形」「六芒星魔法陣の模様+数本のライン」「横向きの*印の形に伸びた細いライン+横ラインから滝のように垂れ下がる形」など様々。
また、弾幕を展開するキャラは毎ターン自分の行動の時に弾幕を張りなおすが、張りなおすたびに弾幕の形が変わるキャラもいる。
このゲームにおけるスペルカードは味方が使うものと敵が使うものの2種類ある。
味方が使うものは単に本家STGではスペルカードによる技とされていたクラスの、必殺技級の武器(戦闘デモでスペルカード特有の魔法陣を出す演出を持つ)をスペルカードと呼んでいるだけで、スペルカードである事自体に特別な意味は無い。
敵が使うものは本家STGのスペルカードシステムを踏襲したものとなっている。
一部のボスクラスの敵はマップ上アイコンに「スペル」と言う文字がついており、このキャラクターは撃破すると撃墜される代わりにパワーが10上昇してHPを全回復し、スペルカードを発動する。
スペルカードが発動するとそのスペルカード特有の弾幕を展開すると共に、そのスペルカードの名で表される武器が追加される。一部のキャラのスペルは武器ではなく特殊能力やスキルになる場合もある。
スペルカードには制限ターン数があり、このターン内に撃墜(スペルブレイク)するとそのスペルカードを取得した事になる。(スペルカードを発動したのが敵のターンかこちらのターンかで、制限の最後のターンがどちらのターンになるかも変わる)
制限ターンを過ぎても次のスペルに進むが、この場合はスペルブレイクではなく「逃げ切り」となり、スペルを取得した事にはならない。ただし、一部の逃げ切りタイプのスペルカードは制限ターンを過ぎてのスペル終了でスペルブレイクとなり、取得した事になる。
スペルカードを複数持っているキャラクターはその数だけ撃破→次のスペル発動でHP全回復と言う流れを繰り返す事になる。
最後のスペルカードを撃破した時点でそのキャラを撃墜できる。
「紅」では何枚のスペルカードを所持しているか不明であり、次のスペルを見越して精神や大技が安易に使うことができなかったが、「妖」以降ではユニットの詳細データや戦闘アニメの画面で所持しているスペルカードの枚数が明らかにされるようになった。ただし一部のキャラは隠しスペルを持っており原作未プレイだとスペル所持数に騙されることがある。
このゲームにおけるグレイズとは、低速モード中は攻撃を回避することに成功しても割合ダメージを受けると言うもの。
グレイズによるダメージは「受けるはずだったダメージ×その攻撃の命中率」で求められ、例えば直撃すれば1000ダメージを受ける命中率35%の攻撃を低速モードで回避した場合、350のダメージを受ける。もちろん、直撃した場合は1000のダメージを受ける。つまり、低速モード中は被弾しようが回避しようが確実にダメージを受けることとなる。
なお命中率が0%であればグレイズダメージも0になるためどの道ノーダメージになるが、そんな状況はあまり無い上、被弾した扱いにはなるため、高速モードで攻撃を回避するのとは色々異なる。精神「不屈」を付与しているキャラが低速モードで回避した場合、命中率が0%でも被弾した扱いとなり不屈の効果が切れるという事故は慣れていないプレイヤーなら必ずと言っていいほど通る道である。
これにより、回避重視のキャラは高速モードのまま弾幕に突っ込んで回避率低下補正を受けた上で完全回避を狙うか、低速モードで回避率低下補正を無効化する代わりにグレイズダメージを甘んじて受けるかの二択を迫られるため、スパロボでよく見られるような「リアル系ユニット1体での無双」はやや難しくなっており、細かな戦略が必要となってくる[1]。
弾幕の補正を受けても攻撃を余裕で回避出来るほどの運動性を持っていればどの道無双ではあるが、雑魚的相手ならいざ知らず、ボス相手ではそのような状況はまず不可能。
なお、かつて「紅」においてはPPのことを「グレイズポイント」と呼称していたが、ver.1.2.0よりPPに統一された。
いわゆる「ボム」で、敵ユニットにダメージを与えると共に、効果範囲内の弾幕を完全消去するマップ兵器である。
精神コマンドの効果が乗ることは原則無いが命中率は100%であり、確実なダメージ源でもある。
移動後に使用可能で、自機を中心とした一定範囲に効果を及ぼす便利なものであるが、本家スパロボのマップ兵器と同様に、獲得経験値や獲得グレイズは半分になる。また、霊撃によって倒した相手がボムやアイテムを持っていた場合、(幸運等の精神コマンドの効果が無い限り)そのアイテムを手に入れる事が出来ない。
なお、敵がスペルカードを発動している最中に霊撃を使用してもスペルカードは取得できる。そのため、スペルの弾幕効果が邪魔に感じられるなら惜しみなく霊撃が可能である。
霊撃は誰でも使えるが、「ボム」アイテムを入手した回数しか使う事が出来ない。
ボムアイテムはマップ上のキャラアイコンに「B」と言う文字が付いているユニットを撃墜する事で手に入れる事が出来る。
装備アイテムのようにインターミッションで装備したりする必要は無く、入手したそのMAPで即座に使う事が出来る。と言うよりMAPの持ち越しは出来ないため、入手したMAPの中で使わなければ消えてしまう。
製品版で追加されたシステム。WP(WifePoint?WeddingPoint?)という特殊なポイントを自分の好きな「俺の嫁」に振り分けることで、特別なボーナス補正を受けるというシステム。
ステージを1つクリアするごとに10WP入手できるほかに、ステージごとの条件を満たすことで5Pのボーナスを得ることが出来る。ただし、一度以上全滅してやり直ししているマップではWPを貰えない。
スパロボでいう熟練度システムと、熟練度入手時のPPボーナスに近い。
WPはPPとは違い陣営全体で管理され、戦闘に全く参加していないキャラにも振り分けることが出来る。
嫁システムは作品ごとに受けられるボーナス補正が異なっているため、詳細についてはそれぞれの項を参照のこと。
「紅」の嫁システムから派生した特殊技能であり、キャラのレベルアップによって習得する。固有スキルは1つだけ装備することができ、インターミッションで他の固有スキルと付け替えが可能。
いわゆる雑魚敵を除く東方原作キャラは基本的に敵味方ともに固有スキルを保有しており、装備するにあたりPP等は不要である。
固有スキルには条件を満たせば自動で発動するパッシブスキルと回数制限つきで手動で発動させるアクティブスキルの2通りある。効果は様々であり、主にキャラの能力や特徴によるものが多い。ユニットの能力の傾向が似ていても固有スキルによって運用が変わることもあり、習得者だけでなく周囲にも影響を与えるスキルもある。
本作はゲーム開始時に、本家STGと同様に4種類から難易度を選ぶ事が出来る。
スパロボでも似たようなシステムがあったが、こちらはバランス調整が異なるシナリオが3種類用意されているだけであり、同じシナリオで難易度が異なるという訳ではない。
幻想少女大戦ではシナリオは1種類であるが、難易度を選ぶ事によってゲームバランスが変化する。
難易度は以下の4種類。
※ スパロボ史上屈指の難易度で有名なF(F完)がHardなのは、Lunaticに位置づけられる「EX級」と言うのがEXのシュウの章(難しい)の事を言っているからだと思われる。EXはマサキの章ならむしろEasyくらいに難易度の低いバランスだが、シュウの章は本当にF完以上に難しい(個人的には)。
難易度が高くなると、以下のような変化がある。以下の例はあくまでも基本的なものであり、作品によって細かい点が異なるので各記事を参照されたし。
さんぼん氏の好きなキャラとして、幽香、早苗、幽々子が挙げられる。早苗は大好きで、幽々子は崇拝。ゆかゆゆ好き。加えて幽アリ好き、プレイしてみればすぐ分かるが
さんぼん氏以外のメンバーも、全キャラについて専用BGMを作ったり、想像も及ばないような作業量を感じさせる戦闘ムービー等々、スパロボと東方に対する愛を余すことなく感じさせる。
以下制作ブログ 幻想少女大戦 制作記録より
誤解を恐れずに言わせて頂くなら、作業の質は元より、スタッフの愛と情熱がスゴいです。
それを表現できるよう試行錯誤していたら、気がついたらこんな作品になっていました。
(その癖早苗さんとかゆゆ様とかゆうかりんが出しゃばっていたら、それは世界の答えなので仕方ありません)
繰り返しになりますが、あらゆる意味で、スタッフの皆さんがいなければこの作品はないです。
願わくば、その東方愛&スパロボ愛が伝わらんことを。
そして何よりも、ここまで人を惹きつける本家東方・本家スパロボの魅力と偉大さが 少しでも伝わることを祈っています。
※プレイ動画についてはそれぞれの作品の項を参照のこと。
掲示板
1118 ななしのよっしん
2024/05/04(土) 14:03:29 ID: H/W9ynEMv8
今日Bルートクリアしたけど明らかに○○○よりまくらのほうが強かった気がする、○○○はただ硬いだけというOGsのドルーキンのような感じしかしなかった。
1119 ななしのよっしん
2024/05/06(月) 07:28:15 ID: l4mSKM+G/m
周回プレイの際何週してもキャラ合計6名までしか連れて行けないのがちょっと残念
ストーリー上本来まだ味方に居ない奴がボスと戦ったりしたら台詞ある箇所結構あって気合入ってるだけに
1120 ななしのよっしん
2024/12/22(日) 00:08:33 ID: 2CLH0G46aM
ドリームモードアプデの頃かSwich版発売の頃か忘れたけど、コンプリートBOXやドリームモードで追加した楽曲を盛り込んだ完全版のサントラを出すって話なかったっけ?俺の勘違いかな…それでも出して欲しいなぁ…
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/19(水) 12:00
最終更新:2025/02/19(水) 11:00
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