『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画』とは、育成ゲームであり、今に至っても知名度の高いアニメヒロイン「綾波レイ」をメインに描かれた育成ゲーム。
Windows用ゲームとして2001年にガイナックスから発売、本項では後に発売されたPS2および、ニンテンドーDSで発売された『綾波育成計画withアスカ補完計画』も含めて解説する。なお、これらの移植版は株式会社ブロッコリー(にょにょにょ~で有名な会社)より販売されている。
基本的には育成ゲームであり、ガイナックスからかつて販売されていた『プリンセスメーカー』シリーズのノウハウを盛り込んだ、オーソドックスな育成ゲームに仕上がっている。(内容は後述する通り、非常にアレであるが・・・)
綾波編とアスカ編に分かれているので、両方同時に育成は出来ない。
ストーリーはテレビ版新世紀エヴァンゲリオン、そしてエヴァンゲリオン旧劇場版に“使徒との戦争”の開戦から終戦に至る時間経過、そこで公式メディアでは触れられることのなかった綾波レイと惣流・アスカ・ラングレーの『日常』が描かれる。プレイヤーはネルフの職員として、二人の教育を担任するわけであるが、二人の様々な面を“使徒との戦争”のさなかに目にしていくことになる。
その一方、彼女達の一番そばにいる大人として、否応なくこの破滅的な戦争で傷つく彼女らの立場に直面していく。
先述の通り、プレイヤーは“ネルフの三尉(後述)”として二人を教育する立場を任される。体力トレーニングや、感性トレーニング、戦闘シミュレーションと言ったトレーニングを駆使して、二人をしっかり教育しなければならない・・・のだが、あまり訓練が役に立つことはなく、シナリオ攻略上むしろ邪魔になるケースもあるので注意が必要である。
教育・訓練の結果として恐ろしい数のエンディングに分岐するため、ヤリコミゲーの傾向が顕著である。
ただし、やり込んだ結果、システムを把握すればあり得ない経過をエヴァンゲリオンという作品の中に
現出させることができる。(ほんとにビックリする仕様である。)
・通常
いわゆるマニュアル車でいうところのニュートラルな状態、我々がよく知る二人を目にするのはこの状態であろう。
・不良
訓練のさせすぎや主人公への好感度の低さによって、“制御ができない状態”になっているが、これでも特定エンディングが用意されている。
・病気・疲労
訓練のさせすぎでとんでもない事になっている状態、メッセージからも明らかにヤバい状態であることが分かる。気を付けよう。
・負傷
特定のイベントや、対使徒戦時に撃破されると・・・こうなる。綾波は見慣れた“あの恰好だが”アスカに関しては相当にレアである。
・オタク
二度見するレベルである。これも原作では相当にあり得ない状況であろう。キャラ崩壊が著しすぎる。
なおこの状態の綾波とあの伝説のイベントへ行くというイベントが発生する。
スタッフ曰く『人類滅亡の危機に瀕していても、絶対に開催されるだろうから』とのこと。
・フェロモン
こちらも初見の“衝撃”は強烈である。こんな性格なら原作のようなシナリオはいかないんじゃないかと思うくらいに。(ただし、人類は補完される)
・恋愛・・・
二人の矛先がシンジではなく、“プレイヤーである三尉”に向けられている状態。
いやぁよくここまで・・・(検閲されました)
・知識
・知能
・身体能力
・反射能力
・精神防壁
・感受能力
・好奇心
・責任感
・協調性
・自意識
・モラル
・フェロモン(!?)
トレーニング内容は大きく精神面、肉体面、知力から構成されるバランスを考えた育成が必要であるが、外面データに現れない“好意値”も存在するため、 条件さえ満たせれば、前述のとおりレイやアスカと恋愛状態に陥ることも有り、恋愛状態かどうかもシナリオ・エンディングに影響を大きく及ぼす。
・戦闘訓練
読んで字のごとく、目標をセンターに入れてスイッチ、の“アレ”である
・ハーモニクス調整
正直どっちも武術なので体力トレーニングじゃないか、とも思うが、精神らしい。
・体力(身体能力)トレーニング(綾波がダンス、アスカがスカッシュ)
筋トレ・・・(おい、ちょっと待て!!)
・予習
知識、知能を高める、戦争が終わったら社会に適応しないといけないのは、ね。
・個人学習
追加の授業であるが、好意値があがる。中学生なんだが、いや、突っ込んじゃだめだ、突っ込んじゃだめだ、突っ込んじゃだめだ!!!!
このゲームの最も大きな要素かつ強烈すぎるファクターであろう、綾波レイと惣流・アスカ・ラングレーには豊富な衣装が用意されているのだが、パラメーター次第で傍目から見れば、キツメの服や受け狙いとしか思えないような服も着てくれる・・・なぜベストを尽くしたのか。ちなみに、これらのネタ衣装、移植ハードによって異なる。
彼女らに買い渡せる代表的なこれらのネタ衣装にはDS版とPS2版で変更・追加がされている。
ギャラクシーエンジェルの蘭花・フランボワーズのコスチューム
メイド服
※DS版
天元突破グレンラガンのニア・テッペリンのコスチューム
天元突破グレンラガンのヨーコ・リットナーのコスチューム
(レイのデジ子のコスチュームとアスカのメイド服はDS版にも引き続き存在。)
プレイヤーの役割はあくまでもパイロットの保護者であるが、彼女たちとのかかわり方によっては、碇シンジ、加持リョウジと言った原作キャラたちが担っていた役割を果たすことを強いられることもある。それは、すなわち、テレビ版や、劇場版の悲惨な結末に直に直面することに他ならない。
ネタばれ、ということになるのかもしれないが、あえて記載する、ネタバレしようにもエンディングがが多すぎるのだ。そして、今まで書いた中には何ひとつとしてこのゲームのエンディングは述べられていない!!!!!
なぜなら、普通にトレーニングを実施していると、たいていの使徒には勝ってしまう為である。そのため、本来原作シナリオのグラフィックなども用意はされているが、見ることが非常に難しい。
また、パラメータ調整を失敗したり、特定イベント(初見プレイでは特定できないため、本当の意味での“地雷”)を踏んだら即エンディング突入という非常に難しいシステムである。エンディングにたどり着いたとしても、数の多さから(アスカとレイの補完後の人生と主人公との関係を含め、パラメータ調整が細分化されすぎて)コンプリートには根気と時間と気合いが必要であるが、“新世紀エヴァンゲリオン”をゲームで(ビデオを全巻見るよりは)短時間に追体験したり(端折ったり、シナリオによって変更はあるものの)おさらいできる点では優れているのではないだろうか。
さまざまな媒体で語られているので、ゲーム内での役どころに解説はとどめる。
惣流・アスカ・ラングレー
今作のメインヒロインその2。綾波編をクリアすると育成可能。ただクリアするだけでなく幾つかの条件をクリアする必要がある。
碇シンジ
このゲームでは不憫にも脇役に追いやられてしまった。主人公なのに・・・という声が反映されたのかどうかは定かでないが、2004年にシステムを一新した「碇シンジ育成計画」が発売された。
葛城ミサト
シナリオによっては原作通りの結末であるが、ゲーム内では主人公とそれ相応に親しい様である。あるフラグを踏むと・・・
加持リョウジ
原作通りの結末を迎えることが“ある”。つまり、そうではないシナリオが存在する。
鈴原トウジ
彼の結末は原作通りで、全く変化がない。ゲームの進め方によってはいきなり出てきていきなり居なくなるといった状況にもなりうる。
相田ケンスケ
トウジに比べ、扱いはよくない。さすがにレンジャーとは言わない。
洞木ヒカリ
アスカ編ではすごく重要な役割を担う。じつは一番目立ってシナリオを回すキャラとなっている。
赤木リツコ
こちらは原作通りであるが、アスカシナリオでは主人公の直属の上官にあたる。
碇ゲンドウ
メタルスライムのごとく、遭遇確率が少ない!!!!
伊吹マヤ
今作随一のハードパンチャー(言語)。
青葉シゲル
メインのストーリーにはほぼからまない。原作ですら影が薄かったのに、さらに出番がなくなってしまった人。
日向マコト
ほぼ使徒との戦いにならないと出てこない、プレイヤーの同僚のはずなのだが。
プレイヤーはネルフの職員として、二人の世話役を担当するのだが、どうも同一人物ではないらしく、最低でも二人いるような描写とキャラ設定の違いがみられる。
年度初めの四月に綾波を預かることになった青年。それを機に綾波の家に近くに引っ越し、それ以後終戦まで彼女の面倒を見る事になるのだが、職場をいくつか変えてきたらしく、教員免許をもっていること、人生に異常な空虚感を感じる事がモノローグで語られている。よくいるギャルゲーの主人公然とした、キャラクターなのだが、戦闘面における主役補正が全くない。というのも終盤における戦略自衛隊との戦闘ではなんと殉職してしまうのだ(尤も同じ様な状況下で葛城ミサトも死亡しているので、単純に弱いのかと決める事はできない)。それでもシナリオによっては本部の職員がLCL化する時点まで生き残るあたり、ネルフでの戦闘能力は低くないのではないと思われる。大納言サンドが好物であり、レイが食べるパフェを凝視するなど、極度の甘党とみられる。また、彼女に対しては、ことあるごと心を砕いて細やかな配慮をしており、ネルフ司令である碇ゲンドウから直々にレイの世話役に補される程度の信頼のおける人物と見ることはできる。
夏に入った七月にアスカを預かり、それ以降終戦まで彼女の面倒を見る。綾波担当との違いは、アスカの居候先がこの青年の自宅になるという点である。中学生になる妹がいるという描写があるのだが、だからと言って未成年の女の子を若い男の家に放り込むのはいかがなものか。綾波の三尉と比べても、あまり人物描写もはっきりと描かれているわけではないので、どういった人柄かもうかがい知ることは難しく、あくまでも一般ネルフ職員としての描写が描かれたのみである。
だがしかし・・・終盤に至って彼が真価を発揮する。旧劇場版でネルフがどういう目に遭うかは周知のとおりである、一個師団に取り囲まれ、片っ端から空爆と砲迫とコマンド部隊による襲撃で次々と散っていく主要キャラ達、そしてモブの職員、ネルフ本部は戦略自衛隊の精鋭一個大隊に囲まれ、彼も敢闘むなしく戦死・・・しないのである。もちろんシナリオによっては戦死してしまうのだが、綾波担当が戦死一択なのに対してこの男は死なないのだ・・・。
それどころかその徹底的な重包囲を突破し、そのさなかで銃弾が直撃したと思われるも、量産機との戦いでぼろくそになった二号機の傍らにいるアスカのもとにたどり着いたのである。
使徒戦に巻き込まれても、撃たれても、人類補完に巻き込まれても生き残る!お前はいったい何なんだ!
今のところこの男がエヴァキャラ対人戦最強なのではないかという疑惑が噴出してしまいそうなキャラであるが、余りクローズアップはされない。
2003年12月11日に、プレイステーション2版が通常版と限定版の2バージョンで発売。
2005年8月25日に、廉価版のB.B.Q(Broccoli Best Quality)版が発売。
2008年08月28日に、ニンテンドーDS版が通常版と限定版の2バージョンで発売。
コンシューマー以前
プレイステーション2での発売以前にも『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画』はPC版と、また2002年には移植したDC版が販売された。
PC版はガイナックスが制作・販売しており、2001年当初Windows 95・Windows 98・Windows ME用ソフトとして発売。その後2003年にはWindows XP対応版も発売され、既存版をXPに対応させるパッチもガイナックス公式サイトで配布された。
このバージョンではシナリオは綾波のもののみであるが、三尉の声優は鈴村健一が務め、文字通りのフルボイス仕様となっていた。尚、PS2版以降のバージョンでは三尉に声は充てられていない。
ロングセラータイトルとして
現時点において、公式なエヴァンゲリオンのゲームとしては『鋼鉄のガールフレンド』シリーズに次ぐロングセラータイトルであるとされている。
また、2004年にはPCで「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」が発売されている。プレイヤーは葛城ミサトとなって碇シンジを育成することになる。育成対象が主人公のシンジなだけあって、育成次第ではアニメ本編と大きく異なるオリジナルシナリオに進むことになるのが特徴。アスカ編相当の追加シナリオは赤城リツコとなって渚カヲルを育成するものだが、こちらはパイロットとしてではなくシンジに対する篭絡要員として育成するというかなり攻めたコンセプトとなっている。
2001年発売のPC版『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画』のプロモーションの一環として同作発売前からガイナックス公式ウェブサイト内に登場していたキャラクター。
綾波レイを2頭身にディフォルメしたような姿で、何かのテーマに沿った衣装を着ることもあるが基本は全裸。LCLの水槽の中でぷかぷか浮かんでいて、ウェブサイト内で毎日違った反応を返していた。
当時は意外な人気が出ていたらしく、2002年には『綾波育成計画 ぷかぷかレイちゃん』というこのキャラクターをメインとした単独作品もガイナックスからリリースされた。Windows 95・98・ME用のデータ集CD-ROMで、内容は「ぷかぷかレイちゃん」や『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画』のミニゲーム集や画像集、スクリーンセーバーやデスクトップ時計などのアプリケーション集などである。
PC版、DC版、PS2板の発売と前後して2ちゃんねる掲示板では、”彼女が書いた日記”という体裁を取った書き込みが二年間、毎日書き込まれ続けた。おそらく同作の二次創作としては最も長くかつ、詳細な三尉の描写や、綾波の内面の掘り下げがあるものと思われるが、現在では閲覧の方法が過去ログからの発掘以外に存在しないのが現状である。、運が良ければ少なくとも作中の7月時点の日記の閲覧が検索で引っかかることもある。興味があれば調べてみるのもいいだろう。
いくつかの同人誌も発売はされたが、現在では残念ながら大半が入手不可能となっているのが現状である。
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最終更新:2024/03/28(木) 23:00
最終更新:2024/03/28(木) 23:00
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