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フロム脳とは、主にフロム・ソフトウェア製ゲームをプレイした人間が発症する一種の精神病、もしくはその状態である。
症状
フロム脳を発症した人間は設定の公開されていない(もしくはただ単に設定の存在しない)登場キャラクターや世界設定を様々な要素から理論的に考察しはじめる。
重度の場合、不必要なまでに要素を付け足すいわば妄想癖が見られるようになる。
ポイントなのは、同じく脳内設定に凝りだす「中二病」と似通っているが、そのベクトルは世界観の解釈に対してのみ向いているという点である。
これにより、当ニコニコ動画といったそれら「解釈の交流」がある程度許容される環境で顕在化する傾向にある。
発生経緯
語られることの無かった世界観考察をするという意味では、レトロゲームをプレイする人間(特にゼビウスは公式・同人含め数多く存在)に通ずるところがあるが、レトロゲーム時代は表現の幅が少なく、論理的に考察するに足る内容が無かったことから取り沙汰されるに至らなかった。
(強いてあげるなら、当時は『ゲーム脳』論全盛であり、その意識はゲーム脳提唱者本人が言及を避けるようになった現在に至っても根強い。だが、“現実と空想の混同”“ゲームありきの生活”を危惧するが故に生まれた『ゲーム脳』とフロム脳との相違は上記のとおりである。)
スーパーファミコンあたりからゲームの内容はその作品の世界観を十分に伝えるのに足るレベルとなり、人気作ならば続編が出るなどし、「世界観を受け手の満足を達成する程度に伝える」という小説や漫画の定石ともいえる表現法が尊ばれるようになった。
その中で、フロム・ソフトウェアが投入した作品のほとんどはその定石と逆のものであった。
具体的には、プレイヤーはあくまでその世界にいる一人であり、ゲームの主人公という特殊な境遇ではあるが、その一人が知りえる範囲でしか、世界を知ることはできないというスタンスである。結果、世界全体の考察は受け手に大きく委ねられるというものだった。
勿論、ゲーム内でヒントと思しきものがちらほらと散見されるが、それらに対して公式からの回答はほとんどない。
それゆえに、プレーヤーは過剰な情報を与えられることは無く、それゆえに、英雄でも何でもない、その世界に生きる一個人として没入することができる。
これはある意味で探偵小説における『証拠・アリバイ・動機』を考察するのに似ており、そのような感覚で物語を解釈してゆくことにもつながる。結果、作品の折々にちりばめられた“謎”に対する回答をプレイヤーが予想する流れを促進させてしまい、この症状を作り出すこととなった。
そんな感染源となったフロムソフトウェア作品愛好家の思考パターンを指して「フロム脳」という呼称が生まれたものの、単なる病気ではなく、「環境適応の結果」と捉えることも可能である。
このスタンスはフロム・ソフトウェア初期の『キングスフィールド』時代で立ちあがっており、『アーマード・コア』シリーズによってメジャーになる。『ダークソウル』シリーズのヒットをはじめ、以後、様々なフロム作品で同じような“謎”を残す演出によって着々と患者を増やしてゆくこととなった。
メーカー買いする患者は『メタルウルフカオス』といった“謎”の少ない荒唐無稽な作品でさえ、その僅かな部分を手繰り寄せて考察を進めるようになっていた。
ただ、病状の発現があくまで世界観の解釈という方向のみなので、症状が見られた時点でたいていの場合、後述のような末期症状に陥っている場合が多い。
症状
“いくらでも解釈できる”というのは怖いもので、常識的には突飛な設定であっても否定できないことが今日のフロム脳患者の暴走を招いている。下記の例の通り。
作品内でこの「依頼人が~」の下りしか表現されない場合、「→」以後の内容が視聴者・受け手の創造に委ねられているため、たとえ2のような裏話を否定できないのだ。これを他人に納得できるように解釈を説明することができるようになれば立派なフロム脳である。
フロム脳の発症者の中には高い技術力や文才を持った者もおり、こういった人々の解釈・考察・動画は作品の世界を更に広げていく可能性を持っているため、フロム脳をただの妄想癖と言って悪く決めつけきれないところがある。
とはいえ、やはりイロモノ方面に走る場合もあり、その結果として「コジマ汚染患者シリーズ」や「作者はナニカサレタヨウダ」といったタグが生まれてる。フロム脳を取り巻く環境からこれはこれでアリなのだが、此処まで病状が進行しないよう手洗いうがい、他の版権作品を楽しむなどで療養することが推奨されている。
総括すると、受け手であるプレイヤーや読者の脳内を含めた世界こそが作品の世界観と言えるのかも知れない。
症状が見えにくいことから、防疫委員会も医師連の協力を得られず手を焼いているのが現状である。その委員会も大概で病人であり、そもそもそんな病院なんかなかったという真面目な指摘はムラクモミレニアムによって粛清されました。
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↓患者の表現力によって版権の垣根を飛び越え、丸ごと一作を描き切ってしまうこともある
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関連項目
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