マシタ会長とは、ガンダムビルドファイターズに登場する人物である。 CV:坂口哲夫
私の概要くらい派手にバ~ンとやらなくっちゃあ!
世界的大企業、PPSE社の会長であり、同時に最高経営責任者(CEO)。さらに、ガンプラバトル世界大会のメインスポンサーにして、主催者のトップに立つ人物。ただし、その肩書きからは想像もできないほど子供じみた言動をする人物である。
たとえば、とある理由で腕を痛めた際には、ポンコツ秘書のベイカーに「飛んでけ、飛んでけして~!!」と懇願し、実際に彼女が「痛いの痛いの、飛んでけ~♪」をした直後に笑顔で「治った~♪」と言ったり。とある理由で怖い目に遭った際には、美人秘書のベイカーに膝枕をしてもらったりしている。また、後述する策謀に関してもベイカーにほぼ一任(というか丸投げ)しており、狼狽えた時の顔芸やベイカーとの漫才のようなやり取りといい、お世辞にも世界的大企業のお偉い方には見えないおじさんである。
だが、オープニングではまるでカリスマ溢れる悪役のような雰囲気を出している。誰だお前とか言ってはいけない
初登場したのは第11話、ガンプラバトル世界大会の第2ピリオド種目「バトルロワイヤル」の最中。同大会の関係者である彼は、VIP室でワインを片手に優雅に観戦しようとしていた。だが、中継のカメラがバトル中のスタービルドストライクガンダム、その操縦者であるレイジを映した時、大きく動揺する(この際、持っていたワインをズボンに盛大に零し、股間の辺りに大きな染みを作ってしまったが、それにも気付いていないかのような狼狽ぶりであった)。
その後、彼はベイカーに操縦者の確認をさせると同時、格納されていたメガサイズモデルのザクを『勝手に』戦場に投入(周りには「大会を盛り上げるための余興」と説明している)。そのザクでスタービルドストライク『のみを』執拗に狙わせ、イオリ・セイ&レイジ組の敗北を目論んだ。
結局その目論見はマオ、リカルド、ニルス、メイジン・カワグチらの助力、及びセイとレイジ達のガンプラの前に潰えたものの、懲りることなく暗躍し続ける。
第3ピリオド「バトルウェポン」では、抽選くじ引きの番号を操作し、かつて野球で生涯打率8割超という経歴を持っていたタイ代表ルワン・ダラーラと野球対決をするように仕向け、第7ピリオド「ガンプラRACE」においては、金さえ払えばどんな依頼も引き受けるガンプラマフィア『暗号名(コードネーム)C』を雇い、スタービルドストライクを直接襲撃させた(この結果、セイ&レイジ組は第7ピリオドにおいてポイントを獲得できず、あと一歩で予選敗退となるところだった)。また、作中の発言から、簡易描写のみだった第4~第6ピリオドにおいても、何らかの妨害工作を講じていた可能性は非常に高い。無論、これらの行為は第三者に知られれば大会の公平性、自分の立場をも危うくする行為であることは言うまでもない。
ちなみに、前述したようにこれらの妨害工作はすべて秘書のベイカーが立案・実行したものである。当の会長はと言えば、単におろおろしながら「とにかく早く何とかしてよ~!!(意訳)」と彼女に命じていただけである。それでいいのかPPSE社会長。
しかも、第7ピリオド終了後、妨害の成功で気分を良くし、勝利の美酒に酔っていたら、よりにもよってレイジ本人が会長室に殴り込んできてしまった。藪をつついて蛇を出すとはまさにこのこと。
マシタがレイジを排除しようとする理由(わけ)とは
彼がこれほどまでにレイジを目障りに思う理由は、長い間明確には説明されていなかった。ただし、彼の発言から大よその事情は察せられる。
まず、彼は12話において
「やはり、アリアンはこの私を・・・」
「(レイジの選手登録を見て)名前まで同じ・・・。容姿の方も、成長していればこんな感じか。他人の空似にしては似すぎている・・・。しかし、もしそうなら、何故何もしてこない? 私の考えすぎか・・・?」
と発言している(アリアンとは、詳細は不明だがレイジの故郷である異世界のこと)。また、14~15話でレイジと直接対峙した際、彼の腕のブレスレットに付けられた宝石を見て、レイジを「アリアン第一王子」と確信。その事実に怯え、「あの少年(レイジ)、今は覚えていないようだけど、(マシタ会長、及びプラフスキー粒子に関する秘密を)思い出しちゃうかも・・・」とも言っている。
このことから、マシタ会長は『かつてアリアンに縁のあった人物であり、プラフスキー粒子に関わる、かつアリアン側の不興を買う(少なくとも彼がそう思う)行為を行い、そこから逃げてきた人物ではないか?』という考察がなされている。故に、アリアン第一王子であるレイジを「自らを捕まえに来た追っ手」だと考えたのではないか、と。
・・・これまでの話を視てきた視聴者は知っているが、それはマシタ会長の考えすぎである。レイジがこの地にやってきたのは単なる物見遊山のようなものであるし、大会に出場しているのもガンプラバトルをするためであり、マシタが大会に関与しているなど知りもしなかった(というかそれ以前に、レイジの口ぶりから察するにマシタ自体を彼は知らなかった可能性が高い)。要するに、マシタ会長が余計な横槍を入れさえしなければ、彼に目をつけられることは避けられたはずだったのである。疑心暗鬼からガンプラ戦士(ファイター)達の戦いにあやをつけ、その結果一番会いたくなかった人物と出会ってしまった彼には、ラルさんの言を借りて
という言葉が相応しい。
マシタ会長の正体、そしてその結末
マシタ会長の思惑とは裏腹に、セイ&レイジ組は決勝大会に進出。会長が出張で一時離れている間に準々決勝を勝ち抜き、帰ってきた会長の見ている前で準決勝も突破。ついには決勝進出を決めてしまう。
とうとう業を煮やした会長は、彼らの決勝の対戦相手であった三代目メイジン・カワグチを洗脳し、観客や選手達全員がドン引く程こじらせちゃった衣装彼が忌避する二代目メイジンのような「勝利のみを追求する修羅の如きガンプラファイター」へと変貌させてしまう(余談だが、この際のメイジンとの会話から、二代目メイジンがそのような人物になったのは会長の差し金であったことが示唆されている)。
そして迎えた決勝戦、元フラナ機関「ネメシス」のナイン・バルトの協力を得て制作した改良型エンボディと、自身が所有するアリスタ(レイジが所持していた宝石。プラフスキー粒子の結晶体であり、強固な意志によって願望を叶える力を持つとされる。マシタ会長も懐中時計の蓋にこれを装着している)を組み合わせた仮面越しにメイジンを操り、自分の今の地位を脅かすレイジを今度こそ排除しようとする。
マシタ会長は元々はアリアン出身のコソ泥であり、王家の宝物庫に忍び込んだ際、アリスタの共振によってセイ達の世界へと飛ばされた。そこで出会ったベイカーとガンプラを動かすビジネス、つまり現在のPPSE社の立ち上げを行い、一代にして巨額の富を得たのである(12話でガンプラ関係の仕事に就いていながらザクを知らないかのような発言をしていたのもこれが理由である)。
そんな彼の目的は、プラフスキー粒子を用いて全世界を支配することでも人類の革新を促すことでも歴史の立会人になることでもザビ家復興でも勝った方を全力で愛してあげることでも人類抹殺による地球再生でも戦争の悲惨さを全人類に理解させることでも自分達を認めなかった世界に復讐することでも純粋に戦いを楽しむことでも全ての人類を裁くことでもデスティニープランの導入でも恒久和平実現でもヴェイガンの殲滅でもなく、「お金持ちになって残りの人生を悠々自適に過ごしたい」という、歴代ガンダムシリーズの大ボス達に比べれば何とも小市民的で保守的なことであった。
(まぁ、その人たちももっともらしい大義の裏に個人的なエゴを抱えていることが多かったことを考えると、会長も案外大ボスに相応しかったのかもしれない)
アリアンに連れ戻されれば、自分は罪人として裁かれてしまう。自らの安寧のためには、何としてでもレイジ王子を自分の前から排除せねばならない。激おこな会長はこれまで散々面倒をかけさせてきたスタービルドストライクを執拗にいたぶるが、ガンプラファイターの意地を見せたセイ&レイジの決死の反撃によりメイジンのエクシアダークマターは敗北。しかもメイジンの洗脳が解けてしまったとことで自身の暗躍が露見、とうとう言い訳の余地のない窮地に追い込まれることとなった。
しかし、追い詰められた会長の汗と涙と鼻水を盛大に吹き出しながらの必死の叫びにアリスタが反応し、宇宙要塞ア・バオア・クーを出現させ(おそらくそういうステージが登録されていたのだろう)、世界大会会場全域を覆うほどのプラフスキー粒子が溢れ出し、しかもそれが物質化してしまう。最悪、会場そのものが倒壊してしまうほどの大惨事を引き起こしてしまった会長は、レイジに泣きついた。
「アリアンの宝物庫からアリスタを盗み出したのは謝ります~! お許しを~!!」
「そんなことより早くこれ何とかして~!! 王子なんでしょ~!?」
「・・・勝手なことばかり・・・!!」
結局、泣きついたマシタ会長はレイジ君にがっちりとヘッドロックを食らわされる羽目になった。ざまぁ
セイ&レイジ、さらには他のガンプラビルダー達の助力で何とかアリスタの暴走は収めたものの、地下に格納されていた巨大アリスタ(ここから漏れ出すプラフスキー粒子を用いてガンプラバトルを行っていた)を破壊したことで、アリアン人であるマシタ会長は元の世界へ帰らなければならなくなってしまい、せっかく手に入れた地位もお金も、∀全てを置いて彼はアリアンへと帰って行った。
その後、彼は自分を追ってついて来たベイカー共々アリアンで(何故か一緒に流れてきた)モックを販売、何だかんだで夢のお金持ちライフを再び追いかけ始めたようだ。
右も左もわからない異世界において、わずか一代で世界的大企業の社長にまで上り詰めたマシタ会長の経営手腕は、普段の残念な小物っぷりを見ているととてもそうは見えないが確かなものであったと言える。余計な手出しなどせずに、黙ってワイン片手にポンコツ美人秘書を侍らせる悠々自適なお金持ち生活を送っていればよかったものを、自意識過剰な思い込みからいらんちょっかいを出し、最終的にせっかく一度は手に入れた地位もお金も名誉も、ベイカーちゃん以外の何もかもを失ってしまった彼には、まさに爆発しろご愁傷様としか言いようがない。
ただし、彼がアリアンからアリスタを盗み出し、こちらの世界でプラフスキー粒子を発見しPPSE社を立ち上げなければ、そもそも世界規模のガンプラバトルそのものが存在しなかったということを考えると、良くも悪くもマシタ会長は「ガンダムビルドファイターズという作品の根幹に位置する人物」であったと言えるだろう。
これこそまさに、関連動画というものだ・・・
関連コミュニティを手放してなるものか・・・!
そんなことより早く関連項目何とかして~!!
- 2
- 0pt