少名針妙丸(すくな しんみょうまる)とは、東方Projectに登場するキャラクターである。
概要
- 種族: 小人(こびと)
- 二つ名:
小人の末裔(輝針城)
輝く針のリリパット(鈴奈庵)
眉唾!緑色をした小人(深秘録) - 能力: 打ち出の小槌を扱う程度の能力
- テーマ曲: 輝く針の小人族 ~ Little Princess
- 出演作:
東方輝針城(6面ボス)
東方鈴奈庵(12話、16話モブ、読切2)
弾幕アマノジャク(8日目)
東方深秘録(プレイアブルキャラクター)
東方輝針城のラスボスであり、異変の実行犯。ただし首謀者、黒幕と言えるのは、針妙丸の“打ち出の小槌を扱う程度の能力”に目をつけた妖怪・鬼人正邪。
輝針城サブタイトル“Double Dealing Character”のDouble Dealingとは二枚舌といったニュアンスを持ち、正邪の暗喩と考えられる。
押すに押されぬ超有名おとぎ話『一寸法師』の主人公、一寸法師その人の末裔。少名針妙丸という名は、日本神話において小人のような姿で表現される少彦名(すくなびこな)神、裁縫を担う役職である針妙、そして一寸法師が刀代わりに携えたという針が元ネタと思われる。余談だが、小彦名神こそ一寸法師を含む日本古来の小人伝承のルーツだとする説もある。
また、彼女のスペルカード、『ホップオマイサムセブン』と『七人の一寸法師』の存在から推測すると、キャラクターのモチーフには親指姫や白雪姫(と七人のこびと)など、外国のおとぎ話も含まれているかも知れない。
針妙丸ら小人族は、幻想郷において限りなくマイナーな種族と思われる。博麗霊夢は彼女と対面した際、「小人だって!?そんなの居たんだ」と発言した。マイナーになってしまった理由とおぼしき経緯は以下の通り。
針妙丸の祖先・一寸法師は鬼退治を成し遂げたことにより、鬼族の秘宝である『打ち出の小槌』を手に入れ、人間大の体を得て貴人の姫君を娶った。しかし、彼は願いを叶える小槌にそれ以上何かを望むこともなく、小槌はやがて封印される。小槌が起こす奇跡とは鬼の魔力によるものであり、乱用すれば己が身を滅ぼしかねないと危ぶまれたからだ。
しかし、一寸法師の洞察力も精神性も代を重ねるごとに失われていき、子孫の一人が“何でも願いを叶えるという打ち出の小槌を使えるというのに、使ってはいけないとは何事だ”と考え、小槌の封印を解き乱用し始める。小槌の魔力を用いて贅の極みを尽くし、終いには“豪華な城を建てて民を支配したい”と小槌に望む。
小槌は願いを叶え、輝針城と名付けられた城が瞬く間に出現したが……そこで小槌の魔力が尽き、悲劇が起こる。輝針城は“逆転”し、小人族もろとも、支配するべき民など存在しない鬼の世界に幽閉されてしまったのだ。
打ち出の小槌とは、賢明な一寸法師の推察通り、多大な危険性を孕む鬼の道具だった。その性質は因果応報と表現するべきか、“願いを聞き入れる代わりに、それに似合った代償を与える。大きすぎる願いは、叶う前に代償が現れる事もある”。そうして、小槌の危うさを痛感した小人族は秘宝を再び封印することにした。
(後述するが、打ち出の小槌の魔力には“回収期”なるものがあるらしい。一度は魔力が尽きたはずの小槌を、今回の異変で彼女が振るえたのは、いわゆるチャージ期間を経た結果と推測できる)
針妙丸が物心付いた頃にはもう、打ち出の小槌の再封印から長い年月が流れており、小人族の間でも小槌の存在が口にのぼることは無かった。そのため彼女は、過去の出来事を含めて小槌のことを知らず、そこを正邪につけ込まれる。
正邪には“今の強者が支配する安定した幻想郷をぶちこわし、弱者が物を言う世界に変えたい”という野望があり、野望はあれどそれを実現する力が無かったが故、打ち出の小槌に目を付けたのだ。小槌を扱えるのは小人族だけという特性を理解していた正邪は、何も知らない針妙丸を利用する。
針妙丸は、種族柄か口の達者な正邪に、偽りの歴史を吹き込まれた。どのような内容であったか明言はされていないが、“小人族の屈辱、打ち出の小槌の強大な力、そして屈辱を与えた幻想郷の妖怪達”……という一文がおまけ.txtにある。
かくして、針妙丸は正邪と共に復讐を誓い、異変を決行する。空に不気味な雲が出現し、魔力嵐が吹き荒れ、空中逆さ城……かつての輝針城が幻想郷の空に降臨した。
『さあ、弱者が見捨てられない楽園を築くのだ!』
しかし、その時の彼女はまだ、秘宝・打ち出の小槌の“代償”を知らなかった……。
と、あくまで異変の首謀者にたぶらかされているだけで、主人公達との会話から垣間見える針妙丸の性格は、決して悪党のそれではない。
霊夢が己の前に立ち塞がった時は、博麗の巫女の存在を知っていたらしく「あら博麗神社の巫女じゃない 来るべき時が来たのね」と覚悟していた節を覗かせ、「ついに巫女に気付かれちゃったのかー でも私は諦めない!」と不屈の意思を見せた。霧雨魔理沙が立ち塞がった場合も同様に、「最初の障碍(しょうがい)が百戦錬磨の貴方とはね だが諦めないよ!」と不屈の意思を見せる。
それだけでなく、霊夢に対して「私と一緒に道具(よわきもの)が笑って過ごせる世界を創りましょ!」と持ちかけたりと、一貫して弱者の為に戦うレジスタンスという立場を取っているし、賛同者とおぼしき相手には素直に嬉しさと喜びの反応を見せ、惜しみなく力を分け与えようとする。
鬼退治のヒーロー・一寸法師の末裔なのだと考えれば、これらの言動も不自然ではないと言えるかも知れない。正邪にころっと騙されたり、脇が甘い面も散見されるが、好意的に見ればそれもご愛嬌である。
針妙丸が敗北し異変が解決された後、再び大規模な魔力嵐が発生した際、霊夢に問いただされた彼女は、“打ち出の小槌の魔力は回収期であるから、あれは私の仕業ではない”と語っている。少なくとも、しばらくの間は小槌による大それた異変を起こすことは出来ないであろうし、当人にもその気はない様子だ。
また、回収期に関してだが、付喪神である堀川雷鼓に対し霊夢は「打ち出の小槌は回収期に入ったから あんたもすぐに普通の道具に戻るわよ」と告げている。魔理沙と雷鼓の会話から、EX面突入時点で小槌の魔力が尽きていることも分かる。以上のことから、魔力が尽きた打ち出の小槌は、その恩恵を受けた対象から魔力を回収し再び蓄えているものと察せられる。作中で雷鼓が、打ち出の小槌を“呪われた小槌”と呼ぶのも頷ける話だ。
魔理沙と針妙丸の「お前は小人だったのか……小さくは見えないが」「大きくなる力を得た今こそ世界をひっくり返す好機(チャンス)なのよ!」というやりとりやエンディングを見る限り、本来の体格は、どんなに大きく見積もっても少女の膝下に頭が届くかどうかの小人サイズだが、主人公達と出会った時は小槌の魔力で人間大になっていたようだ。恐らく、小槌に相応の魔力が蓄えられるまでは、小人サイズで過ごさざるを得ないだろう。
異変解決後
輝針城EDで霊夢によって虫かごに閉じ込められ(保護?)、一時期は博麗神社のお世話になっていた。
『弾幕アマノジャク』では、輝針城後も逃げ続ける正邪に対して一緒に降伏しようと提案するも一蹴されてしまい、正邪を本気で捕らえるよう幻想郷住人に伝えて自らも正邪と対峙した。
どうやら残りの小槌の魔力は正邪が持っているようで、鈴奈庵では「そろそろ大きくなれる日も近いわー」と言っていたが、小人サイズから元に戻れるかはもしかしたら正邪次第かもしれない。
『東方鈴奈庵』では輝針城霊夢ED後の設定で出演しており、博麗神社で居候同然の扱いを受けている。待遇も改善しており、輝針城ED時点で何の変哲もないただの虫かごも、針妙丸専用の住居に改装してあった。
同作2巻収録の読切4コマ漫画「幻想郷小噺」にも出演。日ごろお世話になっている事への感謝の印として、霊夢にプレゼントを贈っていた(なお針妙丸が送ったのは着物だが、それが針妙丸サイズに仕立ててあった為、着物ではなくリボンとして採用された)。
東方深秘録
オカルトボールを全て集めると大きくなる!なんて風に噂を都合良く解釈しちゃった針妙丸。
満を持してボール集めに出発だー!
果たして小さい彼女を待ち受けているのは一体?
東方深秘録に参戦!なんとディスクレーベルには針妙丸が描かれている。
針妙丸には「オカルトボールを七つ集めれば大きくなれる」と伝わっていたようで、噂を信じた彼女が煽りながらボールを奪っていく、というのが深秘録における針妙丸ストーリーとなっている。
なお小槌の副作用は既に無くなって神社を出ており、現在は輝針城住み。時期は不明だが鈴奈庵16話背景モブでスターサファイアと遊んでいた際サイズが戻っていた事を考慮すると、恐らく16話の前後だと思われる。
Stageタイトルの「全力で煽っていきます」「そりゃもう全力で」というタイトルからも分かるが、邂逅一番に煽る。オカルトボールの性質上、相手と戦って奪うしかないため意図的に煽って対決に持ち込んでいたらしい。しかし独り言をマミゾウに聞かれて「死ねい」と攻撃態勢に入る少々暴力的な一面も見られた。
微妙に口が悪く、小動物的な一面が目立つ。今作ラスボスの宇佐見菫子は針妙丸を飼いたいと思っているらしい。
お椀の中に入り長針を武器に戦うスタイルのため、一部では発売前から「世界一可愛い味噌汁の具」とネタで言われていたが、いざ発売してみればマミゾウのスペカ変化「二ッ岩家の裁き」でお椀に浮かぶ貝に変化し、本当に味噌汁の具になってしまった。
霊夢(勝利台詞):お椀にお湯を注いでやろう。いい出汁が取れるかも知れないわ。 …もはや食料扱いである。
ネタキャラと思いきや茨木華扇に鋭い一言を放ったり、自ら外の世界に出て行ったり、6ボスらしく侮れない存在でもある。
性能面ではリーチが短いのが欠点だが、全キャラ中トップの「速度」と「固め性能」でそれらを補う。小人族のサイズからしてやはり当たり判定が甘いという唯一無二の利点があり、相手のコンボが一部機能しなかったりする。
スペルカード
スペルカード発動中は打ち出の小槌を振るっているのか、身体を左右にゆらゆらする。かわいい。
東方輝針城
小弾「小人の道」 | Easy,Normal | 白い粒弾を、全方位に隙間なく放つ。1個だけある緑色の粒弾(自機狙い)に接近するとその場に一時とどまり、次いで自機狙い弾となる。緑弾が停止することで白弾の壁に開いた隙間を、まさに針の穴を通すように通り抜けていく弾幕。 難易度が上昇するに従って壁の射出間隔が短くなる。 |
|
小弾「小人の茨道」 | Hard,Lunatic | ||
小槌「大きくなあれ」 | Easy,Normal | 針妙丸から射出される丸弾とハート弾が、スペルカード名通りどんどん大きくなっていく。 ちなみに弾の周りにある赤色のオーラにも判定があるので注意。 |
|
小槌「もっと大きくなあれ」 | Hard,Lunatic | ||
妖剣「輝針剣」 | Easy,Normal Hard,Lunatic |
全方位に楕円状に放たれる青ナイフ弾(直前の通常弾幕と同じ)と、自機狙いで放たれる白ナイフ弾からなる弾幕。体力を削ると、白ナイフ弾の射出時間がどんどん長くなっていく。 | |
小槌「お前が大きくなあれ」 | Easy,Normal Hard,Lunatic |
(自分が)でっかくなっちゃった! 耐久スペルカード。打ち出の小槌の魔力で、自機のグラフィックと当たり判定が大きくされる。ショットとボムはそのまま。 弾幕自体は妖剣「輝針剣」の劣化版(青ナイフ→青クナイ、しかも大きな隙間あり)だが、自機の当たり判定が大きくなっているため、難度は高い。特に元々当たり判定が小さめの霊夢以外の二人はグレイズすら出来ない。 |
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「進撃の小人」 | Easy,Normal |
唐突にもらった“スペルカード” |
|
「ウォールオブイッスン」 | Hard,Lunatic | ||
「ホップオマイサムセブン」 | Easy,Normal |
ラストスペル。針妙丸が最大7人まで分身して、本体は固定のクサビ弾を、分身は輝く中丸弾を放ってくる。 ホップオマイサム(hop 'o my thumb)とは小人の出る童話のこと(ペロー童話の「親指小僧」が有名か)。一寸法師も海外に紹介された際に"hop 'o my thumb"と訳されたこともある。 |
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「七人の一寸法師」 | Hard,Lunatic |
弾幕アマノジャク
「小人の地獄」 | 全方位に放たれた楕円弾が弾けて極小弾となって襲いかかる。1波目はまだ避けられる密度だが、2波目の極小弾の密度はまさに地獄。 | |
輝針「鬼ごろし両目突きの針」 | 高速の2列ナイフ弾と、自機狙いナイフ弾が襲ってくる。デコイ人形を使うことで2列ナイフ弾を躱すことに専念できる。 |
東方深秘録
小槌「伝説の椀飯振舞」 | VS | |
小人「一寸法師にも五分の魂」 | VS | |
釣符「可愛い太公望」 | VS | |
「緑の小人さんが転んだ」 | オカルト必殺技 | |
*緑の巨人よ、おおきくなれよ!* | 怪ラストワード | |
大漁「空中大回転漁法」 | Story | |
*幻の国ブレフスキュ* | Story |
交友関係
騒動の真の黒幕にして、彼女を利用した鬼人正邪との関係が取り上げられる。
今までの東方における5ボス、6ボスの上司・部下的な関係に留まらず、担がれた針妙丸すら正邪に騙されて利用されていたのである。おまけ.txtのキャラ設定にあった正邪に欺かれて利用される、という輝針城本編に至るまでの物語にもかなり想像の余地がある。
ちなみに、弾幕アマノジャク8日目の会話まで正邪と針妙丸に会話らしき会話が無かったため、正邪が針妙丸に対し敬語で話していた事には割と衝撃を受ける人もいたとか。
異変解決後は博麗神社に居候していた為、霊夢とのカップリングも多い。鈴奈庵での“疑似家族”的な微笑ましいやり取りに見られるように、割と良好な関係を築いていた事が何より大きいのかも。
深秘録では宇佐見菫子に(ペット候補として)気に入られた。針妙丸は菫子を「変態」と呼んでおり、出会えば捕獲の危機に晒される関係で菫子を苦手としている。しかしED後の菫子の性質上、捕獲出来るかは定かではない。
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お絵カキコ
(随時募集中・・・)
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関連項目
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