「乙女盛りに命を懸けて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか咲かせよか」
「有言実行三姉妹」
「「「シュシュトリアン!」」」
『有言実行三姉妹シュシュトリアン(ゆうげんじっこうしすたーず-)』とは、東映製作の特撮番組であり、東映不思議コメディーシリーズの第14作目にしてシリーズ最終作品である。
1993年1月10日から10月31日にかけて全42話がフジテレビ系列で放映された。
概要
『美少女仮面ポワトリン』から続く東映不思議コメディーシリーズの変身ヒロインもので、酉年の平和を守ることになった三姉妹の活躍を描く。名称の由来はフランス語で「かわいい」という意味のシュシュ(chouchou)と守(しゅ)をかけた「シュシュ」+酉年の「トリ」+形容詞語尾の「アン」。
シリーズ構成は毎度お馴染み浦沢義雄。美少女仮面ポワトリンからうたう!大龍宮城までは(ポワトリンの総集編を除き)浦沢が全話執筆していたが、本作では大原清秀、武上純希、鹿島とも子も脚本に参加している。
視聴率は決して悪くはなかったものの、『美少女戦士セーラームーン』の影響を受けた玩具の売り上げ不振が決定打となって酉年が終わる前に打ち切りとなり、同時に東映不思議コメディーシリーズも12年の歴史に幕を閉じた。
石ノ森章太郎生前最後のテレビ特撮作品にして、大野剣友会最後の東映特撮作品である。
花子役の広瀬がレギュラー出演していた『忍者戦隊カクレンジャー』では三姉妹が集合した本作のセルフパロディ回がある(関連動画参照)。また、東映作品でありながら本編中でウルトラマンと共演を果たしたことは有名である。
あらすじ
西暦1993年酉年、山吹家は年明け早々かねてより不仲だった両親が離婚寸前という危機に陥っていた。 気晴らしにカラオケボックスに向かった山吹家の三姉妹、雪子・月子・花子はそこで酉年を司る十二支の1人、お酉様に出会う。年末年始遊び呆けた結果カラオケ中毒になり酉年の平和と幸福を守れなくなったお酉様は、両親の円満と引き替えに三姉妹を"有言実行三姉妹シュシュトリアン"に仕立て上げた。 かくして、山吹家三姉妹の酉年の平和と家庭の円満を守るための戦いが始まったのだった。
登場人物
- 山吹雪子/シュシュトリアン雪子 (演:田中規子)
- 山吹三姉妹の長女。私立高校1年生の16歳で、血液型はO型。三姉妹のリーダー格で、シュシュトリアンとしての使命感は最も強い。
- 山吹月子/シュシュトリアン月子 (演:石橋桂)
- 山吹三姉妹の次女。私立中学1年生の13歳。占い好きな夢見る少女で、面倒見が良く優しい性格。ウルトラマンのファンという意外な一面もある。
- 山吹花子/シュシュトリアン花子 (演:広瀬仁美)
- 山吹三姉妹の三女。小学6年生(年度替わりで5年生から進級)で11歳。短気で男勝りなおてんばで、その上少しおばさんくさい。色恋沙汰には縁がなく、カメラ小僧の三馬鹿と関わることが多い。
- 山吹英三郎 (演:佐渡稔)
- 山吹家の父親で、飛鳥警察署走査二課に所属する刑事。お酉様の力で夫婦円満になってからも、女性関係で度々トラブルを起こす。
- 山吹恵 (演:日向明子)
- 山吹家の母親で、一般的な主婦。夫婦円満になる以前から上下関係では夫よりも優位に立っている。
- お酉様(おとりさま) (演:麿赤児)
- 年末年始遊び呆けてカラオケ中毒になってしまい、酉年の平和が守れなくなってしまった十二支の一人。カラオケボックスで偶然であった山吹三姉妹に両親の離婚回避と夫婦円満を条件に、1993年酉年の平和を守る使命を
押しつけた託した。 - フライドチキン男 (演:吹越満)
- お酉様の使いで、三姉妹にお酉様からの指令を伝える。白いシルクハットにピンクのジャケット、吊り上がった眼鏡と外見的胡散臭さは劇中でトップクラス。シュシュトリアンの味方であるが、時折己の欲望のために暴走したり妖怪の手下になったりすることもある。シュシュトリアンが決め台詞で言うことわざの解説役も担っている。
- 荒木秀樹 (演:石川秀樹)
- 加納晃一 (演:大崎晃一)
- 篠山雅宣 (演:広田雅宣)
- カメラ同好会を結成している花子の同級生3人組。眼鏡が荒木、特徴に欠けるのが加納、パーマで小太りなのが篠山。三馬鹿でトラブルメーカーというお約束なポジションで、事件の被害者となることもしばしば。ちなみに使用するカメラは荒木がフルオートのトラベルカメラ、加納がポラロイドカメラ、篠山が一眼レフである。
- 怪猫猫姫(かいびょう ねこひめ) (演:布施絵理)
- 十二支から外れた猫の怨みから生まれた妖怪にして、シュシュトリアン最大の敵。その怨みは宇宙征服を目指すまでに強くなっている。
- ETおばさん (演:柴田理恵)
- 本作における柴田枠で、宇宙の田舎から地球に出稼ぎに来ている宇宙人。しばしばあくどい商売に手を出すなどして騒動を起こし、それが原因でシュシュトリアンと何度も戦った。「息が臭い人間に悪い人はいない」と言うだけあってかなり息が臭く、攻撃にも用いられる。夫のET父ちゃん(演:篠田薫)や子供たちからは「ET母ちゃん」と呼ばれている。シュシュトリアンの敵の中で最も多く登場したキャラクター。
シュシュトリアン
お酉様に力を与えられた山吹三姉妹が変身する、酉年の平和を守る正義のヒロイン。「シュシュトリアン!」の掛け声と共に三人揃って変身アイテム・バルミラクルを付き合わせることで変身する。23話からはバルミラクルを付き合わせる前にそれぞれが「雪」「月」「花」の掛け声と共に専用のポーズを取るようになった。
正体を他人に知られた場合はローストチキンになってしまうが、知られてはいけない対象はあくまで普通の人間らしく敵の妖怪達は普通に知っていたりする。
序盤における名乗り口上は「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」のみだったが、14話から記事冒頭のものに変更された(黄色が雪子、藍色が月子、紅色が花子の台詞)。
アイテム・必殺技
- バルミラクル
- ペンダント型の変身アイテム。中央には宝珠が埋め込まれており、宝珠の色はそれぞれ雪子が黄色、月子が藍色、花子が紅色。変身前に危機が迫った際は鶏の鳴き声で他の二人に知らせ、あまりにも遠い場所にいる場合は近くに瞬間移動させたりもする。ちなみに「バルミラクル」という名称は玩具由来で、劇中では呼ばれていない。
- 紅のバトン
- シュシュトリアンの武器にして力の源。これが無ければ魔法を使うことはおろか、超人的身体能力を発揮することすらままならない。
- シュシュコンパクト
- 雪子専用のコンパクト型アイテム。洗脳を解くことができる。
- シュシュリップ
- 月子専用のリップスティック型アイテム。能力は物質変換から変装まで多岐にわたる
- シュシュコロン
- 花子専用の香水アトマイザー型アイテム。敵に吹きかけることで攻撃に用る他、自分に吹きかけることで変装することが可能。
- シュシュファイナル
- 最も多用された技で、上から雪子・月子・花子の順で重ねたバトンの先端から光線を放つ。効果は様々で、ものによっては固有の名称を持っている。
- 有言実行・紅つむじ風
- 猫姫に敗れたシュシュトリアンがお酉様との特訓で編み出した新必殺技。逆三角形に組み合わせたバトンが回転することで花弁を乗せたつむじ風を発生させる。効果はシュシュファイナル同様様々。
- 花乱れ打ち
- お酉様との特訓で花子が身につけた技。専用ポーズを取った後にパンチとキックの乱撃を繰り出す。
- 月ノ輪返し
- お酉様との特訓で月子が身につけた技。花乱れ打ちで飛ばされた敵に地獄車をかけ、さらに放り投げる。専用技の中では唯一単独仕様されない。
- 雪崩し
- お酉様との特訓で雪子が身につけた技。花乱れ打ち、あるいは月ノ輪返しで飛ばされてきた敵に跳び蹴りを浴びせる。
主題歌
OP「思いたったが吉日!」
作詞:佐藤ありす / 作曲・編曲:石川恵樹 / 歌:三姉妹(稲辺久美子、岩永雅子、徳垣とも子)
31話では英語バージョンの「Today is the day」が使用された。
ED「あなたには言えない」
作詞:宮沢和史、矢野顕子 / 作曲・編曲・歌:矢野顕子
31話・最終話ではOPの「思いたったが吉日!」が使用された。
関連動画
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関連項目
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