機械仕掛けのイヴとは、ninetailより発売されたアダルトゲームである。
概要
ninetailこと九尾の記念すべき第1作。
一応表向きの宣伝としては「淫具開発SLG」となっており、これだけ聞くと極普通のおバカ系抜きゲーのように思える。
が、その正体はEIとAI、模倣知能と人工知能という存在をテーマにした非常にシリアスな作品であり、
またロボットやブルドーザーや肉壁が所狭しと暴れまくる、バリバリの燃えゲーでもある。
特にティエラ・ファムルートの終盤の暑さはどこぞのニトロにも勝るとも劣らないほど。
では淫具開発の方はオマケなのかと言われればそうではなく、
75種類の色々とアレでソレな淫具達による、バリエーション豊かなHシーンを見ることができる。
その辺りのシステムは説明すると長くなるので割愛。
シナリオ
様々な技術産業で世界シェアNO.1を誇る企業『SHE(通称:シー)』社。
近年、不穏な企業へと変貌をしてゆくSHEの体質を嫌った主人公『井深 雅也(いぶか まさや)』は、
幼馴染の樹里が所属する『マッコイ・カンパニー(略称:M.C.社)』へと逃亡した。
M.C.はSHEとの技術提携を打ち切り、経営・技術競争によるSHE打倒に向けて動き出す。
利害の一致から雅也もこれに協力する形となり、一流のプログラマーとして高い暗号解析能力を持つ彼は、ある重大な役割を任される事となる。
一方、高度な人工知能技術も有する雅也は、SHEからも激しい追跡を受けており、
SHEとの闘いは苛烈さを極めていく事になる。
果たして雅也たちは、『SHE』との戦いに勝利できるだろうか――。
九尾の処女作である本作ではあるが、ストーリーは九尾のかつての親ブランドである、
「West Vision」が開発した「オゲレツ大百科」の続編ということになっている。
とは言え、前作を知らないと理解出来ない様な要素は極力排除されており、
知らない人でも特に問題なくプレイ出来るだろう。
勿論、知っていればニヤリと出来る要素はあるので、時間があれば先にプレイしておくのも悪くない。
カードバトル
本作品の特徴の一つとして、ジャンケンのシステムを取り入れたカードバトルがある。
基本は「West Vision」製のゲーム、「マシーナの輝石」から受け継いでいるが、
ゲーム性はほぼ別物と言っていいくらいにパワーアップしている。
基本的な流れ
カードにはグー、チョキ、パーの3種類が存在し、更に1~20の間で強さが決められている。
戦闘の流れとしては、
1:こちら側と敵が手札の中から同時に3枚のカードを出す。
2:出したカードの1枚目で勝敗を決める。
決め方は基本はジャンケンの3すくみで、あいこだった場合は数字の大きさによる。
3:勝ったほうがそのカードの強さに応じたダメージを相手に与える。
4:1~3までをどちらかのHPがなくなるまで繰り返し、最終的に生き残ったほうが勝ち。
となる。
この他にもスキルカードだとか、必殺技カードだとか、色々な要素が存在するのだが、
その辺は実際にやってみて確認して欲しい。
またこのカードバトルは、次回作である「天ツ風」でも採用されており、
そちらは本作より更に改良されており、一つの完成形と言ってもいいほどになっている。
登場人物
井深雅也
主人公。優秀なプログラマーで、SHE第3研究室の主任。
社の方向転換による軍需産業への参入に反発して脱走、ライバル会社であるM.C社に身を寄せる。
その後様々な事情を経て、樹里達率いるロッサムの打倒SHEという目標に協力することとなる。
普段は温和で知的なできる大人だが、淫具が絡むと途端に駄目人間と化す。
ティエラ
メインヒロイン。元は中学生だった雅也が作り出したハッキング用のサポートEI(模倣知能)であったが、
改良に改良を重ねていくうちに、世界ではたった1つしか存在が確認されていなかったAI(人工知能)へと進化した。
理由については雅也もよくわかっていない。
物語の開始直後は人格のみの存在で、体は存在しなかった。
が、脱走時に大怪我を負った雅也がM.Cに救われた際のゴタゴタで念願のボディを手に入れる。
以降はそのボディに備わっていた淫具の設計図の解読機能及び戦闘機能を生かして、ロッサムの主戦力として活躍していくことになる。
生みの親である雅也の役に立つことを存在意義としており、献身的で優しいパーフェクトメカ娘。
想定外の出来事に出くわすと途端に慌てふためき何もできなくなるが、そんなところも可愛いと思う。
樹里
SHE打倒のために立ち上げられた新企業、ロッサムの社長。
「M.C」の社長ジョナサン・J・マッコイの娘で、雅也とは小学生時代に勉強を教えてもらった仲。
超優秀な雅也をして、「天才」と言わしめる程の才能を持っており、ロストテクノロジーである筈の淫具を再現してみせ、
そこら辺の機械(作中では自動皿洗い機)程度なら即興で作り出したりもする。ついでに料理の腕もプロ並。
無軌道で無計画でノリだけで生きていると言われる快活な女性ではあるが、
その出生には大きな秘密が隠されており、それは彼女が打倒SHEを目指す理由にも少なからず関わっている。
平野 燈子
マッコイの命でロッサムに移った才女で、主にロッサムの事務処理を担当。
ロッサムメンバーの中では唯一の常識人であり、暴走しがちな周りを押さえる影の立役者。だが酒豪でもある。
年齢の事について触れるのは犯してはならないタブー。
かち割りますよ?
ファム
雅也が作り出したオーバーロード(SHEが作り出したアンドロイドの呼称)。本作のロリ担当その1。
ティエラとは違いEIであるが、桁外れに優秀なため非常に感情豊かである。
雅也のことを父と慕っており、SHE脱出の時も一緒に脱出する筈だったができなかった。
後にSHEのCEO、カールによって廃棄品であった秘石「機械人形の夢(ピノッキオズ・ドリーム)」を実験的に搭載されたことにより、彼女の運命は劇的に変化していくことになる。
なお、ロッサムに入った後は他3名の女どもと同様、淫具のモニタリングに参加することになる。
このゲームに登場する人物は全て18歳以上です。
近藤 一臣
ロッサム警備部長。
おおよそ人類とは思えぬ耐久力と再生力を誇り、地雷を踏もうが拳銃で撃たれようが即座に回復が可能。
その驚異の防御力から「肉壁」の異名を持つとか持たないとか。
非常にウザ……陽気な性格をしており、度々場違いな行動をかましては皆に無視されている。
とは言え本当に切迫した事態の時は大人しくしいる辺り、それなりに空気は読めるようだ。
恐らく本ゲームでの扱いの悪さは雑魚敵たるSHE警備員にも劣らないだろう。……いや、ある意味いいのか?
尤も、そんな彼だからこそたまに見せるシーンでのカッコ良さが光るのだと思う。
ついでに言うと、近藤という苗字の人物は以降の九尾作品全てにおいて出ていたりする。
ジョナサン・J・マッコイ
樹里の養父にして、ロッサムの現社長。
海軍帽、白コート、アロハシャツ、短パン、ビーチサンダル、そしてグラサンという絵に描いたような変人。
その真意は不明ながらも、樹里の打倒SHEの目標を全面的に支援している。
また、前作「オゲレツ大百科」に登場したマッコイの息子でもあり、主人公本間宗一郎とも顔見知り。
カール・ゴッドリーブ
SHEの現最高経営責任者。
元はドイツ支社のトップで、雅也とも一緒に仕事をしたことがある。
SHEを現在のような利益主義体制にした張本人ではあるが、その真意は本人以外は誰も知らない。
ちなみに声優さんは一臣と一緒。
イリア
カールが作り出したオーバーロード。本作のロリ担当その2。
無愛想で感情表現にも乏しいが、自分の父親であるカールと友達であるファムにだけは心を開いている。
秘石と呼ばれる特殊な動力機関を積んでおり、故に他のオーバーロードとは一線を画した進化機能を持つ。
行く行くは人間に限りなく近い特性を持つように設計されているが、感情を理解出来ないために進化できずにいた。
しかしファムとの触れ合いによって、自覚はないながらも徐々に変化していくこととなる。
また、「マシーナの輝石」のヒロイン、イリスとは名前だけでなく容姿までもが瓜二つ。
その理由が本作で明かされることはないが、調べてみればおおよそのことは検討がつくので、興味のある人はどうぞ。
ホムラ
SHE警備部長。
振動破砕デバイスを装備しているとはいえ、拳で超頑丈な隔壁を打ち破るという出鱈目な身体性能を誇る。
身長も190を超える巨漢で、こんなのと夜中に出くわしたら多分泣く。
前世がブルドーザーとは副隊長の弁。
とは言え、見かけこそおっかないが性格そのものは気さくで話しやすい。
脱走する前の雅也とは酒飲み仲間だった。
近藤 賢二
SHE警備部の副隊長。
色々と無理をやらかすホムラのフォローをしなければならない苦労人。
苗字からわかるように、一臣の弟である。
が、ちょっと頭がアレな彼とは違って非常に優秀。
睦月 凪
若くしてSHE本社の最高執行責任者となった才女。
カールとは敵対関係にある松中派に属している。
燈子と知り合いのようだが……?
また、意外にも戦闘に関しても中々の腕前を持っており、指揮官としても優秀。
「神崎流抜刀術」と呼ばれる剣術を巧みに操る。
九音
体を手に入れたティエラが夢の中で出会うことになる正体不明の存在。
外見はティエラに瓜二つだが、彼女のことを愚図と呼び、また人間のことも不完全な存在として馬鹿にしている。
イシュタル
SHE内部のとある陣営が開発した戦闘用オーバーロード。
殺衣の他、殺陣、殺器と呼ばれる兵器を装備し、圧倒的な火力を誇る。
しかし肝心のEIの方に難があるため、その戦闘力をフルに発揮することはできない。
とある事件以降、ティエラを執拗に狙うようになる。
おいそこ、負け犬とか言うな。
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関連項目
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