父の父、シンボリクリスエス以来の3歳での天皇賞(秋)、有馬記念制覇。
祖父・父に続きG1ジョッキーとなった鞍上と共に、新たな時代を創っていく。
エフフォーリア(Efforia)とは、2018年生まれの日本の競走馬である。
馬主は(有)キャロットファーム、所属はスクリーンヒーローで知られる美浦・鹿戸雄一厩舎。
馬名の意味はギリシャ語で「強い幸福感」。英語における同義語"Euphoria(ユーフォリア)"の語源にあたる。
主な勝ち鞍
2021年: 皐月賞(GⅠ)、天皇賞(秋)(GⅠ)、有馬記念(GⅠ)、共同通信杯 (GⅢ)
血統
父エピファネイア、母ケイティーズハート、母父ハーツクライという血統。
父はGⅠ4勝のシンボリクリスエスとGⅠ2勝のシーザリオのGⅠ馬同士を両親に持つ超良血馬で、気性難を抱えながら時折高いスペックを見せつけ最終的にGⅠ2勝を挙げた。種牡馬としても相変わらずムラっけが激しいのか、初年度産駒から三冠牝馬デアリングタクトを送り出す一方で、当たり外れが大きい所謂「ホームラン型」の種牡馬として注目を集めている。エフフォーリアはその2世代目の産駒にあたる。
母はダートで3勝を挙げた馬で、近親にはヒシアマゾンやアドマイヤムーンがいる。(詳しくは血統の項)
母父は競走馬として、かのディープインパクトに国内で唯一土を付けたことで知られる馬で、その後種牡馬としても実績を挙げ続けた。(2020年に引退済み)
"強き幸福"の来歴
誕生~入厩前
2018年3月10日に名門ノーザンファームにて生を受ける。上記の通り母馬は競走成績こそ振るわないながらも、近親に活躍馬が見られるそれなりの良血ではあったが、
- 半兄リオハの成績不調[1]や昨年種付けした*ダンカークとの配合が不受胎に終わるなど繁殖実績がお世辞にもいいとは言えなかったこと。
- この馬の配合が本来予定されていたものではなかったこと[2]。
- 同クラブ同期エピファネイア産駒では、更に母馬の血統や競走成績の点で注目を集める存在(マリアライトの18、のちのオーソクレース)がいたこと
など、これらの事情もあってかキャロットファームでの募集価格は「1口7万円×400口」の総額2800万円。総額1億超えも珍しくない同クラブの中としてはだいぶ安めの価格で募集をかけられた。
加えてトモ(後肢)を始めとした発達の悪さや運動を行う度に疝痛を起こすほどの体質の弱さなども問題視されて、イヤリング(1歳馬の育成牧場)では「血統は良いが緩い」、クラブ代表に至っては「印象がね、ないんですよ」と回顧文で言われるほどパッとしないポジションが定着してしまう。
結果ノーザンファーム空港牧場(2歳馬の育成牧場)時代で同厩(C-1)だったダノンザキッドや上記のオーソクレースとは対照的に、POGや雑誌はおろか生産・クラブ関係者にすら全く注目されないまま入厩までの時を過ごすことになる。
2歳(2020年)
ともあれイアリング・空港牧場での育成を経て、美浦の鹿戸雄一厩舎に入厩。長い目で成長を見つつ新馬戦の目処を決めることに。トモの問題から坂が無く走らせやすい札幌、ストライドの大きい体型から長い距離が良いだろうということで8月23日の札幌2000mでのデビューとなった。
それまで全くスポットの当たっていなかったこの馬であるが、デビュー前に見せた調教の良さや鞍上を担当することになった横山武史ジョッキーの騒ぎ具合から少し評判が立ち始めており(詳しくは余談・逸話の項)、当日おっかなびっくり1番人気に支持されることに。
肝心のデビュー初戦は、危なげなく中団から直線で早々と先頭に立ち押し切る正攻法の競馬で勝利を収める。武史騎手も「どれだけ活躍するか楽しみ」「馬が良すぎる」とますます期待を寄せた。
もちろんこんなに都合よく話が進む訳もなく、直後にエフフォーリアは体調を崩してダウン。幼少期から問題になっていた「非常に疲れが残りやすく消耗が激しい(=極めて体質が弱い)」という弱点が浮き彫りになったのである。これ以降陣営は体質の強化に念頭を置いて緩やかな出走計画を組むことに。
一旦外厩先のノーザンファーム天栄に放牧に出して再調整。OPレースの芙蓉Sなども次走案に挙がったが、最終的に11月の1勝クラス・百日草特別を選択。レースでは自身と同様に新馬戦を快勝したヴェイルネビュラがいたため2番人気に。本番ではやや引っかかりながら前走と同様に中団の外目を進む。4角で馬群が一団となった場面で一度は前を塞がれたが、直線半ばで前が空いたところを突っ込んで抜け出し1馬身1/4差をつけ勝利する。
この活躍を受けて、年末のGⅠホープフルステークスへの出走を検討する声が天栄から挙がったが、体質の面でこれを見送り放牧に出されることに。かつての同厩ダノンザキッドが他の同期と火花を散らして無敗で2歳チャンピオンに輝く一方で、エフフォーリアは1勝クラスを勝ったばかりでまだまだ世間にも認知されてはいない。表舞台に立つ事もなくひっそりと2歳のキャリアを終える事となった。
3歳(2021年)春
年明けて3歳となった初頭。2歳時に無理をさせずにローテに間隔を持たせた恩恵か、貧弱だったエフフォーリアの馬体は徐々に良化。ネックであった体質面も未だ弱いが、疝痛を起こして調教が出来なくなるようなことは減っていった。これを好機と見た陣営は京成杯と両睨みの末に、2月のGⅢ共同通信杯へ出走を決定。
朝日杯フューチュリティステークス2着のステラヴェローチェなど好メンバーが揃い、2戦2勝で3ヶ月ぶり出走のエフフォーリアは4番人気にとどまった。しかし道中はスローながら4番手でしっかりと折り合い、直線で外から突き抜けて2馬身半差の圧勝。武史騎手はGⅠかと見紛うガッツポーズ、鹿戸師も「完璧」と絶賛する走りで一躍クラシック戦線の有力候補となった。
共同通信杯の勝利によって、存分に余裕を持った状態で迎える事が出来たGⅠ皐月賞。
弥生賞で土がついたとはいえ、未だに人気の根強いダノンザキッドに続く2番人気に支持され、奇しくも隣り合う4枠7番からの出走となった。
前日の大嵐からの回復途上で稍重の馬場だったが構わずインに進路を取り、ダノンザキッドを見る4番手に落ち着く。1000m60秒3の淡々とした流れの中でじっと待ち、4角からそのまま内を突いて抜け出すと段違いの手応えで伸び、後続を突き放す一方。結果、2着に3馬身差をつける圧勝で史上19頭目の無敗の皐月賞馬となった。
青嶋達也「先頭エフフォーリア、騎手・横山武史とエフフォーリアが先頭だ(中略)だが、抜けた。エフフォーリア、騎手・横山武史、クラシック制覇!!!
エフフォーリア゛ァァ!!!」
武史騎手はデビュー5年目で念願のGⅠ初勝利、インタビューでは開口一番「最高です!」と声を弾ませ、かたや鹿戸師も開厩1年目に管理したスクリーンヒーロー以来のGⅠ勝利、と陣営を湧きに沸かせる大戦果を掴み取った。
次戦のGⅠ東京優駿(日本ダービー)では、内枠有利とされるなか1枠1番を勝ち取る。更に桜花賞2着の2番人気サトノレイナスや毎日杯2着の3番人気グレートマジシャンなど有力ライバルが軒並み外枠行き。前走での圧勝もあって、こうなると下馬評ではもはや一強状態に。最終的には1番人気単勝1.7倍と圧倒的な支持の中でレースを迎えることに。。
レース本番ではパドックの段階から落ち着かない様子を見せるエフフォーリア。中盤まで囲まれるも終盤何とか先行好位置についてチャンスを狙う、最終直線に入り前が空いた瞬間に抜け出す。
「これは皐月賞の再現!二冠は貰った!!」「最年少ダービージョッキーの誕生か!?」と思われたその時であった。ステラヴェローチェではない…サトノレイナスでもない…だが以前どこかで見た馬がすごい勢いで内から突っ込んできた!!
その馬は共同通信杯で3着に破った馬、シャフリヤールであった。あの敗戦後、皐月賞への出走を諦めて毎日杯に向かい、レコード勝利の勢いでエフフォーリアに逆襲せんとダービーに乗り込んできたのである。府中の長い直線でそのまま凄い末脚で捉えにかかえるシャフリヤール、負けじとばかりに勝負根性を振り絞るエフフォーリア。2頭揃ってレース中最速の上がり3F33.4秒でゴール板を揃って通過。タイムは2:22:5。文句なしのレコード更新である。
後続も甲乙付け難いなだれ込みを見せ、掲示板に写真判定が3つ並ぶほどの大接戦の結果はハナ差。約10cmの違いで僅かに届かず2着と敗れた。シャフリヤールとハナ差のエフフォーリアも当然レコードタイムで駆け抜けたわけなのだが……。それでも勝てない事があるのが競馬の難しい所である。
3歳(2021年)秋
惜敗の悔しさもまだまだ残る中、7月中旬頃に調教師やオーナー、天栄場長で協議。
「(血統的に距離が持たないわけではないが、)阪神の3000mよりどのみち古馬と戦わなければならないのだから、東京2000mに向かうほうがいいだろう[3]」「(秋の間にはまだ)何回も使える馬ではない[4]」という結論になり、秋ローテは天皇賞(秋)と有馬記念の2戦に決定。まず天皇賞(秋)に向かうことに。
天皇賞(秋)では、何としてでも年内引退を前に古馬GⅠを獲りたい無敗三冠馬コントレイル、3階級制覇を目指す短距離統一女王グランアレグリアの大阪杯の雪辱を果たさんとばかりに出走してきた2頭を始めとして相応の面子が出揃うことに。前評判はコントレイルが1番人気(単勝2.5倍)、グランアレグリアが2番人気(2.8倍)となり、エフフォーリアはそれに続く3番人気(3.4倍)と拮抗。4番人気以下は2桁オッズになったので、この3頭のみ頭一つ抜けたまさに三強対決の形相を呈していた。
小雨が降るも良馬場で迎えた本番、5番枠からスタートを決めたエフフォーリアは先行策をとったグランアレグリアを見るように中団前目の位置を確保。背後からコントレイルに睨まれ続けるポジションではあったが無理なく追走し、直線で外から追い出されて徐々に進出。残り1ハロンでグランアレグリアを抜き去り、メンバー中最速の末脚で迫り来るコントレイルにも1馬身差のキープを保ち続けて勝利。GⅠ2勝目を挙げた。
3歳馬の天皇賞(秋)勝利は本馬の父父であるシンボリクリスエス以来19年ぶり。鞍上の武史騎手は1969年にメジロタイヨウで制した祖父の横山富雄、そして2009年にカンパニーで勝った父の典弘に続き親子三代での天皇賞(秋)制覇となった。
天皇賞(秋)の後負傷し、仕上がりや耐久の点で問題を抱える[5]という割とシャレにならないアクシデントを挟みつつ、一応予定通りにGⅠ有馬記念へと出走。
レース前の人気投票ではラストランを迎えるクロノジェネシスを抑え、史上最多得票数(26万742票)[6]で1位に選出。天皇賞(秋)の先週に横山武史騎手を背に菊花賞馬になったタイトルホルダー、神戸新聞杯を勝ちクラシック3冠で全て掲示板内に入ったステラヴェローチェともダービー以来の対決となった。
迎えた2021年12月26日の第66回有馬記念当日。単勝オッズ2.1倍、複勝オッズ1.1倍〜1.3倍という1番人気に推された。引退を迎えるクロノジェネシスも2番人気の単勝2.9倍と、これら2頭を中心に490億円を越える馬券が発売されていった。
レース本番では差しの競馬を選択し、前半は9番手ほどの中団につける。ただ、ハナから飛ばすパンサラッサ(最初の1000mが59.5秒というハイペース)など先行する馬が多かったため、4コーナー付近まで力を溜めクロノジェネシスをマーク。そこからクロノジェネシスをブロックする形で位置を上げ、残り150m付近で一気に先頭に立ち、ディープボンドが食い下がるもそこからさらに脚を伸ばしてゴールイン。見事ファンの期待に応え世代の頂点に立った。
皐月賞・天皇賞(秋)・有馬記念と1年で数々のビッグタイトルを掴み取ったエフフォーリアの活躍は2021年のJRA賞でも高く評価され、ダービーで鎬を削ったシャフリヤールを差し置いて満票で最優秀3歳牡馬、それだけには収まらず年度代表馬にまで選出されることに。3歳牡馬による年度代表馬選出は2011年にクラシック三冠馬となったオルフェーヴル以来10年ぶりとなる一大快挙であった。
所有するオーナーに「印象に残らない」とか言われたり、同期の他の馬にばかり注目されていたりと、幼少期は全く気にもされていなかったエフフォーリアであったが、2歳までの雌伏に3歳春の台頭・惜敗からの再起を経て、今や誰もが認めるトップホースへと躍り出たのである。
管理する鹿戸師も自身のツイッターで「彼は名前の由来通り私に強い幸福感を与えてくれました。ありがとう。」と感極まったコメントを述べている。
4歳(2022年)春
疲労の抜け具合や今後の身体・体質面の成長を加味して「今年一年は国内に専念する」「大阪杯から宝塚記念を経て、可能ならば秋古馬三冠を狙いたい」という方針の下、始動レースとしてGⅠ大阪杯を選択。
レース前の有力馬との代表とされたのはここまで逃げで五連勝、更に金鯱賞をレコード勝ちで勢いに乗る4歳馬のジャックドール。その他には去年の覇者レイパパレ、有馬記念でも顔を合わせたアカイイトといった面々も挙げられていた。その中でエフフォーリアは、関西への初輸送や同レースでの関東所属馬の成績の悪さという不安が囁かれつつも、2000mは絶好の距離ということや実績もあって最終的には単勝1.5倍の1番人気に押されることに。
小雨が降る中で本番を迎えた大阪杯。開催の前日から現地入りしていたエフフォーリアには陣営やファンが心配していた輸送での極端な痩せは見られるどころか、プラス6キロととても余裕を持った感じ。ダービーの時のようにパドックで掛かりまくって暴れる様子もない。物凄くゆったりとした感じですらある。
「これは輸送成功かな?」と何となく勝利ムードすら漂ってすらいた、がレース目前になるとエフフォーリアの様子がおかしい。気合を入れるはずの返し馬でもイマイチぎこちない動きを見せて、その後もボーっと周りの馬や人を見つめてあまり動こうとしていない。
「……これ落ち着いてるんじゃなくってまさか…」観客たちの不安と期待が入り混じる中、スタートが切られた。ジャックドールを意識していた鞍上の横山武史騎手は早々に前目に促したがエフフォーリアの強みである操縦性が妙に鈍い。気が付けばズルズルと中段の位置まで後退してしまう、それならばと中段に控える形でレースを進めた。しかし1000m辺りからいつもなら勢い良くズバッとまくって行くエフフォーリアには全く動く姿勢が見られず、ジョッキーがいくら促しても4コーナーがいよいよ迫っても手応えが悪いまま。皐月賞や天皇賞(秋)で繰り出した突き放す末脚もダービーや有馬記念の食い下がる勝負根性も一向に気配がない。
直線に入っても変わらず、ゴール前でポタジェやレイパパレ、アリーヴォらが激戦を繰り広げる中、見せ場も作れないままポタジェの9着と惨敗してしまった。鹿戸師曰く、どうもスタート前のゲート内で突進して顔を怪我していたとのこと。また武史騎手曰く「(今回は輸送で直前に乗れなかったので、)ピリッとさせる返し馬をしたが、既に動きが重くてメリハリがなかった」「枠の両脇が牝馬だったせいか鳴きながらゲート入りしていたらしい」とのことで、陣営はこれらを総合して「初めての長距離輸送・競馬場・ハイペースなどの複合的な要因が重なり今回の結果に繋がったのでは」と結論付けた。
こうして開幕早々、大接戦のダービーの時とは違った大敗を味わうことになったエフフォーリア。何だか気が抜けたようなメンタル面はともかく、不幸中の幸いと言うべきか身体の方に致命的な故障は見られなかったようで、天栄に放牧に出しつつも予定通り次走はGⅠ宝塚記念を目標としている。
宿敵のダービー馬シャフリヤールはドバイシーマクラシックの大舞台で偉業を達成。菊花賞馬タイトルホルダーは天皇賞(春)でディープボンドらを7馬身差千切り捨て、双方共に世代の実力を証明している。そんな彼らの中で最優秀3歳牡馬と年度代表馬の座を掴み取った彼の実力だってこんなもんじゃないはずである。再び阪神の地であの輝きと走りに期待したい。
余談・逸話
- 主戦を担当する相棒・横山武史ジョッキーとの縁はエフフォーリアのデビュー前から出来ていたもののようで、彼は滞在していた札幌での調教追切が本格的になった際、知り合いの記者に対して「今乗った鹿戸厩舎の新馬走りますよ。覚えといてください」「重賞でも勝ち負けっすね」
とすっかり惚れ込んで触れ回っていた姿が確認されている。
のちに21年有馬記念の前に当人が語った所によると「(当時の自分はウインマリリンで重賞を1勝したばかりだったから表現を留めたが、)本当は『G1を狙える馬』って言いたかった。」と表現を改め直している。なんじゃそら。
- とは言っても武史ジョッキーがエフフォーリアの騎手としてそのままデビュー戦に乗るキッカケとなったのは、全くもっての偶然で、最初に任せようと思ってた三浦皇成は新潟に居て、次に任せようと思っていたC.ルメールは同じレースで先約があったから、調教担当して貰ってた彼にそのままお願いした
というあまりにみもふたもない理由だったりする。
デビュー前のエフフォーリアの期待値の低さもあったとはいえ、その当時重賞1勝したばかりの彼が任されたエフフォーリアとの二人三脚をきっかけに他の馬でもGⅠ戦線で活躍を見せるようになった辺り、世の中どうなるか分からない物である。 - 記事でもある通り、この馬がハナ差で勝ちを逃したことや父・父父・母父と揃って日本ダービー2着であったことから「ダービー2着の呪い」だとか、同じく4頭とも古馬初戦の阪神競馬場のレースでコケていることから「阪神の呪い」といった具合にと何かとかこつけてネタにされることが多い。
ただ一方で3歳での天皇賞(秋)や有馬記念などプラス方面でも語られる場面もあったり、これに関しては血統が付いて回る競走馬の宿命と言えるのかもしれない。 - エフフォーリアを管理する鹿戸雄一調教師は、ジョッキー時代に父父にあたるシンボリクリスエスの調教に関わっていたり、同馬の管理をしていた藤沢和雄厩舎での修行や遠征同行などの経験がある。そのためかこの馬の身体つきや体質の弱さ、成長傾向を語る際にシンボリクリスエスを引き合いに出す場面も多々見られたり。
そんなシンボリクリスエスの直孫にあたるこの馬が天皇賞(秋)で藤沢師の最後の傑作ともいえるグランアレグリアを打ち破り、同時に悲願であった3階級制覇を阻止したというのは、これまた競走馬の宿命ならぬ師弟の宿命なのだろうか。 - 全体的に厳つい身体つき、斜視気味の片目などもあってレース中は全体的におっかなそうな印象を与えるエフフォーリアだが、馬房や厩舎などでは別の馬のように気が抜けた光景を見せており、特に差し出されたにんじんを苦戦しながらかじりつくもまともに食べられない姿は、厩舎やメディアでしょっちゅうネタにされてしまっている。
血統表
エピファネイア 2010 鹿毛 |
*シンボリクリスエス 1999 黒鹿毛 |
Kris S. | Roberto |
Sharp Queen | |||
Tee Kay | Gold Meridian | ||
Tri Argo | |||
シーザリオ 2002 青毛 |
スペシャルウィーク | *サンデーサイレンス | |
キャンペンガール | |||
*キロフプリミエール | Sadler's Wells | ||
Querida | |||
ケイティーズハート 2009 鹿毛 FNo.7-f |
ハーツクライ 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アイリッシュダンス | *トニービン | ||
*ビューパーダンス | |||
*ケイティーズファースト 1987 鹿毛 |
Kris | Sharpen Up | |
Double Sure | |||
Katies | *ノノアルコ | ||
Mortefontaine |
クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%), Hail to Reason 5×5(6.25%)
- 3代母Katies(ケイティーズ)はアイルランド生まれの競走馬。GⅠを2勝するなど中々の活躍を見せた後に、紆余曲折を経て「ヒシ」冠名で知られる阿部雅一郎オーナーが購買。阿部オーナーのもと生産され日本で走ったヒシアマゾンなどの活躍により、阿部オーナーが購買する前の産駒である*ケイティーズファーストなども輸入されるに至った。
この牝系からはそのほかアドマイヤムーン、スリープレスナイトなど日本で活躍した競走馬が多く輩出され、また根付きつつある。→ケイティーズ
関連動画
皐月賞のゴール時、フジテレビの実況担当だった青嶋達也アナウンサーはエフフォーリアの名前を大絶叫していた。これがあまりの大声だったため、隣で実況していたNHKの実況にも彼の絶叫がはっきりと音声に混じってしまう珍事が発生している。
同様の事例は有馬記念の実況においても確認されている。
関連コミュニティ・チャンネル
関連リンク
関連項目
- 競馬
- 競走馬の一覧
- 横山武史(主戦騎手)
- エピファネイア(父)
- シンボリクリスエス(父父)
- ハーツクライ(母父)
- 2021年クラシック世代
- コントレイル(前年無敗皐月賞馬にして無敗三冠馬、天皇賞秋で対戦)
脚注
- *中央で1戦、転厩した地方で8戦の全9戦0勝。後に行方不明に。
- *17年の種付けシーズン当初では*ヘニーヒューズがケイティーズハートに宛がわれたが結果は不受胎。その後代わりにエピファネイアが宛がわれて18年に生まれてきたのがこの馬になる。
- *『優駿』2021年11月号から引用、カッコ内は編集者による前後分の要約・補足。
- *註3に同じ。
- *レース後厩舎から放牧先の天栄に向かう際に、馬運車内で落鉄して蹄を負傷。治療にそれなりの時間を要した上、有馬記念本番はエクイロックス(接着装蹄)での出走を余儀なくされた。
- *ただし、これは前年の2020年から投票形式が全面的にネット投票に切り替わった影響も大きいと思われる。
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