Oculus Quest / Meta Questとは、Metaが開発・販売する手軽かつ本格的なVR・MRヘッドセットである。
Oculus Quest 2以降の後継機についてもこの記事で記述する。なお、Oculus Quest 2はFacebookの社名変更に伴い2022年からMeta Quest 2へと名称が変更され、以降MetaのVR製品は「Meta Quest」ブランドでリリースされている。近年では高額化するPS5に嫌気が差してVR機器を選ぶようになった子ども達も居るとかいないとか・・・。
概要
PCや外部カメラなどの機器を必要としない、スタンドアローンなVRデバイス。ケーブルから解放された自由なバーチャル体験を楽しめる。AirLinkでPCとつなぐことで本格的なVRも楽しめる。
専用プラットフォームのMeta Horizonストア(旧:Questストア)では厳正な審査をくぐり抜けた良質なVRアプリのみが多数販売されている。「Beat Saber」や「SUPERHOT VR」のような定番ゲームから「Vader Immortal」(スターウォーズ作品。全三部)、「Robo Recall: Unplugged」といったOculusオリジナルタイトルまで幅広く展開中。支払い方法は現在クレジットカード、デビットカード、PayPalのみとなっている。そのうちWebMoneyみたいなプリペイドにも対応してくれませんかね。
非公式なものでは「SideQuest」というサイドローディングソフトでPCからQuestへ非認可アプリをインストールすることが一応可能。扱いは自己責任で。
Oculus Quest(初代)
Oculus VR社より2019年5月21日に64GB版(49,800円)、128GB版(62,800円)が発売された。同時発売された製品には名高いオリジナル版Oculus Riftの後継機、Oculus Rift Sがある。
初期設定にはスマートフォン向けOculusアプリが必要。
前年に発売された同じスタンドアローン型(オールインワン型)のOculus Goがあるが、主に動画向けだった同機に対してより高性能なゲーム向けヘッドセットとして位置付けられている。3DoF(degrees of freedom)で首の動きのみしか検知できなかったGoから、本格VRゲーミングで主流の6DoFに進化、プレイエリア内の自由な移動が可能となった。プロセッサのパワー、コントローラーなどのパフォーマンスも当然向上している。
親会社であるFacebook責任者マーク・ザッカーバーグにより2016年に開発が公表された際のコードネームは「Santa Cruz」。
スペック
SoCはQualcommのSnapdragon 835、RAM 4GBを搭載。
ファンによる放熱で、同チップを搭載するスマートフォン(だいたいXPERIA XZ1あたり)以上のパフォーマンスを引き出せるという。
両目の有機ELディスプレイは1440×1600という高画質で、リフレッシュレートは72Hz。本体下部左のスライダーで瞳孔間距離を調整できる。眼鏡の人のためにスペーサー(距離を確保するカバー)が同梱されており。サードパーティ製の度付きレンズを装着することもできる。
スピーカーとヘッドホンの中間のような内臓ステレオの音質は良好で、ワイヤレスVR体験の助けとなっている。一応両サイドにイヤホンジャックがあり、純正の左右独立インイヤーヘッドホン(イヤホン)も発売されている。
Rift Sと共通の第二世代Oculus Touchコントローラーが高度なトラッキングを可能にしている。
弱点としてはオールインワンゆえの重量増加がある。初代Oculus Riftの470gに対し100g多い571gとなっており、前面に偏った重心バランスにより動いている間にズレが生じる、本体下部から圧迫感を覚えるなどの弊害がある。これらはサードパーティ製のヘッドバンドアクセサリなどにより解決できるかもしれない。また、この欠点に着目した「VR Balance」というカウンターウェイトのKickstarterが成功を収めている。
アップデートでPCとのUSB接続をも可能にするOculus Link、ハンドトラッキングなどの機能が追加された。
Oculus/Meta Quest 2
2020年10月13日に64GB版(税込37,180円)、256GB版(税込49,280円)が発売された。これと同時にOculus Quest(初代)とOculus Rift Sの販売終了が告知された。
接顔パーツの変更に伴い一時的に販売停止した後、2021年7月27に64GB版が値段据え置きのまま128GB版にパワーアップした。
解像度やリフレッシュレートは初代から順当に進化、初代のアプリケーションはQuest 2でもそのまま利用可能である。また、日本での販売に力が入れられており家電量販店の店頭での体験・購入も可能となった。
2022年8月1日に値上げが行われ、128GB版が税込59,400円、256GB版が税込74,400円となっている。
Quest 2からOculus製品の利用にFacebookアカウントが必須となったため、その点は批判が多い。
元々Facebook自体に反感を持つ層が多かったことに加え、Quest 2の発売時期にFacebookアカウントの誤BAN報告が多発したことはQuest 2普及の足を大きく引っ張ったと指摘されている(Quest 2の発売時期に行われていたアメリカ合衆国大統領選挙のデマ拡散を行うためのダミーアカウントの取り締まりに巻き込まれたと推測されているが真相は定かではない)。
Oculus Quest 2内で本名を表示しない設定は可能。このあたりは独禁法違反だとして裁判にまで発展したが敗訴、しかしこれについてMeta社も思うところがあったようで2022年8月からは、MetaのVRヘッドセットなどのデバイスにログインするためのアカウントとして「Metaアカウント」の提供が開始されている。
プレイステーションに変わって子供のゲーム機として使われている場面も時々見かける。
スペック
SoCはQualcommのXRプラットフォーム向けSoC”Snapdragon XR2”(Snapdragon 865をベースとしているらしい)、RAM 6GBを搭載。
ディスプレイ解像度は1832×1920と初代から更に進化。リフレッシュレートはアップデートにより120Hzに対応し、より没入感の高い体験を得ることが可能となった。
重量は503gと初代と比べ70g近く減少。純正のヘッドバンドアクセサリも2種類登場し、重心の問題に公式の解決法が用意された。バッテリー搭載モデルを使用することでバッテリーの持続時間を倍増させられるというおまけ付きである。(VRChatの場合バッテリー持続時間を倍増させた場合1時間ちょいくらいで充電の警告が出ていたのが3時間近く経ってようやく充電の警告が出るくらいにまで改善している)
一方でディスプレイが初代の有機ELから液晶に変更になっており発色はやや悪くなっている他、瞳孔間距離の調整は無段階調整だった初代とは違い3段階のみとなっているなどグレードダウンした箇所も少なからず存在する。
初代に引き続きハンドトラッキングやOculus Linkを使用してPCVRでの利用も可能。また、アップデートでPCとの無線接続が可能になるAir Link機能が追加された。
またアップデートによりジェスチャーコントロールが出来るようになったとか
反応と展望
Questの売り上げは好調で、2019年にVR機器の半数をスタンドアローン型が占める、OculusのVRコンテンツの売上高が急上昇するなどの現象の牽引役となった。批評的にも多くのレビューサイトや一般消費者から高い評価を得ている。日本でも売れて話題になっているので、どうか純正ブラウザの日本語入力対応を早く… 対応しました。
OculusのCTOジョン・カーマック氏はQuestをポータブルゲーム機として、Nintendo Switchとの競合を視野に入れている。
低品質なVR体験を世間にバラまいたスマホVR(いわゆるCardboard系)、高価で手間のかかるPCVRやPSVRに対して、箱から開けて数ステップで本格VRの世界に飛び込めるスタンドアローンVRの決定版であるOculus Questは、これから多くの人々を未来へ導くクールなガジェットとなるだろう。家族や知人へのプレゼントにもぴったりだ!
Meta Quest Pro
2022年10月より発売。Quest 2の後継ではなく、新たに設定された上位の製品で、ディスプレイ部を薄型軽量化したほか、バッテリーを後頭部に配置して装着時のバランスを改善している。[1]
Meta Quest 3
2023年10月10日に発売。価格は128GB版が74,800円(販売終了)、512GB版が96,800円→81,400円。
Meta Quest 2の後継機で、Quest 2との比較で本体サイズが約40%スリムになったほか、Quest2ではモノクロだったパススルー機能が強化され、カラーパススルーに対応。MR(複合現実)分野の機能向上がみられる。
スペック
Snapdragon
Meta Quest 3S
2024年10月にMetaから発売されたVRヘッドセット。価格は128GB版が48,400円。
Quest 2とQuest 3の中間的製品として位置づけられ、米国では300ドルという安価な価格で販売される。Quest 3と同じチップセットを使用しつつ、Quest 2のフレネルレンズを使用することでコストを抑えている。
カラーパススルーにも対応しQuest 2ではできなかったMR(複合現実)体験もできるようになった。
VR入門機としてのコストパフォーマンスに優れるモデルとなっているが、Quest 3との最大の違いであるレンズの差を許容できるかどうかは、実際に店頭で比較したうえで選ぶとよいだろう。
関連項目
外部リンク
脚注
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