『サマーカーニバル'92 烈火』とは1992年7月17日にナグザットから発売された縦スクロールシューティングゲームである。開発はKID(ゲーム会社)。
自称「スーパーハードシューティングゲーム」。最大の特徴は異常な量の敵数であり、1面開始直後からすでに一隊10機を超えるような雑魚編隊が画面を埋め尽くしてくる。しかもそのスピードが見てから回避するのが困難なほどに高速で、初プレイ時は「気付いたらやられていた」ということもザラである。
また本作はFCの限界に挑戦した作品とも言われており、多関節アーム、曲線ホーミングレーザー、大量のスプライトを繋げた蛇型中ボス、ステージ後半丸々背景2重ラスタースクロール等、もはややりたい放題な内容となっている。
システム面における特徴としてはメインショットを撃たないでいると溜まっていくプラズマエネルギーによるバリアとそれが最大の状態の時に撃てるボムが挙げられる。ボムの弾数には制限がなく、これが非常に強力なので、敵をかわそうと下手に動き回るのではなく画面中央下側で待機しオプションを撃ちつつボムを使い続けるというのが基本的な攻略法となる。
そのまさに“烈火”の如き敵の猛攻、妙にノリの良いテクノ系BGM、ラスタースクロール等による派手な演出の数々は発売当時においてはかなり斬新な物であり、半ば制作陣は狂っているんじゃないかと思わせるほどにゲーム全体が異様な雰囲気を放っている。その激しい敵機の攻撃などから「FC屈指の激ムズシューティング」のように扱われることもあるが、実際にはシステムを理解すればパターン化自体もさほど難しくなくシビアな操作が要求される場面も少ないので比較的攻略しやすい部類に入ると思われる。
タイトルの“サマーカーニバル”とは、ハドソンが行っていたゲーム大会「ハドソン全国キャラバン」に対抗して開催されたナグザット主催のゲーム大会の名前である。1991年から1993年各年の夏休みに全3回開催され、本作はタイトルの通り1992年サマーカーニバル用に製作されたソフトである。なお92年大会はPCエンジン部門の全国ツアー大会とFC部門の小売店大会の同時開催となっており、PCエンジン部門には『サマーカーニバル'92 アルザディック』が使用された。
前述の通り従来のSTGの常識とは全く異なる性質を持っており、強力なボムなどのシステムを理解していないと一瞬で敵の物量に圧倒されてしまう。そのため少し触れた程度では「攻略不可能なクソゲー」と捉えられてもおかしくはなく、当時のプレイヤー達に難易度が異常に高く感じられたのではないかと推測される。 『ファミ通』のクロスレビューでも「弾が多過ぎる、やりすぎ」「グラの処理も消化不良」「メモリーをケチったんじゃないか」等々評価は芳しくなく、点数も40点中19点であった。さらにその頃はスーパーファミコンなどの次世代ハードへの移行期でもあったということもあり、それらが相まってかほとんど売れなかったらしく、90年代後半までは中古屋の100均ワゴン内に転がっていることも珍しくなかったと言われている。
1998年にゲーム雑誌『ユーズドゲームズ』(1998年夏号)にて絶賛の記事が掲載され、さらに2000年の中頃に『ゲーム批評』、2001年年末には『continue』にて立て続けに紹介された。これらがきっかけで一躍有名になり、元々の流通量の少なさもあいまってプレミア化、現在では箱なし・取説なしでも1万円近い価格で取引されるほどのプレミアソフトとなっている。
ファミコンのスプライト表示可能数は8×8ドット64枚、すなわち16×16ドットのキャラ16体分までなのだが、スプライトを高速で点滅表示させることにより敵だけで30体以上画面内に表示させている(裏5面終盤のレーザー部隊、裏7面の逆スクロール中の陳列砲台エリア等で顕著)。その結果チラつきが激しく画面が見づらくなってしまっている。他にも癖の強いSTGであり決して初心者向けとは言い難いことや、やや荒削りな印象を与えるところもありその点において評価が分かれている。
しかし、画面中に大量・高速に現れる敵機によるスピード感や、それに撃ち負けない自機の連射能力で敵を次々破壊していく爽快感、さらには毎フレーム全BG描きかえによるボム表現や中ボス撃破後の突然の超高速逆スクロールなど演出の派手さはファミコン作品としては屈指のものであり、そこに魅了されるプレイヤーも多い。
DPCMによるアシッド調の音を中心としたダンサブルなミニマルテクノの数々もまたこのゲームの異質さを際立たせている。これらの作曲は塩田信之氏によるものであり、ゲーム発売から13年経った2005年にサントラ化された。
発売20周年となる2012年12月12日にはニンテンドー3DSのバーチャルコンソールにて復活を遂げた。
Wii・Wii Uでは購入できないので注意。
3DSのバーチャルコンソール版は一度クリアすると難易度が上昇した裏面(通称:裏烈火)で始められる状態が保持されてしまい、リセットしても通常の状態に戻らない。この場合はVC烈火起動中に3DSの本体電源ボタンを押して強制終了(シャットダウンするかメインメニューに戻るかの画面が出る)を行うと、ファミコンの電源を切ったのと同じ効果になるがハイスコアもリセットされる。もしくは後述のステージセレクトコマンドでステージ番号非表示か01に設定するとハイスコア保持のまま表烈火に戻す事が可能。
元々烈火の裏面出現条件がスタッフロール後にリセットする必要がある為、バーチャルコンソールのリセットコマンドでも保持されてしまう仕様になったと思われる。
人類は銀河系を統一し、銀河連邦政府はアンドロメダ系共和国と同盟を結びつつあった。 突然、アンドロメダ系共和国は、トロン星雲から飛来したと思われる数万隻の宇宙艦隊から奇襲を受けた。 交戦30日、アンドロメダ連合艦隊は壊滅状態に陥る。銀河連邦政府は第一次援軍を送った。しかし、たった2日で殲滅される。 そして、謎の宇宙艦隊は銀河系にも侵略を開始、銀河連邦軍は必死で抵抗を試みるも空しく敗戦。 敵艦隊は地球に迫ろうとしていた。すでに失った艦艇1200隻、死者320万人、武力の差は歴然な状態を表していた。 いま、地球から一機の戦闘機が飛び立とうとしていた――最新鋭巡航戦闘機RECCA――人類の生存のすべてを託して。
説明書より引用
Bボタンでメインショット、Aボタンでオプションによるサブショット。どちらも押しっぱなしでオート連射となる。セレクトボタンで自機速度を調整可能(5段階)。
メインショットを撃たないでいると機体前方にプラズマエネルギーがチャージされていき、最大の状態でBボタンを押すとプラズマボンバー(ボム)を撃てる。このチャージ中のプラズマエネルギーはバリアの役割も持ち、小型弾程度であれば防ぐことができる(ただし敵機・貫通弾は防げない)。ボムは大抵の敵弾はかき消せ、持続も長いので爆風を設置するように使うこと(いわゆる置きボム)が可能である。ボムの弾数に制限はない。
残機の上限は(残機アタックモード時を除き)7機まで。残機数は1upアイテムによってのみ増え、点数によるエクステンドはない。またコンティニューもない。
通常の通しプレイであるノーマルモード、100万点到達までの時間を競うタイムアタックモード、2分間でどれだけ点数を稼げるかを競うスコアアタックモード、開始残機49機からのクリアまでの残機数を競う残機アタックモード(隠しモード、後述「裏技」の項参照のこと)の4つのモードがある。
ステージ数は1周目全4面だがスタッフロール後の「TO BE CONTINUED...」の画面でリセットすると、タイトル画面が変化し裏面の1~7面が登場する(通称“裏烈火”)。ステージ構成が1周目とは大きく異なり敵の攻撃も更に苛烈になる。ちなみに大抵の場合は5面中盤過ぎたあたりでスコアがカンストしてしまう。
永久パターン防止のために制限時間が設けられており、一定時間を越えると強制的にゲームオーバーとなる。このカウントはポーズしても止まらない(3DS版はHOMEボタンでソフトの一時停止が出来るので長丁場となる裏烈火でカウントを気にする事なく休憩を挟める)。
残機アタックモードではボスを含めた全ての敵からランダム撃ち返し弾が発生するようになり、何も考えずにショットを撃ち続けるとあっという間に画面が撃ち返し弾で埋め尽くされることになる。
↓TASによる裏残機アタック攻略。そういうゲームじゃねえからこれ!
アイテムは メインショットのパワーアップ(青)、 サブショット用のオプション(赤)、 得点アイテム、 1up、 の4種類あり、敵機を破壊する事で出現。「得点→青→得点→赤→得点→・・・」という順番で現れ、32個目に赤(オプション)の代わりに1upが出現する。ただしこの規則に関係なく必ず得点アイテムを落とす敵も存在する。
得点アイテムは初めは50点だが画面外に逃すことなく取り続けることで最大2000点(16個目以降)まで点数が増えていく。
メインショットはV、L、B、F、Hの5種類あり、「V→L→B→F→(H)→V→・・・」の順で変化する。同じ武器を連続で取ることで強化されていき、最大で3段階目までパワーアップする。
一つの武器が一回2段階目、3段階目まで強化されれば、途中で他の武器を取ってしまっても強化レベルは維持されるので、1段階目がやや不安な武器(範囲が狭いLや追尾・連射共に弱いH等)はあえて1・2段階目を使いやすい別の武器で強化するという方法もある。例えば、初期装備からHの3段階目の状態にするとき「H→H→H」の順で取ってもよいが、初期状態はV(1段階目)なので「V→V→H」や「V→H→H」の順で取っても同じアイテム数でHの3段階目にすることができる。
オプションはB、C、R、S、Fの5種類で「F→B→C→R→(S)→F→・・・」の順で変化する。最大2基まで装備される。この際同じ種類を連続で取る必要はなく、アイテムを取った回数だけオプションが増える。オプションはバリアと同様に小型弾であれば防ぐことができる。
掲示板
54 ななしのよっしん
2023/07/18(火) 06:12:50 ID: m7+bTldWyv
>>52
>グラフィックなんてこのゲーム以上のものは早々ないレベル
「ファミコンにしては」が抜けてるぞ
>どうせ1分くらいやってやめたんでしょ
長時間やってほしいならクソみたいなチラつきなんとかしろよ見づらいんだよ目痛いんだよ
55 ななしのよっしん
2023/10/25(水) 10:21:10 ID: EoKUKT/FPC
メインプログラマーが矢川忍氏なんだよな。
バトルガレッガのプロトタイプだと思えばどうにか…
56 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 13:55:54 ID: ReYS53bMaE
3DS終えたからな
Switchでもアーカイブ作品としてまたやりたい
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最終更新:2024/04/20(土) 06:00
最終更新:2024/04/20(土) 06:00
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