レマーズガール 単語

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レマーズガール

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レマーズガールLe Mars Girl)とは、2000年生まれの日本競走馬鹿毛

同期グラッブユアハート交流重賞ワンツーを決め続け、重賞9勝を挙げた気まぐれガール

な勝ち
2003年関東オークスGⅢスパーキングレディーカップGⅢ
2004年エンプレス杯GⅡTCK女王盃GⅢクイーン賞GⅢ
2005年TCK女王盃GⅢ
2006年スパーキングレディーカップGⅢ白山大賞典GⅢクイーン賞GⅢ

概要

Defrere、*タイムレスツイストTimeless Momentという血統のアメリカ
デフレールはDeputy Minister産駒で、5戦3勝、重賞出走経験もないが、1歳上の全1993年エクリプス賞最優秀2歳*デヒアがいたこともあってか種牡馬入り。しかしアメリカでもGⅢを1頭出したぐらいで、日本で走った産駒はレマーズガールただ1頭のみである。
アメリカで5戦1勝。半ブラジルGⅡを勝ったKentucky Duchessがいる。第2としてレマーズガールを産んだあと、彼女の活躍もあってか日本に輸入された。
タイムレスモーメントアメリカDamascus産駒で、戦績は27戦10勝、GⅢ2勝。種牡馬としては英でG1を3勝したCulture VultureやアメリカGⅠ2勝のLass Trumpなどを輩出した。

2000年4月27日アメリカPenn Farmで誕生。オーナーは「エイシン冠名でおなじみの平井で、にはたまに「ガール冠名テネシーガールなど)も用いていた。
エイシン勝負服と同じメンコに、シャドーロールがトレードマークであった。

名意味は「アイオワ都市名+冠名」。ちなみにエイシン軍団には1998年阪神3歳牝馬S2着のエイシンマーズというもいる。

アイオワから来た少女

2歳~3歳:早くから活躍すれど目標は……

東・湯浅三郎厩舎に入厩し、2002年11月3日京都ダート1200mの新馬戦にて武豊上にデビュー逃げから15身ぐらい離された最後方からぶっちぎりの上がり最速の末脚で追い込んだが、逃げ切った勝ちには8身も離されて3着。
続く阪神ダート1200mの未勝利戦では武幸四郎を迎えたが、ここも上がり2位の末脚は見せたが5着まで。中1週で阪神・芝1600mの未勝利戦に向かい、今度は2番手で先行して3着。

明けて3歳初戦、京都ダート1800mの未勝利戦を先行策から押し切って4戦で勝ち上がり。続いて同条件の500万下武豊とともに向かい、2着から昇級2戦で2勝を挙げる。

この2003年からオークスマル外に開放されたので(桜花賞は翌年から)、オークスして武幸四郎フラワーカップGⅢ藤田伸二忘れな草賞(OP)に挑んだものの、あえなく14着、最下位15着と撃沈。ちなみにフラワーカップで、後々生涯のライバルとなるグラッブユアハートと初顔合わせしていたが、あちらも15着に撃沈しており、このときはまだこの2頭が交流重賞で暴れ回ることになるなども知るよしもない。[1勝0敗]
ともかくダートに戻り、武幸四郎が騎乗した端午ステークス(OP)逃げタマモリッチを半追い込み切れなかったものの相手に前から上がり最速で2着の強いレースを見せた。

これで武豊とともに関東オークスGⅢに参戦。相手にオープンで好走したことで1.7倍という断然の支持を受けると、好スタートから2番手でレースを進め、3でもう逃げを捕まえて先頭に立つ。若干ソラを使ったので3番人気ディーエスメイドンが後ろから詰めてきたが、直線で再び々と突き放して3身差で勝。重賞初制覇を飾る。

続いて古との初対決となる川崎スパーキングレディーカップGⅢ。ここは3.6倍の2番人気だったが、中団から徐々に進出すると直線で1番人気ラヴリーフリッグを半身競り落として勝利川崎重賞連勝を飾った。

お次は武幸四郎上に、相手の世代重賞である金沢サラブレッドチャレンジカップGⅢ。ここではを抑えて1番人気に支持される。端午S以来の顔合わせとなった逃げタマモリッチを2番手で追走したが、またもハナ差振り切られて2着。そしてこのとき外から襲いかかってアタマ差3着だったのがグラッブユアハート。この2頭の数限りない戦いが本格的にスタートする……のは翌年からのこと。グラッブユアハートはこのとき賞金積めなかったからね。[2勝0敗]

ともあれレマーズガールは武豊に戻って船橋クイーン賞GⅢに向かい、ここも1番人気に支持されたが、この日はどうも彼女はあまりやる気がなかったらしく、手応え悪く離された3着。武豊によるとデビューした頃からその傾向があったそうだが、彼女はどうもその日の気分でやる気の度合いが大きく上下する気まぐれガールだったようである。

さて、現代のダートなら間違いなくJBCレディスクラシックすところだが、当時はまだそんなものはも形もない。ダートには標となるGⅠなんてものは用意されていなかった。というわけでレマーズガールは秋華賞GⅠに参戦。3歳から活躍したダート、具体的にはシルクフェニックスとかゴールドティアラが通ってきたである。佐藤哲三が騎乗したが、まあ当然のごとく16着撃沈。走るレースがないのが悪い。
これで調子が狂ったか、年内ラスト渡辺薫彦ベテルギウスステークス(OP)に向かったが、後方のまま見せ場なく7着に終わった。

4歳:2頭のワンツーの歴史、始まる

明けて4歳は武豊が戻り、TCK女王盃GⅢから始動。しかし前走の負けもあってかレマーズガールはまさかの2番人気。では1番人気は? そう、前走1000万下を圧勝してきたグラッブユアハートである。
レースは最内から好スタートグラッブユアハートに対し、レマーズガールは少し押し気味に出して、って好位につける。2コーナーでレマーズガールが前に出て、グラッブユアハートはそれをマークして進めると、そのまま直線を向き、逃げをかわしての追いべとなったが、ここはレマーズガールが重賞の貫を見せて振り切り1身半振り切って勝利重賞3勝を挙げる。
そしてこれが、この2頭による記念すべき最初の重賞ワンツーフィニッシュであった。[3勝0敗]

続いてはエンプレス杯GⅡ。ここでは単勝1.9倍の1番人気に支持されると、グラッブユアハートが2番手の好位で進めたのに対し、レマーズガールは中団で終始外々を回されることになったが、々と進出して4でもうグラッブユアハートとの一騎打ちとなり、1身競り落として勝。2度ワンツー重賞4勝、この時点ではまださすがに力の差を見せつけていた。[4勝0敗]

休まず次走は相手のダイオライト記念GⅡ。3番人気に支持されたが、レース中に気まぐれにやる気くしてしまう悪いが出てしまい勝負どころで置いて行かれ、多少盛り返したものの5着まで。クイーン賞のときもそうだったが、この気まぐれさには武豊も首を捻っていた。

気を取り直してマリーンカップGⅢへ。大外811番ながら1番人気に支持されたが、マイルで終始外々を回されたのはさすがに厳しかったか、直線で先行したグラッブユアハートなんとかかわしたものの、最内から抜け出したベルモントビーチの2着(グラッブユアハート3着)。[5勝0敗]
どうも船橋はあまり得意でない様子のレマーズガールだったが、続いてはかしわ記念GⅡへ。武豊はさすがにスターキングマンを優先したので内田博幸が騎乗したが、後方からのレースになってしまい、上がり最速の脚は見せたものの見せ場を作るには至らず6着。
武豊に戻って中1週で府中ブリリアントステークス(OP)へ向かったが、ここでは2番手で先行したものの直線で捕まって6着に終わった。

連覇のかかるスパーキングレディーカップGⅢではもちろん1番人気に支持されたが、ここでは気まぐれなやる気モードだったらしく、武豊1600mほぼ追い通しに。それでも捲っていって直線前を捕まえにかかったが、そこに外から襲いかかったのがグラッブユアハート! 3/4身かわされて2着。3度ワンツー、6度対決にしてついにグラッブユアハートに初を喫した。[5勝1敗]

ひさびさの一休みをとって向かった白山大賞典GⅢでは6歳にして本格化したタイムパラドックスに全く手も足も出ず、3以上離されて4着。
そしてやっぱり走るレースがないので、兵庫から移籍してきた赤木太郎エリザベス女王杯GⅠに参戦したが、あえなく最下位18着。JBCレディスクラシックがないのが悪い。

気を取り直して年内ラスト武豊クイーン賞GⅢ。もちろんここにはグラッブユアハート、今年5回対決である。1番人気グラッブユアハートに奪われたが、この日はやる気のあるレマーズガールで、前も好位先行から4でもう先頭に立ち、グラッブユアハートの追撃を々振り切って勝利4度ワンツー重賞5勝を挙げた。[6勝1敗]

5歳:ワンツー街道は途切れトンネルへ

明けて5歳は連覇のかかるTCK女王盃GⅢから始動。言うまでもなくグラッブユアハートと一緒で、57kgを背負うことになったためここも2番人気だったが、コウエイソフィア大逃げする中、中はやや手応えが怪しかったものの、直線では々と抜け出して勝、連覇達成。なおグラッブユアハートは5着に敗れ、この2頭が一緒に走った8回対決にして初めて着順が離れた[7勝1敗]

続いてはエンプレス杯GⅡ。ここでは前走の勝利で1番人気に支持された。前の好位でレースを進めたが、直線で逃げ兵プルザトリガーを捕らえきれず、後ろでマークしてきたグラッブユアハートハナ差かわされて3着。[7勝2敗]
続いては名古屋大賞典GⅢに向かったが、先に抜け出した前年覇者クーリンガーに半身届かず2着。

マーチステークスGⅢでは武豊が同日の高松宮記念でアドマイヤマックスに乗りに行っていたので江田照男がテン乗りしたが、見せ場なく8着。
続いて初の1400mとなるかきつばた記念GⅢに参戦したが、武豊ノボトゥルーを優先したので秋山一郎が騎乗、1400は短すぎたかここも見せ場なく7着に終わった。

武豊に戻ってのマリーンカップGⅢではグラッブユアハートとこれで10度対決。1番人気に支持されたが、1コーナー前で折り合いを欠いて位置を下げてしまい、後方から追い込んだものの3着(グラッブユアハート2着)。[7勝3敗]
続くスパーキングレディーカップGⅢではレース前から全くやる気がなく、先行はしたものの直線全く伸びず6着(グラッブユアハート3着)。気まぐれだなあ……。[7勝4敗]

このあとデビュー以来初めての長めのお休みをとり、5ヶいて年末のクイーン賞GⅢで復帰。的場文男が騎乗したが、この日は3コーナー前で故障でもしたかのように走るのを全にやめてしまい、10身差で圧勝したグラッブユアハートから14近く離れた最下位。故障ではなく全にやる気をなくしただけだったようだが、それにしたっていくらなんでも……というレースで、さすがにもう厳しいのでは、と思われてしまうことになった。[7勝5敗]

6歳~7歳:気まぐれガールは蘇る

明けて6歳も現役続行となり、この年もTCK女王盃GⅢから始動。重賞連勝のグラッブユアハートが1.2倍の断然人気で、武豊が戻ったレマーズガールはさすがに衰えたかと3番人気に留まったが、気まぐれガールは気まぐれに復活する。なんと初めての逃げを打ったグラッブユアハートを2番手で追走、3/4身振り切られたもののそのまま2着。最大のライバルとの1年ぶり5回ワンツーで、まだまだ老け込んだわけではないことを示す。[7勝6敗]

続いてのエンプレス杯GⅡグラッブユアハートに次ぐ2番人気。中団前インレースを進めると、4でやや前に離されたが、大外に出して追い込むとグラッブユアハートレイワルツをかわしたが、抜け出したローレルアンジュ追い込みきれず2着(グラッブユアハート4着)。昨年のTCK女王盃以来久々グラッブユアハートに先着した。[8勝6敗]

この年は3月重賞には向かわずそのままマリーンカップGⅢへ。もちろんグラッブユアハート人気を分け合い2番人気不良馬場の中、中団で進めて直線内ラチ沿いを突いて抜け出しを図ったが、グラッブユアハートに半身競り負け、ジーナフォンテンと同着で2着。6回ワンツーとなった。[8勝7敗]

続いてかしわ記念GⅠで初めてGⅠに挑戦したものの、さすがには高く見せ場なく6着。
4年連続の参戦となったスパーキングレディーカップGⅢでは内田博幸を迎え、トップハンデ57kgもあってグラッブユアハート、3歳グレイスティアラに次ぐ3番人気。しかしレースでは中団から徐々に進出すると不良馬場を力強く抜け出して押し切り、重賞7勝グラッブユアハートは7着)。としては非常にしい3年ぶりの同一重賞制覇となった。[9勝7敗]

そこから中1週で盛岡に遠征しマーキュリーカップGⅢへ。タフだなあ。武豊は1番人気スターキングマンに騎乗していたので岩田康誠を迎え4番人気。そしてグラッブユアハートも一緒にここに来ており、17度対決にしてサラブレッドチャレンジカップ以来2回混合戦での顔合わせとなった。レースは中団から押し上げていったものの、クーリンガーに突き放され、先行したグラッブユアハートも捕まえきれず3着。[9勝8敗]
相手でもGⅡGⅢならやれそうだと、続いて内田博幸日本テレビ盃GⅡに参戦。好位でレースを進めるも向こう正面でを被って下がってしまい、直線外に出して追い込んだものの3着まで。

岩田康誠との参戦となった白山大賞典GⅢでは、もちろん前年覇者グラッブユアハートの姿があった。混合重賞にもかかわらずこの2頭で人気を分け合い、レマーズガールは3.3倍の2番人気に支持された。レースグラッブユアハート逃げを打ち、レマーズガールは虎視々と3番手で追走。3前でもうグラッブユアハートを捕まえて先頭に立つと、あとは後続を寄せ付けず突き放して3身差で圧勝(グラッブユアハートは4着)。重賞8勝にしてついに相手の勝利を挙げた。[10勝8敗]
これで果敢にJBCクラシックGⅠに参戦、上にはグラッブユアハート戦・安藤勝己を迎えたが、8歳タイムパラドックス逃げ切りの後ろで12着撃沈。

浦和記念GⅡでは久々武豊が戻り、グラッブユアハートと19度対決。2番人気に支持されたが、中団から上がり最速で追い込むも兵ケイアイミリオン逃げ切りに及ばず3着(グラッブユアハートは4着)。[11勝8敗]

そして年内ラスト岩田康誠クイーン賞GⅢ。4番人気に留まったレマーズガールだったが、被りを避けて逃げレイワルツを2番手で追走すると、直線で々とかわしてあとは独走。6身差の圧勝で重賞9勝を挙げた(グラッブユアハートは8着)。そしてこれが、長年のライバルとの最後の対決となった。[12勝8敗]

グラッブユアハートクイーン賞の後に現役引退したが、湯浅師が2007年2月引退となるため、レマーズガールは師の引退まで走ることになった。
明けて7歳は武豊川崎記念GⅠに挑んだが、さすがに賃が高く8着。そしてラストランとしてエンプレス杯GⅡに挑んだが、途中でついていけなくなり離された4着に敗れた。

その後、湯浅厩舎の解散に伴い登録上は小崎厩舎に転厩したが、3月3日付けで登録抹消、現役引退となった。通算46戦11勝 [11-9-8-18]。デビュー以来、3ヶ以上休んだのは5歳のときの一度だけ。大きな怪もなく走り続けたタフガールであった。

生涯のライバルグラッブユアハートとの対戦は実に20回。レマーズガールからしても46戦中20戦なので半分近くグラッブユアハートと一緒に走ったことになるが、グラッブユアハートは通算28戦なので、あちらからすれば出走したレースの7割がレマーズガールと一緒だったことになる。仲良しどころの話ではない。
さすがに全記録を調べてはいないので断言はできないが、グレード制以降でこれだけ同じレースを走った2頭というのはなかなかないのではないだろうか。重賞でのワンツーフィニッシュは実に6回、着順の上での対戦成績はレマーズガールの12勝8敗。レマーズガールの重賞9勝のうち、最初の2勝を除く7勝がグラッブユアハートと一緒に走ったレースであった。全対戦一覧グラッブユアハートの記事を参照。
もし当時からJBCレディスクラシックがあれば、2004年から2006年まで3年間、この2頭のバチバチライバル対決が続いていたであろうになあ。

しかし、ダート標となるGⅠレースがなかった当時において、彼女地方交流重賞タフに走り続け、実に4億3000万円以上を稼いだ。ダート歴史を語る上では、グラッブユアハート、そして同期の61戦を走ったタフネスさんメイショウバトラーとともに、00年代を代表するダートの1頭として、決して語り落とすことのできない名であったと言えるだろう。

引退後

引退後は平井オーナーの栄進牧場で繁殖入り。しかしタフな現役生活とは裏に、4頭のを残したのみで、2013年5月17日、13歳の若さ死亡してしまった。4頭の産駒にも立ったはない。

産駒のうちは2頭、うち第3エイシントパーズアドマイヤムーン)が繁殖入りして血を繋いでいるが、そのエイシントパーズ2021年鹿児島に売られてしまったようで、まだ現役の繁殖牝馬ではあるようだが、牝系の血が繋がるかどうかはやや不透明ライバルグラッブユアハートが8頭のを産んで牝系の血を広げているのとは対照的な結果となってしまった。ダートの名の血は九州で繋がっていくだろうか。

血統表

Defrere
1992 黒鹿毛
Deputy Minister
1979 黒鹿毛
Vice Regent Northern Dancer
Victoria Regina
Mint Copy Bunty's Flight
Shakney
Sister Dot
1985 鹿毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Sword Game Damascus
Bill and I
*タイムレスツイスト
1993 栗毛
FNo.4-m
Timeless Moment
1970 栗毛
Damascus Sword Dancer
Kerala
Hour of Parting Native Dancer
Sweet Sorrow
Quajenn
1985 鹿毛
Clever Trick Icecapade
Kankakee Miss
Twist Her Nativo
Sub Home

クロスDamascus 4×3(18.75%)Nearctic 5×5(6.25%)

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