皐月(艦これ)とは (サツキとは) [単語記事]

皐月（さつき）とは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん～艦これ～』に登場する、大日本帝国海軍の睦月型駆逐艦5番艦「皐月」をモデルにした艦娘である。

ボクの概要、始めるよ！

睦月型の五女。姉の睦月・如月・弥生・卯月とは絵師や服のデザインが異なり、皐月以降は黒いセーラー服・白のネクタイ・三日月型の飾りという服装で統一されている。
姉妹艦で絵師やデザインが違うのは、八八艦隊計画による艦名不足が懸念され、番号名を割り振られた時に艦番号27の皐月から34の夕月までが連番となっている事に由来すると思われる。

元気いっぱいのボクっ娘金髪ロリという大変ストレートなキャラ付けで根強い人気があり、戦闘時の「ボクとやりあう気なの？かわいいね！」という台詞に「お前の方がかわいいよ！」と思わず返してしまう提督が後を絶たない。かわいい。

ちなみに、サービス開始時の時点で実装済みであった艦娘達の史実の竣工順でいうと艦これに登場する駆逐艦の中では最年長である。1番艦の睦月よりも早く、更には艦これの駆逐艦で唯一年下の軽巡洋艦がいる……はずだったのだが、阿賀野型姉妹の実装によってこれは当てはまらなくなった（特に酒匂より年下の駆逐艦は2016年 3月時点では実装されていない）。

更には後から追加された神風型駆逐艦姉妹の実装により駆逐艦最年長の座も一番艦である神風に譲る事になった。

艦これにおいて珍しい金髪であるが、日本海海戦で鹵獲されたロシアの駆逐艦ベドーヴイが戦利駆逐艦として日本で「皐月」と命名され、その名前を引き継いでいることに由来するという説もある。
だがそれを言ったら妹の文月も同様なので、デザイン上の描き分けの都合というだけで、特に理由は無いのかもしれない。

性能的には他の睦月型と同様に旧型駆逐艦であるため、ステータスは他の駆逐艦に比べて低いが、燃費が良いので遠征要員として優秀。
本人が図鑑でも言っている通り、何度も損傷しながらも長く生き延びた武勲艦なのだが、残念ながら特に「運」のステータスが高い等といった補正は無い。改二の実装に期待しよう→2016年 2月29日実装！
基本は遠征要員だが、足りないステータスを溢れ出る愛で補って、主力として使い続けるのもまた、艦これのひとつの楽しみ方である。

へっへーん♪ボクの改二、見直してくれた？

後述の「武功抜群」や小説版『陽炎、抜錨します！』など睦月型でも高い知名度を築いた彼女に2016年 2月29日うるう日、改二が実装された。改装可能レベルは現状駆逐艦トップである霞改二と同じ75。

性能について

特筆するべきは、燃費据え置きかつ大発動艇が装備できるようになった事。睦月型の特徴である低燃費と大発の両立は遠征において非常に有用で、スロット3つに全て大発で埋めれば+15パーセントの資源獲得量になり遠征要員としてより適性が上がったといえる。

戦闘面では大発系統と特二式内火艇が搭載可能になったことによる対地攻撃能力の高さと、対潜値大幅上昇に伴う先制対潜の容易さが大きい。対空値の高さと改装時に高性能機銃「25mm三連装機銃集中配備」を持参することも見逃せない。
さらに、上記の機銃1つのみで対空カットインを発動できるが、その性能自体はかなり低めであり、また秋月型等の強力な対空カットインを上書きしてしまうため積極的な運用には向かない。1スロのみで発動可という点を活かし、輸送・対地・対潜のついでに行える対空カットインとしての運用に向く。

素のステータスは火力+3、雷装+18、対空+43、装甲+6、耐久+4、回避+8、対潜+21、索敵+5、運+8と大幅に強化されており、対空に関しては秋月型を除いた駆逐艦でトップに位置する。装甲も先行している姉二人（睦月・如月改二）を上回る。
もっとも駆逐改二勢としては火力値・雷装値・装甲値はかなり控えめであり、高い対空値はゲーム仕様上安定して活かしにくく、対空要員としても本職の秋月型にはかなわない。
平時は大発を持てる低燃費遠征要員として、イベント時は高い対潜値を活かした対潜要員または対地装備を活かした対地攻撃要員、大発を持たせての輸送要員などが活躍できる場面であろう。

容姿

衣装は睦月改二・如月改二と同様のジャケットを着流しで身に着け、白のタイが彼女のイメージカラーである黄色に変わっているのが大きな差異。それまでタイに着けていた睦月型トレードマークの三日月のアクセサリー（タイピン）も二人と同じセーラー服のカラー部分に移動している。
艤装は左手の単装砲を25mm三連機銃に持ち替え、ベルトには予備の90式魚雷と機銃の弾薬包筐を携行、左足の太腿部に13号電探改を身に着けている。そして、中破時には史実で授与された『武功抜群』の白鞘の日本刀を腰に差していることがわかり、木曾改二以来の近接武器持ちとなった。

うん、小説版はいつものボクとは違うよ！

築地俊彦によるノベライズ『陽炎、抜錨します！』(ファミ通文庫)では、主人公の陽炎が嚮導艦を任された第十四駆逐隊のメンバーとして、同じ睦月型から長月と共にメインキャラに抜擢された。

小説版の皐月は一言で言えば筋肉バカである。

どういうわけかお前は長良か鬼怒かというような筋トレマニア設定となった上に、第二巻では鳳翔からビールをもらいベッドの下に隠し、第三巻では転属先のリンガ泊地にて冷蔵倉庫に置かれていたビールを持ち出すなど、酒好き属性まで追加されてしまった。これらの理由から、なぜか霰 LOVEとなった長月同様、皐月ファンを戸惑わせることになる。

ただし、なぜ筋トレマニアなのかということは作中できちんと説明され、皐月、長月共に「性能の劣る睦月型であること」をキャラ付けに組み込み、第十四駆逐隊の関係や自身の成長につながる一つの要素として活かされている。
また、暗い雰囲気を察知しわざとおどけてみたり、とある理由から部屋に閉じこもってしまった陽炎を心配して扉越しに語りかけるなど、気遣いの出来る性格としても書かれている。命の保証が出来ない激戦の海域において、後方から迫る敵艦隊の群れを追い払うために残ることを志願した長月に対し、陽炎は皐月を残して奥へ進むなど、実力を認められ信頼されている描写もある。

作中ではこの他にも皐月の見せ場は多々あるので、設定を聞いて敬遠してしまった人も、とりあえず読んでみることを薦める。
そんな見どころ満載の『陽炎、抜錨します！』は全7巻が刊行。

いよいよ、ボクの史実だね！

1923年（大正12年）度計画艦。1924年12月1日、藤永田造船所で起工。
1925年11月15日に前述の通り睦月型駆逐艦ではもっとも早く竣工し、「第二十七号駆逐艦」という名前で一等駆逐艦に類別、佐世保鎮守府に配属され、1928年 8月1日「皐月」に改名される。太平洋戦争ではフィリピン攻略戦、ジャワ島攻略戦、バタビア沖海戦などに参加。
バタビア沖海戦では「文月」「水無月」「長月」らとともに第五水雷戦隊第二十二駆逐隊に所属した。その後はジャワ海方面で船団護衛任務に従事する。

1943年 1月31日からのガダルカナル島撤収作戦に参加、以降はラバウル方面で輸送任務にあたる。
同年7月5日のクラ湾夜戦、7月9日のコロンバンガラ島沖海戦には輸送隊として参加。クラ湾夜戦では座礁してしまった妹の「長月」を引き下ろししようとしたが成功せず、「長月」は放棄されることになってしまった。

1943年 7月17日、ショートランド島で敵機の攻撃を受け損傷し、呉工廠で修理。

1944年 1月4日、第二十二駆逐隊の文月・皐月の二隻はカビエンにて輸送部隊の護衛に殉じていた。その任務中に敵機動部隊発見の電報を受け、輸送部隊を退避させた後ラバウルへと向かうが、文月皐月の二隻は敵機に発見され、戦闘機の大群による爆撃や雷撃に曝される。
二隻は死にもの狂いの対空射撃と回避運動により、船体に一発の被弾もなくこれを凌ぎきるが、機銃掃射により多数の死者、重傷者を出した。文月に重大な被害は無かったが、皐月は艦長以下、艦橋にいたほぼ全員が重傷を負った。
さらにこの戦闘中、皐月艦長の飯野少佐が左足を破砕されるも、艦内で切断手術を受けながら指揮を取り続けるという離れ業をやってのけ、その後入院先で出血多量により戦死。皐月は横須賀工廠にて修理される。
なお、この奮闘が賞され飯野少佐には草鹿中将より「武功抜群」と書かれた白鞘の日本刀が授与されている。

1944年 7月4日、更に父島で至近弾を受け横須賀で修理……と、1年の間に3度も損傷して修理する羽目になる。3度目の修理から復帰した後は内地-シンガポール間の船団護衛に従事。8月21日には睦月型で唯一、連合艦隊第三十一戦隊第三十駆逐隊に編入される。

1944年 9月21日、マニラ湾にてハルゼー機動部隊の空襲に曝され、湾内に停泊していた二十隻ほどの輸送船は壊滅。残された艦艇の中では大型の皐月が狙われた。
対空戦闘で敵機を撃墜するなど奮戦したものの、左舷に至近弾を受けて復水器が破壊され、片舷航行となる。多数の至近弾による負傷者を陸上へ運ぶ最中に午後の第二次空襲が始まり、第一缶室に爆弾が直撃。速力が落ちたところを狙い撃ちにされ、更に2発の爆弾が命中。前のめりに沈没した。
生存者はあらかじめ用意していたイカダや友軍の大発動艇により救助され、その後は直後に起きたマニラの攻防戦に巻き込まれることもなく、全員が内地に帰還した。