フィアスインパクト(Fierce Impact)とは、2014年日本生まれのイギリス・オーストラリアの競走馬、オーストラリアの種牡馬。鹿毛の牡馬。
日本で生まれ、イギリスでデビューするも芽が出ず、
遥か南半球はオーストラリアに移籍して覚醒した馬である。
2018年:サマーカップ(G3)
2019年:トゥーラックハンデキャップ(G1)、ケネディカンタラ(G1)
2020年:マカイビーディーヴァステークス(G1)
父ディープインパクト、母ケイアイガーベラ、母父Smarty Jonesという血統。
父は説明不要、無敗三冠馬にして世界を股にかけるスーパーサイアー。
母はアメリカからの持込馬で、牡馬相手にコースレコード勝ちを含む中央ダート重賞2勝を挙げたなかなかの女傑。
母父スマーティージョーンズは2004年のアメリカ二冠馬。種牡馬としてはあまり目立った結果は残せなかった。
1歳下の全弟に2018年のNHKマイルカップを勝ったケイアイノーテックがいる。
2014年3月6日、北海道新冠町の隆栄牧場でケイアイガーベラの初仔として誕生。
普通であればそのまま母のオーナーである「ケイアイ」冠名の亀田和弘氏が所有して日本でデビューするところだが[1]、この年に亀田氏は初めてセレクトセールに馬を出すことになりどうせなら一番良さそうな馬をということで本馬が上場された。するとカタールレーシングのマネージャーであるDavid Redvers氏に落札されたため、その後イギリスに渡りDavid Simcock厩舎に所属することとなった。
2歳になった2016年の10月10日にヤーマス競馬場の未勝利戦(芝1マイル3ヤード≒1612m)でデビューすると2着に1馬身以上つける快勝でデビュー勝ち。
しかし明けて2017年、3歳となっての2戦目以降は中長距離のリステッド~G2のレースに出走したが4戦してリステッドでの2着以外は全てシンガリ負けと惨敗続きとなってしまう。続けて中距離条件戦にも2度出走したがここでも勝利することはできず3歳シーズンを終えることとなった。
シーズン後にタタソールズ社の現役馬セールに上場されると、オーストラリアの調教師であるMatthew Smith(マシュー・スミス)氏に12万ギニー(約1900万円)落札されその管理馬としてオーストラリアに移籍することになった。
※以降は8月1日に1歳加算されるオーストラリア競馬の馬齢で表記
移籍初戦として2018年5月9日にハンデ戦(ワーウィックファーム競馬場1300m)に出走すると距離短縮が功を奏して1着から半馬身差の3着と好走し、続けてのハンデ戦(ランドウィック1400m)では新馬戦以来の勝利を手にしていい形で移籍シーズンを終えた。
5歳シーズンは始動戦の9月1400mハンデ戦で2着とまずまずの結果を残すと、次走は10月のトゥーラックハンデキャップ(コーフィールド1600mハンデ)でG1初出走となった。レースでは後方待機から直線で外に出してスパートをかけたが伸びずに8着に敗れた。
余談だがこのレースには同じディープインパクト産駒のLord Langley[2]が出走していた。
その後11月は1500mと1800mのハンデ戦に出走したが3着2着とここも勝ちきれずに終わり、年の瀬12月26日にはG3サマーカップ(ランドウィック2000mハンデ)に出走。スタートから4番手辺りを先行すると直線いい手応えで前に並びかけ、残り200mほどで先頭に抜け出すと食い下がった逃げ馬や後続の追撃を振り切って1馬身差で優勝、重賞初制覇を達成した。
再び余談となるがこのレースで逃げ粘って2着に入った馬というのが父を同じくするSatono Rasen[3]でありまたしても日本で生まれたディープインパクト産駒同士がオーストラリアの地で出会っている。
休養を挟んで3月はG2アジャックスS(ローズヒルガーデンズ1500mハンデ)6着、4月はG1オールエイジドS(ランドウィック1400m)で7着、リステッドのスコーンカップ(スコーン競馬場1600mハンデ)ではハナ差2着に好走するもその後シーズン最終戦G1ドゥームベンカップ(ドゥームベン競馬場2000m)では11着惨敗と、重賞は勝利したもののトップ層の馬相手にはまだ力の差を感じるシーズンとなった。
6歳初戦は9月のG3ビルリッチーハンデキャップ(ランドウィック1400mハンデ)に出走。直線で鞭が入ると馬群を割って一気に先頭に抜け出したが、ゴール前で一旦は抜いた外のKoldingが突如盛り返してアタマ差で2着に敗れた。
しかし負けたとはいえ1着のKoldingは既にG2勝利経験があった上にこの後次走のG1エプソムハンデキャップでG1制覇、更に続けて高額賞金レースとして創設されたゴールデンイーグルの初代王者となってその後もG1を複数回勝っており、強い相手に差のないレースをしたということで成長の見える好内容であった。
次走は10月12日、前年に敗れたG1トゥーラックハンデキャップ(コーフィールド1600mハンデ)へ。鞍上は初騎乗となるクレイグ・ウィリアムズ騎手[4]となり、トップハンデ58kgに対してFierce Impactは54.5kgと軽ハンデであったが単勝18倍とあまり人気はなかった。
レースが行われるコーフィールド競馬場1600mは300m強の直線3つが約120度、90度の2つのコーナーで繋がれた左回りコースであるが、Fierce Impactはスタート外枠から五分で出ると中団外につけて進んでいきラストの直角コーナーで押し始めると外を回って抜群の手応えで一気に先団に取り付いた。最終直線を向いて更にぐんぐん加速すると、残り200mを切って先頭に立ってからは後続を寄せ付けず2着に1と3/4馬身差をつける快勝でG1初制覇となった。
ディープインパクト産駒としては2017年のTosen Stardomに続いてこのレースは2勝目。また全弟ケイアイノーテックのNHKマイル制覇から遅れること約1年半、ついに兄もG1ホースの仲間入りを果たしたのだった。
続いて11月2日にはトゥーラックHからの定番ローテーションであるG1ケネディカンタラ[5](フレミントン1600mハンデ)に出走。前走を受けてトップハンデ57に対する56と背負うことになったが単勝8倍の3人気と評価された。
こちらのコースは鋭角の扇形状をしており、1600mは上辺の中程にあるシュートからスタートしてすぐに弧の部分の大きなカーブに入りその終端から下辺の450m最終直線でゴールとなっている。レースではSoft7という不良手前の重い馬場で序盤後方になったが緩やかなコーナーの後半に隊列が一団の馬群となったところで外から位置を上げていくと、直線を向く辺りでFierce Impactは中団まで来ていた。そこから大外に出そうとしたところで一旦は外と前の馬に挟まれるように進路をなくしてしまうが一瞬で内に切り替えると前が開き、スパートをかけてからは一気に脚を伸ばして抜け出して先頭に立った。そのまま内で粘ったFifty Starsと外から追ってきたCascadianという後のG1馬たちの追撃を振り切って1着でゴール、G1・2連勝を成し遂げた。
前述のように共に100年以上の歴史を持つトゥーラックハンデキャップとカンタラステークスを連戦する馬も多いが、同年にこの2レースを連勝したのは1982年のMagari以来となった。
翌週のマッキノンS[6]や12月のレースを使う構想もあったが、ここは翌年3月のジ・オールスターマイルを目標に休養に入ることになった。
2020年に明けて休養明け初戦は2月のG1・CFオーアS(コーフィールド1400m)に出走。スタートから出して縦長隊列の中団前目で進んでいくと最終コーナーで押し始めたが反応が鈍く、先に抜け出していた出走馬中唯一の3歳馬Alabama Expressを直線半ばから脚を伸ばして追ったもののクビ差届かず2着。
陣営としては休み明けのこの結果に悪い印象はなかったものの目標とするジ・オールスターマイルの出走には一般投票での上位か主催者の選出枠に入る必要があり、前者は厳しいことから後者の枠を獲得するために続けて同月のG1チッピングノートンS(ランドウィック1600m)に出走することとなった。レースでは中団で追走し直線外に出してジワジワと伸びたが、大外から来たTe Akau Sharkに一瞬でかわされ先行抜け出しを図ったVerry Elleegantにも届かずの3着であった。
3月は無事主催者枠に選出されて目標のジ・オールスターマイル(コーフィールド1600m[7])に出走。いつものように中団外につけてコーナーで上がっていき直線で一度は先頭に立ちかけたが、追い出しを待っていた内の先行馬Legal Powerが伸び始めるとついていけず後ろからも差されて4着に終わった。
次走4月のG1オールエイジドS(ランドウィック1400m)では後方に位置して直線大きく外に出して追うと伸びはしたが前が全く止まらず8着に惨敗してこのシーズンを終えた。
7歳シーズンは8月のG1ウィンクスS(ランドウィック1400m)から始動。内枠からスタートして中団やや後ろのラチ沿いを追走すると最終コーナーではロスのないコーナリングで位置を上げて直線で先頭を伺ったが、外から伸びた2頭には伸び負けての3着。なお1着は最終的に1400m~3200mのG1で11勝する歴史的名牝Verry Elleegantであった。
続いて9月12日にG1マカイビーディーヴァS(フレミントン1600m)に鞍上マーク・ザーラ騎手で出走し、実績のある距離とコースであったことからかG1では初めて単勝4倍の1人気に推される。
レースでは五分のスタートで出していったわけではないが主張する馬もおらず3~5番手辺りを先行する形となる。遅いと見たか中盤で僅差の2人気であったRussian Camelotが外から位置を上げていったがFierce Impactは動じずに構えて直線を向いてから追い始めると徐々に伸びて前に迫り、更に鞭が入ると一気に加速して残り200mほどで先頭に立った。そのまま脚色は鈍らず最後まで食い下がったRussian Camelotをアタマ差抑えて1着でゴール、10ヶ月ぶりの勝利でG1・3勝目を手中に収めた。
次走はオーストラリア春の中距離大レースであるコックスプレートを目標に10月初週G2ヒルS(ランドウィック2000m)で距離延長に挑戦。前走の勝利や8頭と少頭数でサマーカップでの2000m勝ちがあったからか2倍台の断然1人気に押されるが、後方待機から外を回して追い込むも前には届かずの3着。
陣営として走りには満足だったようで予定通りコックスプレートへの出走が決まる。
またヒルSの直後に前シーズンの年度表彰が発表となり、Fierce ImpactはG1・2連勝などが評価されLegal Powerと並んで2019/20 Champion Middle Distance Horse(2019-2020 オーストラリア最優秀中距離馬)に選出された。
なぜ勝ったのがマイルG1なのに最優秀中距離馬なのかと思うだろうが、この部門の評価対象は1401m~2199mのレースでありそれより短い距離はスプリンター、長い距離はステイヤーと分かれていてマイラー部門が存在しないためである。また前年までは4年連続でかのWinxが受賞していたこの賞だが、彼女の引退後の2019-20シーズンに行われた2000mの大レースはいずれもリスグラシュー、Magic Wand、Addeybbといった海外勢が勝っていたこともありマイラーのトップ2頭による受賞となっている。
そして10月末に目標であったG1コックスプレート(ムーニーバレー2040m)に出走。東京2000mよろしくスタート直後にコーナーのあるコースで外枠からであったため外を回されないように後方を追走。極端に短い最終直線を見越して早めに押し始めて最終コーナーでは先団まで上がったが、そこからは伸びを欠いて6着に終わった。
その後は調整の問題でマッキノンSを回避すると香港国際競走も登録のみで出走せず秋シーズンに向けて休養に入ると、明けて2021年2月には同年秋からの種牡馬入りが決定。スミス師はその前にもう一つG1タイトルをということで3~5月のいくつかのレースを狙っていたが、結局秋は調子が上がらなかったためか出走することなく現役を引退した。
現役成績は29戦6勝。
2021年秋からオーストラリアビクトリア州のLeneva Park Studで種牡馬入り。初年度は種付け料16500豪ドル(約135万円)で145頭、2年目は同額で150頭と順調に牝馬を集め高い受胎率も記録、以後も毎年100頭以上の種付けが続いている。
種牡馬事業は本馬の種牡馬入り前年からの新規参入であった繋養先のLeneva Parkが2024年に新設のLovatsville studと提携し早期育成事業に専念することになったたためFierce Impactもこの年から同スタッドに移動している。
産駒は2024年8月以降に走り始めニュージーランド、オーストラリアそれぞれで初勝利を上げている。
イギリス時代は走るレースの距離が長過ぎたことも加味しても晩成傾向であったため産駒の仕上がりもあまり早くはないようだが、2,3歳戦でブラックタイプを付ける産駒は何頭か出てきている。今後成長力で重賞、G1を勝利する産駒を出せるかが勝負になってくるだろうか。
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https://twitter.com/mcsmithracing/status/1428634437512663043
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| ケイアイガーベラ 2006 栗毛 FNo.9-e |
Smarty Jones 2001 栗毛 |
Elusive Quality | Gone West |
| Touch of Greatness | |||
| I'll Get Along | Smile | ||
| Dont Worry Bout Me | |||
| *アンナステルツ 1996 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer | |
| Pas de Nom | |||
| Edge | Damascus | ||
| Ponte Vecchio |
クロス:Northern Dancer 5×4(9.38%)
掲示板
1 ななしのよっしん
2025/12/16(火) 15:57:11 ID: 0ZudKFygyK
この馬の記事も出来たか
急上昇ワード改
最終更新:2026/01/22(木) 11:00
最終更新:2026/01/22(木) 11:00
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