ウルフマンとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。
正義超人に属する日本出身の超人。超人相撲で最高位の横綱を獲得した力士であり、第21回超人オリンピックにおいて鳴り物入りで超人プロレスに進出、キン肉マンと同じ日本代表のライバルとして火花を散らした。
最初はキン肉マンのことをゼイ肉マンと揶揄し見下していたが、オリンピック準決勝での相撲対決でキン肉マンに敗れて以降はその力を認め、よき仲間としての関係を築く。
それと同時に正義超人のカテゴリにあっていわゆる一軍と扱われるアイドル超人の一員となる。
大銀杏やまわし姿などスタイルは完全に力士そのものであり、使用する技も張り手や投げ技など実在する相撲技が基本となる。「鋼鉄の肉体美」を自負するほど鍛錬によって体を鍛えており、正義超人の中でも屈指のパワーを持っている。
モデルは当時の大横綱千代の富士であり、彼のニックネームであるウルフをそのまま名前にしている。アニメ版ではそのあたりに配慮したのか、名前がリキシマンに変えられている。
初登場は、第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイト編。キン肉マンがラッカ星に行っている間に超人レスラーに転身すると、超人オリンピックの日本代表に選ばれ、テレビ越しに前回チャンピオンのキン肉マンを挑発。予選では、新幹線アタックでキン肉マンの投げたバナナの皮に滑って成績が伸びなかったが、テリーマンの失格もあって辛くも通過。50km耐久ローラーゲームでは、一時的にキン肉マンと共闘し、予選を突破している。
トーナメントでは、2回戦から登場。格下ともいえるキューブマンを相手に張り手で血豆、青タン、膿による六面体を作った挙句、合掌ひねりで投げ飛ばし難なく勝利。
準決勝でいよいよキン肉マンとの同国対決となる。自身に有利である土俵での相撲対決となったこともあり、ルービックキューブ張り手によってキン肉マンの顔を六面体に変形させるなど優位に試合を進める。あびせ倒しによって勝負を決めたかと思われたが、物言いがつき、火事場のクソ力を発動させたキン肉マンのカンヌキスープレックスによって先に土俵についていたことが判明し、敗北する。
キン肉マンの良きライバルとなることを見越して登場したウルフマンだったが、その後の活躍に関しては決して順風とは言えない艱難辛苦の日々が待ち受けていた。一言でいえばかませ犬。新たな敵勢力が現れた際、その強さや残忍さを読者に分かりやすく伝えるための捨て駒となることがウルフマンに与えられた役割だった。
7人の悪魔超人編では傷ついたキン肉マンに代わりスプリングマンと鳥取砂丘において対戦。一見優勢に試合を進めるも、スプリングマンの策にはまりデビルトムボーイでバラバラの肉片にされ死亡。アイドル超人軍初の犠牲者となる。その後、バッファローマンに超人パワーを与えられたことで復活する。
悪魔騎士編ではスニゲーターとの戦いで死亡したキン肉マンを救うため命を譲り渡して死亡。新人ジェロニモと入れ替わる形での退場となり、形見の髷を譲り渡すという象徴的なシーンも行われた。このため、ウルフマンは試合すら組まれていない(そのジェロニモもデビュー戦以外はかませにしかならなかったのも悲惨なところである)。その後、完璧のマスクの力によって復活している。
夢の超人タッグ編ではブロッケンJr.とパートナーを組み、モースト・デンジャラスコンビとして宇宙超人タッグ・トーナメントに参加。1回戦第2試合で2000万パワーズとの対戦が決まるが、試合開始直前に乱入してきた完璧超人スクリュー・キッド、ケンダマンの地獄のネジ回しでブロッケンともども串刺しにされリタイア。
その後、素顔を晒されたロビンマスクとウォーズマンを守るため新聞記者と乱闘を行ったところまでは生きていたのだが、そこで無理が祟ったか準決勝までにいつのまにか死亡している。
王位争奪編ではいつのまにか復活していたものの、ついに試合入りのメンバーとなることもなく、物語の終盤にキン肉マンのもとに駆け付ける多くの正義超人たちの内の一人という立ち位置にとどまった。(後にウルフマンの足の怪我を考慮してキン肉マンがメンバーに誘わなかったと判明)。ハワイ巡業の際にネプチューンマンのメッセージを聞きつけ、他の超人たちと共に大阪城で戦うキン肉マンの応援に向う。フェニックスシズ子の命を狙ってキン肉マンビッグボディの姿に変身して襲い掛かってきた強力の神を居返り投げによって退治している。
このようにアイドル超人としては位置づけられてはいるものの、実態としては二軍的扱いであり、かませ犬としての役割もジェロニモあたりに取って代わられたことから使いどころがなくなってしまった感がある。キン肉マンたちの新たな戦いを描いた完璧超人始祖編でも全く姿を見せず、さらに後年の読み切りで「足の怪我の悪化によって現役続行は不可能として現役引退していた」という設定が付け加えられた。
このように稀代の大横綱は見せ場らしい見せ場を作ることもできず、その歴史に幕を下ろしたと思われたが……。
2015年にグランドジャンプに掲載されたウルフマン主役の読み切り漫画では、王位争奪編の後、長年の戦いによって負った左足の負傷は完治不可能と診断され、現役への未練を残しながらもウルフマンは現役引退を決意する。これまでの功績が認められ、「永世横綱」の称号が贈られる。
だが、引退断髪式に世界超人相撲ファイティングチャンピオンシップ10連覇を成し遂げたアメリカの相撲超人ブラック・シップが乱入し、ウルフマンに挑戦しようとする。ミートやカナディアンマンを傷つけられた怒りから戦いを承諾したウルフマンは、痛めた左足を狙われたこともあり苦戦。しかし、底力を見せブラック・シップの攻撃に耐え切り、合掌捻りで逆転勝利を収める。
すでに現役を引退していたウルフマンは、若い超人力士を率いてのスペイン巡業ということもあってサクラダファミリアで委員長と談笑をしていた。そこへオメガマンの兄オメガマン・アリステラ率いる「オメガ・ケンタウリの六鎗客」が現れ、若い正義超人たちを一瞬で惨殺してしまう。その暴虐を阻まんと現役引退を撤回したウルフマンは、単身六鎗客に挑むもさすがにあしらわれてしまう。そこへティーパックマン、カレクック、ベンキマン、カナディアンマンの4人が加勢に現れる。
主力のアイドル超人たちが大魔王サタンの作った結界に閉じ込められて動けない中、志を同じく駆け付けたカレクックらと共に「正義の五本槍」として戦いのリングに上がる。
仲間たちが次々と敗れ倒れていく中、最後の一人として特設Bリングで六鎗客のルナイトと対戦。
引退の理由となった左足の古傷もあり苦戦。さらに試合中に巨大化してパワーアップするルナイトの前に自慢のパワーで押されてしまい、さらには、かつて辛酸をなめさせられたスプリングマンのデビル・トムボーイと酷似したルナイトの必殺技「ウォルフガングスパイラル」を決められて絶体絶命のピンチに。だが、駆け付けたキン肉マンからの叱咤激励、横綱としての意地、散っていった仲間たちの思い、それらを全て一つとし友情パワーを発現。一度は破られたルービックキューブ張り手によってルナイトの顔面を変形させる。しかし、アリステラの激により奮起したルナイトも友情パワーに目覚めピンチに陥り、掟破りの合掌捻りによってKO寸前にまで追い込まれる。それでも、死んだ4人の仲間たちの激励に応えて再度火事場のクソ力を発動。土俵際での粘りを見せ、新必殺技「不知火・雲竜投げ」でルナイトをマットに叩きつけ、勝利。試合後、リングから落下しかけたルナイトを助ける男気を見せるが、ルナイトは自ら死を選んでしまう。
その後は運命の5王子が参戦したこともあり、ルナイト戦の負傷も考慮されて戦線を離脱し試合を観戦することに。パイレートマンに苦戦するキン肉マンに熱い檄を飛ばしている。また、かつてのタッグパートナーであるブロッケンJr.が大一番となるオメガ・グロリアスとのタッグマッチに挑む際は、「白星取ってこい!」とエールを送り、ブロッケンが地獄のネジ回しの悪夢を払拭した際は涙を流して歓喜している。
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最終更新:2024/05/04(土) 20:00
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