概要
1996年4月より「月刊少年ガンガン」にて連載開始。
2000年ごろに大人の事情により連載中断となってしまうが、2002年にマッグガーデン系列の出版誌である「月刊コミックブレイド」にて『まもって守護月天! 再逢(レトルヴァ)』の名で再開し、2005年に最終回を迎えた。
1998年10月にはアニメ化されて、テレビ朝日系列にて放映されたがソフト化に関しては何故か冠詞の「まもって」が削られて『守護月天!』のタイトルに改題されてリリースされた(映像内のタイトルは変更なし)。しかし放映内容は原作6巻の「さよなら守護月天」までをアニメ化したものであり、主にアニメオリジナルのエピソード収録が多かったため、原作ファンからの評判は芳しいものではなかった。が、これを門戸として新たにファンを獲得しているという面もあるため、決して失敗ではないとする声もある。
2011年現在、未だにDVD化されていない作品でもある。と言うのも、このアニメが放送された1998年後半から1999年初頭のシーズンは映像メディアがVHS&レーザーディスクからDVDに移行する転換期だったにも関わらずDVD版を発売する予定を取らなかった為である(ちなみに万難地天キリュウの登場などアニメ本編以後のいくつかのエピソードについては、OVA『伝心 まもって守護月天!』という形でDVDが出ている)。
なお、TVアニメ化以前には(書籍扱いとして)ドラマCD化もされているが、TVアニメ版とキャストが異なっている。もっとも、こちらのキャストも豪勢だった上に適役が多かったので評価はまずまずだった模様。ちなみにドラマCDで離珠を演じてた南央美はアニメ版では乎一郎を演じている。
2012年、電子書籍サービスの「パブー」にて、太助との出会いをシャオ視点から描いたアナザーストーリー『まもって守護月天! ~初めてあなたに逢ったとき私が思っていたこと~』を執筆(関連リンクを参照)。[※1]
2017年5月現在、マッグガーデンのWebコミック公開サイト『MAGCOMI』にて『まもって守護月天!』の3年後を描いた続編『まもって守護月天! 解封の章』を連載中。
[※1] 有料。加えてパブーへの会員登録が必要
あらすじ
両親を含めた家族全員がそれぞれ海外を飛び回り、いつも家に一人の中学生・七梨太助の元にある時、父親から一つの荷物が届けられる。
その中には「支天輪」と言う八角形の輪が入っており、添えられていた手紙には「心の清い者が覗けば光が見えて天の守りを授けられる。自分には何も見えなかったが」と書いてあった。
太助が半信半疑で覗くと、その輪からシャオと名乗る少女がいきなり出現した。
太助は突然の事に戸惑いつつも一旦はシャオの主として暮らし始めるが、あれこれと干渉してくるシャオに苛立ちを覚え、つい怒鳴ってシャオを支天輪に返してしまう。
しかしシャオは支天輪の中から太助の持つ寂しさを見て、自分の意志で支天輪を出て太助を「寂しさから守る」ために今一度一緒に暮らす事を決める。
登場人物
- 七梨太助(しちりたすけ)
-
数多くの歴史に関わってきたとされる人物。
1590年、天下統一に成功した"七梨太助"は、その後、海を渡り、またたく間にユーラシア大陸を制圧した。人々は大帝王七梨太助を崇め、ここに"七梨太助英雄伝説"が生まれた。また、フランス革命にも関わってきたとされる(「七梨太助のフランス革命」を参照)。
加えて、彼は理化学などでも大きい業績を残しており、お腹に優しいとされる菌(後に同氏の名をとり「太助菌」と命名)を発見してノーベル賞を受賞。今日に至るまで高い評価を受けている。
彼は言う。
「いつの時代も我こそが神なり──」
- (以下ネタバレ →)ごく普通の中学2年生。成績も運動神経も特別良いわけではなく、いい意味でも悪い意味でも「普通」である男の子だが、その心はシャオを呼び出せるほど純粋でまっすぐ。シャオと出会った当時は思春期の少年そのものであったが、シャオに課せられた使命や過去を知るにつれ、ただ純情なだけだった少年はやがて強い意志を持った男へと成長して行く。
- シャオ
- 主を不幸から守る使命を持った月の精霊、守護月天。本名は小璘(シャオリン)。
背格好は太助とほぼ同じであり、同居を始めて程なくして太助と一緒に中学生として学校に同行するようになる。
出会う男性の殆どが気を引かれるほど可愛い外見の上に料理も得意で優しい性格と非の打ち所の無いような女性だが、やることなすこと天然要素が隠せないのが難点。
能力は支天輪から「星神」と言う精霊を呼び出して使役する事。「来々、○○」の掛け声で星神の名を読んで呼び出す。支天輪が無いと星神を呼べないため、実質的に能力の殆どを失う事になる。
実年齢は少なくとも1650歳は超えており、遥か昔から、シャオを呼び出す事の出来る主と出会うのを待ち、出会えばその人間が寿命などで死ぬまで守り続け、死に別れた後は再び主に出会うのを待つ事を繰り返してきた。必ず来る主との別れを乗り越えられるよう、星神のうちの一体・南極寿星に恋愛と言う感情を教えられないまま生きてきた。 - ルーアン
- 主に幸福を与える使命を持った太陽の精霊、慶幸日天。本名は汝昴(ルーアン)。
非常に陽気かつ積極的な性格で、何かと強引。無意識か意図的かは分からないが、太助の幸福を自分と一緒になる事だと決め込んでおり、太助とシャオの仲をしばしば邪魔しようとする。
外見は太助よりだいぶ年上の大人の女性と言った感じで、かなりナイスなボディラインを誇る美人なのだが、周りの男は一部を除いて大抵シャオになびくため、余りモテている感が無い。
シャオと同じく、心の清い者が黒天筒と言う筒を覗くと現れる精霊で、遥か昔から自分を呼び出すことの出来た主に付き従い、死に分かれたら別の主を待つ事を繰り返してきた。シャオと同じ時代に主を持ち、かつその主同士が対立する立場であった関係で、シャオと敵対する事も少なくなかった。しかし今回の太助のように、シャオと同じ人物を主とする事は初めて。
能力は、「陽天心、招来」の掛け声と共に黒天筒から光線のようなものを放ち、無機物に一時的に命を吹き込んで使役する事。学校の校舎のような巨大な物体まで使役する事が出来るが、実際に役立つ兵士になるかどうかはその時による。 - キリュウ
- 主に試練を与えて成長させる使命を持った大地の精霊、万難地天。本名は紀柳(キリュウ)。
シャオとはまた違った方向に生真面目で純粋な性格。淡々としているとも言える。
使命には非常に忠実で熱心だが、主を含めた周りの全ての人間と必要以上に深い関係を持とうとしない。それは他の2人と違って「試練を与える」と言う使命の関係上、主の近親者などから嫌われる事が少なくなかった事に加え、やがて来る主との死別も「嫌われていれば辛くないだろう」と言う考えによる。
本人は感謝されたりする事に慣れておらず、太助に礼を言われたり褒められたりすると顔を真っ赤にしてしまう照れ屋の面もある。
好き嫌いが激しく、辛いものも甘いものも苦手。ただしシャオの作る、甘すぎず辛すぎずの絶妙の麻婆茄子は好き。暑さも寒さもダメで、夏は自室に複数台の扇風機を持ち込んでいる。
加えて朝も苦手で、非常に大掛かりな仕掛け(通常の目覚まし時計に連動して、天井から巨大な包丁が降ってくる仕掛けなど)の目覚ましが無いと起きられない。しかしこれは、「この目覚ましの仕掛けを作るために」夜中まで起きているという悪循環によるもの。
能力は「万象大乱」の掛け声と共に短天扇を振ると、対象物の大きさを自由自在に変化させる事が出来る。この能力を駆使して主に試練を与える。短天扇自身を巨大化して、上に乗って空を飛ぶことも出来る。
なお、彼女もシャオやルーアンと同じく遥か昔から存在する精霊だが、シャオやルーアンらと対立したと言った話は無い。これは彼女の使命がシャオやルーアンと異なるためである他、単に作品での登場時期が彼女だけ遅かった事にもよる。 - 宮内出雲(みやうちいずも)
- 近所にある宮内神社の神主。神主を務めてはいるがかなり若く、太助の姉・那奈の同級生。
イケメンでスポーツ万能でしかも女性に異様に優しい性格のため町内にファンクラブが存在したほど。
シャオに一目惚れし、何とかしてシャオを太助から引き離して気を引こうと考え、中学校の購買部の店員のアルバイトとして学校に入り込むまでするが、思いの強さで太助に勝てない事を認め、身を引く。
運転免許および車を所有しており、支天輪が長距離トラックに引っかかって運ばれていってしまった際には、太助にアシとして使われる形でトラックの追跡をする。シャオのためではあるものの太助に対しては文句タラタラであったが、高速道路のど真ん中でガス欠を起こす事(※道交法違反)を分かっていながら追跡続行を拒否せず高速道路に入るなど、基本的にはいい人。
その他
- 『Guardian Angel Getten』という英訳版も存在する(エニックス収録のものを英訳してコミックサイズを調整した版)
- 『再逢』になってから急激に絵柄が変わったとされているが、実は2話以降は桜野みねねが下書き、ペン入れはSTUDIO TWO WINGSが行うという分業制になっていた。
- wikipediaには「連載終了後にSTUDIO TWO WINGSとの共同制作であった旨を発表したリリースがあった」とされているが、ホームページのリニューアルに伴いそのリリースはなくなったという。
- アニメ版のOP曲、SURFACEの「さぁ」はメンバーの椎名慶治が原作を読み、太助をイメージして作詞した、ある意味守護月天のために作られた曲。作中の固有名詞が登場したりする訳ではないので、一般的名アニメソングのような雰囲気は無いが、マッチ度が非常に高いとして評判が高い。その後の「キングオブコント」での騒動は「さぁ」の項に詳しいが、この騒動の中で椎名慶治と桜野みねねがTwitter上で再び対話する一幕もあった。
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解封の章
関連項目
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