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この記事はとある魔術の禁書目録のネタバレが含まれています。 閲覧・スクロールの際はご注意下さい、 |
エイワスとは、『とある魔術の禁書目録』に登場する聖守護天使である。
元ネタは魔術師アレイスター・クロウリーに『法の書』を授けた同様の異種高次元存在「聖守護天使エイワス」。テレマにおけるホール・パール・クラアトの使者であり、93の数価を持つ存在。
「とある魔術の禁書目録」のエイワス
『ドラゴン』と呼ばれる学園都市の最重要機密。
その正体は、かつて魔術師アレイスター=クロウリーに『法の書』(テレマの神秘思想)を授けた「聖守護天使エイワス」と呼ばれる高次元存在。
史実のエイワスと同じく「聖守護天使」「地球外生命体」「シークレットチーフの真なる者」など様々な説が存在する。ただ本人曰く天使という記号に対応するが、ドラゴンの呼称の方が本質に近いらしい。
数価[1]は「93」。これは「テレマ」と同じ数価でもある。
旧約禁書の概要
初出:7巻(名前だけ)、19巻(実際の登場)
アニメ2期では殆どカットされたが、7巻の時点で存在が語られている。
◆7巻 インデックス:
『法の書』は彼の守護天使とも許されざる者とも語られる謎の存在エイワスによって伝授された内容を記したもので、一説には天使が使用する術式がそのまま使えるとも評されてるんだよ。その威力は絶大なもので、『法の書』のページが開かれた瞬間に十字教の時代は終わりを告げ、新たな時代が始まるとすら伝えられてるの。◆7巻 ステイル:
ある魔術実験では守護天使エイワスと接触する器として共に世界旅行に出かけていた妻の体を旅先で使っているし、娘のリリスが死んだ時も顔色一つ変えずにmagickの理論講築を行っていたそうだ。しかも、その実験では娘と同い年ぐらいの少女達を犠牲にしていたらしい
19巻でヒューズ=カザキリを核とし、AIM拡散力場を集合させることで現出した。この製造過程を経て「現出」したものの、それだけでAIM拡散力場に莫大な負荷をかけ、結果ミサカネットワーク、更には打ち止めへの影響も引き起こした。
金髪の光り輝くような長身の持ち主で、ゆったりとした白い装束を身にまとう。性別は不明だが、作中の三人称は‘彼’。外観の見た目だけなら女性的に見える。
時折言葉にノイズが混じるが、これは「ヘッダが足りない」ために意味を表現できないとのこと。
クロウリーは彼に「自殺防止機構」のようなものを植え付けたため、彼自身が意識せずとも外敵からの攻撃の一切を防ぐ。これは、一方通行の超能力を力でねじ伏せた上に、更に覚醒した一方通行の黒い翼の力さえも圧倒した。
彼の見せた攻撃の詳細については直接食らった一方通行によると、垣根帝督や木原数多のように「すり抜けた」のとも、上条当麻のように「打ち消した」のとも違う、「気付いたらダメージを受けた正体不明」の力と回顧している。
残念ながら、それはrgg時ri代piregiが違うな。君のは所詮、オシリスの頃のrsg力nopheだ。その程度ではホルスを生きる私にhosef敵qierdないよ。
「オシリス」「ホルス」とは、クロウリーが主張していた「テレマ」の概念を指す。十字教が支配する時代、および十字教のフォーマットに収まる力を「オシリスの時代」。十字教の支配体制が崩壊し、人類が真なる目覚めを果たす時代を「ホルスの時代」という。
一方通行の黒い翼は既存のフォーマットに囚われた「オシリスの時代」の力で、その次の「ホルスの時代」を生きるというエイワスには全く及ばなかった。
(「右手」「幻想殺し」「神浄」も「ホルスの時代」の力である可能性が示唆されている)
なお、一方通行を潰したこの力も彼にとっては「無意識の防衛」程度の感覚に過ぎず、実際に戦う気はなかった上に、更に上位の力を振るうための「変形」機構まで持っている様子。
戦闘後、一方通行が意識を失う直前に、『禁書目録』という言葉を頼りにロシア、エリザリーナ独立国同盟へ向かう事を勧めた。
幾度かの事態でクロウリーの「計画(プラン)」の崩壊を示唆し、たまに彼をネチネチいびっている。余り表には出ないがその性格故にクロウリー並に自由奔放っぷりを漂わせる。
割とやりたい放題で、一方通行のロシア行きを煽った事で、風斬氷華には脅迫とも言える釘を刺されたりしていた。自身に振りかかる危機も、それを可能とするかも知れない「弱い人間」にも強い興味を持ち、事態を悠然と楽しむ。超然とし過ぎていて、彼にとって塵芥にも等しい人間さえも興味深い対象となっており、「3人の主人公」の存在にもいち早く注目していた。また、プランの中核となる一方通行と会話する為に、わざわざ出向いたりしている。
登場人物の中では上条当麻、一方通行、垣根帝督が気になっているようである。
新約禁書の概要
あらゆる宗教概念に依らない最下層の世界「科学の世界」における天使。
オティヌス:
ヤツの名はどこにも出てこない。どんなカテゴリの宗教にも収まらない。……そして、この世界は物理法則の上に幾重にも魔術サイドの位相を折り重ねる事によって成立しているエイワスとは、一番下層……純粋なる物理法則の世界に佇む天使なのだ
新約とある魔術の禁書目録 18巻P.285より抜粋
とあるシリーズの世界は、魔術法則が支配する「位相(異世界)」を幾重にも重ねた状態で成立している。その一番下、最下層に位置するまっさらな異世界が「純粋なる物理法則の世界」と呼ばれている。
エイワスを召喚したアレイスター=クロウリーは「科学的」という言葉を「霊的・物理的問わず物事の因果を美しく順序立てて説明できること」として使っていた。
エイワスもそうした意味での純粋なる科学=物理法則の世界に佇む天使であり、神に隷属する十字教の支配を脱した人類の次なるステージ「ホルスの時代(アイオーン)」を生きる高次存在でもある。
なお学園都市は「科学」の形に擬態させた「テレマ僧院」[2]なのだが、これは禁書黎明期から考察されていたことである。禁書でのテレマの扱いは、シリーズ最大の考察ネタと言っていい。
エイワスの召喚及び喚起
クロウリーとのファーストコンタクトは1904年。
旧約7巻と新約18巻の描写を繋げると、禁書でもクロウリーの最初の妻・ローズ=ケリーの身体を霊媒にした召喚だったようだ。この時、ローズの体を介してクロウリーに口伝した情報が「法の書」として書き留められ、使用すれば十字教の時代が終わると伝えられる眉唾物の魔道書になっている。
クロウリーが「法の書」の内容を基に「テレマ」の概念を主張し、イシス、オシリス、ホルスの三神の名を借りて人類の生きる時代(アイオーン)を切り分けたのもこの頃であった。
彼はエイワスとの接触があった年=「法の書」が完成した1904年より前を神に因われた旧時代と見做し、「1904年に審判は既に果たされ、今ある時代は十字教の支配体制が消滅した次(ホルス)の時代(アイオーン)である」と主張している。
クロウリーが掲げる計画(プラン)にとってもエイワスは重要な部分を占める。オティヌス曰く、純粋な科学世界の法則を従えるエイワスの制御方法を確立した後、世界にわだかまる「位相」をエイワスの莫大な力でもって完全に排除し、魔術を消滅させる事が可能となるらしい。
(「位相」同士の軋轢が生む「火花」が撒き散らしていた運命の偏りも世界から無くなるため、クロウリーがエイワスを重宝する理由としても筋が通る)
力量
エイワス自身の純粋な力量は不明だが、理論値では完成された『魔神』に対抗出来ると言われている。
先述した通り「地球外生命体説」も内包する以上、地球に縛られた法則には依存しておらず、むしろ地球から離れると徐々に力が解放されていく。
新約18巻のクロウリーvs上条当麻戦で召喚された際、上条の奥底に潜む存在を2行で潰している。その際に「多少は成長しているようだがまだまだ青いな。しかも純度も甘い」という発言を残した。やはり上条の奥底に潜む存在についても把握していた様子。
また、魔道書を伝達したという性質上、自ら魔道書を執筆することも可能なようだ。実際に『窓のないビル』に縛り付けられたミナ=メイザースを地球に逃がす為、魔道書「黒猫祭祀秘録」をミナの身体を借りて執筆している。
ミナの人格を構成する「問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78)」に代わる携行可能な依代を芸術家的なインスピレーションを発揮して即興で、しかも一瞬で作り直して一冊の本に記述を纏める、という超人的な行為を難なくこなす辺り、やはり規格外の存在ではあるらしい。
(黒猫祭祀秘録はミナの根幹、そしてインデックスが記録した10万3001冊目の魔道書となった)
性格
作者は新約19巻あとがきで「エイワスは特に善人ではない」と述べているが、一応クロウリーのような「理不尽に全てを奪われても努力を惜しまず足掻き続ける者」には揺り動かされるようだ。ローズに憑依したのもクロウリーに救いの手を差し伸べる為だという。
エイワスを身体に降ろした時、既にローズは娘・リリスを身籠っていた。エイワスは死ぬ運命にあったリリスの構造を事前に読み取り、生命力を位相に退避させていた。クロウリーがリリスの「肉の器」を作り、現世に受肉できるようになるまでは位相で保護しておく予定だったと語っている。
→リリス(とある魔術の禁書目録)
新約19巻では、約一世紀も魔術の根絶を掲げたクロウリーの血と汗と涙の重さに報いるため、リリスを剥き出しの生命力のまま現世に誕生させ、親子の再会を演出している。
契約者アレイスター=クロウリー。君がどのような人間であれ、幸せになるための努力を決して怠ってはならない
……今まであれだけのいばらの道を、よくぞ歯を食いしばって歩き通した。君が孤独の暗闇の中で流した血と汗と涙、その等量だけ九三の数字を背負う天使が報いよう。世の摂理などどうでも良い、既存の神々が決めた定めなどクソ喰らえだ。さあ顔を上げ、前を向いて、胸を張って、堂々と受け止めたまえよ。君自身が不断の努力でもって手繰り寄せた恩恵を!!
クロウリーをネチネチと罵倒しながらも救おうとするエイワスはツンデレなのかもしれない。
しかし、天使というイメージに反して意外と口汚い事も判明している。新約19巻では大悪魔コロンゾンに対しゲロ袋、オガクズ頭、生ゴミ、肉塊、悪魔風情、汚物、タン壺野郎、クソ山、風呂場の黒ずみ程度の存在、便所ブラシ、ゴミ溜め、デブリ野郎などと喋る度に罵っていた。
失敗作…?
新約10巻では魔神「僧正」に「完全な失敗作」扱いされている。彼の発言によると、いずれクロウリーがエイワスの件で頭を抱える事態に陥るとの事。
『魔神』娘々の言葉から失敗作というのは魔神達の共通見解と思われる。
なお、クロウリーは「呪い」により失敗を余儀なくされている事が判明した。そのため、本当にエイワスが「失敗作」だとしても特に不思議ではないかもしれない。
世界の真実
新約18巻だと台詞にノイズが混ざっていなかった。エイワス曰く、
との事で、世界の真実(本質?)とやらの設定が示唆されている。
新約22巻以降
新約22巻496ページ~504ページで正体?が多分ほんの一部明かされた。
実際にはアンナ=シュプレンゲルと共に「薔薇十字
」に名を連ねる存在らしい。リリスを現世の表層世界に誕生させたのも、彼女の入れ知恵と言うか彼女を楽しませるため?
表層世界での目的はクロウリー関係ではなく、
詐欺師マダム・ホロスに奪われたシュプレンゲルの器を奪還する事であった。
関連動画
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関連コミュニティ
関連項目
- とある魔術の禁書目録
- エイワス
- アレイスター=クロウリー(とある魔術の禁書目録)
- コロンゾン(とある魔術の禁書目録)
- ミナ=メイザース
- リリス(とある魔術の禁書目録)
- 上条当麻
- 一方通行(アクセラレータ)
- 浜面仕上
- 風斬氷華
- 魔神(とある魔術の禁書目録)
外部リンク
脚注
- *ゲマトリア。史実のエイワスの数価も同じである。ただし厳密に言えばAiwassのスペルでは418であり、93はAiwaz表記となる
- *テレマ僧院は実在したアレイスター・クロウリーがシチリア島にて開設した宗教施設。ただし不慮の死亡事故が起き、ムッソリーニ政権のガサ入れがはいって閉鎖に追い込まれ、クロウリーは国外追放。禁書では「たった一つのアクシデントから失われてしまった」と説明されているが、実際に史実そのままの事件が起こったものかは不明。国外退去処分は受けたらしい。
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