クラスペディア(Craspedia)とは、2022年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
通算成績7戦1勝[1-3-0-3](2025年5月31日現在)
概要
父:*ミスターメロディ、母:ウンベラータ、母父:アグネスタキオンという血統。
父*ミスターメロディはアメリカ産のマル外で、2019年高松宮記念優勝馬。クラスペディアら2022年産が初年度産駒になる。
母ウンベラータは新馬戦3着になるも骨折の影響で2戦0勝。全姉(本馬の伯母)にジェルミナル(2009年フェアリーS勝ち馬、同年の桜花賞・オークス3着)がいる。
母父アグネスタキオンは皐月賞を含む4戦4勝無敗、屈腱炎で底を見せぬまま引退した「超光速の粒子」。母父としての主な産駒にはノンコノユメ、ニシノデイジーなどがいる。
生産は北海道新冠町大狩部の田畑牧場。交流GIIIエーデルワイス賞優勝のアドマイヤゴールドを生産している。
2023年の北海道サマーセールにてJRAに1000万円(税抜)で落札され、JRAの宮崎育成牧場で育成されたのち、2024年4月のJRAブリーズアップセールに900万円スタートで出品され、塚田義広オーナーによって1450万円(税抜)で落札された。
(2歳時。13:30あたりからの上場番号39番)
馬名は「植物名。母名より連想」。オセアニア原産のキク科の植物から来たと思われる。
2歳(2024年)
開業初年度の栗東・河嶋宏樹厩舎に入厩し、8月10日の中京芝1200m新馬戦に鞍上小崎綾也でデビュー。スタートまもなく先頭に立ち逃げを打つが、2番手でレースをしていた1番人気のエイシンワンドに最後の直線で交わされ2着。以後も小崎が主戦となる(以下、特記がなければ小崎騎乗)。
次走は未勝利でありながら、中京開催の小倉2歳ステークス(GIII)に出走。未勝利馬でも2歳夏季と3歳の一部トライアル重賞には出走できることになっているので、同レースへの未勝利馬の出走自体は別に珍しい話ではない。
レースでは道中3番手につけ、直線で少し足を貯めると、抜け出していたエイシンワンドを外から追い詰めるも3/4馬身届かず、また2着。
さて、ここで収得賞金と未勝利(競馬用語辞典)- JRA(外部サイト)の記事を確認しておきたい。2歳GIIIでは2着で600万円の収得賞金が加算できることになっている。
そしてJRAでの未勝利馬の条件は、(1)出走して第1着になったことがなく、(2)重賞競走の第2着にもなったことのない馬をいう。
つまりクラスペディアは0勝馬でありながら、JRAの定義する未勝利馬ではなくなり、さらに収得賞金が500万円を上回るため1勝クラスにも出走できない。仮にこれ以降収得賞金を加算できなくとも、3歳の夏競馬の開始まではオープン馬として扱われることになった。ただし収得賞金がこのままだった場合、3歳夏からは2勝クラスの扱いとなる。
なお、グレード制以降これまで未勝利馬が重賞2着で収得賞金を加算して未勝利を脱出した例はなく、クラスペディアが0勝馬でオープン馬になった初のケースになる。未勝利馬ではなくなったので、今後はフルゲートで賞金不足による除外を受けない限り、上記の2歳夏季および3歳トライアル以外の重賞や、GIへの出走も可能となった。
というわけで3戦目は、未勝利馬は出走できない11月の京王杯2歳ステークス(GII)。0勝馬の出走はもちろんグレード制以降初である。そして今回もエイシンワンドと一緒。仲良しか。向こうが2番人気に支持された一方、クラスペディアも0勝ながら15.5倍の6番人気とそこそこの支持を集めた。
レースはうっかり好スタートを切りすぎてしまい、ハナに立とうと行きたがるクラスペディアの手綱を小崎騎手が引くことになってしまう。なんとか3番手に下げて進め、直線では前2頭に一度は引き離されるも食い下がり、前の2頭はかわしたものの後続に呑まれて5着。8着に終わったエイシンワンドには初めて先着し掲示板は確保したが、「初勝利が重賞」の快挙はお預けとなった。
そして年末は中京2歳S(OP)との両睨みだったが、果敢に朝日杯フューチュリティステークス(GI)を選択。グレード制以降初の0勝馬のGI出走となった。史上初の挑戦ということに一定の注目は集めたものの、さすがに馬券的には人気するべくもなく、210.3倍の16頭中14番人気(彼より人気しなかったのはここまで4戦全てダートのコスモストームと前走1勝クラス12着のエルムラント)。ちなみに今回もエイシンワンド(11番人気)と一緒。仲良しか。
レースは好スタートからハナを伺うも、結局1枠の2頭に譲って下げて中団前目の位置に。3角から4角にかけてさらに位置を下げてしまったが、そこから直線盛り返していき、2番手から上がり最速で圧勝したアドマイヤズームには1秒3も離されたものの6着に残した。掲示板入りはならなかったが、14番人気の0勝馬としては充分な健闘と言えるだろう。ちなみにエイシンワンドは14着。
3歳(2025年)
明けて3歳初戦は東京・芝1400mのクロッカスステークス(L)。7頭立てで5.7倍の3番人気に支持される。そして今回もエイシンワンド(5番人気)と一緒。仲良しすぎるだろお前ら。
レースは好スタートから後ろを離してハナを切り、そのまま逃げる態勢へ。そのまま直線を向くと並びかけられてもじっと我慢し、小崎騎手が追い出すと二の脚を発揮。追い込んできた2番人気ティラトーレを半馬身振り切ってゴール板へと駆け込んだ。
5戦目にして待望の初勝利。オープンで初勝利はナムラクレアなど2歳戦ではそれなりにあるが、3歳オープンでの初勝利はグレード制導入後初となった。塚田オーナーもこれが所有馬の中央初勝利である。ちなみにエイシンワンドは6着。
続いてファルコンステークス(GIII)へ。今回は6戦目にして初めてエイシンワンドは不在となり、18頭立ての7番人気(12.2倍)。レースは好スタートを決めつつ抑えたが、道中の3角で緩んだところで掛かってしまい消耗、ペースアップについていけずそのまま見せ場なく沈み16着。
気を取り直して距離短縮し、葵ステークス(GIII)へ。前走の大敗に加えて8枠15番の大外、小倉2歳S以来の1200mということもあってか評価を下げ、25.6倍の13番人気に留まった。
しかし好スタートを決めると、小崎綾也が押して押して強気にハナを取りに行く策に出る。そのまま9番人気サウスバンクと2頭で後ろをかなり離してレースを引っぱると、直線では後続の他馬が馬場の良いところを通ろうと外にばらける中、内ラチ沿いで粘り込みを図る。他馬が思ったほどには内ラチ沿いが荒れておらず、このまま逃げ切るかと思われたが、ゴール前で後続が殺到。そのまま呑まれ――るかと思いきや、もうひと踏ん張り。15番人気の伏兵牝馬アブキールベイに差し切られたものの、それ以外は凌ぎきって2着に残した。惜しくも重賞初制覇はならなかったが、相棒の強気の騎乗で収得賞金をゲットしたので充分な結果だろう。なお3着にも8番人気レイピアが突っ込み、3連単は189万3020円の大荒れとなった。
0勝馬としての珍記録街道を脱し、歴としたオープン馬として戦うクラスペディア。重賞、そしてGIを目指して相棒・小崎綾也とともにまだまだ戦いは続く。
血統表
*ミスターメロディ 2015 鹿毛 |
Scat Daddy 2004 黒鹿毛 |
*ヨハネスブルグ | *ヘネシー |
Myth | |||
Love Style | Mr. Prospector | ||
Likeable Style | |||
Trust Lady 1998 鹿毛 |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | |||
Klassy Kim | Silent Screen | ||
*クールアライヴァル | |||
ウンベラータ 2010 鹿毛 FNo.7-e |
アグネスタキオン 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | *ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
*オンブルリジェール 1999 黒鹿毛 |
Double Bed | Be My Guest | |
Claire's Slipper | |||
Flawlessly | Rainbow Quest | ||
Pauvresse |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)
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