デススティンガーとは、『ZOIDS』シリーズに登場するウミサソリ型大型戦闘ゾイドである。
当時一般から公募された「ブルーマリンスティンガー」と呼ばれるゾイドを原案として、商品化の際にその設定を大幅に改変して発売されたという経緯を持つ。
機体解説
デススティンガー DEATH STINGER |
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基本情報 | |
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型式 | EZ-036 |
所属 | ガイロス帝国 ネオゼネバス帝国 |
モチーフ | ウミサソリ型 |
スペック | |
全長 | 19.4 m |
全高 | 10.7 m |
全幅 | 不明 |
重量 | 320.0 t |
最高速度 | 185.0 km/h |
海中 最高速度 |
72.0 Kt |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
ガイロス帝国が開発したウミサソリ型超重戦闘用ゾイド。
ガリル遺跡より回収されたオーパーツである“真・オーガノイド”のコアを使用したゾイドで、EZ-34ジェノブレイカー、EZ-35ライトニングサイクスと並ぶ最後の“帝国3大ゾイド”でもある。
逼迫する戦況に間に合わせるため短時間で強制成長させた真・オーガノイドコアをベースとし、そのコアから来る莫大な出力を反映して絶大な戦闘能力と生命力を発揮しつつなおかつ巨大ゾイドでありながら標準以上の俊敏な機動性も兼ね備えた極めて優れたゾイドであり、その総合的な戦闘能力はジェノブレイカーをも凌ぐと言われていた。
武装も非常に豊富で、まず尾部の先端には超高出力の荷電粒子砲を始めとする各種砲塔、背部には大口径の衝撃砲などを搭載、格闘戦用に前脚にはストライクレーザーバイトシザースやレーザーブレードを装備しているため武装面において隙らしい隙はほとんど無い。
全身を覆う装甲はあのEZ-21デスザウラーとほぼ互角の強度を誇り、さらに前面部に内蔵されたEシールドジェネレーターから展開するEシールドによってその防御機能は鉄壁を誇っている。
水陸両用なため単純な地上戦のみならず水中でも戦闘が可能なうえ、地中をも高速で掘り進む事が出来る。
これらの事からある意味でデスザウラーと同等かそれ以上の最強ゾイドの誕生かと思われたが・・・この“真・オーガノイド”は現代人にとってもいまだ未知の存在であり、開発段階でもその実態は危険視されていた。
そしてこの真・オーガノイドは戦闘中に自己防衛本能を覚醒させた事により暴走を開始、ただ人間の制御を離れただけでなく改造過程で失われたはずの繁殖能力や他のゾイドを取り込んでの自己進化能力さえも発現、さらに暴走時のスペックは理論上のものを遥かに超えるレベルに達し、とても人間の手には負えない文字通りの怪物と化してしまった。
この1号機の失敗を受けた後もデススティンガーの制御方法の研究が進められ、遂にインターフェースと呼ばれる小型ゾイドを一緒に組み込む事でようやく制御が可能になる事が突き止められる。
これのシステムを応用しての量産や改造機の配備も開始されたが、この方法だとオーガノイドとしての機能は著しくダウンしてしまう事になり、もはや後に登場する完全野生体ゾイドと同程度かそれ以下の能力しか発揮できず、このデススティンガーもまた凡百のゾイドへと成り下がっている。
なお、このオーガノイドシステムの完全制御技術は“鉄竜騎兵団”およびネオゼネバス帝国が占有している。
とは言え、そのオリジナルデススティンガーの性質を鑑みればゾイド史上においてある意味でデスザウラーどころかDBOZ‐17ギル・ベイダー、しいてはRPZ‐24キングゴジュラスよりも遥かに恐るべき危険性を秘めたゾイドであったとも言える。
劇中での活躍
バトルストーリー
ZAC2100年ロールアウト。共和国軍に追い詰められる帝国軍撤退部隊を守るために製造が急がされ、完成するやテストもしないまま初出撃。ライトニングサイクスや改造ジェノザウラー部隊と共に北ルートに展開し、そこで共和国軍の迎撃に当たった。
その最中、シールドライガーDCS-Jの攻撃を受けた際に自己防衛本能が覚醒、暴走を引き起こして共和国・帝国の両軍を瞬く間に全滅に追いやった末に行方をくらませた。
その後、デススティンガーはある遺跡に巣を張ってそこで繁殖を開始、他のゾイドを襲ってはそのコアを捕食あるいは幼体の餌にし続け、そして遂にはアーサーのブレードライガーとリッツのジェノブレイカーのコアを狙って両機を襲撃する。
2機も共闘して果敢に反抗するが、Eシールドジェネレーターを壊され、頭部装甲を失ってもなお暴走するデススティンガーの猛威は止まらず、さらに鋏脚と遊泳脚そして尾部が倍近く伸び、背面装甲には多数のビーム砲を漏出させたような異形の姿を現し、捨て身の特攻を掛けたブレードライガーを蜂の巣にした挙句、その尻尾でブレードライガーのコアを貫いて破壊する。
しかし、その時に出来た僅かな隙を突かれてジェノブレイカーが持ったブレードライガーが遺したレーザーブレードで頭部を貫かれて遂に葬り去られ、巣もまたジェノブレイカーに破壊されデススティンガーの増殖も阻止された。
この事態を受けても帝国技術部では真・オーガノイドシステムを制御するための研究が進められ、そして西方大陸より持ち帰られた小型ゾイドを内部に組み込むという方法でデススティンガー制御方法が確立されたため量産と改造機の開発が行われるようになる。
西方大陸戦争末期では改良機のキラー・フロム・ザ・ダーク部隊が共和国に奪われた元帝国基地の奪還のため派兵されたが、ライガーゼロ擁する新生特殊部隊の前にあえなく全滅に追いやられている。
また、ネオゼネバス帝国との戦争時代にはステルススティンガーとサックスティンガーと呼ばれるバリエーション機が各地に潜伏していた共和国軍残党狩りに従事し、ステルススティンガーの方は発見した共和国軍を追い詰め、さらにあのゴジュラス・ジ・オーガをも撃破してみせるが、その直後にはゴジュラスギガに粉砕されてしまっている。
アニメ
『ゾイド -ZOIDS-』に登場。
こちらもデスザウラーと同様に設定が一部改変されており、元が超古代のオーパーツという点ではバトストと同じだがその出自や背景は異なり、さらには機体サイズも片腕で大型ゾイドが掴めるほど巨大に描写されている。
『ゾイド -ZOIDS-』では、ヒルツがある海底遺跡より回収したかつてデスザウラーを制止する際に使用したとされる2機のサソリ型ゾイドのコアを融合させて生み出した超巨大ゾイドで、そのコアの温度は約6000度以上(太陽に匹敵)という膨大な出力を有し、荷電粒子砲の威力も第1部に登場したクローンデスザウラーとは比較にならない威力を誇る。
まず誕生の直後から荷電粒子砲を持って遠く離れた共和国軍基地を破壊、その後はヒルツ自らが操り、巨大戦艦ハンマーカイザーに搭載されてそこから手当たり次第に荷電粒子砲で都市や施設を狙撃しては大きな被害を出し続けた。
ハンマーカイザーはトーマ・リヒャルト・シュバルツとアーバインの活躍で撃沈されたが、デススティンガーはその爆発と衝撃にも耐え、ヘリック共和国の首都ニューヘリックシティへと向かい、自ら溶岩脈に潜ってニューヘリックシティに奇襲を仕掛け、ついにシティを完全に壊滅させた。
その後も共和国軍残存部隊が逃げ込んだウルトラザウルスを執拗に追撃したり、さらにヒルツの愉快犯じみた考えからかつてバン・フライハイト達が旅したルートをなぞるようにして町や都市を次々を襲撃、殲滅していった。
対する共和国軍と帝国軍はウルトラザウルスに超大型砲“グラヴィティカノン(GC)”を搭載させ、さらにバン、アーバイン、トーマ達が連携して特殊なEシールドでデススティンガーを包囲拘束した後でGCで攻撃するという計画を発動、一発目は拘束を破り放たれたGC弾頭を撃ち落とす事に成功したが、二発目は捌き切れずとうとう被弾、超重力波を浴びて完全に沈黙したかと思われた。
しかしその直後にオーガノイド・アンビエントがコアに取り付いて不完全ながらもしぶとく再生を果たし、バン達と激しい戦いを繰り広げるが、追い詰められるや突如として光となって姿を消した。
最後には古代都市イヴポリスに向かうバンの前に立ちはだかり、すでに再生もだいぶ進んでいたがバンの気迫と真の力を発揮したブレードライガーの前に圧倒され始める。さらにアンビエントとの再融合で完全再生を果たしてもなおブレードライガーに翻弄され続けるが、ゾイドイヴの波動を浴びてコアが肥大化してヒルツとアンビエントを取り込んだ後にイヴポリスへと赴き、そのコアは本体を離れて覚醒したオリジナルデスザウラーのコアと融合した。
『/ZERO』では尻尾だけがバックドラフト団の兵器として使用され、ロイヤルカップの試合を取り仕切るジャッジ衛星を撃墜している。
主な機体バリエーション
キラー・フロム・ザ・ダーク
デススティンガーのシステムを制御可能なレベルまで落し、さらに数々の追加装備を施した改良機。
ただし、その戦闘能力はオリジナルの70%ほどしかないため、普通に通常ゾイドでも対抗が可能になっている。
ステルススティンガー
デススティンガーの格闘戦特化仕様機で、尾部の荷電粒子砲は大型のレーザーシザースに換装されている。
なおかつステルス性の向上のため武装と装甲面がかなりシンプルになっているのも大きな特徴。
一応通常のゾイドよりも戦闘力も再生力も高いらしいが、この時代ではあまり通用していない。
デススティンガー・ザルカスペシャル
『妄想戦記』シリーズに登場するデススティンガーのバリエーション機。
天才科学者ザルカの的確な制御技術により、操縦性と戦闘能力が両立された機体となっている。
ACゲーム『ゾイドインフィニティ』シリーズにもキャラクターのザルカと共に登場する。
関連動画
なぜかこっちでもこのタグが多い。
関連商品
関連項目
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