トップナイフ(Top Knife)とは、2020年生まれの日本の競走馬。青鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2022年:萩ステークス(L)、ホープフルステークス(GⅠ)
概要
父*デクラレーションオブウォー、母ビーウインド、母父*スピニングワールドという血統。
父はアメリカで芝の8ハロンと10ハロンのG1を勝った馬。引退後はアイルランドとアメリカ、シャトル先のオーストラリアで種牡馬として供用された後、日本軽種馬協会によって輸入され2019年から日本で供用されている。トップナイフはその輸入初年度の産駒。輸入前のマル外・持ち込み馬も何頭かいるが、大井で10戦9勝(2023年4月現在)の巨漢馬*カフジタウルス、いずれも中央OP勝ちのある*ジャスパージャックとデュードヴァンがいるくらいで日本のグレード競走を勝った馬はいない。
母は4戦未勝利で地方移籍したが結局23戦未勝利で引退し、トップナイフは11番仔。本馬の大叔父にはテイエムオペラオーがいる。
母父は1996年・1997年のジャック・ル・マロワ賞連覇、1997年のBCマイルなどマイルG1を5勝したアメリカ産のフランス調教馬。日本では1年だけリース種牡馬として供用された。母父としての産駒に2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトがいる。
2020年3月9日、テイエムオペラオーの生産牧場として知られる浦河町の杵臼牧場で誕生。2021年の北海道サマーセールにて、2200万円(税抜)で落札された。
オーナーはシュウジ、アンジュデジール、ファストフォースなどを所有する安原浩司氏。氏曰く、その年に参加したセリ市でなかなか思うような馬が見つからなかった中、「今年のセリ市参加はこれで終わり」と思って参加したサマーセールにて、ようやく出会えた「ピンとくる」馬がトップナイフだったという。なお、ピンときたのは一緒にサマーセールを見ていた昆貢調教師と二人同時だったとか。[1]
馬名意味は「超一流の技術」と登録されている。同名のテレビドラマが元か。
超一流の技術
2歳
同じ安原オーナーの代表馬であるシュウジやアンジュデジールも所属した、栗東の昆貢厩舎に入厩。2022年7月24日、札幌・芝1800mの新馬戦で横山和生を鞍上にデビューしたが、スローペースを集団後方から追い込めず6着。出走9頭中7頭が勝ち上がり、うちトップナイフを含めクラシック出走馬が3頭(1着ドゥアイズと4着ドゥーラ)というハイレベルな新馬戦であった。
続く8月13日、同条件の未勝利戦は3.4倍の1番人気に支持され、押してハナを切り逃げたものの2頭にかわされて3着。
2000mに距離を延ばした3戦目の9月4日の未勝利戦(札幌)は7.1倍の3番人気に評価を落としたが、ここを前走より早めのペースで逃げてそのまま4馬身差で逃げ切り快勝。初勝利を挙げる。
続いて中2週で中京・芝2000mの野路菊ステークス(OP)へ。鞍上は和生から父・横山典弘に乗り替わった。7頭立てで12.4倍の4番人気。レースは前に行きたがったアリスヴェリテとカルロヴェローチェを行かせて3番手で進めたが、直線では置いていかれてしまい、勝ったファントムシーフからは1.5秒も離された4着。
この負け方もあってか、10月ので萩ステークス(L)では単勝18.4倍ながら7頭立て6番人気の低評価。しかし2番手で折り合いをつけて進めると、直線で横山典弘騎手の追い出しに応えてあっさり逃げ馬をかわし、2馬身差で快勝。出世レースを制してクラシック戦線へ名乗りを挙げる。
ローレルゲレイロやディープスカイの例を見てもわかる通り、期待馬は短い間隔でどんどんレースに使う昆厩舎らしく、続いて2000mに戻して11月の京都2歳ステークス(GⅢ)へ。好スタートを切ったもののハナには行かず、今回は中団でのレースを選択する。ところが4コーナーで前から下がってきたビキニボーイと接触、さらに後ろから上がってきたヴェルテンベルクとも接触してしまうという大きな不利を受ける。しかしそれでも気持ちを切らさずに最内を突いて鋭く伸び、逃げ粘るグリューネグリーンに並びかけたところがゴール板。結果は惜しくもアタマ差届かず2着に敗れた。横山典弘騎手は「不利が痛かったです。でも、それを克服してここまで来るのですから凄いですね」とコメント。
まだまだ休まず、続けて年末のホープフルステークス(GⅠ)へ。出走馬中ぶっちぎり最多のキャリア7戦目ということもあってか、18.7倍の7番人気という微妙な評価であった。
好スタートの14番人気ドゥラエレーデを制するようにハナを切り、1000m61秒5の緩いペースでの逃げに持ち込んだトップナイフ。最内の経済コースを通り、直線でも後続を突き放して、2番手でついてきたドゥラエレーデとの叩き合いに突入する。一度はドゥラエレーデを振り切ったように見えたが、そこからドゥラエレーデが最後の最後でぐっと一伸びし、並びかけたところがゴール板。
中継の映像ではトップナイフが残したように見え、テレ東のウイニング競馬もレース直後には「横山典弘騎手 JRA・GI最年長勝利!! 8 トップナイフが優勝!」のテロップを出してしまうほどの僅差となったが、写真判定の結果、僅かにハナ差だけドゥラエレーデに差し切られ、悔しい2着に敗れた。前走は逃げ馬を追いつめて届かず2着、今回は逃げ粘ったが差し切られて2着という、なんというか芸術的な2getぶりである。さすがノリさん。
3歳
明けて3歳、賞金的にはクラシック直行でも問題なかったが、トライアルの弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)から始動。2.9倍の1番人気に支持される。
好スタートからすっと内に切れ込んだが、それ以上ハナを主張することはせず3番手でのレースを選択。そのまま最内を立ち回ったが、逃げ馬が前にいたせいか同じ位置で外を進めたタスティエーラよりも4コーナーでの仕掛けが遅れてしまい、内ラチ沿いから追いかけたものの振り切られて1馬身差の2着。これで重賞3戦連続2着となったが、一度はかわされた3着ワンダイレクトを差し返すなど力は見せた。
迎えた本番・皐月賞(GⅠ)。大混戦ムードの中、3戦連続2着で勝つには決め手に欠けると見られたか、単勝18.4倍の9番人気に留まった。
人気薄のグラニットが逃げ宣言をする中、自在脚質のトップナイフは逃げるのか控えるのか……と思ったら、なんとスタートで痛恨の出遅れ。そのまま最後方からのレースになってしまう。4角でも外に振られ、外から追い込んだものの、4角では同じような位置にいたソールオリエンスにはあっという間に置いていかれ、ひっそりと7着。
昆師は「後手に回ったことに尽きるが、脚は見せてくれたし、今までの積み重ねをダービーで見せれば変わると思う」とコメントし、引き続き日本ダービー(GⅠ)に向かう模様。野路菊Sの走りを見ると左回りにやや不安を感じさせたが、結果としては再び出遅れてしまい、特に見せ場なく14着。
次走は夏の古馬混合の中距離定量重賞、札幌記念(GⅡ)。前2走のふがいなさもあり、9番人気となった。レースはユニコーンライオン・アフリカンゴールドがハナをきり、それをウインマリリンが追走、その後ろをジャックドール・ダノンベルーガが走る展開。そして彼はその後ろ6番手付近につける形となった。3コーナーあたりから進出し、3・4コーナー中間で満を持して先頭に立つが、3コーナーから次第に進出してきたプログノーシスに直線でかわされ、4馬身おいていかれてしまう。それでも3着のソーヴァリアントには3馬身差つける2着となり、収得賞金の加算に成功、今後のレース選びの自由度が増す形となった。
次走はクラシック最後の一冠、菊花賞(GⅠ)へ。鞍上の好騎乗も相成り、タフな札幌の馬場への順応力を見せたトップナイフ。前年度とは違いダービー上位馬が揃って京都へ赴く中、正真正銘のGⅠ奪取に向けて動く。
血統表
*デクラレーションオブウォー 2009 鹿毛 |
War Front 2002 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
Pas de Nom | |||
Starry Dreamer | Rubiano | ||
Lara's Star | |||
Tempo West 1999 栗毛 |
Rahy | Blushing Groom | |
Glorious Song | |||
Tempo | Gone West | ||
Terpsichorist | |||
ビーウインド 2001 鹿毛 FNo.4-m |
*スピニングワールド 1993 栗毛 |
Nureyev | Northern Dancer |
Special | |||
Imperfect Circle | Riverman | ||
Aviance | |||
ビクトリーマッハ 1989 黒鹿毛 |
バンブーアトラス | *ジムフレンチ | |
バンブーシザラ | |||
*ワンスウエド | Blushing Groom | ||
Noura |
クロス:Northern Dancer 4×4(12.5%)、Blushing Groom 4×4(12.50%)、Forli 5×5(6.25%)
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
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