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『ドラえもん のび太の魔界大冒険』とは、映画ドラえもんシリーズ第5作目である。1984年3月17日公開。同時上映は『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』。
主題歌は小泉今日子の歌う『風のマジカル』(作詞:湯川れい子、作曲:NOBODY、編曲:鷺巣詩郎)だが、諸般の事情によりVHS版以降のメディア版では『のび太の大魔境』でも使用された『だからみんなで』に差し替えられている(後述)。
また、2007年に公開されたリメイク版『ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』についても解説する。
概要
大長編、映画ともに5作目となる作品。また、映画は「映画ドラえもん5周年記念」とされている。
これまでSF色の強い作品ばかりであったが、本作においては魔法世界を舞台としたファンタジーがメインとなる。
本作でよく話題に上がるのが序盤から張り巡らされた伏線と最終決戦前の一連のやりとりである。また、タイムマシンで戻ればもしもボックスを使う前の世界に戻れる点などもよく指摘される。
また、ドラえもんの妹であるドラミが初登場した大長編作品でもあり、ドラえもんたちの窮地を救う大活躍を見せている。
主題歌が劇場上映版と異なる事はよく話題にあがるが、実は本編にもいくつか修正が入っている。なお、他の初期シリーズも修正されている部分がある。
主題歌について
前述の通り、本作の劇場公開時の主題歌は『風のマジカル』であるが、歌唱した小泉今日子が当時人気絶頂のアイドルだった事が災いしてか、曲の契約期限の都合上VHS版以降のメディア版では『のび太の大魔境』でも使用された『だからみんなで』に差し替えられている(劇中でBGMとして使用されたインスト版も『ポケットの中に』に差し替え)。
劇場公開時の形での視聴は、公開翌年に行われた地上波放送の録画物などに限られており難易度が高かったが、現在ではAmazonプライムビデオなどのオンデマンド配信やWOWOWでの再放送にて、公開当時の『風のマジカル』が主題歌のバージョンを視聴できるようになっている。
また、映画ドラえもんの主題歌をまとめたアルバムにも長い間収録されない状態となっていたが、こちらも2010年に発売された『ドラえもん 映画主題歌大全集』を皮切りに、現在は収録されるようになっている。
余談だが、本作の主題歌は藤子・F・不二雄が存命中に作られた作品で唯一武田鉄矢がノータッチの曲である(他作品では本人が歌唱もしくは作詞等を担当していた)。
『ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』
第5作『のび太の魔界大冒険』のリメイク作品として公開された、映画ドラえもんシリーズ第27作(新キャスト版第2作)である。2007年3月10日公開。
主題歌は『かけがえのない詩』。作詞:hiroko,mitsuyuki miyake and Hidemi、作曲:mitsuyuki miyake、編曲:mitsuyuki miyake、歌: mihimaru GT。
原作・旧作からは設定や展開などに大きな改変が行われ、特に、美夜子・メジューサ絡みの設定の改変がストーリーの根幹に影響するレベルで顕著。現実世界と魔法世界の両方で絡む描写も見られるようになった。作画も『のび太の恐竜2006』を踏襲した鉛筆の風味を活かした強弱のあるタッチで、以降のシリーズにおける定番となっていく。監督はシリーズ初となる女性監督の寺本幸代で、以降も『新・のび太と鉄人兵団』『のび太のひみつ道具博物館』などシリーズでも評価の高い作品に携わる存在となっていく。
あらすじ
ある日、魔法があればと妄想していたのび太はドラえもんのもしもボックスで魔法の世界を作った。
ところがふとした事から元の世界に戻れなくなってしまい、おまけに地球へ迫る悪魔族と魔界星の事を知らされる。いつもの5人は地球を救うため、魔法使い美夜子と共に魔界へ乗り込む。
ゲストキャラクター
- 満月美夜子 (CV:小山茉美→相武紗季)
- 満月博士の娘。魔法の腕は一級品で絨毯の運転も出来る。悪魔たちに襲撃された際、呪いでネコの姿にされてしまう。
- リメイク版では悪魔たちにネコではなくネズミの姿に変えられており、ドラえもんが怖がったのでしずかが魔法でネコの姿に変える、という流れになっている。
- また、旧作では魔法世界のみでの登場だったが、リメイク版では現実世界においても満月博士の助手として登場する。
- 満月博士/満月牧師 (CV:中村正→河本準一)
- 魔界に関する研究をしている博士でテレビにも出演する有名人。悪魔たちに襲撃され、魔界へ連れ去られてしまう。
- リメイク版では牧師に変更されており、魔法学の研究者として魔界星の接近を警戒している。その一方で現実世界では天文学者で、冒頭などで美夜子と共に登場している。
- 大魔王デマオン (CV:若山弦蔵→銀河万丈)
- 魔界を統べる王。倒すには心臓に銀のダーツを打ち込むしかないが、心臓はある場所に隠しており本体は不死身。
- メジューサ (CV:上田敏也→久本雅美)
- デマオンの使い魔。ドラえもんとのび太をどこまでも追ってきた事からよくみんなのトラウマと呼ばれている。作中では倒された描写もないものの、ドラえもん達を時空間を通ってまで追いかけ、最終的に追い詰めたりと短い出番ながら印象の強いキャラ。なお、メ「ジ」ューサであってメ「デ」ューサではないので注意。
- リメイク版ではビジュアル(と声優)が明確に女性となっており、旧作と比較すると怖さは格段に減った。また、美夜子のペンダントと同じようなものを首にかけている。旧作のようにドラえもん達を追いかけた挙句石化するだけでなく、美夜子の姿に変身して一行を欺き氷漬けにして、悪魔たちの生態や弱点を記した「魔界歴程」を奪うなど、出番が増えている。
スタッフ
1984年版
- 原作・脚本/藤子・F・不二雄
- 監督・絵コンテ/芝山努
- 作画監督/富永貞義
- レイアウト/本多敏行
- 美術監督/本多敏行
- 撮影監督/高橋明彦
- 音楽/菊池俊輔
- 録音監督/浦上靖夫
- アニメーション制作/シンエイ動画
2007年版
- 原作/藤子・F・不二雄
- 総監督/楠葉宏三
- 監督・絵コンテ/寺本幸代
- 脚本/真保裕一
- 演出/腰繁男
- 作画監督/金子志津枝
- 美術監督/土橋誠
- 撮影監督/熊谷正弘
- 音楽/沢田完
- 録音監督/田中章喜
- アニメーション制作協力/ベガエンタテインメント
- アニメーション制作/シンエイ動画
関連動画
関連項目
- 2
- 0pt

